(情報開発研究所、東京、1985)
Jay P. Sanford, M. D.
民間災害には次のようなものがあげられる。航空機墜落、雪崩、ビルやダムの崩壊、地震、伝染病、爆発、火災、洪水、高速道路上の事故、ハリケーン、鉱山事故、竜巻、津波、火山爆発などである。これらの事故のなかでも、高速道路、鉄道、船舶事故などは、中毒性化学物質(たとえばタンク車や運搬船事故による塩素ガスの放出)による汚染というような特殊な問題をもっている。すべての場合でそうなるとは限らないが、少なくとも上記の半分以上の場合には、その事故が起きた地域の人々を災害に巻き込む。
以上列記した事項はすべて自明のことであるが、このように明記しておけば読者にとって助けになると思う。たとえばハリケーン襲来時に、あらかじめ人口密集地域から人々を避難させることはすでに基本的な処置である。二次災害の防止は、たとえば野次馬の制御などもこれに該当する。1947年、ドックを見にきた物好きな見物客が事故にあった。561人もの死亡者がでたが、その大多数を見物客が占めていた。Worcesterでも同じことがいえる。竜巻通過後、数分後に家屋が崩壊して燃えやすい材木の山となって、少なくとも6か所から出火していたが、現場に到着した消防士は、犠牲者の応急手当てはあとにして、まず火事を消し止めた。この行為によって大火災を予防し、竜巻そのものによるよりも、より多くの人々を火災の犠牲者になることから救ったと思われる。
I、災害医療の組織化
1. 市民社会における災害と防災計画
A、定義
B、災害の規模
C、災害の種類
D、災害に対する典型的な対応
E、災害処理の原則
2)傷害者数を最小にする
3)二次災害の予防
4)救出
5)応急手当て
6)傷害者の搬出
7)確定治療
8)災害の復旧F、防災計画の基本的分野