付注3-1-1 無障害平均余命の試算方法
1 使用したデータ
○ |
厚生労働省「国民生活基礎調査」 |
○ |
総務省「人口推計」 |
(我が国の推計人口 大正9年〜平成12年、人口推計年報 各年10月1日現在推計人口)
○ |
厚生労働省「簡易生命表」(1989〜2004年) |
2 試算方法
ここでは、厚生労働省の生命表諸関数の定義において「x歳の平均余命=x歳以上の定常人口/x歳における生存数」(注)であることを用い、切明・下光[2004]を参考に、無障害平均余命を試算した。
まず、障害人口を厚生労働省「国民生活基礎調査」における「入院している者」、「1月以上の就床者」および「日常生活に影響のある者」とした。そうした障害人口を除いた者を無障害人口とし、以下のように65歳以上の無障害定常人口を算出した。
「x歳の平均余命=x歳以上の定常人口/x歳における生存数」であることから、「x歳以上の定常人口」を「65歳以上の無障害定常人口」に置き換え、65歳時点の無障害平均余命を算出した。
1. |
厚生労働省「国民生活基礎調査」の「1月以上の就床者」は、2001年および2004年の統計はないが、「日常生活に影響ある者」に含まれているものとみなしている。 |
2. |
「入院している者」は、1989〜98年は「あなたは入院または、老人保健施設に入所中ですか。」という問に対して「はい」と回答した者。2001年以降は「あなたは病院や診療所に入院、又は、介護保険施設に入所中ですか。」という問に変更されている。 |
以下の[2]x歳以上の定常人口は、x歳に達した生存数がその後全員死亡するまで生きた生存延べ年数である。
そのため、
という式になる。
ある時期における年齢別死亡率が今後一定不変と仮定したとき、一定の出生者(10万人)がこの年齢別死亡率にしたがって死亡減少していくと考えた場合、x歳に達するまで生きると期待される者の数。
x歳における生存数について、これらの各々が、x歳からx+n歳に達するまでの間に生存する年数の和、または、常に一定の出生があって、これらの者がある時期における年齢別死亡率にしたがって死亡すると仮定すると究極において一定の人口集団が得られるが、その集団のx歳以上x+n歳未満の人口を、年齢階級[x, x+n)における定常人口と言う。特にn=1のときx歳における定常人口と言う。また、x歳以上の人口の合計をx歳以上の定常人口と言う。
切明義孝・下光輝一[2004]「介護保険制度を利用した健康寿命の算出方法の開発」
東京医科大学雑誌第62巻第1号P36-43