「非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用のあり方検討会報告書」 を踏まえた消防機関の対応について

救急医療メーリングリストより(2004年 7月)

文責:県立新居浜病院麻酔科 越智元郎
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消防救第161号
平成16年7月1日

各都道府県消防防災主管部長 殿

消防庁救急救助課長

「非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用のあり方検討会報告書」 を踏まえた消防機関の対応について

 「非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用のあり方検討会報告書」 (以下「報告書」という。)については,厚生労働省より別添のとおり各都道府県 知事あて通知されたところです。

 消防機関は,業務の内容や活動領域の性格から一定の頻度で心停止者に対し応急 の対応をすることが期待・想定される消防職員が業務に従事していること,また, 地域において住民による応急手当を普及する代表的機関としての役割を期待されて いるものであることから,下記事項に留意されるとともに,貴都道府県内市町村 (消防の事務を処理する一部事務組合を含む。)に対しても周知願います。

  1. 業務の内容や活動領域の性格から一定の頻度で心停止者に対し応急の対応を することが期待・想定される非医療従事者(医療資格を持たない消防職員等) が,心肺機能停止傷病者に対してAEDを用いても,次の4つの条件を満たす場合 には,医師法(昭和23年法律第201号)第17条違反とならないものとするとの 見解が出されたこと。

  2. 上記1.の「必要な講習」については,報告書において,3時間程度の講習案が示されたところであるが,(財)日本救急医療財団に設置されている「心肺蘇生法委員会」において,具体的な講習の細目等を現在検討中であること。

     このため,消防庁では,「応急手当普及啓発推進検討会」において,「心肺蘇生法委員会」での検討状況を反映する形で,消防職員,一般市民向け等の講習のあり方等について鋭意検討を進めているところであり,今年中の出来るだけ早い時期に具体的な各種講習カリキュラム等を示す予定であること。また,これに併せて,関係する要綱,通知等も改正する予定であること。

     なお,応急手当講習における講師については,「心肺蘇生法委員会」や「応急手当普及啓発推進検討会」で示される各種講習カリキュラムの普及が図られるまでの間は,関連する基本的心肺蘇生措置及びAEDの使用に関し十分な知識・経験を有する有資格者とするものであることに留意されたい。

  3. 消防機関においては,「応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱」(平成5年3月30日付け消防救第41号)の基づき,住民に対する応急手当の普及啓発活動を実施しているところであり,消防機関による応急手当講習も年々普及し,平成14年には受講者が年間100万人を超えたところであるが,今後,「応急手当普及啓発推進検討会」で示される各種講習カリキュラムを参考にし,AEDの使用も含めた応急手当の普及啓発活動を積極的に推進されたいこと。

     また,地域や学校における各種行事,公共施設・集客施設等の業務活動において,AEDの使用を含めた応急手当の普及が促進されるよう,関係機関,関係団体と連携し,様々な機会を捉えて普及啓発に努めること。

  4. 非医療従事者がAEDを使用した場合の効果については,「メディカルコントロール体制の充実強化について」(平成15年3月26日付け消防庁救急救助課長,厚生労働省医政局指導課長通知)により,事後検証の仕組みの中で,的確に把握し,検証するよう努めること。


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