Dr Gro Harlem Brundtland Director-General http://www.who.int/director-general/speeches/2001/english/20010531_worldnotobaccoday.en.html World Health Organization Geneva 31 May 2001 World No Tobacco Day WHO長官 グロ・ハーレム・ブルントラント博士 2001年5月31日 ジュネーブにて みなさん、 私達はタバコが人を殺すことを知っています。 私達は世界禁煙デーを活用してタバコは 非喫煙者をも殺すという事実を全ての人々に広めようと思います。 受動喫煙は人殺しであるという事実を広めましょう。 受動喫煙が癌、呼吸器疾患、心疾患、などの原因になることは明らかです。 受動喫煙は喘息、子供の呼吸器疾患、乳幼児突然死症候群、中耳炎など 様々な小児科疾患の原因になることも明らかです。 科学者は受動喫煙には許容範囲が存在しないと断言しています。 受動喫煙は避けなければなりません。 空気清浄機や分煙では受動喫煙を完全に防ぐことは出来ません。 受動喫煙を防ぐ一番の方法は屋外でも屋内でもタバコの煙を浴びない事です。 しかし、現実は違います。我々は至るところで受動喫煙に脅かされています。 例えば、空港、商店街、特に職場です。 喫煙に関する規制の無い国では国民は毎日、終日、受動喫煙の被害を受けています。 特に食堂やバーで働く労働者の被害は甚大です。 WHOは世界中の子供達の約半数、7億人が受動喫煙の被害を受けていると推定します。 しかし、受動喫煙は危険であるという科学的事実にもかかわらず、我々は受動喫煙を 避けようがありません。受動喫煙があまりにも野放しにされており、あえて抗議も出来ません。 今こそ受動喫煙の害を訴える時です。我々はきれいな空気を吸う権利があります。 我々は健康を得る権利があり、家族や友人を守る権利があります。 我々は受動喫煙はいりません。我々は清浄な空気が必要です。 今日、WHOは公衆の場での喫煙を禁止することを要求します。 空気を清浄にし、全ての人々の安全を確保する包括的な規制が必要です。 その規制は人々が健康を得る権利を守り、環境中のタバコの煙を取り除くために有効に 機能するでしょう。 カナダ、タイ、オーストラリア、南アフリカでは効果的なタバコ規制が行われています。 そして、国民に禁煙を勧奨し、禁煙を支援しています。 広く、公衆の場での喫煙を禁じることにより、タバコは社会的にも受け入れられなくなるでしょう。 タバコ産業はそのことを良く知っています。そして、タバコ規制を恐れています。 このため、タバコ産業はWHOによる受動喫煙対策を妨害しようと躍起になっています。 タバコ産業は数百万ドルの大金で政府や企業を買収し、換気や喫煙者のマナー向上により 受動喫煙の問題を解決させようとしています。 タバコ産業は受動喫煙対策を遅らせ、妨害するためにあらゆる手段を用います。 健康を優先して考えるべきです。受動喫煙に関する誤った情報を訂正せねばなりません。 我々は健康に生きる権利を取り戻さねばなりません。この世界禁煙デーに、両親、配偶者、 雇用主、議員、全ての人々の力をあわせてタバコが無い世界を実現しましょう。 受動喫煙の害から、自分自身、他者、子供達、家族、を守ることを誓いましょう。 私は、この素晴らしい日に、みなさんと一緒に、ここジュネーブにいることを感謝致します。 清浄な空気を求めるため、多くの人々が署名してくださった請願書は、ジュネーブの子供達を 受動喫煙の害から守ることになります。 ありがとうございました。