ETMR embryonal tumor with multilayered rosettes

ETANTR embryonal tumor with avandant neuropil and true rosettes
CNS PNET primitive neuroectodermal tumorの一部
ependymoblastoma
medulloepithelioma
  • 2000年にはじめて記載されました
  • すごく珍しい乳幼児にできる胎児性小児脳腫瘍です
  • ETMRはかつて,ETANTR, PNET,上衣芽腫 ependymoblastoma,medulloepithelioma とも呼ばれました
  • PNETAT/RTととても良く似た臨床像を示します
  • 水頭症で発症することが多いです
  • ETMRは4歳以下の子どもに発生します
  • 大脳,脳幹部,小脳どこにでも発生します
  • 胎児性脳腫瘍の中でも,治療抵抗性で予後が悪いものです
  • 生存期間は1年未満の報告が多いです
  • MRI上での特徴は,浸潤性の増殖を示すびまん性胎児性腫瘍とは異なり, ETMRは塊となって周囲の脳を圧迫するように増大します (Amamek D 2013)
  • 確立された治療法はありません
  • 髄液にのって播種する性質があります
  • 初発時から播種があると治療適応がなくて,緩和ケアのみをします
  • 手術で全摘出できて,術後に放射線治療が可能であった子供での長期生存の報告があります
  • WHO基準に従って,C19MC増幅を調べるのに1ヶ月も時間をかけていると,手術後残存腫瘍の急激な増大に遭遇することがあります

画像診断

  • 悪性神経膠腫の特徴を示す画像所見です
  • 腫瘍内出血,多房性のう胞をみることがあります
  • 周囲脳浮腫が強いことが多いです
  • MRIT1強調画像で低信号,T2で高信号
  • ガドリニウムで部分的に増強されます,全く増強をみないものもあります
  • 細胞密度が高いのでCTで高密度,MRSでcholineが高くなります
  • 鑑別対象は,AT/RT,膠芽腫,退形成性上衣腫,他の胎児性腫瘍です,後頭窩であれば髄芽腫です

2016 WHO 診断基準

  • ETMRは,C19MC amplificationがあるものと定義されました
  • ETMRと組織診断だけで判断されるものは,embryonal tumor with multilayered rosettes, NOS と診断して記載し治療します
  • 進行が早い腫瘍なので,治療開始は組織診断で開始し,病理診断確定はC19MCの結果を見て行うというのが,現時点では妥当な臨床的対応です
  • 病理は難しいので英語の記述を借りると,This tumor has features of ependymoblastoma and neuroblastoma, demonstrating areas of fine fibrillary neuropil intermingled with ependymoblastic rosettes and zones of undifferentiated neuroepithelial cells. 他の胎児性腫瘍との大きな鑑別点は,striking abundance of neuropilです

長期生存例

Manjila (2011) は治療後7年の生存例を報告しました。4歳の時に発症して,右の頭頂葉腫瘍であったので幸いにも手術で全摘出できています。上矢状洞壁に浸潤があったとの記載があります。脳脊髄照射 (6 weeks, with 36 Gy) と腫瘍床には55.8 Gy,化学療法はChildren’s Cancer Group Protocol 99701が使用されました。具体的には,The patient received carboplatin at the maximum tolerated dose (cumulative dose 1050 mg/m2) and vincristine concurrently with radiation therapy. This was followed by cis-platinum (cumulative dose 450 mg/m2), vincristine (cumulative dose 30 mg/m2), and cyclophosphamide (cumulative dose 11.5 mg/m2) over a period of 6 months (Arm B).
この患児が長期生存できた理由は,手術で腫瘍が完全摘できたことと,ETMRとしては放射線治療ができる年長児であったこととです。この化学療法の有効性のためであったとは考えづらいです。

LIN28A抗体で診断ができる

Korshunov A, ey al.: LIN28A immunoreactivity is a potent diagnostic marker of embryonal tumor with multilayered rosettes (ETMR). Acta Neuropathol 124: 875-881, 2012
LIN28AがETMRの特異的な分子マーカーであるとの報告です (The encoded protein binds small RNA and has been implicated in stem cell pluripotency, metabolism and tumorigenesis. ) LIN28A特異抗体での染色では,ETMR37例の全ての検体で強い染色性が得られた,一方,50例のAT/RTでは6例で部分的な染色が得られたのみでした。800例の小児脳腫瘍で検索されましたが他の腫瘍型では陽性例がなかったとのことです。

文献

  1. Adamek D, et al.: Embryonal tumor with abundant neuropil and true rosettes: an autopsy case-based update and review of the literature. Childs Nerv Syst 29: 849-854, 2013
  2. Korshunov A, ey al.: LIN28A immunoreactivity is a potent diagnostic marker of embryonal tumor with multilayered rosettes (ETMR). Acta Neuropathol. 124: 875-881, 2012
  3. Manjila S, et al.: Embryonal tumors with abundant neuropil and true rosettes: 2 illustrative cases and a review of the literature. Neurosurg Focus 30: 2011
Copyright (C) 2006-2018 澤村 豊 All Rights Reserved.