−ドパミンアゴニスト使用上の注意 −

 平成19年3月29日、米国の食品医薬品局(FDA)は、麦角系ドパミンアゴニストの服用患者に心臓弁膜症の合併が多いとの報告をうけ、米国でのペルゴリドの発売を終了することを発表しました。

 本研究班でも野元班員,久野班員,近藤班員らを中心にドパミンアゴニストと心臓弁膜症について検討してきましたが、我が国においても、いくつかの施設から麦角アルカロイドにより心臓弁の逆流が増加することを確認したデータが報告されています。
心弁膜症の合併は総投与量に相関するとの観察も報告されていますので、麦角アルカロイドの使用時には定期的な心エコー等の検査を行なうことが推奨されます。
また、ヨーロッパの事例に倣って、アゴニストの使用に当たっては、まず非麦角系を使用し、効果が不十分であったり副作用が強いときに麦角系の使用を考慮する方法も、副作用の評価が定まるまでは参考になるかもしれません。

 これらのことを踏まえ、日本神経学会は,「ドパミンアゴニストの副作用と使用上の留意点についての暫定指針:日本神経学会パーキンソン病治療ガイドライン2002への追加事項」作成委員会を立ち上げ、出来るだけ早急に「アゴニストの副作用、世界と日本における発生状況と国間の相違点、実際の使用法と留意点」について、暫定指針を作る方針で検討を始めました。
ここからの結論が公表され次第、当ホームページにも転載掲示する方針です。
  それまでは、下記に添付した各販売会社からの副作用情報に基づき、心臓弁膜症および線維症に十分注意し、日常診療に携わって頂きたく存じます。

以下に、麦角系ドパミンアゴニストの副作用情報を添付します。
(各社クリックして頂きますと、PDFファイルにて情報を閲覧していただけます。)
イーライリリー社からの副作用情報
キッセイ薬品とファイザー社からの副作用情報


参考文献:
1. Yamamoto M, et al. Dopamine agonists and cardiac valvulopathy in Parkinson disease: a case-control study. Neurology. 2006 Oct 10;67(7):1225-9.

2. Schade R. et al. Dopamine agonists and the risk of cardiac-valve regurgitation. N Engl J Med. 2007 Jan 4;356(1):29-38. 

3. Zanettini R,et al. Valvular heart disease and the use of dopamine agonists for Parkinson's disease. N Engl J Med. 2007 Jan 4;356(1):39-46

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