学術担当責任者として本学会を振り返って

学術部 丹羽 欣正

事前準備

  第44回近畿医学検査学会シンポジウムに関わる準備の第1歩は、平成14年12月に開催した検査研究部門運営委員会における、内容および方法等に対する協議、さらには、各分野に持ち帰っての骨子作成を宿題としたことに始まった。この検査研究部門運営委員会は、平成14年4月に部門別検査研究班が検査研究部門へと組織替えされた際に設立された委員会で、まさに本事業が初仕事かつ大仕事となった。その約半年後、各分野に持ち帰った宿題をまとめる目的で、平成15年4月に部門運営委員会に分野長全員を加えた
 大打合せ会を開催した。この打合せ会で、本シンポジウムの骨組みはほぼ出来上がったと言っても過言でないと考えている。その後3回に及ぶ委員会で検討が重ねられ、平成15年12月6日大阪において近畿臨床衛生検査技師会シンポジウム打ち合わせ会に挑んだ。打ち合わせ会は順調かつ円滑に進められ、司会者,シンポジスト候補者が准薦された。その2カ月後には、これらは全て決定に至った。
  今回のシンポジウムにおける最大の特徴をあげる。通年の経過で、単一分野での開催が必要な、免疫検査,輸血・移植検査,臨床化学,微生物の4分野および細胞分野のスライドカンフアレンス以外の分野は、部門運営委員会として3種類のシンポジウムを組んだことである。そのタイトルは、@健康づくりの一翼を担う臨床検査,Aチーム医療への臨床検査技師の取り組み,B診断への関わり方−新しい取り組み−で、そのタイトル名からも堆察できるように、聴衆会員の興味を引く内容に仕上げるための、担当された部門長各位のご苦労を察しするしだいである

直 前

 1.一般演題、プレゼンテーションの査読
 JAMTIS、Eメールにて届いた抄録を、各委員の専門分野で受け持ち査読し、後日開催のプログラム編集委員会時決定した。また、査読の際同一系統の内容毎に演題をブロック分けし、座長も振り分けした。

 2.プログラム案作成
  査読委員会により査読され、内容毎のブロック割、座長の割り振りがなされた一般演題およびプレゼンテーションについて、会場の振り分けを行った。振り分けた演題数は、一般演題115題 プレゼンテーション21題 合計136題であった。

そして学会当日

1.受付から発表会場への演者の流れ

  一般演題およびシンポジウムに対する演者の到着確認と同時に、演者自身による発表内容の確認、さらにシンポジウムでは持ち込みパソコンでの動作確認およびCDの当日持込などあったが、4台のパソコンでスムーズに流れた。また、当日の内容変更は原則認めないとしたが、今回はすべて認め係員がUSBフラッシュメモリーに納め、会場の映写係まで運んだ。・・・・・表向きには変更不可としなければならないが、内部的には始から変更を認めることとして、メッセンジャーを用意しておく必要があった。

 2.シンポジウムの状況

 専門分野によるシンポジウムおよび細胞診のスライドカンフアレンスについては、例年通りの規模で、運営面での流れなどもすべて例年通り順調であった。多部門による混成セッションでのシンポジウムでは、シンポジウムU(チーム医療への臨床検査技師の取り組み)とシンポジウムZ(診断への関わり方ー新しい取り組み)が、入場者数の面では、前者が約130名、後者が約100名であり、専門分野の会場に入場者を取られた形となった。しかも、両者とも大会場である第1会場であったことから、雰囲気的には閑散としたものとなったが、フロアーと演者間での討論は両者とも活発で、時間が足りないくらいとなったように内容の濃いシンポジウムが開催できた。