第16回 日本臨床医学リスクマネジメント学会・学術集会 The 16th Annual Meeting of Japan Society of Risk Management for Clinical Medicine

会長挨拶 Greetings

第16回日本臨床医学リスクマネジメント学会学術集会 会長
昭和大学江東豊洲病院 副院長
上條 由美

第16回日本臨床医学リスクマネジメント学会学術総会を開催させていただきます、昭和大学江東豊洲病院の上條由美です。このような大役を仰せつかったことを大変光栄に存じます。今回の学術集会は、2018(平成30)年5月25日・26日に、江東区の豊洲シビックセンターにて開催させていただくことになりました。喜びとともに責任の重さを感じながら有意義な学術集会となりますように、準備を進めております。

今回の学術集会のテーマは、「患者の安全、医療者の安全」としました。「長時間労働、働き方改革」が社会的問題になってきていて、2017年3月には、残業時間に関する上限規制が定められました。医療業界にも働き方改革の波が押し寄せてきており、医師の病院内滞在時間を短縮するために、診療日時を制限するなどして医療サービスの低下を強いられる病院もでてきています。厳しい残業規制は、救急対応だけでなく、医師のトレーニングの機会なども妨げられ、医療の質の低下を招きかねません。医師の労働環境の改善は必要ですが、医療現場は一般企業とは違うことも理解しなければなりません。現在、各病院で様々な手法を用いて医師の働き方を探索しています。医療従事者が自分自身の健康を守ることは、患者の安全を守ることにもつながりますので、働き方改革は非常に重要です。こうした社会情勢を踏まえて、働き方改革についても活発な議論をしていただけたらと思います。

今回の学術集会を開催する江東区では、2009年に、妊婦さんが複数の病院から母体搬送の受け入れが困難で、死亡するという事例が発生しました。その後約10年が経過して、東京都だけでなく日本全体の産科医療提供体制が整備されてきていますが、産科を含めた救急医療体制には今なお多くの課題が残っています。この事例をきっかけに、救急医療の現場を考えるよい機会だと考え、学術集会ではリスクマネジメントの視点で検討したいと思っています。

今回の学術集会の会場である豊洲シビックセンターは、豊洲市場のすぐ近くです。2016年11月に開場する予定だった豊洲市場は、2018年5月には移転することが濃厚となっています(2017年6月21日現在)。学会集会開催時には新しい豊洲市場がオープンしていることを願っています。様々なリスクを抱えていた豊洲市場は、小池百合子都知事のもと、様々な対策を講じて皆が安心できる市場がオープンすることを願っています。これぞリスクマネジメントではないでしょうか。また江東区は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会を控えて、安全・安心・快適に過ごせるせる環境作りに力を入れています。豊洲シビックセンター周囲に建設中の選手村や競技場を見て、東京オリンピック・パラリンピック大会を身近に感じていただけたらと思います。