http://www.iarc.fr/pageroot/PRELEASES/pr131a.html TOBACCO INDUSTRY INTERFERENCE WITH WORLD HEALTH ORGANIZATION'S RESEARCH ON PASSIVE SMOKE AND CANCER タバコ産業がWHOの受動喫煙と癌に関する研究を妨害している。 現在、タバコは人間の癌の予防可能な最大の原因であると認識されている。 北アメリカでは年間23万人、ヨーロッパでは年間42万人がタバコによる癌を発病しています。 受動喫煙は小さいながらも発癌の危険があります。職場や公衆の場での喫煙を規制することは 非喫煙者を受動喫煙の害から守るという科学的根拠があります。 しかし、タバコ産業は環境タバコ煙による発癌の危険に異論を唱える努力をしています。 ( tobacco industry has made considerable efforts to dispute the lung cancer risk associated with environmental tobacco smoke ) The Lancet dated 8 April 2000にUniversity of California at San Francisco の研究者の報告が 掲載されました。研究者らはPhillip Morris その他のタバコ産業の内部文書を調査しました。 タバコ産業の内部文書によりタバコ産業は受動喫煙が非喫煙者に引き起こす肺癌に関する 疫学調査を秘密裏に監視し積極的に妨害しようと躍起になっていたという証拠をつかみました。 その疫学調査はWHOの研究機関でリヨンにあるIARC( International Agency for Research on Cancer )により行われたものでした。 疫学調査の結果は Journal of the National Cancer Institute (Boffetta et al., J Natl Cancer Inst 90: 1440-1450; 1998) に発表されました。そして、職場や配偶者による受動喫煙が、 相対危険度で1.16程度、癌の危険を増加させることを明らかにしました。一方、喫煙者の癌の 危険は20倍以上にも高まるという事が明らかになりました。 そして、米国の非喫煙者では年間3000人、ヨーロッパの非喫煙者では年間2500人が受動喫煙 による肺癌を発症していると結論しました。 タバコ産業はIARCの調査結果の公表について対策を講じました。IARCの調査員から情報を得る ためにコンサルタントを雇い接触を試みました。また、IARCの科学的議論や研究費に影響を与え ようと試みました。2年前、タバコ産業はDaily Telegraph (London)などのメディアを利用してIARCの 報告を強引に否定するキャンペーンを繰り返しました。 The Lancetに掲載された報告はタバコ産業がメディアキャンペーンを利用して受動喫煙対策を妨害 していることを明らかにしました。受動喫煙により肺癌の危険が増加するという事実は、喫煙者の 肺癌が増加するという事実とは次元が異なる問題です。 つまり、喫煙が非喫煙者(喫煙という選択を拒む者)にも健康障害をもたらすという証拠なのです。 受動喫煙が健康障害の原因になるという事実は、長期的に見て、公衆の場を禁煙にするという 対応を迫られます。 公衆の場が禁煙になるということはタバコ産業にとって大きな脅威となります。このためタバコ産業 はIARCの「受動喫煙と肺癌の因果関係調査」の監視を行い信用を損ねようとしたのです。 IARCによる受動喫煙と肺癌の因果関係に関する調査やタバコ産業のIARCへの妨害についての さらに詳細な情報は下記へお問い合わせ下さい。 Dr Nicolas Gaudin, Public Relations Officer. (gaudin@iarc.fr)