フォーラム公開講演・リスクマネージメント 辻本 武寛
特別企画部・第1日日の公開講演は、奈良県立橿原考古学研究所・調査研究部長の松田真一先生に『飛鳥京を探る』“最近の飛鳥京跡の発掘調査とその成果から”また、第2日日の教育講演は、大阪府立泉州救命救急センター検査室・検査技師長の福田篤久先生に 『救急検査室24時!!』“熱き技師たちの闘い”と題してご講演を項きました。
初日の公開講演は開催地・奈良にとって誇らしい講演内容となりました。
大化改新の舞台となった飛鳥板蓋宮跡、次いで斎明天皇の後飛鳥岡本宮、更にその次の天武天皇の飛鳥浄御原宮と古都飛鳥の地に次々と継承されてきた貴重な分化遺産を、最近の発掘調査によって得られた最新の資料もまじえて多くのスライドとして紹介されました。松田先生のお話がすすむに連れ、現代にいながらにして飛鳥時代にタイムスリップしたかのような感覚となり、ご講演が終わった時には飛鳥の都人の生活がついこの前のことであったかのような錯覚を覚えたことを思い出します。これは、ご講演が終わられた後の控え室の話ですが、松田先生は「会場の皆さんには、もう少しお話したいことがあったのに時間が短くて残念です。」と言いつつ、今回、講師のお世話をいただいていた増谷会長と私に30分近くも、更に遺跡調査のお話を熱く語られ、調査研究に情熱をかけられている姿に感動し、また、自分自身を振り返り少し考えさせられたひと時でした。
2日日の「救急検査室24時!!」は、目からうろこの講演ではなかったでしょうか。患者様を診る施設であればどのような施設であっても我々、臨床検査技師は緊急検査と向き合っていかねばなりません。福田先生は、ご講演の中で“迅速性”と“正確性”を血糖検査の「32mg/dlを5分で報告」と「26mg/dlを15分で報告」を例にあげ述べられ、また、患者情報と前準備の重要性を駅前の立ち食いうどんを例にあげ「うどんの種類に関係なくTurnAroundTimeは15〜20secである。」ことの根拠をユーモアをまじえ検査と比較して示されました。
その他、多くの症例スライドにより日常検査での盲点などを指摘され、あらためて我々の日々の任の重さを思い知らされたことではなかったでしょうか?また、多くの“名言”を示されたことも印象的でした。その一部を特別企画部の締めくくりとして第44回近畿医学検査学会の「まとめ集」に残しておきます。
「救急医療において血液ガスデータは、パイタルサインである。」
「血液ガスといえども、3分間過去のデータである。」
「検査技師 パソコン見るより 患者観よ!」