広島県のメディカルコントロール体制の構築について


資料集


資料1

メディカルコントロール体制の概念図

〜 医師と救急救命士の顔の見える関係を構築し,一人でも多くの助かる命を救うために〜

【県単位協議会】 MC 統括医師 MC統括医師の選任 【メディカルコントロール協議会】 <地区医師会> 選任 選任 定期的送付 搬送 (補完) 特定行為の指示 搬送 特定行為の指示 MC 指示医師 二次医療機関 その他の医療機関 MC検証医師 MC指示医師 <協定/覚書締結> @ 特定行為の指示 A 事後検証 B 再教育 <消防本部> <協定/覚書締結> 特定行為の指示 搬送 17 @ 指示体制 ・MC指示医師の選任 基準の作成 <MC中核医療機関> A 検証体制 ・MC検証医師の選任基準の作成 ・検証票(標準)の作成 ・プロトコル(標準)の作成 提示提示 B 再教育体制 ・救急救命士の再教育用カ リキュラム(標準)の作 成 提示提示 検証票及びプロトコルの 決定 再教育カリキュラム の決定 @ 病院実習カリ 検証作業 ⇒ 判定結果 キュラム A 消防本部研修 カリキュラム 提示提示 検証票等 その他の 傷病者 CPA患者メディカルコントロール体制に係る役割一覧 間接メディカルコントロール直接メディカルコントロール メディカルコントロール全般 再教育体制検証体制指示体制 ○ 救急救命士再教育用カリキュラ○ メディカルコントロール指示医○ メディカルコントロール検証医師の○ メディカルコントロール圏の設定 ム(標準)の作成選任基準の作成師の選任基準の作成○ メディカルコントロール統括医師の選任 県単位協議会・消防本部内研修用○ 救急救命士指導者の選任基準の作成 ・病院実習用○ 検証票(標準)の作成(事務局:県) ○ 検証する症例の範囲を決定 ○ プロトコル(標準)の作成 ○ 救急救命士再教育用カリキュラ○ メディカルコントロール指示医○ メディカルコントロール検証医師の○ メディカルコントロール中核医療機関の 18 ムの策定選任(圏域地対協と協議) 師の選任選定(圏域地対協と協議) メディカルコントロール協 ○ 救急救命士指導者の選任議会 ○ 検証票の策定(事務局:消防本部) ○ プロトコルの策定 ○ 病院実習の受入れ○ メディカルコントロール検証医師,及び 核医療機関 メディカルコントロール中指示医師の活動支援 者の補完的な受入れ ○ メディカルコントロール圏の救急搬送患 ○ 病院実習の受入れ○ 全県の救急搬送患者の補完的な受入れ○ 補完的な特定行為の指示三次救急医療機関 メディカルコントロー○ メディカルコントロール推進方針の提 示・調整ル統括医師 ○ 救急救命士の病院実習指導○ 補完的な特定行為の指示○ 検証票に基づく検証医メディカルコントロー ○ 検証結果の指示医師,消防機関へのル検証医師 フィードバック師 ○ 救急救命士の病院実習指導○ 特定行為の指示 メディカルコントロー ○ 救急隊員が行なう応急処置全般 ル指示医師 への指導・助言 ○ 救急自動車,消防・防災ヘリコプ○ 関係機関(医師会・消防本部)との調整 ターによる医師同乗実習実施計○ 県単位協議会の運営 画の調整○ メディカルコントロールを担当する医師 広島県 の計画的養成(研修,研修受講援助等) ○ 救急救命士指導者への研修実施・研修受 講援助 ○ 計画的な研修体制の整備○ 医療機関と協定・覚書の締結○ 救急活動全般に対する事後検証○ メディカルコントロール協議会の運営 消防本部(局) ○ 医療機関と協定・覚書の締結○ 医療機関と協定・覚書の締結○ 救急救命士・救急隊員の計画的養成 メディカルコントロール検証医師及びメディカルコントロール 指示医師の選任基準(案) 1 メディカルコントロール検証医師の選任 (1) 選任基準 ○ メディカルコントロール中核医療機関に所属し救急部門を担当している。 ○ 救急医療全般についてある程度の専門性を有する。(例:日本救急医学会認定医等) ○ 救急救命士の病院実習,オンライン指示,症例検討に実績がある。 ○ 消防機関等において救急車又は消防・防災ヘリ同乗出場を10回以上経験している。 (同乗出場を行った消防本部消防長が証明) ○ 厚生労働省又は県が実施する検証医師講習会を受講している。 (2) 選任方法 メディカルコントロール協議会長が,選任基準に該当する医師の中から,圏域の地域保 健対策協議会と協議した上で選任する。 2 メディカルコントロール指示医師の選任 (1) 選任基準 ○ 原則,二次または三次救急医療施設に所属し救急診療に従事している医師とする。 ○ 県が実施する指示医師講習会を受講している。 (2) 選任方法 メディカルコントロール協議会長が,圏域内の選任基準に該当する医師を全て選任する。 3 県が実施する検証医師,指示医師講習会 広島県内においてメディカルコントロールを担当する医師を早急に充足する必要がある ことから,厚生労働省が実施する講習会を補完するために,同様の講習会を県独自に実施す る必要がある。この講習会においては以下の事項を履修するものとする。 ○ わが国および広島県の救急医療体制 ○ 消防組織と救急業務 ○ 救急救命士の業務,専門性,関連法規 ○ 救急救命士等の病院実習のありかた ○ 救急救命士等への指示,指導,助言のありかた ○ 救急活動記録の医学的検証のありかた ○ 心肺蘇生法国際指針(ACLS) ○ 外傷現場活動指針(PTEC) ○ 集団災害における医療救護のありかた 19 注)ACLS(advanced cardio vascular life support) 米国心臓協会(AHA)および国際蘇生法委員会(ILCOR)が策定し世界的に普及して いる「心肺蘇生法」の国際指針である。わが国の関連学会,関連組織で組織する日本 蘇生法委員会(JRC)が認証している。 注)PTEC(prehospital trauma evaluation and care) 救急救命士等が外傷現場で実施する観察・処置に関し,わが国には確固たる指針が 存在してこなかった。そのため,米国の外傷研修プログラム(BTLS)をわが国に普及 させる活動と,BTLS をわが国に適合するよう修正改変したプログラム(PTCJ)を作成 し普及させる活動が並存してきた。現在,日本救急医学会プレホスピタル検討委員会 において,これらの活動を一本化し,公的認証を得るための作業がすすめられている。 この統合された研修プログラムはPTEC と呼称される予定である。 20 心肺停止症例記録票兼検証票(標準)(案) _________________救急隊200___年______月______日 災害番号____________ 年齢________ 性別______ CPA 疑い情報(□あり,□なし) 除細動器搬出(□はい,□いいえ) (救急救命士,U,標準,T)氏名______________________________ 受入れ病院__________________________________ 覚知時刻(______時______分) 現着時刻(______時______分) 患者のそばに到達した時刻(______時______分) 心停止の場所(□家,□介護型老人ホーム,□医療型老人ホーム,□路上,□公共の場所,□職場,□救急車内,□病院内,□その他受入れ医師__________________________________ 前駆症状(□あり,□なし,□不明) 浴槽内(□はい,□いいえ) ( ) ( ) あり ______時______分 目撃時刻目撃者スタート理由(例;死体反応など) バイスタンダーによるCPR _____時_____分 CPR 開始なし気道確保(□適切,□不適切,□施行なし) あり現着後CPA □不搬送,□搬送発見時刻人工呼吸(□適切,□不適切,□施行なし) 症例は,こちら バイスタンダー ______時______分心マッサージ(□適切,□不適切,□施行なし) CPR 救急隊による理由(例;救出中など) なし観察・判断 蘇生非施行 状況説明欄不可CPA である □呼吸のみ停止 CPA でない 心電図装着可ただちに □心肺停止その他 CPR 開始時分 ( ) 21 いいえはいバイスタンダーによる蘇生例CPA 時刻現着後□現着後,救急車搬入前 CPA □救急車搬入後または誤認例QRS 幅______時______分PEA 心静止VF/無脈性VT □ 広い □ 狭い 傷病名に関する情報転帰に関するその他の情報 □外傷,□縊頚,□溺水,□窒息DC(□はい,□いいえ) 施行場所__________________ 器具を用いた気道確保 □その他( ) “いいえ”の場合,その理由 (はい,試みるも中止,いいえ) ( ) 時刻@______時______分______J, C______時______分______J, A______時______分______J, D______時______分______J, B______時______分______J, E______時______分______J, 気道などに関する自由記入欄心拍再開後 心肺停止状態(試みるも中止・いいえの理由等) 病着病着時刻______時______分 いいえ頚動脈触知自動心マ器使用 はい消失□ はい□いいえ 病着時刻 時刻持続意識レベル______ , 血圧______時______ 頚動脈触知 ______時______分______/______mmHg 蘇生を□ LM,□コンビ,□ EGTA,□ 他 入院24 時間後試みずサイズ______,施行場所____________ 自由記入欄(□はい,□いい(□生存,□死亡) 時刻______時______分 調律再開(□はい,□いいえ) 心電図静脈路(はい,試みるも中止,いいえ) 心電図所見の経過;自由記入欄 □VF □VT □心静止自己循環再開 □PEA □その他ゲージ______,施行場所____________ (□あり,□なし) 時刻時分 現場発時刻______時______分病着時年齢性別発生年月日200 / / 検証番号 救 類(□CPA □外傷□その他) CPA の場合⇒ 蘇生(□施行,□非施行) 心停止の原因(□心原性,□非心原性) 目撃(□あり,□なし,□救急隊) 初期心電図(□VF,□心静止,□PEA,□その他) 急隊名記入救急隊員名資格(□救急救命士,□標準,□U,□T) 検証医師コメント 分 隊員へのフィードバック(□要,□不要) 症例検討(□必須,□推薦,□不要) 検証医サイン 22 処置 状況評価事故状況 L&G適応 初期評価意識 用手頭部固定 気道 呼吸 動脈拍動 L&G適応 身体観察頭部 瞳孔 上顎 下顎 前頸部 項部 胸部 腹部 骨盤 大腿(右) 大腿(左) L&G適応 固定知覚異常 背部 外傷症例記録票兼検証票(標準)(案) 観察・評価 ○車外へ放出  ○同乗者死亡  ○救出20分以上 ○車両の横転  ○車両大破  ○運転者とバイクが離れている ○およそ30Km/h以上のバイク事故 ○車にはねられた  ○車に轢かれた ○墜落(5m以上) ○頭部 ○頸部 ○胸部 ○腹部 ○大腿 ○上腕穿通外傷 その他の機転○重量物の下敷き ○狭圧 ○生き埋め  ○殴る,蹴る ○その他(        ) ○機転不明 □あり □なし □正常 □1桁 □2桁 □3桁 □正常 □狭窄 □閉塞 □正常 □浅い □速い □遅い □なし □中間位固定 □現状固定 □実施せず ○酸素(    l/分)  ○口腔内吸引 エアウエイ(□用手確保 □経口 □経鼻 □せず) 補助・人工呼吸(□実施 □せず) 特定行為( □LM □CT □EGTA □せず) 心臓マッサージ(□実施 □せず) □橈骨動脈 □頸動脈 □上腕(幼児) □正常 □弱い □速い □遅い □CPA □正常 □湿潤 □冷皮膚 活動性外出血□なし □あり(部位            ) 出血部の着衣裁断(□実施 □せず) 止血(□直接圧迫 □その他(      ) □せず) □なし □あり ○頭蓋陥没 ○脳漿露見○異常なし   ○正常 ○左右差 ○散大 ○偏視・眼振 ○その他(     ) ○見ず ○変形 ○腫脹 ○動揺 ○圧痛 ○異常なし ○変形 ○腫脹 ○動揺 ○圧痛 ○異常なし  ○気管偏移 ○頸静脈怒張 ○気管喉頭開放 ○大出血 ○握雪感   ○異常なし ○圧痛  ○損傷  ○異常なし ○開放創圧迫  ○開放創出血吸引 ○大出血圧迫 着衣裁断胸腹部露出(□実施 □せず) ネックカラー装着(□実施 □せず) 3辺テーピング(□実施 □せず) 半周固定法(□実施 □せず) ○異常なし ○異常なし ○異常なし ○開放性気胸          ○異常なし ○フレイルチェスト ○圧痛 ○動揺性 ○異音 ○呼吸音減弱(□右 □左) ○穿通異物(何?        ,部位       ) 固定(□実施 □せず) ○内蔵脱出            ○異常なし被覆(□実施 □せず) ○穿通異物(何?        ,部位       ) 固定(□実施 □せず) ○膨隆 ○圧痛 ○筋性防御 ○変形 ○腫脹 ○圧痛 ○動揺性 ○異音 ○変形 ○腫脹 ○圧痛 ○動揺性 ○異音 ○変形 ○腫脹 ○圧痛 ○動揺性 ○異音 □なし □あり (○なし ○右手 ○左手 ○右足 ○左足) 随意運動低下(○なし ○右手 ○左手 ○右足 ○左足) ○脊柱圧痛 ○胸部動揺性 ○ログロール(□右下 □左下)  ○ログリフト ○バックボード ○スクープ  ○KED ○ショート ○固定具なし ○腰部バンド ○PASG 23 : : : : : 時:分 : 意識JCS 呼吸数 脈拍数 SPO2 血圧 観察・処置 動の概要 収容依頼@ 病院→A 病院→B 病院→C 病院 指令: 現着: 患者接触: 固定修了: 現発: 病着: 車内経過 活 転帰( 月日現在) ○退院○転院( 病・医院) ○一般病棟○ICU ○死亡( 月日) 最終診断名 治療概要 回答者病院科・部医師 ○要FB ○要症例検討 検証医サイン 性,年齢患者名患者住所 年月日 受入れ医師記入救急救命士名受入れ医療機関 救急隊名 科・部 24 救急業務の実施に必要な各種プロトコル(標準)(案) ※ 本プロトコルは,各圏域メディカルコントロール協議会においてプロトコルを作成する上 での標準として用いる目的で2003 年に作成したものです。 T CPA 1 傷病者接触まで (1) 119 通報の入電時刻を「覚知」,現場に停車した時刻を「現着」,患者に触れて観察を開 始した時刻を「患者のそばに到達した時刻」とする。 (2) 次の入電内容の場合は,CPA 状態または現着までにCPA に陥る可能性のある病態である ことを疑う。 「意識消失」「呼吸していない」「脈がない」「気道異物」「胸痛」「呼吸困難」その他 (3) 上記(2)が疑われた場合は,次の資器材を現場に搬入する。 @ 除細動器 A バッグ&マスクを含む救急セット B 酸素ボンベ C 吸引器 (3) 周囲の状況を観察し,二次災害の恐れがないことを確認する。 (4) バイスタンダーCPR の施行を,気道確保・人工呼吸・心臓マッサージに分けて,「適切」・ 「不適切」・「施行なし」の3 段階でチェックする(この作業のためにU以下の手順開始が 遅れてはならない。見落とした場合は事後の聴取でよい)。 2 心停止の確認から除細動パッド装着 (1) 「明らかに死亡している」症例の除外,第1 回 頚部離断・体幹部離断・腐敗など,一見して判断できる場合。 (2) 意識の確認 「大丈夫ですか?」との呼びかけ⇒ 強い刺激⇒ 意識なし⇒ (3)に進む (3) 用手気道確保 @ 頭部後屈・あご先挙上法,または下顎挙上法による。頚椎損傷が否定できない状況 においては,頚椎に注意を払いながら下顎挙上法を行う。 A 用手気道確保をおこなっても呼吸運動が感じられないとき⇒(5)に進む B 用手気道確保を試みても上気道閉塞兆候(シーソー呼吸)を認める場合,または家 族等の情報から異物による窒息が疑われる場合は,喉頭鏡を用いて喉頭展開を行い 口腔内から喉頭までを観察する。 C 異物を認めた場合は,マギール鉗子等を用いて異物の除去を試みる。 D 異物の除去が不可能であるか,または可視化に異物が認められないが窒息の疑いが 強い場合は,ハイムリック法(仰臥位の場合の方法)を行う。 E 異物が認められず,したがって窒息の疑いが少ないと判断した場合は,経口または 25 (4) 「明らかに死亡している」症例の判別,第2回 @ 目撃者がない(昏倒する瞬間を直接見たか聞いた人がいない)症例の場合は,用手 気道確保時に死後硬直,および寒冷環境下でないにも係わらない著しい体温低下の 有無に留意する。以上より明らかに死亡している可能性が高いと判断した場合は死 斑の有無を確認する。 A 「明らかに死亡している」と判断されるにも係わらず,家族等が医療機関への搬送 を希望する場合⇒6に進む (5) 呼吸の確認・人工呼吸 @ 気道を確保したまま耳を傷病者の口と鼻の近くに置き,5秒以上をかけて呼吸の有 無を確認する。 A 呼吸停止・呼吸が弱く不十分・反射性のあえぎ呼吸(死線期呼吸)の場合は,バッ グマスク換気を開始する。 B 換気は1回2秒以上かけて,2回行う。 C 換気を試みるも強い抵抗があって換気できない場合は,異物を疑い3(3)〜(6)と同 様の観察・処置を行う。 (6) 脈拍の確認・心臓マッサージ @ 頚動脈で脈拍を確認する。 A 脈拍を認めない場合は,心臓マッサージを開始する。 B 脈拍を認めるか否かの判定が微妙であり自信がもてない場合は,市民救助者に指導 するところの循環のサイン(呼吸・咳・体動)により,自己循環の有無を判断する。 (7) 除細動パッド装着 @ VF または無脈性VT⇒ 3に進む (15 年度以降に使用するとの前提で、除細動にオンライン指示は不要とする) ただし,年齢8 歳未満または概ね体重25kg 以下の小児の場合,または偶発性低体温 によるVF であることが疑われる場合は,次項(8)に進みon line 指示に従う。 A 心静止⇒ 次項(8),および4に進む B PEA ⇒ 次項(8),および5に進む それらの機器から少なくとも2.5cm 離して貼付けること。 (8) 特定行為の指示の取得(器具を用いた気道確保、静脈確保、3クール目以降の除細動) @ 圏域ごとに予め定める方法により,指示医師からの具体的な指示を取得する。(圏 経鼻エアウェイを挿入する。 (注) 永久ペースメーカーまたは植え込み型除細動器装着患者においては,パッドを 域MC 協議会において,「○△病院ホットライン」あるいは「携帯電話090-×××× -□□□□」などのような具体的なプロトコルを作成してください) A 搬送先医療機関についても指示を取得しておくことが望ましい。 (9) 自動心マッサージ器の使用について 車内収容後の心臓マッサージは,可能な限り自動心マッサージ器を用いて(30 秒以内 で装着)1人分の救急隊員の手を空けることを原則とするが,そのために除細動の実施 が遅れる状況下では,その限りではない。 (10) 病歴の聴取について 26 以下の項目を,他の作業を中断することなく他の隊員に聴取させる。ただし,そのた めに半自動式除細動器による除細動の実施が遅れたり,現場滞在時間が延長する状況下 ではその限りではなく,聴取は搬送中または病着後で十分である。 @ 目撃者(昏倒する瞬間を直接見たか聞いた人)の有無 A 目撃者がある場合は,昏倒から通報までの推定所要時間 B 前駆症状の有無 C その他の必要な情報 3 VF または無脈性VT (1) 除細動準備の間もCPR を継続する。 (2) 除細動は, 200J→200J→360J の順で行う。(二相性除細動器が導入された時点では, 「150J で3回行う」と改正して下さい) (3) 1クール3回の除細動は奏功しないかぎり連続して実施し,その間の心臓マッサージは 中断する。 (4) 除細動後の波形の確認 @ 1クール3回のいずれかの除細動で心電図上の波形を認めた場合⇒ (5)に進む A 1クール3回のいずれかの除細動で心静止となった場合⇒4の(2)に進む B 1クール3回を終了の後,依然としてVF または無脈性VT の場合⇒ (8)に進む (5) 1クール3回のいずれかの除細動で心電図上の波形を認めた場合⇒ 脈拍の確認 @ 頚動脈触知あり(自己循環再開) ⇒(6)に進む A 頚動脈触知なし(PEA) ⇒ 5の(2)に進む (6) 自己循環再開後 @ 呼吸の確認;呼吸がないか不十分であればバッグマスク換気を継続する。 A バッグマスク換気が良好に施行可能であり,かつ医療機関までの搬送所要時間が概 ね5分以内の場合は,そのまま搬送する。(「概ね5分」の部分は,地域性に応じて 作成して下さい。以下同様) B バッグマスク換気が良好に施行不可能であるか,または医療機関までの搬送所要時 間が概ね5分以上の場合は,on line 指示のもと,器具を用いた気道確保を行う。 C 器具を用いた気道確保を行った結果,気道の開通が不十分であり,バッグマスク法 の方がより良好な換気が可能であったと判断される場合は,器具を抜去し,バッグ マスク換気に切り替える(以下,器具を用いた気道確保を試みる場面において,す べて同様)。 D 2(8)Aの時点で搬送医療機関が決定していない(したがって搬送所要時間が推定 できない)場合は,1名が搬送医療機関決定のための連絡を行うのと並行して,他 の1名が器具を用いた気道確保を行う。 (7) 搬送中に再び心停止に陥った場合 @ VF または無脈性VT の場合 (a) 医療機関までの搬送所要時間が概ね3分以内の場合は,心臓マッサージを再開し, そのまま搬送する。 (b) 医療機関までの搬送所要時間が概ね3分以上の場合は,停車し3の(2)に戻る。 27 A 心静止またはPEA の場合 (8) 1クール3回の除細動施行の後,依然としてVF または無脈性VT の場合 @ さらに1分間の心肺蘇生法を施行した後,もう一度1クール3回の除細動を試みる。 A その結果,心電図上の波形を認めた場合は(5),心静止となった場合は4(2)に進む。 B 2クールの除細動施行の後,依然としてVF または無脈性VT の場合; T バッグマスク換気が著しく困難な場合を除き,そのままCPR を施行しつつ搬送 する。 U バッグマスク換気が著しく困難な場合は,器具を用いた気道確保を行う。 V 2(8)Aの時点で搬送医療機関が決定していない場合は,1名が搬送医療機関 決定のための連絡を行うのと並行して,他の1名が器具を用いた気道確保を行 う。 (注) 埋め込み型ペースメーカー装着患者の場合 半自動除細動器の取扱説明書の中には,ペースメーカー植え込み患者に対する除細動を禁 忌事項の欄に記載しているものがあるが,これは誤りである。VF に対しては除細動の施行 が必須である。ただし,永久ペースメーカーまたは植え込み型除細動器の機能が除細動に よって損なわれることがあるので,病院到着時に必ず医師に申し送る。 4 心静止 (1) 指示取得の作業中も,心臓マッサージを継続する。 (2) 電極および機器の接続をチェックする(接続がはずれているために心静止に見えるので はないことを確認する)。 (3) 状況に応じて器具を用いた気道確保を行う。 (4) CPR を施行しながら搬送する。 心臓マッサージを再開し,人工呼吸を継続しつつそのまま搬送する。 5 PEA (1) 指示取得の作業中も,心臓マッサージを継続する。 (2) 状況に応じて器具を用いた気道確保を行う。 (3) CPR を施行しながら搬送する。 (注) ガイドライン2000 では,PEA の可逆的な原因として10 の病態を挙げている。これらを 想定しつつ処置・搬送を行うことは重要である。ただし,現在のわが国の法制下では, 現場で救急隊員に許された方法で改善しうる病態は低酸素状態のみである。 6 家族等の反応 (1) 「明らかに死亡している」と判断されるにもかかわらず,家族等が蘇生術の施行および 医療機関への搬送を望む場合。⇒ 現場の状況や家族等の心情を考慮して,自治体の行政 サービスの一環として死亡者の搬送を否定するものではない。しかし,この場合は法的 に緊急自動車として取り扱うことは困難であるため,原則的にはサイレンの吹鳴・警光 灯の点灯はせず,一般車両として走行するのが適当である。 (2) 蘇生術の適応である(「明らかに死亡している」の判断基準のどの項目にも合致しない) 28 にもかかわらず,家族が蘇生術の施行を望まない場合 ⇒ プロトコル通りのCPR を実施する。 (3) 蘇生術の施行がふさわしくない背景があって(悪性腫瘍の末期など),家族が蘇生術の 施行を望まない場合 ⇒ プロトコル通りのCPR を開始する。並行して主治医と連絡を取るよう務め,主治医 から「CPR を行わない」旨の指示が取得されたならば,CPR を中止する。 7 病院到着後 (1) 病着後の最初のモニター心電図所見を自分の目で確認する。 (2) 心停止の原因は直ちには診断がつかないことも多いが,受傷機転から明らかである場合 (外傷・窒息・縊頚・溺水など)は,記録票兼検証票の傷病名に関する情報欄にチェッ クする。医師の説明から,診断に関する情報が得られた場合は,記録票の傷病名に関す る情報欄に記入する。 (3) 次の項目を把握し記録票兼検証票に記載する。不明の点は医師に確認する。 @ 病院到着の時点で,医師が対象外と判断して蘇生を試みなかったか否か A 心電図上の波形の出現の有無 B 自己循環再開(脈拍触知可能・血圧測定可能)の有無 C 自己循環が維持され,ICU 等に入院となったか否か (4) 家族等から,聞き漏らした情報を聴取・確認する。その際,もともとの病的状態や日常 生活上の制限があったか否かを確認する。 8 記録票の完成 (1) 時刻の項目は重要である。現場発時刻も現場活動時間を算出する上で重要であるから, 必ず記入する。 (2) 気道および心電図変化に関する自由記入欄は,事後検証において重要な情報となるので 鋭意記入する。 (3) 特に経過中に心電図所見の変化が認められた症例は極めて重要であるから,可能な限り 心電図波形のコピーも添付する。 (4) (3)のコピーの上に,その時刻に対応する観察・処置などを記入する(例;心臓マッサ ージ中断等)。 (5) 最後の自由記入欄は,医学的な事項はもとより,感想のようなものでもよいから,鋭意 記入する。また,処置・判断をプロトコルどおりに行わなかった場合は,その理由やコ メントを,この欄に記入する。欄のスペースが足りない場合は別紙に記載し添付する。 (6) 事後の医療機関への問い合わせを通じて,以下の項目に関する情報を可能な限り取得し て記入する。 @ 診断名;診断がついていない場合も,臨床経過から最も疑われる傷病名・死体検案 書に記入した診断名につき問い合わせる。 A 24 時間後の生死 B 1 ヵ月後の生死 C 長期生存例においては,脳後遺症および身体的後遺症の程度 29 U 外傷 外傷マニュアルを次のとおりとする。 大項目 状況評価 初期評価 身体観察 全身固定 車内収容後バイタルサイン 小項目 感染防御手袋,ガウン,マスク,ゴーグル 資機材準備呼吸管理セット,外傷セット,固定具 安全確保・二次災害防止応援要請? 高エネルギー事故かヘリ要請? 傷病者数は?集団災害? 患者への接近 頚椎保護開始、意識評価 気道評価 呼吸評価 循環評価 頭蓋骨折 瞳孔 頸部 項部 胸部 腹部 骨盤 大腿 下腿,上腕(さっと診る) 神経学的チェック ログロール 神経学的検査 全身観察 病歴聴取 観察の継続 おこなった処置の確認 保温 観察項目 JCS何桁 見て聞いて感じる 橈骨動脈拍動触知 皮膚の性状 活動性外出血 陥没,脳漿露見 サイズ,左右差 気管偏移,頸静脈怒張,握雪感 圧痛着衣裁断,胸腹部露出 頚椎カラー装着 呼吸運動の左右差,深さ,速さ酸素投与、換気補助 開放創(開放性気胸) 3辺テーピング法 胸郭動揺フレイルチェストの固定 圧痛,動揺性,異音,握雪感 穿通異物固定 腹壁損傷 腸・腸間膜脱出被覆(サランラップ) 穿通異物固定 腹壁膨隆 圧痛,緊張,筋性防御 変形,腫脹,圧痛,動揺性,異音バストバンド,MAST考慮 ログロールはしない 変形,腫脹,圧痛,動揺性,異音 下肢長の左右差 両手足の運動・知覚 背部観察 固定 血圧,脈拍数,呼吸数,SPO2 瞳孔径,対光反射,眼球運動異常意識障害があるとき 現場での全身観察よりも詳細に 事故原因,訴え,最終の食事,病歴,投薬歴,アレルギー 処置時,状態の変化,体位変換したときは「初期評価」「全身観察」を繰り返す なにもなくても5分毎に「初期評価」を繰り返す 酸素投与,圧迫止血,3辺テーピングなど 30 行為・処置 応援要請?集団災害プロトコル発動? L&G判断 原則として顔の正面から 呼びかけと同時に用手頭部固定 気道確保、酸素投与(リザーバーマスクで10L/分) 必要に応じ換気補助 触れなければ頚動脈→触れなければCPR・搬送開始 冷たく湿っていればショック 当該部位の着衣を裁断し、直接圧迫止血 L&G判断 意識1桁なら観察不要 L&G判断 骨盤動揺あればログリフト 骨盤動揺性チェックは再度はしない 時間があれば創傷の被覆、副子固定 救急救命士の再教育用カリキュラム(標準)(案) ※ 本カリキュラムは,各圏域メディカルコントロール協議会においてカリキュラムを作成する上での標準として用い る目的で2003 年に作成したものです。各圏域協議会においては,本カリキュラムを標準において,各圏域の地域 性を加味したカリキュラムを作成して,救急救命士の再教育を行ってください。 ※ そのカリキュラムは,プロトコルに基づいて行った救急活動の各圏域における事後検証を通じて,逐次改定される べきものです。 T.GIO(一般目標); 救急救命士が,すでに習得している知識や技術を再確認し,絶えず新しい知識・技術を習 得し,その結果として得られるところの実力を,救急救命処置の更なる向上に結びつけるよ う準備する。 U.SBOs(行動目標); 1. すべての実習の目的は,患者の利益のためであることを自覚する。 2. 心肺停止状態を正確に判断し,プロトコルに準拠した処置を行う。 3. その基本手技および場合分けされたアルゴリズムのすべてについて,蘇生実習用人形 を用いて正しくシミュレーションができる。 4. 外傷現場における緊急度・重症度の判断基準を知る。 5. 外傷現場での観察・処置について,模擬患者を用いてシミュレーションができる。 6. 病院到着後初療時の医療処置・医師による判断を見学し,それらの目的・根拠を学ぶ。 7. 手術・創部処置・胃洗浄・カテーテル・内視鏡などの緊急処置を見学し,傷病とその 治療方針への理解を深める。 8. 人工呼吸管理・輸液輸血管理・血液浄化法・補助循環・脳低温療法などを見学し,緊 急傷病の回復へ向かっての集中治療への理解を深める。 9. 心肺蘇生法の手段となる手技(喉頭展開・器具を用いた気道確保)について,医師の 指導の下に実習を行う。 10. 症例検討会を行い,医師の助言を受けつつ現場活動をふりかえる。 11. 救急車またはヘリコプターに医師が同乗する場合には,共に現場活動に携ることを通 じて,現場における初期治療について学ぶ。 12. 生死を分ける場面に真摯に直面し,共に喜び,共に悲しむ。 V.方略; 1.救急救命士のためのACLS コースおよび外傷初療コース (1)ACLS @ 蘇生実習用人形を用いて,CPA プロトコルに基づいた実習を行う。 A アルゴリズムのすべての場合についてのMega Code を,繰り返し実習する。 (注) この部分は県単位協議会もまた指導者と資機材を確保して,県単位での救急救命士のための 31 ACLS コースを企画すべきである。資機材としては,器具を用いた気道確保と半自動式除細動を 含めて実習できる機能を有する機種の人形が必要となる。 B 自動式心マッサージ器は,30 秒以内に装着できるよう訓練する。 C 指導は,原則としてMC検証医師,MC指示医師,および上級救急救命士が行う。 (2)外傷初療 @ 模擬患者を用いて,外傷プロトコルに基づいた実習を行う。 A PTCJ(→PTEC)などの系統的なトレーニング・プログラムに参加する。 2.病院内実習 (1)救急外来における初療を見学する。その際は,緊急度と重症度を頭に置き,限られた時間 の中での診断および治療の優先順位の決定に,特に注意を払う。 (2)見学した後には,救急救命士テキストなどを参照し,症例ごとに復習する。その際,最大 限の質問事項を挙げ,医師から教示を受けるよう努力する。 (3)医師の判断に従って,法的に可能な範囲での手技を医師の監督指導の下に行う。 (4)手術室において,予定手術患者を対象として,医師の監督指導の下に法的に可能な範囲で の手技を実習する。 (5)手技の習得および見学の細目の具体例を表1に示す。 3.症例検討会 (1)自ら経験した症例の中から,判断・処置に迷ったり,うまくいかなかったと考える症例を 選び,プレゼンテーションを準備する。 (2)他の隊員の発表に対して忌憚のない質問や意見を述べ,討議を行う。 (3)「振り返ってみれば当然のことが,情報の少ない現場ではわからないことがある」という 原則を,全員が理解しあった上で討議する。 (4)医師の医学的評価のコメントを受ける。(隊員が責任を感じていた事象が,医学的にはそ れほど重要でない場合もある。その逆の場合もある。) (5)医師や医療体制に対し,現場で活動するものにしかわからない要因については,十分に意 見を述べる。 4.医師同乗実習車およびヘリによる出動 救急車やヘリに医師が同乗する実習の機会を与えられた場合は,現場活動の時点からの重 症度と緊急度の評価,緊急処置,搬送中の診察処置,病着後の経過,ならびに現場から病院 内の処置治療の一貫性を学ぶ。 W.評価 1.OSCE (1) ACLS と外傷初療の実習の評価には,OSCE をその1つとして用いることが望ましい。 32 (2) 認定されたコースにおいては,OSCE はその内容に含まれる。 2.実習記録 (1) 病院実習においては実習記録を作成し,検証医・指示医のチェックを受ける。 (2) 手技や見学をした症例数のみならず,症例の経過の報告を盛り込むよう工夫する。 3.症例レポート 救急車やヘリに医師が同乗する実習の機会を与えられた場合は,現場活動から病院内まで の症例レポートを作成し,検証医・指示医のチェックを受ける。 (附)再教育カリキュラムのクレジットの算定 以下の規定に従って,クレジットを算定する。これを集計することにより,当該消防本部や圏 域協議会の活動度の評価の一助とする。点数の多少によって救急救命士個人を評価するのが目的 ではない。 (1) 病院内実習…… 実習時間1 時間⇒ 1 点 (2) 県単位協議会が認定する講習会などの受講⇒ 2 日コース20 点,終日コース10 点,半日コース5点 (3) 県単位協議会が認定する学会・研究会・シンポジウム等の聴講⇒ 2〜5点 (4) 県単位協議会が認定する学会・研究会・シンポジウム等における発表⇒ 5〜10 点 (5) 県単位協議会が認定する雑誌等への論文の投稿・採用⇒ 20 点 (6) 県単位協議会が認定する医師が同乗した救急車またはヘリによる出場⇒ 2 点 33 表1 病院内実習において推奨される細目 A. 医師の指導・監視のもとに実施 (1) バイタルサインの観察(血圧,脈拍,呼吸) (2) 身体所見の観察(視診,触診,聴診) (3) モニターの装着(心電図,パルスオキシメータ) (4) 酸素投与 (5) バッグ・バルブ・マスク人工呼吸 (6) エアウェイ挿入 (7) 喉頭鏡を用いた喉頭展開 (8) マギール鉗子を用いた異物除去(擬似) (9) 胸骨圧迫心臓マッサージ (10) 点滴ラインの準備 (11) ナーシング・ケア(体位変換,清拭) B.医師の介助の下に実施 (12) 器具を用いた気道確保(LMA,コンビチューブ,食道閉鎖式エアウェイ) (13) 気管内吸引 (14) 末梢静脈路確保 (15) 除細動 C.医師の指導・監督のもとに介助 (16) 気管挿管 (17) 輸液・輸血 (18) 創傷・骨折処置 (19) 胃チューブ挿入 D.見学 (20) 人工呼吸器の使用 (21) 気管切開 (22) 開胸心マッサージ (23) 緊急ペーシング,大動脈内バルーンパンピング(IABP),経皮的心肺補助装置(PCPS) (24) 胸腔ドレーン挿入 (25) 血液浄化法(血液透析,持続的血液濾過透析,血漿交換) (26) 中心静脈穿刺・スワンガンツカテーテル挿入 (27) 経腸栄養 (28) 尿道カテーテル挿入 (29) 胃洗浄 (30) 12 誘導心電図画像検査(単純X 線,CT,エコー,MRI) (31) 血液検査(動脈血ガス分析,末梢血,血糖値) (32) 緊急内視鏡検査・止血術 (33) 緊急血管造影・動脈塞栓術 34 二次保健医療圏と消防本部管内図 備北二次保健医療圏 1 国立大竹病院       11 中国労災病院      21 日本鋼管福山病院 2 厚生連廣島総合病院    12 呉共済病院       22 公立三次中央病院 3 安佐市民病院       13 国立療養所広島病院   23 庄原赤十字病院 4 広島市民病院       14 西条中央病院      24 西城病院 5 広島大学医学部附属病院  15 県立安芸津病院 6 広島赤十字・原爆病院   16 興生総合病院 7 県立広島病院       17 三原赤十字病院 8 厚生連吉田総合病院    18 厚生連尾道総合病院 9 加計町国民健康保険病院  19 尾道市民病院 10 国立病院呉医療センター  20 福山市民病院 高野町 比和町 西城町 24 口和町布野村 東城町 君田村 作木村 備北地区消防広域行政組合 庄原市 広島二次保健医療圏23 大朝町 三次市美土里町高宮町福山・府中二次保健医療圏 芸北町総領町三良坂三良坂町 神石町22 豊松村 高田地区消防組合 油木町山県東中部消防組合 吉舎町 甲奴町吉田町上下町千代田町戸河内町甲田町豊平町 8 三和町 三和町加計町尾三二次保健医療圏山県西部消防組合八千代町 9 向原町世羅西町 福山地区消防組合 広島中央二次保健医療圏筒賀村甲山町世羅町 広島市府中市新市町 豊栄町 吉和村 福富町 神辺町広島市3 湯来町大和町 御調町 久井町 4 賀茂広域行政組合 河内町東広島市20 21 尾道地区消防組合6 35 14 三原市尾道市5 13 広島市安芸区府中町福山市廿日市市7 三原市19 佐伯町府中町本郷町廿日市市17 海田地区消防組合18 竹原市 海田町2 竹原広域行政組合沼隈町16 大野町 向島町 熊野町 坂町安芸津町黒瀬町大野町 15 宮島町大竹市 内海町1 因島市呉市12 宮島町 江田島町大竹市安浦町 瀬戸田町沖美町 <凡例> 呉市 10 川尻町東野町 能美町11 大崎町    消防本部 広島西二次保健医療圏因島市瀬戸田町消防組合 豊浜町    三次救急医療機関音戸町木江町 大柿町 豊町     災害拠点(協力)病院江能広域事務組合 蒲刈町下蒲刈町 倉橋町    (地域)コーディネー     ター配置病院 呉二次保健医療圏 地区医師会と消防本部管内図 高野町 比和町 西城町 庄原地区医師会 口和町布野村 東城町 君田村 作木村 庄原市 備北地区消防広域行政組合 大朝町 三次市美土里町高宮町 芸北町総領町三良坂三良坂町 高田地区医師会 神石町 豊松村山県郡医師会三次地区医師会 油木町山県東中部消防組合高田地区消防組合 吉舎町 甲奴町吉田町上下町千代田町戸河内町甲田町豊平町 三和町 加計町三和町 山県西部消防組合福山市医師会八千代町 世羅西町向原町 世羅町甲山町 府中地区医師会筒賀村 世羅郡医師会 府中市新市町 安佐医師会深安地区医師会豊栄町 吉和村 福富町 賀茂郡東部医師会神辺町 湯来町 御調町 (駅家町) 久井町広島市 賀茂広域行政組合大和町 尾道市医師会河内町 36 福山地区消防組合 東広島地区医師会三原市尾道市広島市安芸区府中町福山市廿日市市広島市医師会三原市 佐伯町府中町尾道地区消防組合東広島市本郷町廿日市市(松永町) 海田地区消防組合 竹原市 佐伯地区医師会三原市医師会海田町 沼隈町 向島町竹原地区医師会大野町熊野町黒瀬町坂町 安芸津町大野町宮島町安芸地区医師会大竹市 内海町松永沼隈地区医師会因島市宮島町呉市江田島町大竹市呉市安浦町竹原広域行政組合瀬戸田町沖美町 因島市医師会川尻町東野町呉市医師会大竹市医師会 能美町 大崎町 因島市瀬戸田町消防組合豊浜町木江町音戸町 大柿町 豊町豊田郡医師会 江能広域事務組合 蒲刈町下蒲刈町 倉橋町 広島県救急医療体制図 高野 口和 三次地区 世羅西 大和 本郷 東野 竹原地区 凡例 比和 西城 庄原地区 庄原 総領 三良坂 吉舎 甲奴上下 世羅 甲山 御調・世羅地区 3次救急医療圏境界 2次救急医療圏境界 布野 作木 高宮 甲田 向原 福富 東広島地区 救命救急センター東城 豊松油木 府中地区 三和 新市 福山地区 (広大附属病院救急部を含む) 君田 =5 病院郡輪番制病院=1 救急医療サブセンター 休日夜間急患センター 小児救急医療支援事業実施病院神石 府中 尾道地区 大朝 豊平 東区 府中西区中区 海田南区 坂 江田島 呉地区 芸北三次美土里 =5 24 時間体制による施設 =1 千代田 安佐・山県・高田地区 八千代 安佐北区 広島地区 37 救急医療情報センター 吉田 三和戸河内 加計 筒賀豊栄 神辺吉和 湯来久井 三原地区 御調 尾道 向島 因島 瀬戸田 因島地区 安佐南区佐伯・大竹地区河内 福山東広島 佐伯区安芸区 佐伯 廿日市三原 沼隈 竹原 大野安芸津黒瀬熊野 呉宮島内海 大竹安浦沖美 川尻能美 大崎 大柿音戸 蒲刈木江 豊下蒲刈 豊浜 倉橋 広島県内の救急搬送体制図(平成14年4月現在) 【凡例】高野町 高規格救急自動車(87台) 2B型救急自動車(68台) 比和町 消防艇(3隻) 西城町 口和町消防・防災ヘリコプター(2機) 布野村作木村東城町 患者輸送艇(3隻) 庄原市君田村 備北地区消防広域行政組合 大朝町 美土里町高宮町芸北町 三次市 三良坂町総領町神石町 豊松村 油木町 山県東中部消防組合高田地区消防組合 千代田町吉舎町 甲奴町豊平町上下町吉田町甲田町三和町 三和町 戸河内町 世羅西町加計町八千代町福山地区消防組合 向原町新市町甲山町世羅町広島市府中市 広島市豊栄町 筒賀村 福山市 吉和村 福富町神辺町 山県西部消防組合 大和町御調町 久井町 湯来町 河内町賀茂広域行政組合 尾道地区消防組合 佐伯町東広島市 安芸区尾道市三原市 本郷町廿日市 市三原市府中町廿日市市 海田地区消防組合 竹原市 海田町沼隈町 熊野町大野町向島町 黒瀬町安芸津町 大野町坂町 大竹市 因島市 大竹市呉市宮島町 江田島町内海町安浦町 呉市竹原広域行政組合瀬戸田町 沖美町川尻町 能美町 大崎町 因島市瀬戸田町消防組合 東野町音戸町宮島町 府中町木江町大柿町 38 倉橋町 豊町豊浜町 蒲刈町下蒲刈町江能広域事務組合 「平成14年度救急業務実施状況調」「広島県保健医療計画(H14・3)」より抜粋 消防本部ごとの救急救命士数及び高規格救急自動車数 平成14年4月1日現在 救急隊員数(A) 救急救命士(B) (B)/(A) 消防本部名(D)/(C) 救急自動車数(C) 高規格救急自動車数(D) 93.9% 41.1% 106 258 (113) 33 31 広島市消防局 呉市消防局 三原市消防本部 大竹市消防本部 廿日市市消防本部 府中町消防本部 大野町消防本部 宮島町消防本部 海田地区消防組合消防本部 備北地区消防広域行政組合消防本部 竹原広域行政組合消防本部 高田地区消防組合消防本部 尾道地区消防組合消防本部 因島市瀬戸田町消防組合消防本部 山県東中部消防組合消防本部 山県西部消防組合消防本部 賀茂広域行政組合消防本部 江能広域事務組合消防本部 福山地区消防組合消防局 54.5% 25.5% 24 (24) 94 6 3 1 3 2 1 1 6 7 2 2 3 1 3 2 4 2 7 87 11 7 2 7 3 2 3 6 13 8 3 6 6 4 4 10 6 21 42.9% 70.8% 17 (17) 24 50.0% 25.0% 4 (4) 16 42.9% 30.4% 14 (15) 46 66.7% 28.0% (7) 25 7 5 8 50.0% 41.7% (5) 12 33.3% 38.1% (8) 21 39 100.0% 32.6% (15) 46 15 19 15 11 15 53.8% 31.7% (21) 60 25.0% 19.7% (15) 76 66.7% 23.9% (11) 46 50.0% 40.5% (15) 37 16.7% 13.7% (7) 51 7 8 7 75.0% 22.9% (8) 35 50.0% 20.0% (7) 35 40.0% 28.6% (17) 56 16 10 25 33.3% 30.3% (11) 33 33.3% 25.0% (31) 100 56.1% 31.1% 333 1,071 (351) 155 合計 ※1 (B)欄の救急救命士数は,救急隊員として運用されている数である。()内の数字は,救急救命士有資格者の数である。 ※2 救急自動車数には非常用救急自動車を含む ※「平成14年救急業務実施状況調」から抜粋 資格者別救急隊員数の推移 平成14年4月1日現在 9年10年11年12年13年14年8年7年6年5年4年3年平成元年2年 834 804 868 856 936 956 967 896 895 936 945 1,020 1,026 1,071 - - - - - - - - - - - 39 50 39 - - - - - - - - - - - 531 462 420 - - - - - - - - - - - 196 224 279 - - - - 4 8 37 77 121 164 210 254 290 333 救急隊員数 救急T課程修了者 救急U課程修了者 救急標準課程修了者 救急救命士  救急救命士法成立     応急処置の拡大(H3・8)    「救急U課程」    「救急標準課程」  制度の導入 県消防学校の教育課程を, 救急標準課程に一元化 (H12・4) 第1回救急救命士広島市消防局救急救命士 国家試験(H4・7) 養成所開所(H5・9) 救急隊員数と救急救命士数の推移 1,200 1,026 1,071 1,020 967 956 945 936 936 1,000 895 896 868 856 834 804 800 600 40 14年 13年 12年 11年 10年 9年 8年 7年 6年 5年 4年 3年 2年 平成元年 333 400 290 254 210 0 0 0 0 4 (0.4%) 8 (0.8%) 37 (3.8%) 77 (8.6%) 121 (13.5%) 164 (17.5%) (22.2%) (24.9%)(28.3%) (31.1%) 200 0 消防本部ごとの救急出場件数,搬送人員数,現場到着所要時間,収容所要時間(平成13年中) 二次保健医療圏/消防本部(局) 広島市消防局 府中町消防本部 広島海田地区消防組合消防本部 高田地区消防組合消防本部 山県東中部消防組合消防本部 山県西部消防組合消防本部 大竹市消防本部 広島西廿日市市消防本部 大野町消防本部 宮島町消防本部 呉呉市消防局 江能広域事務組合消防本部 広島中央竹原広域行政組合消防本部 賀茂広域行政組合消防本部 三原市消防本部 尾三 尾道地区消防組合消防本部 因島市瀬戸田町消防組合消防本部 福山・府中 福山地区消防組合消防局 備北 備北地区消防広域行政組合消防本部 県合計 ※1 消防本部管内と二次保健医療圏の区域が必ずしも一致していない部分がある     (湯来町・吉和村→消防本部:山県西部 二次保健医療圏:広島西   上下町→消防本部:福山地区 二次保健医療圏:備北) ※2 現場所要時間とは,消防機関が覚知から現場到着に要した時間を指す。  ※3 収容所要時間とは,覚知から傷病者を医療機関等に収容するまでに要した時間を指す。  ※4 平成13年中の全国平均は,現場到着時間:6.2分 収容所要時間:28.5分  救急出場件数(件) (出場件数/1日) 45,347 (124.2) 36,671 (100.5) (4.0) 1,448 (11.9) 4,331 (3.4) 1,248 (2.1) 764 (2.4) 885 (13.9) 5,088 (3.2) 1,154 (7.6) 2,791 (2.6) 939 (0.6) 204 (27.5) 10,020 (21.7) 7,934 (5.7) 2,086 (18.6) 6,800 (5.9) 2,167 (12.7) 4,633 (24.4) 8,924 (10.0) 3,648 (10.6) 3,886 (3.8) 1,390 (42.0) 15,339 (42.0) 15,339 (9.3) 3,409 (9.3) 3,409 94,927 (260.1) 搬送人員数(人) (搬送人員/1日) 42,330 (116.0) (93.1) 33,985 (3.8) 1,399 (11.1) 4,057 (3.4) 1,231 (2.1) 754 (2.5) 904 (13.4) 4,892 (3.0) 1,100 (7.4) 2,698 (2.5) 910 (0.5) 184 (25.8) 9,408 (20.2) 7,366 (5.6) 2,042 (18.0) 6,558 (5.3) 1,947 (12.6) 4,611 (23.8) 8,684 (9.8) 3,592 (10.2) 3,735 (3.7) 1,357 (41.3) 15,065 (41.3) 15,065 (9.3) 3,393 (9.3) 3,393 90,330 (247.5) 41 現場到着所要時間(分) 最長時間最短時間平均時間 511 6.9 0 56 4.1 1 44 3.8 0 511 5.3 1 59 10.1 0 43 6.9 0 64 11.0 0 76 5.7 0 76 6.1 0 74 6.0 0 37 5.5 0 54 5.0 0 89 6.8 0 − 5.6 0 89 7.9 0 60 6.8 0 60 6.2 1 40 7.3 0 44 5.8 0 44 6.4 0 33 5.8 0 29 5.3 0 63 5.7 0 63 5.7 0 75 7.6 1 75 7.6 1 511 5.4 0 収容所要時間(分) 最長時間最短時間平均時間 368 27.7 1 22 17.7 1 120 21.5 4 368 17.0 2 135 30.9 2 91 31.8 1 172 47.1 9 153 29.1 3 142 28.7 5 153 27.1 3 134 25.7 4 138 34.7 6 194 32.3 2 132 22.1 2 194 42.5 2 226 27.5 2 148 16 23.5 226 31.5 2 205 23.0 2 121 24.3 2 205 22.5 2 144 22.1 3 192 21.0 0 192 21.0 0 145 29.2 3 145 29.2 3 368 22.2 0 「救急業務実施状況調」より抜粋 広島県内における特定行為実施状況 平成8年中(調査開始時) 平成13年中 (単位:件) (単位:件) 特定行為実施件数特定行為実施件数 心肺蘇生二次保健医療圏/消防本部(局) 二次保健医療圏/消防本部(局) 心肺蘇生 輸液除細動輸液除細動気道確保気道確保 30 (5.7) 63 (11.9) 229 (43.4) 322 (61.0) 528 30 (4.9) 14 (2.3) 80 (13.2) 124 (20.4) 608 20 (5.1) 37 (9.3) 189 (47.7) 246 (62.1) 396 17 (3.8) 6 (1.3) 51 (11.3) 74 (16.4) 451 広島市消防局 府中町消防本部 海田地区消防組合消防本部 高田地区消防組合消防本部 山県東中部消防組合消防本部 山県西部消防組合消防本部 広島市消防局 府中町消防本部 海田地区消防組合消防本部 高田地区消防組合消防本部 山県東中部消防組合消防本部 山県西部消防組合消防本部 2 (9.1) (4.5) 1 3 (13.6) 22 1 (7.1) 1 (7.1) 14 5 (15.2) 21 (63.6) 19 (57.6) 33 45 (136.4) 10 (16.4) 7 (11.5) 19 (31.1) 61 36 (59.0) 広島広島 5 (12.5) 2 (5.0) 13 (32.5) 40 20 (50.0) 3 (8.6) 1 (2.9) 9 (25.7) 35 13 (37.1) 1 (4.3) (4.3) 1 (8.7) 2 23 20 6 (42.9) 6 (42.9) 14 27 0 0 4 (2.1) 4 (2.1) 192 呉呉呉市消防局呉市消防局9 (5.8) 29 (18.7) 50 (32.3) 155 4 (2.4) 4 (2.4) 166 江能広域事務組合消防本部江能広域事務組合消防本部(2.6) 1 (2.6) 1 39 26 12 (8.8) 42 0 3 (4.3) 69 (23.2) 16 13 (18.8) 54 0 0 0 0 (5.0) 1 (5.0) 1 20 10 大竹市消防本部 廿日市市消防本部 大野町消防本部 宮島町消防本部 大竹市消防本部 廿日市市消防本部 大野町消防本部 宮島町消防本部 広島西広島西2 (5.7) 11 (31.4) 35 13 (37.1) 32 1 (8.3) (8.3) 1 12 11 1 (50.0) 1 (50.0) 2 1 12 (6.2) 9 (4.6) 30 (15.5) 51 (26.3) 194 12 (7.7) 2 (1.5) (9.5) 137 (19.7) 27 13 122 0 0 0 0 広島中央広島中央1 (2.5) (2.5) 1 (5.0) 2 40 30 竹原広域行政組合消防本部竹原広域行政組合消防本部 12 (12.4) 1 (1.0) 12 (12.4) 97 25 (25.8) 92 賀茂広域行政組合消防本部賀茂広域行政組合消防本部 1 (0.5) 8 (4.2) 40 (20.8) 49 (25.5) 192 0.0 0 0.0 0 1 (0.5) 1 (0.5) 220 7 (8.3) 20 (23.8) 84 27 (32.1) 85 三原市消防本部三原市消防本部 尾三尾三 1 (1.3) 1 (1.3) 20 (26.0) 77 22 (28.6) 1 1 (1.0) 100 尾道地区消防組合消防本部尾道地区消防組合消防本部 31 35 因島市瀬戸田町消防組合消防本部因島市瀬戸田町消防組合消防本部 3 (0.8) 9 (2.3) (3.6) 14 (6.7) 26 390 1 (0.5) 5 (2.3) 2 (0.9) 8 (3.7) 216 福山・府中福山・府中 3 (0.8) 9 (2.3) (3.6) 14 (6.7) 26 390 1 (0.5) 5 (2.3) 2 (0.9) 8 (3.7) 216 福山地区消防組合消防局福山地区消防組合消防局 0 4 (3.8) 104 (39.4) 41 37 (35.6) 79 0 0 0 0 備北備北 104 79 4 (3.8) 37 (35.6) 41 (39.4) 備北地区消防広域行政組合消防本部備北地区消防広域行政組合消防本部 県合計県合計58 (3.6) 98 (6.1) 376 (23.3) 532 (33.0) 1,614 31 (2.1) 19 (1.3) 87 (5.8) 137 (9.2) 1,491 ※1 平成8年の福山地区消防組合消防局の件数には,府中市消防本部(当時)の件数を含む。 ※2 消防本部管内と二次保健医療圏の区域が必ずしも一致していない部分がある(湯来町・吉和村→消防本部:山県西部 二次保健医療圏:広島西   上下町→消防本部:福山地区 二次保健医療圏:備北) ※3 ()は,心肺蘇生件数に対する特定行為実施件数の割合 「救急業務実施状況調」から抜粋 二次保健医療圏ごとの特定行為実施件数 広島中央二次保健医療圏 備北二次保健医療圏 平成8 年平成13 年 122 心肺蘇生件数137 平成8 年平成13 年 気道確保13(9.5) 104 除細動2(1.5) 37(35.6) 気道確保 輸液12(8.8) 4( 3.8) 除細動 救命士数8 31 輸液 広島二次保健医療圏19 救命士数2 平成8 年平成13 年 528 608 心肺蘇生件数 気道確保80(13.2) 229(43.4) 63(11.9) 30( 5.7) 福山・府中二次保健医療圏 輸液30( 4.9) 平成8 年平成13 年 特定行為 特定行為 特定行為 79 心肺蘇生件数 除細動14( 2.3) 救命士数35 154 1(0.5) 3(0.8) 輸液 救命士数11 25 広島西二次保健医療圏 平成8 年平成13 年 特定行為 43 216 心肺蘇生件数390 2(0.9) 14(3.6) 気道確保 5(2.3) 9(2.3) 除細動 特定行為 輸 54 69 心肺蘇生件数 13(18.8) 気道確保 呉二次保健医療圏尾三二次保健医療圏 3( 4.3) 除細動 平成8 年平成13 年液平成8年平成13年 194 192 心肺蘇生件数192 220 心肺蘇生件数31 救命士数6 特定行為 特定行為 40(20.8) 1(0.5) 気道確保4(2.1) 30(15.5) 気道確保 8( 4.2) 除細動9( 4.6) 除細動 1( 0.5) 輸液12( 6.2) 輸液 救命士数8 39 34 救命士数7 ※1 消防本部管内と二次保険医療圏の区域が必ずしも一致していない部分がある。(湯来町・吉和村→消防本部:山県西部二次保健医療圏:広島西上下町→消防本部:福山地区二次保健 医療圏:備北) ※2 ()内は,心肺蘇生件数に対する特定行為実施件数の割合 「救急業務実施状況調」から抜粋 広島県 66 27 17 20 3 1 6 5 1600 1400 1200 1000 6 6 760 2 7 556 1 4 2 0 1800 1 7 428 6 389 3 800 600 400 200 0 9年8年7年 広島市消防ヘリによ る救急業務開始 <消防法改正>:救急車と同様にヘ リ救急を位置付け→運用の簡素化 2 消防・防災 合計 区分 現場計計 Dr・器 材等 転院うち県 外搬送 転院うち県 外搬送 0 0 10 20 12 8 1 14 2年度 3年度 4年度 5年度 6年度 7年度 8年度 9年度 10年度 11年度 12年度 13年度 計 11 3 8 3 1 3 17 27 4 14 15 34 6 11 26 79 22 38 98 239 11 16 49 103 ヘリコプターによる救急搬送実績 9年10年11年12年13年8年2年3年4年5年6年7年 14 6 3 3 11 7 区  分 防災ヘリ― ― ― ― ― ― 11 8 9 12 21 67 消防ヘリ3 7 11 3 3 6 3 12 8 15 45 98 合  計 全  国 165 ― ― ― ― ― 389 428 556 760 975 1,446 1,668 ※ 全国集計は暦年,県は年度集計である。 ※ 防災ヘリは,平成8年度導入。 ※ 全国の平成2年〜6年は,統計数値なし。 広島県の搬送件数(件) 全国の搬送件数(件) 1 ヘリコプターによる救急搬送状況 1,668 1,446 1 6 0 1 4 0 1 2 0 1 0 0 975 3 3 7 8 0 6 0 4 0 2 0 1 1 0 10年11年12年13年 1 8 0 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年 11年 12年 13年 県防災ヘリによる 救急業務開始 消防ヘリ 救急出動 防災ヘリ 救急出動 現場計転院 Dr・器 材等 Dr・器 現場 材等うち県 外搬送 12 8 1 3 15 11 37 1 3 2 2 0 1 3 7 6 1 1 0 7 11 11 5 0 0 11 3 3 2 0 0 3 3 3 2 0 0 3 6 6 5 0 0 6 3 14 2 0 0 14 20 8 16 7 0 1 17 27 66 52 165 69 342 0 2 2 0 6 1 1 0 11 5 0 3 2 0 3 2 0 6 5 11 3 2 7 1 9 8 4 4 12 12 29 15 45 98 49 214 5 8 9 52 11 22 49 136 12 21 67 20 128 2 3 5 2 消防・防災ヘリコプターによる救急搬送の内訳  注1) 転院とは,病院間において転院搬送した件数をいう。  注2) 現場とは,ヘリが着陸し救急車から患者を引継ぎ病院に搬送した件数,救助後に搬送した件数をいう。  注3) Dr(医師)搬送は,平成12年度から計上している。    44 消防救第1 5 9 号 医政発第0723009 号 平成14年7月23日 各都道府県知事殿 「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会」において,7 月22 日付けで別添のとおり中間報告が取 りまとめられました。この中間報告においても,改めてメディカルコントロール体制の整備が重要である ことが指摘され,本年度中に各都道府県及び各地域におけるメディカルコントロール協議会の設置を完了 することが求められています。 ついては,貴職におかれては,こうした趣旨を踏まえて,メディカルコントロール協議会の設置の促進 について格段のご配慮を賜りますようお願い申し上げます。 なお,このことに関する実施上の留意点については,別途,両省庁の担当課長からそれぞれ各都道府県 消防主管部長及び各都道府県衛生主管(部)局長あてに通知が発出されることを申し添えます。 消防庁次長 厚生労働省医政局長 メディカルコントロール協議会の設置促進について(通知) 45 消防救第160号 平成14年7月23日 都道府県消防主管部長殿 消防庁救急救助課長 メディカルコントロール体制の整備促進について(通知) 標記については,本日付けで「メディカルコントロール協議会の設置促進について」(消防救第159 号・医政発第0723009 号消防庁次長・厚生労働省医政局長連名通知)を発出し,本年度中に各都道府県及 び各地域におけるメディカルコントロール協議会の設置を完了すること等について格段の御配慮をお願い したところです。また,このことについては,円滑な救急業務を遂行する上で極めて重要な事項であるこ とから,これまでも「救急業務の高度化の推進について」(平成13年7月4日付け消防救第204号救急 救助課長通知)等により,積極的に推進してきたところであります。 つきましては,特に下記事項に留意して,メディカルコントロール体制の早期構築を積極的に進め,救 急隊員の資質の向上を図り,地域における救命効果を一層高めるよう格段の配慮をお願いします。また, 貴都道府県内市町村(消防の事務を処理する組合を含む。)に対して,この旨周知されるようお願いします。 なお,本件については,厚生労働省とも協議済みでありますので,貴都道府県衛生主管部局,地域の医 師会等とも十分協議され,救急業務の更なる高度化に努められるようお願いします。 記 1 都道府県単位の協議会及びメディカルコントロール協議会の早期設置 各地域におけるメディカルコントロール体制の構築を進めるため,その体制構築のための協議の場と して調整機能を担う都道府県単位の協議会の設置及び実質的な調整を行う救命救急センター等中核的な 救急医療機関を中心としたブロックごとのメディカルコントロール協議会の設置を早急に行うこと。 メディカルコントロール協議会の担当範囲については,必ずしも2次医療圏とする必要はなく,救命 救急センターの設置状況等を勘案し,複数の2次医療圏を単位として弾力的に決定すること。 救急医療機関が偏在するなどの場合は,地域の実情に応じて都道府県単位の協議会がメディカルコン トロール協議会を兼ねることも差し支えないこと。 2 常時指示体制の整備 救急救命士法施行規則第21条に定める特定行為を実施するにあたっては,医師の具体的な指示を受 けることとされており,常時指示体制の整備は救急救命士を運用する際に必要不可欠なものである。未 だ常時指示体制が不十分な消防本部については,救命救急センター等と連携を図り,早急な体制整備を 図ること。 3 事後検証体制の充実 救急救命士の処置範囲の拡大にあたっては,とくに医学的観点からの事後検証を行い,救急救命士が 実施した救急救命処置の質を保障する必要性が強く指摘されている。 ついては,消防本部における事後検証だけでなく,医師による医学的観点からの事後検証を実施する 46 体制を早急に整備すること。具体的には,救急活動記録票等をメディカルコントロールを担当する救急 医療機関の医師に定期的に送付し,医学的観点からの事後検証を受ける体制を整えること。その際,客 観的な事後検証が可能となるよう,救急活動記録票等の内容についても充実を図ること。さらに,各消 防本部においては,継続的な事後検証の実施が担保されるよう,必要な予算措置を講じるとともに,救 急医療機関との間で契約を締結する等に努めること。 なお,事後検証のマニュアル,標準的な救急活動記録票等については現在,検討中であることを申し 添える。 4 再教育体制の充実 救急救命士が行う高度な救急救命処置の質の更なる向上を図るため,病院実習及び症例研究等の再教 育体制の充実を図ること。とくに病院実習については,継続的な実施が担保されるよう,必要な予算 措置を講じるとともに,各消防本部において救急医療機関との間で契約を締結する等に努めること。 また,症例研究,シンポジウム等への積極的な参画について十分配慮すること。 なお,再教育としての病院実習ガイドラインについても現在,検討中であることを申し添える。 5 その他 (1) 処置範囲拡大の今後の検討状況については,随時情報提供を行うこととしているので,その動きを 注視すること。 (2) 都道府県単位の協議会やメディカルコントロール協議会等の進捗状況について,「救急業務の高度 化の推進に係る実施計画の作成及び報告について」(平成13年7月19日付け消防救第218号救 急救助課長通知)に基づき,消防庁に報告を行うこと。 (3) 救急救命士の養成,有資格者の活用及び高規格救急自動車の整備促進に努めること。特に,救急救 命士有資格者がいるにもかかわらず,運用していない団体にあっては,早急に運用に向けた取組を進 めること。 47 医政指発第0723001 号 平成14年7月23日 各都道府県衛生主管(部)局長殿 厚生労働省医政局指導課長 メディカルコントロール協議会の設置の促進等について(通知) 標記について,本日付け消防救第159号・医政発第0723009号で消防庁次長と厚生労働省医政 局長の連名によって各都道府県知事に通知が発出され,本年度中に各都道府県及び各地域におけるメディ カルコントロール協議会の設置を完了すること等について格段の御配慮をお願いしたところです。このこ とについては,「病院前救護体制の確立について」(平成13年7月4日付け医政指発30号)によって当 職から各都道府県衛生主管(部)局長に発出しているところ,今後,下記に掲げる事項に留意の上,取り 組みの推進を図られるようお願いいたします。 あわせて,当職において,各都道府県におけるメディカルコントロール協議会の整備状況を把握するた め,貴都道府県における平成14年7月1日現在,10月1日現在及び平成15年1月1日現在のメディ カルコントロール協議会の整備状況について,それぞれ,平成14年8月31日,10月31日及び平成 15年1月31日までに,定期に,別紙様式によって当職に御報告くだされるようお願いいたします。 なお,このことについては,消防庁救急救助課と協議済みであることを念のため申し添えます。 記 1.消防主管部との連携を強化し,メディカルコントロール協議会の設置に必要な予算の確保など,関連 施策の推進に努めること。その際,メディカルコントロール体制の確立が救急医療の確保施設の一環で あることを踏まえ,衛生主管(部)局は,積極的・主体的役割を果たすべきこと。 なお,地域におけるメディカルコントロール協議会の運営事務の処理など,保健所の積極的参画も期 待されるものであること。 2.独立した新組織の設立を必須とするものではなく,救急医療協議会など既存組織にメディカルコント ロール協議会としての機能を部会組織として付加するなど,各地域の実情に応じた弾力的対応を図るこ と。 なお,地域レベルのメディカルコントロール協議会は,二次医療圏単位とすることが望ましいが,消 防組織との関係等で,複数の2次医療圏を単位として設置することも差し支えないこと。 3.メディカルコントロール協議会における医療関係者の構成については,特定の病院の救急担当医のみ とすることは適当ではなく,都道府県・郡市区医師会の代表者をはじめとして,幅広い医療関係者の参 画を求めること。 48 都道府県消防主管部長殿 標記については,円滑な救急業務を遂行する上で極めて重要な事項であることから,これまでにも「救 急隊員の行う応急処置等の基準の一部改正について」(平成3年8月5日付け消防救第78号),「救急救 命士の資格を有する救急隊員による救急業務の開始について」(平成4年5月19日付け消防救第66号), 「消防機関と救急医療機関との連携強化について」(平成9年8月4日付け消防救第178号)等により推 進しているところでありますが,この度,「救急業務高度化推進委員会報告書」(平成13年3月)におい て,救急救命士に対する指示体制及び救急隊員に対する指導・助言体制の充実,救急活動の医学的観点か らの事後検証体制の充実,救急救命士の研修の充実等のいわゆるメディカルコントロール体制の構築の重 要性が指摘されるとともに,その具体的な方策を進めるために,消防機関と救急医療機関との更なる連携 の強化や都道府県の調整機能としての役割の重要性が指摘されたところであります。 ついては,本報告書の内容を十分に参考の上,特に下記事項に留意して,いわゆるメディカルコントロ ール体制の構築を積極的に進め,救急隊員の資質を向上し,地域における救命効果の更なる向上を図るよ う格段の配慮をお願いします。また,貴都道府県内市町村(消防の事務を処理する組合を含む。)に対しこ の旨周知されるとともに,よろしくご指導願います。 なお,本件については,厚生労働省とも協議済みでありますので,貴都道府県衛生主管部局,地域の医 師会等とも十分協議され,救急業務の更なる高度化に努められるようお願いします。また,別添のとおり, 「病院前救護体制の確立について」(平成13年7月4日付け医政指発第30号厚生労働省医政局指導課 長通知)が都道府県衛生主管部局長あて発出されていることを申し添えます。 救急業務の高度化の推進について(通知) 49 消防救第204 号 平成13年7月4日 消防庁救急救助課長記 1 消防機関と救急医療機関との更なる連携の強化 救急業務を円滑に実施するためには,消防機関と救急医療機関の連携が必要不可欠であり,特に,そ れぞれの地域におけるプレホスピタル・ケアに係る諸課題について恒常的に協議する場が必要である。 また,いわゆるメディカルコントロール体制の構築を進める上で,都道府県単位の協議会はその体制構 築のための協議の場として調整機能を担うことが期待される。 このため,「消防機関と救急医療機関の連携強化について」(平成9年8月4日付け消防救第178 号)に基づき都道府県単位の協議会が設置されている都道府県においては,(1)に示すとおりその構成 員及び協議事項の追加,変更等を行い,都道府県内の各機関の調整が可能な協議会となるようその体制 を整えること。 また,現在,都道府県単位の協議会が設置されていない都道府県においては,都道府県消防主管部局 と都道府県衛生主管部局とが協議のうえ,早急に当該協議会の設置を図ること。 更に,(1)イに示すとおり救命救急センター等地域の中核的な救急医療機関のメディカルコントロー ルに係る担当範囲ごとに協議会(以下「メディカルコントロール協議会」という。)を設置すること。な お,メディカルコントロール協議会については,原則として,都道府県が設置することとし,都道府県 単位の協議会と十分に連携して運用されたいこと。 (1)都道府県単位の協議会 ア構成 都道府県単位の協議会の構成については,次の者が構成員として必ず含まれるようにするととも に,イに示す役割を果たし,ウに示す協議事項に関し実質的な調整が可能となるような構成とする こと。 都道府県消防主管部局,都道府県衛生主管部局,都道府県の医師会,都道府県内の消防機関,救 命救急センター等に所属する救急医療に精通した医師及びメディカルコントロール協議会の代表 なお,既存の都道府県単位の協議会の構成や協議事項には多様なものがあると考えられることか ら,当該協議会に上記の者をその構成員とするメディカルコントロールに関する事項を専門的に取 り扱う分科会を設置する等の方法により,必要な協議・調整が行われる場を確保することも考えら れる。 イ役割 少なくとも以下の役割を担うものであること。 ア)都道府県内の医療資源や救急搬送需要等を勘案して,地域の実情に応じ,救急救命士に対する 指示及び救急隊員に対する指導・助言,救急活動の医学的観点からの事後検証,救急救命士の再 教育等の役割を担うメディカルコントロールを担当する救急医療機関を選定し,その担当範囲の 区域割りを調整・決定すること。 イ)メディカルコントロール協議会の構成等に関する調整を行うこと。 ウ)必要に応じ,都道府県内のメディカルコントロール協議会間の調整や隣接県の都道府県単位の 協議会との調整を行うこと。 なお,メディカルコントロールを担当する救急医療機関の担当範囲の区域割りに当たっては, 以下の事項に留意して行うこと。 @メディカルコントロールを担当する救急医療機関の担当範囲の区域割りに当たっては,救命救 急センター等中核的な救急医療機関を中心として行うものとし,その際には,二次医療圏又は 50 複数の二次医療圏の単位によりその設定を行うこと。 A複数の二次医療圏をまたがる消防本部については,いずれかの協議会又は双方の協議会に参加 すること。 B都道府県内にメディカルコントロールを担当する救急医療機関が偏在するなどメディカルコン トロール協議会の担当範囲の区域割りが一つしかない場合は,その担当範囲は都道府県の単位 となることも有り得ること。 ウ協議事項 ア)都道府県内のメディカルコントロールを担当する救急医療機関の選定に関すること。 イ)メディカルコントロール協議会の担当範囲の区域割りの調整・決定に関すること。 ウ)メディカルコントロール協議会における決定事項等に関する調整・助言に関すること。 エ)その他地域のプレホスピタル・ケアの向上に関すること。 (2)メディカルコントロール協議会 ア構成 メディカルコントロール協議会の構成については,次の者が構成員として必ず含まれるようにす るとともに,イに示す役割を果たし,ウに示す協議事項に関し実質的な調整が可能となるような構 成とすること。 都道府県消防主管部局,都道府県衛生主管部局,担当範囲内の消防機関,担当範囲内の郡市区医 師会,担当範囲内の救急医療機関及び担当範囲内の救命救急センター等に所属する救急医療に精通 した医師 イ役割 メディカルコントロール協議会の担当範囲内の救急業務の高度化が図られるよう,救急救命士に 対する指示体制や救急隊員に対する指導・助言体制の調整,救急活動の事後検証に必要な措置に関 する調整,研修等に関する調整等いわゆるメディカルコントロール体制の構築に係る実質的な調整 を行うこと。 ウ協議事項 ア)救急救命士に対する指示体制及び救急隊員に対する指導・助言体制の調整に関すること。 イ)救急隊員の病院実習等の調整に関すること。 ウ)地域における救命効果など地域の救急搬送体制及び救急医療体制に係る検証に関すること。 エ)救急活動の事後検証に用いる救急活動記録様式の項目又は検証票様式の項目の策定に関するこ と。 オ)救急業務の実施に必要な各種プロトコールの策定に関すること。 カ)傷病者受け入れに係る連絡体制の調整等救急搬送体制及び救急医療体制に係る調整に関するこ と。 キ)その他地域のプレホスピタル・ケアの向上に関すること。 2 救急救命士に対する指示体制及び救急隊員に対する指導・助言体制の充実 救急救命士は,救急救命士法施行規則第21条に定める特定行為(除細動等の高度な応急処置)を実 施するに当たっては,具体的な指示を医師から受けることとされている。そのための指示体制の確立に ついては,「救急救命士養成所の臨床実習施設における実習要領及び救急救命士に指示を与える医師の 確保について」(平成4年12月1日付け消防救第151号),「消防機関と救急医療機関との連携強化 について」(平成9年8月4日付け消防救第178号)等によりその推進をお願いしているところである 51 が,常時かつ迅速な指示体制の確立という観点からは,未だ不十分な消防本部が存在する状況である。 このため,(1)から(3)及び(6)に留意し,早急に常時かつ迅速な指示体制の確立を図ること。 また,救急隊員が救急業務を実施する際の病院選定,応急処置等について医師から指導・助言を受け られる体制を構築することは,傷病者に対する的確な応急処置等の実施という観点から非常に重要であ ることから,(4)から(6)に留意して救急隊員に対する常時かつ迅速な指導・助言体制の構築を推 進すること。 (1)各消防本部においては,既存の指示体制を十分考慮しつつ,原則として,メディカルコントロー ルを担当する救急医療機関との間に指示体制を構築すること。 (2)現在,救急救命士に対する指示を依頼している救急医療機関に対しては,救急救命士に対する常 時かつ迅速な指示が可能となるよう依頼すること。なお,当該救急医療機関において常時かつ迅速 な指示体制が構築できない場合については,メディカルコントロールを担当する救急医療機関に対 し補完的な指示を行うことを依頼すること。 (3)救急救命士に対する指示体制の構築においては,救急救命士に対する指示を依頼する救急医療機 関との間で契約を締結すること等により常時かつ迅速な指示が行われることを確保するよう努める こと。また,各消防本部においては,実効性のある指示体制が構築され,円滑に運営されるよう, 必要な予算上の措置を講ずること。 (4)各消防本部は,常時かつ迅速な指示体制を構築している救急医療機関に対し,救急隊員に対する 指導・助言を行うことを依頼すること。 (5)救急隊員に対する指導・助言体制の構築においては,救急救命士に対する指示を依頼する救急医 療機関との間で契約を締結すること等により常時かつ迅速な指導・助言が行われることを確保する よう努めること。また,各消防本部においては,実効性のある指導・助言体制が構築され,円滑に 運用されるよう,必要な予算上の措置を講ずること。 (6)なお,救急救命士に対する指示を行う医師を指令室その他の医療機関以外の場所に常駐させてい る場合であって,(1)から(5)によりがたいときは,(1)から(5)について弾力的に運用し つつ,常時かつ迅速な救急救命士に対する指示体制及び救急隊員に対する指導・助言体制の構築に 努めること。 3 救急活動の事後検証体制の充実 救急業務高度化推進委員会報告書で指摘されているとおり,救急活動時における応急処置等の適切さ について,より専門的な立場からの事後検証体制,とりわけ,医学的観点からの事後検証体制は充分で ない状況である。救急隊員の医学的な知識・技術を更に充実し,地域における救命効果を更に向上させ るために,救急隊員の行った救急活動の事後検証を実施し,救急隊員の行う応急処置の質を保障する必 要がある。 このため,各消防本部においては,次の事項を参考として,救急活動について消防本部における事後 検証及び医師による医学的観点からの事後検証を実施するよう努めること。 (1)救急活動記録票等の項目の変更 各消防本部においては,医師による医学的観点からの事後検証の結果を含め,客観的に救急活動 の事後検証が可能となるようにメディカルコントロール協議会で定めた項目について記載できるよ 52 4 救急隊員の再教育 救急救命士の資格を有する救急隊員が行う高度な応急処置の質の更なる向上を図るためには,座学は もとより,病院実習及び事例研究,症例研究等による教育・訓練が不可欠である。救急救命士の資格を 有する救急隊員の資格取得後の教育については,「救急救命士の資格を有する救急隊員に対して行う就 う,救急活動記録票等を変更すること。 (2)消防本部における救急活動の事後検証の実施 ア各消防本部においては,医師による医学的観点からの事後検証を受ける前に,すべての事例に おいて,迅速性,協調性,他隊との連携等の観点を含めた救急活動全般に関する検証を実施する イ各消防本部における検証の実施に当たっては,検証実施者は,当面,救急隊を管理する職にあ こと。 る者とすること。 ウ各消防本部における検証に当たっては,医師による医学的観点からの検証を受ける事例を(3) アに基づき選定すること。 (3)医学的観点からの救急活動の事後検証の実施 消防長は,(1)に示す救急活動記録票等をメディカルコントロールを担当する救急医療機関の医 師に定期的に送付し,医学的観点からの事後検証を受ける体制を整えること。また,事後検証の結 果,医師の直接の指導が必要な場合には,消防長は,当該救急隊員が事例研究,症例研究等の研修 の場において医師から直接の指導が受けられる体制を確保すること。 なお,当面は,現在各消防本部において用いている救急活動記録票等に医師が検証した結果を記 載する検証票を添付して,事後検証を受けることも考えられること。 ア対象事例 心肺機能停止状態の傷病者を搬送した事例並びに救急事故等報告要領(昭和39年5月4日付 け自消甲教発第18号各都道府県知事あて消防庁長官通知)における死傷者の分類(第二救急報 告4)のうち重症及び死者の事例並びに救急隊員が医師に対し指導・助言を要請した事例を対象 とすること。 イ検証結果の活用 消防長は,救急活動の事後検証の結果を記録,保管するとともに,当該救急活動を行った救急 隊員に対しその結果を伝えること。 また,当該検証結果については当該救急隊員の教育,訓練に役立てられるよう,個人単位で記 録するように努めること。 なお,消防庁においては,これらの事項について円滑に救急活動の事後検証が実施できるよう 救急活動の事後検証のマニュアルを作成する予定であるが,本マニュアルは上記の内容を変更す るものではないことを申し添える。 (4)その他 消防長は,救急活動の事後検証を依頼する救急医療機関との間で契約を締結すること等により, 医学的観点からの救急活動の事後検証の確実な実施を担保するよう努めること。また,各消防本部 においては実効性のある医学的観点からの救急活動の事後検証体制が構築され,円滑に運営される よう,必要な予算上の措置を講ずること。 更に,消防長は,救急活動の事後検証の実施に当たり,傷病者のプライバシーの保護が十分に図 られるよう必要な措置を講ずること。 53 業前教育の実施要領について」(平成6年4月1日付け消防救第42号)により就業前教育が実施されて いるところである。また,救急隊員の再教育については,「救急隊員の教育訓練の充実,強化について」 (昭和60年4月8日付け消防救第32号)及び「救急隊員資格取得講習その他救急隊員の教育訓練の 充実強化について」(平成元年5月18日付け消防救第53号)により実施されているところであるが, 更に,次の事項に留意して,救急隊員の教育の更なる充実を図ること。 (1)救急救命士の資格を有する救急隊員の病院実習による再教育 ア研修期間 救急救命士の資格を有する救急隊員が救急医療機関において受ける病院実習については,2年 間で128時間以上の実施に努めること。 なお,病院実習を行う医療機関は,現在,就業前教育等の際に病院実習を依頼している医療機 関やメディカルコントロールを担当する救急医療機関等とすることが望ましい。 イ研修内容 消防庁においては,救急救命士の資格を有する救急隊員の再教育としての病院実習ガイドライ ンを作成する予定であるが,当面の間は,「就業前教育の実施要領」に準じた内容について,病院 実習を受けること。 ウその他 消防長は,救急救命士の資格を有する救急隊員の病院実習を依頼する救急医療機関との間で契 約を締結すること等により,救急救命士の資格を有する救急隊員の病院実習の確実な実施を担保 するよう努めること。また,各消防本部においては,救急救命士の資格を有する救急隊員が病院 実習をより確実かつ効果的に受けられるために必要な予算上の措置を講ずること。 更に,消防長は,救急救命士の資格を有する救急隊員が病院実習をより効果的に受けられるよ う,病院実習を依頼する医療機関と十分に協議を行うこと。 (2)救急隊員のその他の再教育 ア事例研究,症例研究等への参加 消防長は,救急隊員が事例研究,症例研究等に月に1回程度参加できるよう配慮すること。こ のため,事例研究,症例研究等を消防本部主催で開催すること等も考えられること。 また,各消防本部においては,事例研究,症例研究等の開催に伴う所要の経費について,必要 な予算上の措置を講ずること。 イ各種学会,シンポジウム等への参加 各種学会,シンポジウム等への参加は,救急隊員の教育として非常に有用であることから,消 防長は,救急隊員の積極的な参画を促すとともに,組織として救急隊員が事例を発表し,参画で きるよう配慮すること。 54 各都道府県衛生主管(部)局長殿 標記については,医療計画作成指針(平成10年6月1日健政発第689号厚生省健康政策局長通知) において,促進を図るようお願いしているところであるが,今般,別添(写)のとおり「救急業務の高度 化の推進について(平成13年7月4日消防庁救急救助課長通知)」が各都道府県消防主管部長あて発出さ れたので,消防主管部局及び都道府県医師会等関係団体との連携強化など,病院前救護体制の確立に向け た取り組みの一層の促進をお願いする。 なお,医療計画作成指針第3の5の(3)の1)における「二次医療圏単位の協議会」については,今 般の消防庁救急救助課長通知における「メディカルコントロール協議会」と一体的な運用を図るなど,各 地域の実情に応じた弾力的,効率的な運用にご配意願いたい。 医政指発第30号 平成13年7月4日 厚生労働省医政局指導課長 病院前救護体制の確立について 55 本検討会は,平成14年4月以降,救急救命士の業務のあり方等について検討を重ねてきたが,こ のたび,ワーキングチームから提出された報告書を基に検討した結果,別添のとおりとすることにつ いて,本検討会として意見の一致を見たので報告する。 ------------------------------------------------------------------------------------------ T 総論 ○ 心肺停止患者の救命率の向上を図るためには,バイスタンダーによる救急手当,搬送時の救 急救命処置,医療機関の専門的治療の各段階で最善の措置が講じられることに加え,関係者相 互の緊密な連携の下に一刻も早く次段階への橋渡しを行っていくことが必要である。 ○ 秋田市など一部地域において救急救命士による気管挿管が違法に行われていた件に関しては, ○ メディカルコントロール体制の構築には,地域における医療関係者の幅広い参画と協力が不 可欠であり,病院実習の受け入れ体制や指示・指導体制の充実を図る必要がある。特に,メデ ィカルコントロールの中核機関となる救命救急センターについては,機能格差の是正を図りつ つ,各二次医療圏への設置を将来的目標とした整備を促進すべきである。さらに,ドクターカ ーの一層の配備や活用,医療機関と消防機関の連携の一層の強化など,医師がより積極的に救 急現場に赴くことができる方策も推進すべきである。また,メディカルコントロールや救急救 命士の研修等に携わる専門医の絶対的不足を考えると,救急専門医の養成・確保方策のあり方 について関係学会の意見等を踏まえて更に検討を深め,その充実強化を図る必要がある。 ○ 救急救命士の処置範囲の拡大に伴う対応を含めたメディカルコントロール体制の整備に当た 「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会」報告書 平成14年12月11日 救急救命士の業務のあり方等に関する検討会 座長松田博青 救急救命士の業務のあり方等について 救急関係4学会による検証作業結果の報告が先般行われ,病院実習,搬送記録,関係機関の監 視・指導体制などに関して問題点が指摘されている。今後,これらの指摘を踏まえ,制度の適 正な運用や関係職種間の信頼関係の再構築等を図っていく必要がある。 ○ メディカルコントロール体制の確立が,救急救命士の業務拡大を行っていく上での前提であ り,24時間の医師からの指示・指導体制,教育・研修体制,少なくとも,除細動及び特定行 為等の対象となる心肺機能停止患者への処置に対する検証票を用いた事後検証等を含めた事前 事後のメディカルコントロール体制の整備を早急に図る必要がある。その際,メディカルコン トロールは,救急救命士の業務の適正化と向上を図るための協同作業であるという認識を関係 者が共有した上で,医療行政と消防行政の緊密な連携によって必要な体制整備を図っていくこ とが必要である。 56 っては,医師,医療機関等の協力が不可欠であることから,万一の事故・訴訟発生時を想定し, 救急救命士及び関与する医師,医療機関等の法的責任が明確化されるよう,業務委託等の際に は適切な契約の締結等を図ること,また,患者及びその家族等に対する情報開示の方法につい て,各自治体ごとに,あらかじめ明確化しておくことが必要である。 ○ 救急救命士の処置範囲の拡大など救急救命士の業務の高度化と資質の向上を図っていくため には,現行の養成課程や国家試験のあり方の見直しが必要である。この場合,今後拡大される 業務の具体的範囲や救急救命士の充足状況等も勘案しつつ,心肺停止患者に対して安全かつ有 効な処置を行うという観点に立って,卒後研修を含めた養成方法や養成期間の問題など,その あり方を検討していく必要がある。 ○ 各救急隊に少なくとも一人の救急救命士を配置することを目標に救急救命士の養成を推進し ているが,配置率の全国平均は6割程度にとどまっており,地域格差も相当見られるので,こ のような状況を早急に是正するため,具体的な需給計画に基づいて救急救命士の養成,採用の 促進を図るべきである。 U 各論 1 除細動 ○ 除細動は心室細動の第一選択治療として迅速性が強く求められる処置であり,「包括的指示 下での除細動に関する研究会」中間報告を踏まえ,プロトコールの作成,普及を図るとともに, 講習カリキュラムに沿った必要な講習が行われるようにするほか,実施後の医師への報告様式 の普及など事後検証の仕組みの具体化を図るなど,事前・事後のメディカルコントロール体制 を早急に整備する等の準備を尽くした上で,平成15年4月を目途に,広く救急救命士に対し 包括的指示による除細動の実施を認めるべきである。 ○ アメリカで公共施設への除細動器の配置等が急速に進んだ背景には,有効性と安全性の双方 に優れているとされる二相性波形除細動器(以下「新型除細動器」という。)の普及がある。 包括的指示化に合わせ,新型除細動器について切替えに要する費用・期間等の検討を踏まえ た具体的な導入スケジュールに基づき救急隊において早期導入を図る必要がある。 ○ 無脈性心室頻拍についても早期の除細動が必要であり,包括的指示化に合わせて,救急救命 士による除細動の対象とすべきである。 2 気管挿管 ○ 気道確保の方法として既に救急救命士に認められているラリンゲアルマスク,食道閉鎖式エ アウェイは,安全性に優れていることはもちろんのこと,適切に使用すれば気管挿管と比して も遜色のない有効性を有するものであることを再認識し,救急救命士が取扱いに習熟している これらの器具の最大限の活用を図るべきである。 ○ 気管挿管については,「救急救命士による適切な気道確保に関する研究」の報告にもあるよう に,院外心肺停止症例全体の救命率向上に寄与するとの根拠は得られていない。しかしながら, 気管挿管でなければ気道確保が困難な事例も一部存在することから,医師の具体的指示に基づ き救急救命士が気管挿管を実施することを限定的に認める必要がある。 57 ○ 救急救命士に限定的に気管挿管を認める上で必要となる条件は,別紙のとおりと考えられる が,特に,病院における実習の成否が,救急救命士による気管挿管の制度化に当たって最も重 要な課題である。したがって,病院実習については「救急救命士による特定行為の再検討に関 する研究」の研究結果を踏まえた実習ガイドラインの作成,普及を図り,専門医の指導の下に 患者のインフォームドコンセントを得ること等,当該ガイドラインに沿って適切に実習が行わ れるよう,関連団体,受入れ医療機関等と十分協議する必要がある。 ○ 気管挿管でなければ気道確保が困難な具体的事例については,「救急救命士による特定行為 の再検討に関する研究」の研究結果を踏まえたプロトコールについて周知を図る必要があるが, 気管挿管の危険性を十分に認識し,適応外事例に対する実施がなされないよう十分留意すべき である。 ○ 救急救命士資格を有するだけで気管挿管を認めることは適当でないとされたことを受けて, 「救急救命士による特定行為の再検討に関する研究」の研究結果を踏まえ,気管挿管に必要な 専門的知識に関する講習と,所定の30症例以上の病院実習を修了した者を,都道府県等にお いて個別に認定する必要がある。 ○ 同じく,再教育についても同研究結果を踏まえ,既存の再教育の機会等を有効に活用しつつ, 救急救命士に対し気管挿管に関する適切な再教育を実施する必要がある。 ○ ついては,これらの諸条件について整備,普及を図った上で,平成16年7月を目途に,必 要な講習・実習を修了する等の諸条件を満たした救急救命士に,限定的に気管挿管を認めるべ きである。 3 薬剤投与 ○ 救急救命士に薬剤投与を認めることの適否については,「救急救命士による特定行為の再検 討に関する研究」の中で関係学会等による検討を行った結果,文献検索等による心肺蘇生時の 薬剤投与(エピネフリン,アトロピン,リドカイン)の有効性を示す明確な根拠が見つからな かったこと,副作用が生じた場合に適切に対応する能力と準備が必要であること,高度の医学 的判断を要する行為であることなど,除細動や気管挿管に比較するとより危険を伴う行為であ ること,併せて,これに対応したものを含めたメディカルコントロール体制の整備が十分でな いこと等を理由として否定的な意見が多かった。 ○ 一方,薬剤の有効性に関しては,EBMという考え方が確立する以前から普遍的に使用され ているため,その効果を検証しようとする試みがなされなかったと解し得ること,適正に行わ れれば心肺停止患者の救命率向上に一定の効果を期待できること等を踏まえ,必要な教育を受 けた救急救命士に対し,十分なメディカルコントロール体制の下で医師の具体的指示が確実に なされることを前提に,エピネフリンの使用については認めてもよいとの意見があった。 ○ これらのことを踏まえれば,救急救命士に薬剤投与を認めることについて,直ちに結論を出 すことは困難であるが,救急救命士が医療機関において必要な技術を日常的に習得できる体制 や,実習,業務,事後検証,再教育が一貫して行える体制整備を含め,担当医と救急救命士が 58 日頃から顔の見える関係を築き,相互の連携と信頼の下にメディカルコントロール体制が構築 されることを前提とした上で,次のような検証等を行い,これらの結果を踏まえて,本検討会 において早期に結論を得るべきである。 1) 救急救命士が行うものとした場合の薬剤の有効性と安全性に関し,ドクターカー等にお ける研究,検証を,心拍の回復に必要となる最小限の薬剤に限定して行うこと。 その際,平成15年中を目途に,これらの研究,検証の結果をできるだけ早く得るよう にすること。 2) 各地域におけるメディカルコントロール体制の整備状況の把握及びその質の評価。 ○ 上記の結論として,救急救命士に薬剤投与を認めるとした場合には,次の点について必要な 措置を講じ,早期実施を目指すべきである。 1) 心拍の回復に必要となる最小限の薬剤について,救急救命士が安全かつ適切に使用する ための,適応,禁忌及び用法,用量の標準化等。 2) 薬剤投与が除細動,気管挿管に比較して高度な医学的判断を要する行為であることにか んがみ,必要な知識と技術を習得することはもとより,医療職種として必要とされる倫理観 や判断能力を培うことが必要とされることを踏まえた現行の半年課程のあり方を含めた養 成課程及び国家試験等の見直し。 ------------------------------------------------------------------------------------------ 気管挿管を認める上で必要な条件 知識・技能の十分な習得 (1)必要な知識の習得 1 @免許取得済み者に対する講習等 「救急救命士による特定行為のあり方等に関する研究」報告を踏まえたカリキュラムに沿っ て,免許取得済み者に対する講習を行うこと さらに,養成カリキュラムの追加,変更について検討すること A国家試験の見直し 「救急救命士国家試験のあり方等に関する検討会」において,国家試験の見直しを行うこと (2)必要な技能の習得 @ 実習ガイドラインの整備,普及とガイドラインに即した実習の実施 「救急救命士による特定行為のあり方等に関する研究」報告を踏まえ,実習ガイドラインの 整備,普及を図り,ガイドラインに即して適切に実習を実施すること A実習の受講資格 必要な知識を習得した者 B実習内容 地域メディカルコントロール協議会の依頼を受けた医療機関において,専門医の指導の下に, 全身麻酔症例を対象に所定の30症例以上実施すること Cインフォームドコンセント 実習に際し,専門医の指導と責任の下に,実習について十分な説明を行った上で,患者のイ ンフォームドコンセントを書面で得ること 59 (3) 研修(講習・実習)修了の認定と登録 @研修修了の認定 救急救命士は実習先の病院から交付された実習修了証明書(仮称)を都道府県に提出し,都 道府県は都道府県メディカルコントロール協議会の意見を聞いた上で救急救命士に対し研 修修了の認定書を交付すること A研修修了者の登録 都道府県は研修修了の認定書を交付した者を名簿に登録し,名簿の管理を行うこと (4) 再教育 「救急救命士による特定行為のあり方等に関する研究」報告を踏まえ,気管挿管の実施に必要 な知識,技能を習得し,研修修了の認定書を交付された救急救命士に対し,気管挿管の技術を 維持するために必要な再教育を実施すること 2 事前・事後の十分なメディカルコントロール (1) プロトコール等の作成 「救急救命士による特定行為のあり方等に関する研究」報告を踏まえ,対象となる症例,手順 等に関するプロトコール等を作成,普及し,救急救命士はそれを遵守すること (2) 医師の具体的指示 実施の際における個別ケースごとの医師の具体的指示を受けること 指示した医師は,指示内容を記録し保管すること (3) 事後検証 救急救命士は,搬送直後に,初診医に必要な報告を行うこと 地域のメディカルコントロール体制の下で,検証票を用いた事後検証を受けること その際,検証票に初診医の意見が反映できるようにすること 3 事故・訴訟発生時の体制整備 (1) 救急救命士及び医師の法的責任の明確化 万一の事故・訴訟発生時を想定し,救急救命士及び研修や具体的指示等に協力する医師,医療 機関の法的責任が明確化されるよう,業務委託等の際には適切な契約の締結等を図ること (2) 患者及びその家族等に対する情報開示 患者及びその家族等に対する情報開示の方法について,各自治体ごとに,あらかじめ明確化し ておくこと 4 その他 当該条件については,実施状況等を踏まえ,必要に応じて検討を加えること 60


広島県ののメディカルコントロール体制の構築について・目次