第44回近畿医学検査学会実行委員会に参画して

実行委員会 参与 山名 正夫

 今回、学会実行委員会へ「参与」の立場で参画させていただきました。この立場は比較的第三者の位置から実行委員会等の動さを眺められることになりましたので、期間中に感じたことを記します。今後の参考の一助になれば幸甚に思います。

T全体としての感想
 奈臨技の伝統である「手作りの学会」の伝統が准続されていたことに安心しました。
 すなわち、学会学術内容はもとより、会場の設定、看板等も手作りで作成し運営するという精神が受け継がれ、かつ、理事会や各責任者にもこれら精神を次代に引さ継ごうとの配慮がなされていたように思われました。

U学会企画について
1.学会特別企画について
  学会学術内容は、一般演題(公募)といわゆる特別企画に分かれますが、特別企画については、次によるのが良いように思われます。

1)講演
   会員外に演者を依頼する場合と、会員による講演に分かれますが、いずれにせよ、「専門的内容」、「文化的内容」「教育的内容」等、内容の識別と聴講対象者を明確にし、開催担当技師会が地域の特徴も踏まえ企画して行くものと考えます。

 2)シンポジュウム、カンフアレンス等の企画
  以下の企画は、従来、開催担当技師会の主導で企画されていましたが、将来的には近畿臨床衛生検査技師会の主導で企画されるべきものと堆量します。すなわちこれらの内容は、経年継続的な内容が必要な場合もありますし、日臨技全体の動きを反映する必要が生じるケースもあるかとも思います。
  また、企画を近臨技が担当することにより間接効果として近畿レベルの学術の連携と発展につながることと思われます。なお、企画にあたっては、以下の分類と差異を明確にしておく必要があります。
   @シンポジュウム Aカンフアレンス Bパネルディスカッション CカンフアレンスDワークショップ 等

V実行組識について
 学会組織は、理事会のもとに「学会実行委員会」が組織され、この組織は短期事業であることからビラミッド式組織として設置されました。この組織の運用に関しては、以下の配慮が必要と思われます。

1.理事会、実行委員会(小委員会、責任者会議、担当会議)の果たすべき役割それぞれの役割を設置当初に明確にしておく必要があります。

1)理事メンバーは、理事としての役割と実行委員としての役割の両面を持っています。今回その認識を確認できていなかった面もあるように思います。

2)実行委員会のうちの、小委員会、各責任者会議、担当会議等の役割は設置当初文書整理をしておく必要があります。今回感じられた現象として次のようなものがあります。
@ 企画内容の基本的原案をどこが作成するか?
会議を開催するに当たっては、いずれの会議にしても、原案作成の段階から全体会議の中で行おうとするには、時間的制約もあって無理があります。会議はそれぞれのパートが企画したものを提示、討議しそれぞれの間の整合性を確認する場と考えます。

A 会議資料の事前配布
会議資料は、少なくとも1週間前には配布されている必要があります。当日配布された資料を見つつ討議するのは無理があります。このためには常に作業日程の確認と修正が必要。また資料はすべてについて、すべての委員に文書で伝えるのが望ましい。

B 全体の動きの掌握
各部署の動きは、常に事務局等が把握している必要があります。今回少し各部署からの報告が欠落していた部分があるように感じました。

2.当日運営について
 学会当日の運営に際しては、予想を超える支障の出ることを考慮して速やかに対処できる体制が必要です。支障(問題点)は各部署で処理できる事項とできない事項があり、これらは処理ができた事項も含め、学会本部ですべて掌握している必要があります。
 このため、学会本部には少なくとも@学会実行委員長(副実行委員長)、A事務局長、B会場総括責任者が常駐しており、かつ、すべての情報を共有している必要があります。前三者がすべての情報を共有していることの意味は重大な問題発生に速やかに対処するために必要不可欠です。

W 学会のオープン化について
 学会のオープン化については、今回、試みとして賛助会員に参加方式等も含め企画委員会段階からの参画をお願いしご協力いただきました。このことの評価と今後の准移は近臨技理事会での総合判断に委ねられることと思います。