たばこがチェコ財政に好影響」 米最大手が主張 2001.07.16 Web posted at: 3:11 PM JST (0611 GMT) (CNN) 16日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、 米たばこ最大手のフィリップ・モリスが、たばこ税からの歳入などにより、 たばこがチェコの財政収支に「好ましい影響」を与えたとする分析結果を まとめ、報告書を同国の政府関係者に配布した、と報じた。報告書は、 喫煙者が早期に死亡する率が高いことが、政府の社会保障負担の軽減に つながったなどと指摘しており、嫌煙権運動団体などから非難を浴びそうだ。 フィリップ・モリスは、チェコの旧国営たばこ会社に77.5% 出資しており、同国でのシェアは約80%。報告書は、喫煙者の増加 が、社会保険の負担増につながっているとして、チェコ政府がたばこ 産業を非難したことを受け、フィリップ・モリスが、コンサルタント 会社、アーサー・D・リトル・インターナショナルに委託して、 昨年まとめられた。 それによると、喫煙者が高齢となる前に死亡する率が高いことから、 チェコでは、高齢者向けの年金、医療保険、住宅の社会保障負担額が、 1999年に2380万ドル-3010万ドル程度軽減された、としている。 また、たばこが原因で病気になった人や間接喫煙の被害者への医療負担、 喫煙者の死亡による所得税収の減少などを差し引いても、たばこは、 チェコの国庫にとって、99年は1億4710万ドルの増収効果を もたらしたと主張している。 フィリップ・モリスの広報担当者は、ウォール・ストリート・ジャーナル に対し、「これは経済的効果の調査で、それ以上それ以下でもない。 たばこに関連した病気が、社会に恩恵をもたらすと指摘しているわけではない」 と述べている。 ただ、米ミシガン大学公衆衛生学部のエコノミスト、ケネス・ワーナー氏は、 同紙に対し、「消費者を殺して国庫を潤すことに貢献していると自慢する会社 は見たことがない」と述べ、フィリップ・モリスを非難した。 まだワーナー氏は、報告書は、たばこをやめた人が、それまでにたばこ購入 に充てていた収入を他商品に消費する影響を考慮しておらず、 分析方法に大きな欠陥があると指摘している。