大会長挨拶

「教育と実践のハーモニー」

「教育と実践のハーモニー」−第20回聖路加看護学会学術大会のメインテーマです。実習の質への疑問や危機感から発したテーマです。
 実習は実践の場で行われる真剣な学びです。実習にはさまざまな段階があります。たとえば、@専門職者としての基礎的な学びへの動機付け、イメージ化を生み出すためのシャドーイング実習、A良好な対人間係構築の入り口としてのコミュニケーション実習、B人々の生活上のケアを看護学生としてはじめて行う看護実習、C看護の各領域を系統的に学んでから行う臨地実習、D学びの総集編となる統合実習。さらに、E学生から新人への橋渡しとなる移行期の実習などがあります。
 基礎教育のなかで、学生は看護職者になることがどのようなことなのか、その考え方、振舞い方、専門職者であるための責任の果たし方について、さまざまな実習体験から学ぶことになります。そこには、不安、動揺、悲しみ、いらだち、焦り、感動、感激、感謝など数え切れない多様な体験があります。それゆえに、通常の学習の何倍もの重みがあり、達成感がともないます。何よりも自分の存在意義を問う厳しい体験でもあります。
 このような学生の成長のプロセスに伴走する教師にはどのようなことが求められるのでしょうか。また、同じプロフェッショナルとして、同業者を育てる実践者はどのようにこれに参与することがベストなのでしょうか。実践の基盤を育み、実習生として実践の場に送り出す教員。実習生を受入れ、学生が育んだ能力や資質を日々の看護実践のなかで発揮できるように育てる現場の看護職者。両者の共同によって、充実した実習が実現できるように具体的に考えることのできる一日としたいと存じます。多彩なプログラムを準備し、皆様のご参加を心よりお待ちしています。

第20回 聖路加看護学会学術大会
大会長 松谷美和子
(聖路加国際大学 看護学部)


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