大阪市立大学 医学部 泌尿器科 教授
            仲谷 達也
   
   本年度、西澤良記前会長のあとをうけて大阪透析研究会会長に就任いたしました仲谷達也です。正会員900名以上、施設会員200以上の大きな規模の研究会会長にご指名頂き、身の引き締まる思いです。また、前会長をはじめ、岸本武利元会長、故前川正信先生と、本会の運営に携わられた先生方を振り返った時、改めて本会の長い伝統と果たしてきた社会的役割の大きさを実感する次第です。
 本会の歴史を紐解きますと、発足は1974年(昭和49年)で、第1回学術集会が同年3月17日(日)に故田村峯雄大阪市立大学医学部教授(当時)を大会長として開かれ、同大学病理学教室の藤本輝夫教授による特別講演「糸球体腎炎について」他、一般演題3題の学術発表の行われたことが史料から確認されます。それが今では一般演題だけでもおよそ100題、教育講演や特別講演、各種委員会報告と非常に盛りだくさんの内容で、充実したプログラムの学術集会が毎年2回開催され、参加者数も1.600名を上回る国内最大規模の地方透析研究会となっています。 
 学術集会規模の大きさに加えて、本研究会のもうひとつの特徴として内容の充実した定期発行会誌が挙げられます。年2回発行の会誌はハイレベルな原著論文とアップデイトな特集、そして膨大かつ詳細なデータによる府下の透析・腎移植実態調査報告、さらにテクニカルノートやトピックスなどタイムリーな情報に溢れた内容となっています。
 学術委員会や会誌編集委員会等、各種委員会のメンバーの並大抵でない努力によって学術集会や会誌といった、学術プログラムが構成されてきたことは言うまでもありません。しかし、本研究会は医師以外の多職種の会員から成り立ち、非常に開かれた研究会として、会誌紙面でも学術研究会でも自由闊達に意見交換が可能であったことが、これまでの会の成長と活動力に寄与してきたように思えてなりません。
 人工透析にかかわる医療人が職種を超えて、透析医療の成績向上のために集うことが本研究会の目的であり、今後もこれまで同様に本研究会が透析医療と透析学の進歩のために国内外に情報を発信する拠点としての社会的責任を果たし続けるように傾注してまいる所存です。皆様方の御協力を心よりお願い申し上げて、会長就任の挨拶とさせていただきます。