コンピュ−タ通信の救急医療への応用

―救急医療メーリングリストの紹介―

(「近代消防」7月号 p.95, 1996)


 救急医療は多くの職種の人々が関係するチーム医療であり、よりよい救急医療体制を築くためには、各職種間が緊密に連絡をとり連携していくことが重要です。ところが、救急医療に関係する職種の多くは、勤務体制の複雑さや、多忙さといった特色を持つこともまた事実であり、学会や会合、書面といった従来からの方法では、異なる職種の交流は困難であります。また、交流の機会があっても、お互いの遠慮から、突っ込んだ議論ができないことも少なくありません。

 パソコン通信は、このような問題を一気に解決する手段であります。パソコン通信は、通信機能のあるパソコンやワープロさえあれば誰でも参加できる上に、情報を全国のどこにでも瞬時に送れるという即時性と、自分が好きな時に情報を送り、受けることができるという柔軟性を合わせ持っています。このため、異なる地域に住み、異なる職種に就いている者同士が、自由に意見を交換することができます。

 このようなパソコン通信を用いた意見交換は、従来から同一の通信ネット内でなら可能でしたが、最近は通信ネットを統合するシステムであるインターネットを用いて、異なるネットの参加者とも自由に交流することができるようになりました。

 特にインターネットのメーリングリスト(以下ML)は、あらかじめ登録されたメンバーの全員に電子メールが同時に配信されるシステムであり、あるグループの中での情報交換や論議などを、極めて円滑に行うことができます。MLは、インターネットを通じて電子メールをやりとりできる通信ネットワーク(現在ではニフティサーブ、PC-バンなどの大手ネットはすべて対応しています)に加入していれば、誰でも参加できます。

 私たちの救急医療MLは、当初商用ネットワークであるニフティサーブの中で、ホームパーティ「救急の部屋」としてスタートしました。1996年2月からはインターネットに接続し、全国の救急医療に携わる医師、看護婦、救急隊員、検査技師、医学生など多数の職種のメンバーの間で、救急医療に関する活発な議論が交わされています。このような交流の形態は過去には考えられなかったことであり、今後大きな可能性を秘めていると思われます。

 救急医療MLにはすでに救急隊員の方々に沢山入会していただいていますが、さらに多くのご参加をいただきたく、紹介申し上げる次第です。なお入会方法につきましては下記まで連絡をお願いします。

〒206多摩市永山1-7-1
日本医科大学多摩永山病院救命救急センター
  冨岡譲二
TEL 0423-71-2111(内線248)
FAX 0423-72-7375
電子メール(niftyserve)PBB01055

〒791-02 愛媛県温泉郡重信町志津川
愛媛大学医学部救急医学教室
  越智 元郎
TEL 089-960-5722(直通)
FAX 089-960-5398
電子メール gochi@hypnos.m.ehime-u.ac.jp


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