近畿医学検査学会を振り返って

実行委員長 山本 慶和

 第44回近畿医学検査学会の実行委員長を任されるにあたり、私は2、3のことを実現したいと考えました。それはチーム医療と診療に関連するシンポジウムを複数企画してもらいたいこと、小さな予算による企画とオープンな学会をめざし賛助会員からも一般演題を募り、さまざまな職種が切磋琢磨する学会にしたいこと、および、多くの会員に参加していただくために情報を多く発信すること、などでした。予算は多少多くなり、賛助会員の発表もプレゼンテーションまででありましたが、学生の発表が10題を超え、参加者数、一般演題、
シンポジウム、イブニングゼセミナー、ランチョンセミナー、特別講演等総じて順調に進めることができ会員、賛助会員皆さんのご協力の賜物とお礼申し上げます。
 学会の質は一般演題数とシンポジウムの企画が重要であり、今回はチーム医療、診療にかかわる検査をテーマとするシンポジウムが企画され、学会のメインテーマ「健康と診療に貢献する臨床検査」もシンポジウムのテーマから生まれ、学会テーマと内容が一致したものになったと思います。
 今回の学会は手作りによるところが多々あり、実行委員の方々には大変なご苦労をしていただきました。倉本副会長をはじめ会場担当委員の方々は何回も万葉ホールヘ下見に行かれ入念な計画を立てていただきました。特に瀬川さんにはマニュアルから小道具に至るまで企画、実践、指導と超人的な働きには頭が下がる思いです。議事録、議案書、抄録受付、プログラム、抄録集の作成に関与していただいた事務局総務、大林、萬砂、竹岡さん、垂れ幕作成担当の下村、中村さん、交流会のビデオ撮影、上映担当の北川、白土さんらの作業は深夜12時を回ることもあったと聞いています。こうした皆さんの献身的な支えによって盛り上がった学会となったといっても過言ではないと思います。学会の前日、当日には実務委員として総勢150余りの会員の方々にそろいのスタッフジャンパを着用して担当任務を遂行していただきましたが、参加者から大変好評であったことも付け加えさせていただきます。
 実行委員会の開催は8回を数え、委員会への出席は大変なことと思いましたが、会員の皆さんと共にやり遂げることができたと感じています。実行委員会へは賛助会員から6人参加していただき、イブニング、ランチョン、プレゼンテーションの企画(会員外企画)に参画していただき、さらに実行委員会の議事運営の
中身を一緒に体験していただいたことは大変意味のある事と受け止めています。残念なことはこの会員外企
画の担当であった城さんが急な出直しをされたことです。初めての企画であり、アンケート調査、賛助会員との意見交換会を開き、たたき台となる企画を提案していただいた矢先のことであったと思います。本当に残念でなりません、あらためてご冥福をお祈り申し上げます。
 137の一般演題(プレゼンテーションを含む)のうち奈良県から57題(うち9題学生)にエントリーしていただき、会員みなさんの学会に対する熱い気持ちが伝わってきました。今後も途切れることなく近畿学会に是非エントリーし研鑽を積んでいただきたいと思います。学会に参加して学術的な知識を得るだけでなく、頑張っている人の話を聞いて元気になる、刺激を受けて明日の鋭気を養うことに大さな意味があると私は考えています。また、今学会のシンポジウムで取り上げましたチーム医療について近畿で堆進する部会の立上げの準備が進められています。学会の企画が早くも芽を出そうとしています。
 最後になりましたが、実行委員長という大変貴重な経験をさせていただき、多くの方の協力の上に成し遂げられることをあらためて学ぶことができ感謝申し上げます。