分析1(7月12日 16:20-17:20 司会:神谷晃)


40  REMEDi-HSRを用いた血中および尿中リドカイン濃度のモニタリング―3臨床例の検討―          
					金沢大学医学部法医学教室 大辻雅彦

リドカイン(Li)が投与された3臨床例について,REMEDiを用い血清及び尿
検体中のLi及び代謝物濃度をモニタリンクキ(Mo)したので報告する.症例は急
性心筋梗塞後の不整脈予防の目的で,塩酸Liが持続点浦静注された男性患者3例で
ある.症例1は60mg/hrを持続投与した.症例2は40mg/hr投与より開
始し,第3病日に未投与まで漸i滅し4病日より50mg/hrとした.症例3は8
0mg/hrより開始し,第10病日より60mg/hrとし12病日よりl00m
g/hrに増量,14病日までに30mg/hrに漸減した.ICU入室後第Iから
15病日にかけてMoした.Li血清申濃度は各症例2.l‐3.2,I.8−3.5,
l,9−4二5存glmlと全て治療域(I.5−5.01μg/m1)を示し、尿申
で各々5.4‐ll4,28.1−75)3,6.81μg/m1であった.さらに代
謝物MEGXは,血清申で各々0.27一0.50,0.12−0.26,0.9一l.7
μg/ml,尿中で5.2−49.8,6.4−9.2,7.21μg/mIと同時分析
が可能であった.REMEDiの薬物Moにおける有用性が示された.


41  REMEDiHSを用いた定量に影響を及ぽす要因の検討                         昭和大学病院薬剤部 小澤和雄 我々は、薬物固定システムREMEDiHSによる分析において同定およぴ定量に影 響する因子について一連の検討を進めている。そこで本研究では種々の薬物の分析に 及ぽす前処理フィルターおよび試料組成の影響について検討した。アルブミン濃度に ついてはジアゼパムを用い、pHについてはアモバルピタールを用いて検討した。前 回、本学会で報告したベンゾジアゼピン系薬物と同様にフェニトイン、アモキサピン 、lクロルプロマジン、プロメタジンも、REMEDi専用フィルターを使用すると ピーク高さの滅少が認められた。分析に影響の少ない薬物もあったが、中毒等で薬物 が不明な場合は低吸着性のフィルターを使用する方が好ましいと考えられた。ジアゼ パムのピーク高さは、アルブミン濃度の上昇にともなって滅少した。また、lアモバ ルビタールのピーク高さは、PHの上昇により滅少傾向があったことから、尿などの pH変動の大きい試料については、ll一定のPHに調整することが重要と思われる。


42  REMEDi-HSによる薬物分析が有効であった急性中毒の3例                       昭和大学医学部救急医学科 弘重壽一 REMEDi‐HSは、全自動HPLCによる薬物同定システムであり、操作が簡便 であるうえ中毒物質の定性、定量分析を迅速に行い得る。臨床上、同システムが有用 であった3症例について報告する。症例1:46歳、女性。複数の不明な薬晶を内服 し意識障害のため来院。REMEDi‐HSによりエスタゾラム中毒と診断。さらに 同システムにより、三環系抗うつ薬の合併中毒が否定され、その後増悪した意識障害 に対しフルマゼニルを使用しえた。症例2:61歳、男性。原因不明の意識障害で来院 。緊急頭部CTは異常なし。外国製の教種類の薬剤を頓用していたという病歴より薬 物中毒も疑い、同システムを用いて受診l時間後にはジフェンヒドラミンおよぴジア ゼパム申毒と診断した。症例3:22歳、女性。9.6G のアモバルビタールを内服。血 中濃度が中毒域にあることを確認しつつ血液灌流療法を繰り返し行い救命し得た。結 語:REMEDi‐HSによる薬毒物分析は迅速性に優れ、臨床例の診断および治療 方針の決定の補助として有用である。


43  TriageRおよびREMIDi-HSRによる薬物スクリーニングの検討                        日本医科大学中央検査部 柴田泰史 [目的・対象]今回我々は、ThageおよびREMEU‐HSの有用性について検 討した。対象は1995年H月から1996年2月までに当救命救急センターに入院 した218例(男性151例、女性67例、年齢50.6土19.9歳)であり、入 院時にTriageおよびREMEDi一HSにて尿申薬物スクリー二ングを行った 。[結果]Triageは51例(23.49。)に何らかの薬物が検出され、その 内訳はbenz。diazepines32例、barbiturates15例、 opiatesll例、tricychcantidepress祖ts4例などで あった。また、Triageでopiatesが検出された11例をREMEDi‐ HSで分析した結果、119例でd由hydrocode止neおよびその代謝物が 検出された。[考察]Triageは薬物群としてしか判定出来ないが簡便かっ迅速 に薬物を分析することが可能である。一方REMEDi‐HSは約500種類以上の 薬物が分析可能であり、それぞれの特性を生かしたスクリーニングが可能であると思 われた。


44 急性中毒における血中ベンゾジアゼピン系薬物の定量分析第二報  日本医科大学多摩永山病院薬剤科 平田清貴 (目的)第17回中毒総会において、ベンゾジアゼピン系薬物の急性薬物中毒時には 、蛍光偏光抗体法(PPIA法)による分析法が有用であることを報告した。今回我 々はさらに臨床上の有用性について検討を加え、新たな知見を得たので報告する。( 対象、方法および結果):1)Abbott’s TDx分析装置と血清中ベンゾジ アゼピン測定試薬を用い、我が国で汎用されているベンゾジアゼピン系薬物の血清中 濃度を蛍光偏光免疫法で測定し、これをもとにノモグラムを作成し、定量法を確立し た。2)急性薬物中毒患者の入室時および、ICUにおいて鎮静剤として用いている ベンゾジアゼピン系薬物の血中濃度測定にも活用した。(考察および結語)1)治療 域程度の低濃度での定量には問題を残すものの、重篤な意識障害を呈するような高濃 度域では有用性が認められた。2)急性ベンゾジアゼピン系薬物中毒時において、迅 速な走量分析は薬物動態の解析に有用であった。


45  固相マイクロ抽出法による血液中からのマラチオンの検出と中毒死例                         広島大学医学部法医学 奈女良昭 マラチオン中毒死を契機に、血液中からのマラチオンの抽出、定量法について検討を 行い、l固相マイクロ抽出(SPME)によるガスクロマトグラフー質量分析計を用 いた選択イオン検出法(EISIM)により良い結果が得られた。血液試料0.2g に0.1N硫酸2.0ml、硫酸アンモニウム0.2gを加え、190℃で15分問 加温後、SPMEのファイバーを気相に5分間露出させた。その後GCの注入日に挿 入して分析を行った。フエニトロチオンを内部標準物質として検量線を作成したとこ ろ、マラチオン0.5へ〜10.0ズgの範囲で直線性が得られた。マラチオン申毒 で死亡したヒトの血液について、この方法で測定した結果、左心系血液で41伊g/ g、右心系血液で5.41伊g/gであった。このSPME/EI一SIM法により 、従来の抽出方法に劣らず、簡易でかつ迅速に、血液中からのマラチオンの抽出、定 量が可能となった。


第18回日本中毒学会総会・抄録集(目次)
第18回日本中毒学会総会・会告