●「性病」と「性感染症」とは違う病気なの?
「性病」と「性感染症」は、ほとんど同じ意味として使われていましたが、最近では「性感染症」が多く使われています。
1998年に「性病予防法」が廃止されて「感染症法」に統合されたことから、法律上は「性病」という言葉がなくなったのです。
(感染症法とは、これまでの「伝染病予防法」「性病予防法」「エイズ予防法」を1998年に吸収・統合した新しい名称で、正式には「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」といいます)
これまで法律が定義する「性病」とは、梅毒淋病、軟性下かん、鼠径リンパ肉芽腫の4つの病気でした。今日、若い人たちを中心に蔓延しているエイズ性器クラミジア感染症性器ヘルペス尖圭コンジローマなどは、これまでの「性病」に含まれていません。そうしたことから、広く病名をカバーする「性感染症」という言葉が使われるようになってきました。
とはいえ、「性病」は禁止用語ではありませんので、使ってはいけないというわけではありません。保健医療関係者など専門家は使わなくなりましたが、一般的には俗語として残っているというのが現状でしょう。


●「STD」と「STI」って違うの?
STDとSTIは、どちらも「性感染症」と翻訳されます。
STDはSexually Transmitted Diseasesから、STIはSexually Transmitted Infectionsから、それぞれ頭文字をとったもので、違いは「Diseases(病気)」と「Infections(感染、感染症)」。
性感染症は、感染者が無症状で、医師も患者も病気(Diseases)と認識することができないまま感染源となる場合が多いことから、Infectionsを使うべきだとする見解があり、その場合は「STI」が使われているのです。
ただし英語では、病気である状態や期間を表すilllnessに対し、diseaseは、その原因となるものを指すといわれています。そのため、diseaseの中にinfectionsを含むという説もあり、STDとSTIは、どちらを使うのが正しいとかどちらかに固定すべきだというものではないようです。日本語ではどちらも「性感染症」なのですから、どちらも同じ意味です。

●セックスの相手数が増えると性感染症の感染率もアップ!
これまでにセックスをした人数が多い人ほど性感染症にかかる率が高いという統計が出ています。

■大学・専門学校生におけるセックス・パートナー数とクラミジア陽性率
セックス・パートナー数 男性陽性率 女性陽性率
0人 0% 0%
1人 2.5%(1/40人) 3.2%(1/31.3人)
2人 6.7%(1/15人) 5.6%(1/18人)
3人 6.9%(1/14.5人) 8.7%(1/11.5人)
4人以上 15.1%(1/6.6人) 14.8%(1/6.8人)
※今井博久、濱砂良一、熊本悦明:一般若年層の性器クラミジア感染:第15回性感染症学会発表 200212月(福岡)

これまでのセックス・パートナー数が多い人ほど感染率は上昇し、4人以上になると男女ともにかなり高率です。なぜそうなるかという原因ははっきりとは分かりませんが、セックス・パートナー数が増えるほどコンドームを使用しない傾向があるというデータもありますから、経験人数の多い人ほどセックスに無防備なのかもしれません。
また別のデータでは、初交年齢の低い人ほど性感染症にかかる率が高いということも分かっています。これも原因は分かりませんが、年齢が若い分、その後のセックス・パートナーの数が増えることなどが考えられます。
いずれにせよ、統計上、初交年齢が低い人や経験人数が多い人ほど性感染症にかかる人が多いのは事実です。
 







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