広島県のメディカルコントロール体制の構築について


資料集


資料3 メディカルコントロール検証医師及びメディカルコントロール 指示医師の選任基準(案)

1 メディカルコントロール検証医師の選任

(1) 選任基準

○ メディカルコントロール中核医療機関に所属し救急部門を担当している。

○ 救急医療全般についてある程度の専門性を有する。(例:日本救急医学会認定医等)

○ 救急救命士の病院実習,オンライン指示,症例検討に実績がある。

○ 消防機関等において救急車又は消防・防災ヘリ同乗出場を10回以上経験している。
 (同乗出場を行った消防本部消防長が証明)

○ 厚生労働省又は県が実施する検証医師講習会を受講している。

(2) 選任方法

 メディカルコントロール協議会長が,選任基準に該当する医師の中から,圏域の地域保 健対策協議会と協議した上で選任する。

2 メディカルコントロール指示医師の選任

(1) 選任基準

○ 原則,二次または三次救急医療施設に所属し救急診療に従事している医師とする。

○ 県が実施する指示医師講習会を受講している。

(2) 選任方法

 メディカルコントロール協議会長が,圏域内の選任基準に該当する医師を全て選任する。

3 県が実施する検証医師,指示医師講習会

 広島県内においてメディカルコントロールを担当する医師を早急に充足する必要がある ことから,厚生労働省が実施する講習会を補完するために,同様の講習会を県独自に実施す る必要がある。この講習会においては以下の事項を履修するものとする。

○ わが国および広島県の救急医療体制

○ 消防組織と救急業務

○ 救急救命士の業務,専門性,関連法規

○ 救急救命士等の病院実習のありかた

○ 救急救命士等への指示,指導,助言のありかた

○ 救急活動記録の医学的検証のありかた

○ 心肺蘇生法国際指針(ACLS)

○ 外傷現場活動指針(PTEC)

○ 集団災害における医療救護のありかた

注)ACLS(advanced cardio vascular life support)

 米国心臓協会(AHA)および国際蘇生法委員会(ILCOR)が策定し世界的に普及して いる「心肺蘇生法」の国際指針である。わが国の関連学会,関連組織で組織する日本 蘇生法委員会(JRC)が認証している。

注)PTEC(prehospital trauma evaluation and care)

 救急救命士等が外傷現場で実施する観察・処置に関し,わが国には確固たる指針が 存在してこなかった。そのため,米国の外傷研修プログラム(BTLS)をわが国に普及 させる活動と,BTLS をわが国に適合するよう修正改変したプログラム(PTCJ)を作成 し普及させる活動が並存してきた。現在,日本救急医学会プレホスピタル検討委員会 において,これらの活動を一本化し,公的認証を得るための作業がすすめられている。 この統合された研修プログラムはPTEC と呼称される予定である。


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