定款メモ
原案 2013.12.10
改訂 同 12.25
本財団設立者・荒記俊一東京大学名誉教授(前・独立行政法人労働安全衛生総合研究所理事長)を中心メンバーとする既成の学術集団・葉月会(平成13年発足、非法人組織、注1)を母体として一般財団法人を設立する。設立資金と当面の運営資金は設立者の個人資産による。役員、評議員、顧問は無報酬を原則とする。
設立の目的
1.今日の世界の社会医学は、産業革命直後のイギリスで世界に先駆けて相次いで誕生した工場法(1833年サックラー)、医学統計官制度(1837年ファー)、公衆衛生法(1847年チャドウィック)、および疫学研究(1854年スノー)を起源とし、これらを基に産業保健、公衆衛生(環境保健、予防医学、国民保健、地域保健、社会福祉・保障)、疫学、統計学などの学術がイギリスから世界各国へとグローバルに発展した(注2)。本財団はまずこの世界と日本の社会医学の発展史を総括し、この成果を内外に発信することを当面の重要な課題とする。
2.同時に、この総括をもとに現在の社会医学をめぐる日本と世界の政治、経済、および学術活動を分析し、社会医学の研究、教育、および社会活動を通して「新しい社会医学(注3)」の進化、発展を図ることを長期的な目標とする。
活動内容
1.上記で定義した新しい社会医学に関するオリジナルな著書、総説、原著論文等を執筆・編集し、内外の専門家と一般社会へ発信する。
2.荒記賞を設け、①総合的で顕著な業績を残した傑出した社会医学の指導者を顕彰する。 同様に、②社会医学の個別分野で学術的または社会的にインパクトが大きな先端的な業績をあげている現役の社会医学者を表彰する。③全国の大学で社会医学への貢献が期待される医学科の学生または医師である大学院学生の活動を助成する。
3.これまで10年以上の実績がある葉月会の表彰、および日本行動医学会の荒記賞と独立行政法人労働安全衛生総合研究所・荒記賞への助成を継続する。
4.社会医学の将来を担うニューリーダーを発掘し、助成する。
5.その他、広く社会医学の研究、教育、および社会活動を助成・推進し、一元的な社会医学の構築に向けて努力する。
注1 葉月会会則(別紙1、省略)
注2 荒記俊一:職業医学―理論と実践へのアプローチ、全285頁、サイエンス社、東京、1981年
注3 荒記俊一ほか:産業保健から社会医学へのイノベーションに向けて。産業医学レビュー22巻(4号):167-198頁,2010年(社会医学の定義を含む)
注4 財団設立者、代表理事(理事長)、理事、監事、評議員案(別紙2、省略)
注5 初年度予算:425万円(内訳: 財団設立資金、登録経費、年間活動費、事務経費)
定款
第1章 総則
(名 称)
- 第1条
- 当法人は、一般財団法人社会医学振興財団と称する。
(事務所)
- 第2条
- 当法人は、主たる事務所を東京都東村山市に置く。
- 2
- 当法人は、理事会の決議によって、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(目 的)
- 第3条
- 当法人は、「社会医学」の振興を図ること及び産業革命直後のイギリスで世界に先駆けて誕生した工場法、医学統計、公衆衛生法、疫学研究の原点に戻り、その後発展した世界と日本の社会医学の歴史を総括し、当法人役職員の研究・教育・実践活動と対外支援を通じて、新しい社会医学の創生とその進化・発展に寄与することを目的とする。
(事 業)
- 第4条
-
当法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。
- 社会医学の歴史、対象、方法、専門分野の文献学的総括に基づく、その定義、社会的価値、将来展望等の総合特性の検討
- 人類の文明活動と鉛中毒との係わりに関する検討
- 世界の社会医学の誕生と現在までの発展に係わる歴史的エポックの検討
- 我が国の社会医学の誕生と発展史の総括、欧米の発展史との比較、および現在の問題点と今後のイノベーションの検討
- 最近の社会医学の課題の重点化とその見直し
- 社会医学の研究、教育、および実践活動
- 上記各号の活動成果に基づく著書、業績集、総説、原著論文、報告書、学会発表、講演、講義、ホームページ等による広報活動
- 世界又は日本の社会医学の研究、教育又は実践活動で歴史的な貢献を果たした傑出した指導者の顕彰(荒記賞)
- 社会医学の個別分野で先端的な業績を上げた社会医学徒の顕彰と助成(「荒記賞(奨励賞)」)
- 社会医学への貢献が期待される医学生(または医学科卒の大学院学生)への助成(「荒記賞(学生賞)」)
- 葉月会賞、日本行動医学会荒記賞、独立行政法人・労働安全衛生総合研究所荒記賞、および新規の顕彰への助成の検討
- 前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業
(公告の方法)
- 第5条
- 当法人の公告は、電子公告により行う。ただし、電子公告することができないやむを得ない事由があるときは、当法人の主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法により行う。
第2章 財産及び会計
(財 産)
- 第6条
- 当法人設立者の氏名、設立者が拠出する財産及びその価額を第40条に定める。
(事業年度)
- 第7条
- 当法人の事業年度は、毎年6月1日から翌年5月31日までの年1期とする。
(事業計画及び収支予算)
- 第8条
- 当法人の事業計画及び収支予算については、毎事業年度開始日の前日までに理事長が作成し、理事会の決議を経て評議員会の承認を受けなければならない。これを変更する場合も、同様とする。
第3章 評議員及び評議員会
第1節 評議員
(評議員)
- 第9条
- 当法人に、評議員3名以上8名以内を置く。
(選任及び解任)
- 第10条
- 評議員の選任及び解任は、評議員会において行う。
(任 期)
- 第11条
- 評議員の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。ただし再任は妨げない。
- 2
- 任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期は、前任者の任期の残存期間と同一とする。
(報酬等)
- 第12条
- 評議員は、無報酬とする。ただし、評議員には、理事会が例外措置として認める場合には、その職務を行うために要する費用の一部又は全部を支払うことができる。
第2節 評議員会
(権 限)
- 第13条
- 評議員会は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法人法」という。)に規定する事項及びこの定款で定める事項に限り決議する。
(開 催)
- 第14条
- 定時評議員会は、毎事業年度終了後4か月以内の原則として土曜日の午後に開催する。臨時評議員会は、必要に応じて開催する。
(招集の通知)
- 第15条
- 理事長は、評議員会の開催日の5日前までに、評議員に対し、会議の日時及び場所並びに目的である事項を記載した書面をもって、通知を発しなければならない。
- 2
- 理事長は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、評議員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該理事長は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
- 3
- 前2項の通知には、一般法人法第181条1項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
- 4
- 前各項の規定にかかわらず、評議員会は、評議員全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく、評議員会を開催することができる。
(議 長)
- 第16条
- 評議員会の議長は、評議員会において、出席した評議員の中から選定する。
(決 議)
- 第17条
- 評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の過半数が出席し、出席した当該評議員の過半数をもって行う。
- 2
- 一般法人法第189条第2項の決議は、議決に加わることができる評議員の3分の2以上に当たる多数をもって行う。
(決議の省略)
- 第18条
- 理事が、評議員会の目的である事項について提案した場合において、その提案について、議決に加わることができる評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなす。
(報告の省略)
- 第19条
- 理事が評議員の全員に対し、評議員会に報告すべき事項を通知した場合において、その事項を評議員会に報告することを要しないことについて、評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その事項の評議員会への報告があったものとみなす。
(議事録)
- 第20条
- 評議員会の議事については、法令で定めるところにより議事録を作成し、出席した評議員及び理事がこれに署名又は記名押印する。
第4章 役員及び理事会
第1節 役員
(役 員)
- 第21条
- 当法人に、次の役員を置く。
(1) 理事 3名以上6名以内
(2) 監事 1名以上2名以内 - 2
- 理事の内1名を理事長とする。
- 3
- 理事長以外の理事のうち若干名を一般法人法第197条において準用する第91条第1項第2号の「業務を執行する理事(以下、業務執行理事という)」として置くことができる。
(選任等)
- 第22条
- 理事及び監事は、評議員会の決議によって選任する。
- 2
- 代表理事及び業務執行理事は、理事会の決議によって理事の中から選定する。代表理事は1名とする。
- 3
- 前項により選定された代表理事をもって理事長とし、業務執行理事のうち、1名を専務理事、1名を常務理事、若干名を執行理事とすることができる。
- 4
- 監事は、この法人又はその子法人の理事又は使用人を兼ねることができない。
- 5
- 各理事について、当該理事及びその配偶者又は3親等内の親族(これらの者に準ずるものとして当該理事と特別の関係がある者を含む。)の合計数は、理事総数の3分の1を超えてはならない。監事についても、同様とする。
(任 期)
- 第23条
- 理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終了の時までとする。ただし、再任は妨げない。
- 2
- 監事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終了の時までとする。ただし、再任は妨げない。
- 3
- 任期の満了前に退任した理事又は監事の補欠として選任された理事又は監事の任期は、前任者の任期の残存期間と同一とする。
(理事の職務及び権限)
- 第24条
- 理事は、理事会を構成し、法令及びこの定款の定めるところにより、その職務を執行する。
- 2
- 理事長は、当法人を代表し、その業務を総理する。
- 3
- 専務理事は、理事長を補佐して、当法人の業務を総括する。
- 4
- 常務理事は、理事長及び専務理事を補佐して、当法人の通常業務を総括する。
- 5
- 執行理事は、理事長及び常務理事を補佐して、当法人の特定の業務を総括する。
- 6
- 理事長、専務理事、常務理事及び執行理事は、毎事業年度に4か月を超える間隔で2回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。
(監事の職務及び権限)
- 第25条
- 監事は、理事の職務の執行を監査し、法令の定めるところにより、監査報告を作成する。
- 2
- 監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、当法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
(解 任)
- 第26条
- 理事又は監事が、次のいずれかに該当するときは、その理事又は監事を評議員会において解任することができる。ただし、監事の解任の決議は、議決に加わることができる評議員の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない。
(1)職務上の義務に違反し、又は職務を懈怠したとき。(2)心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
(報酬等)
- 第27条
- 理事及び監事は無報酬とする。ただし、評議員会が例外措置として定める場合は、賞与その他の職務執行の対価を当法人から受けることができる。
第2節 理事会
(権 限)
- 第28条
- 理事会は、この定款に別に定めるもののほか、次の職務を行う。
(1)業務執行の決定
(2)理事の職務の執行の監督
(3)理事長の選定及び解職
(招 集)
- 第29条
- 理事会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事長が原則として土曜日にこれを招集する。
- 2
- 理事会の招集通知は、理事会の日の5日前までに各理事及び監事に発する。ただし、緊急の必要があるときは、この期間を短縮することができる。
- 3
- 理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく理事会を開催することができる。
(議 長)
- 第30条
- 理事会の議長は、理事長がこれに当たる。
(決 議)
- 第31条
- 理事会の決議は、この定款に別段の定めがある場合を除き、議決に加わることができる理事の過半数が出席し、その過半数をもって行う。
(議事録)
- 第32条
- 理事会の議事については、法令で定めるところにより議事録を作成し、出席した理事長及び監事は、これに署名又は記名押印する。
第5章 顧 問
(顧 問)
- 第33条
- 当法人に、顧問を置くことができる。
- 2
- 顧問は、理事会の承認を得て理事長が委嘱する。
- 3
- 顧問の任期は法人発足日より2年とし、2年ごとに全員の任期を終了、又は再任する。
- 4
- 顧問は、荒記賞とその奨励賞、学生賞等の受賞者の選定及び法人のその他の重要事項について、理事長の求めに対して相談に応ずる。
- 5
- 顧問は、無報酬とする。ただし、理事会が例外措置として認める場合は、理事長の相談に応じるために要する費用の一部又は全額を支払うことができる。
第6章 定款の変更及び解散
(定款の変更)
- 第34条
- この定款は、評議員会において、議決に加わることができる評議員の3分の2以上に当たる多数をもって決議することにより変更することができる。
- 2
- 前項の規定は、当法人の目的並びに評議員の選任及び解任の方法についても適用する。
(解 散)
- 第35条
- 当法人は、基本財産の滅失その他の事由による当法人の目的である事業の成功の不能その他法令に定める事由によって解散する。
(残余財産の処分等)
- 第36条
- 当法人が清算する場合において有する残余財産は、評議員会の決議により、当法人と類似の事業を目的とする他の公益法人又は国若しくは地方公共団体に贈与するものとする。
- 2
- 当法人は、剰余金の分配を行わない。
第7章 附則
(設立時の評議員)
- 第37条
- 当法人の設立時評議員は、次のとおりとする。
北村 文彦 康永 秀生 中田 光紀 高橋 正也 江口 依里 細川 まゆ子 荒記 公子
(設立時の役員等)
- 第38条
- 当法人の設立時理事、設立時代表理事、設立時業務執行理事及び設立時監事は、次のとおりとする。
設立時理事
荒記 俊一 横山 和仁 谷川 武 澤田 晋一 佐藤 元
設立時代表理事
荒記 俊一
設立時監事
石川 信克
設立時業務執行理事
横山 和仁 谷川 武 澤田 晋一
(最初の事業年度)
- 第39条
- 当法人の最初の事業年度は、当法人成立の日から平成27年5月31日までとする。
(設立者の氏名及び住所並びに拠出する財産及びその価額)
- 第40条
- 設立者の氏名及び住所並びに当法人の設立に際して設立者が拠出する財産及びその価額は、次のとおりである。
設立者氏名 荒記 俊一
設立者住所 東京都東村山市秋津町5丁目37番地4
拠出財産及びその価額 現金4,000,000円 - 2
- 拠出財産の内1,000,000円を初年度の事業費とする。
- 3
- 当法人の第2年度以降の事業費は、法人設立者及び当法人の事業に賛同した者からの寄金による。
(法人区分)
- 第41条
- 当法人は、非営利型一般財団法人とする。
(法令の準拠)
- 第42条
- 本定款に定めのない事項は、すべて一般法人法その他の法令に従う。
以上、一般財団法人社会医学振興財団の設立のため、設立者 荒記 俊一の定款作成代理人である 行政書士 加川逸芳は、電磁的記録である本定款を作成し、これに電子署名する。
平成26年5月14日
設立者 荒記 俊一
上記定款作成代理人
住所 東京都板橋区小豆沢一丁目17番6号
行政書士 加川逸芳