第44回近畿医学検査学会事務局として

事務局  林田 雅彦

第44回近畿医学検査学会が開催されるまでの経緯について

  学会の準備は、平成14年11月26日第7回理事会にて準備委員会設立の提案が行われ、平成15年1月18日第8回理事会に委員と役割分担および予算案が提出された。それ以降、準備委員会は2月25日から6月17日まで毎月1回の割合で計5回行われ、学会の開催日、会場の決定、学会役員、基本的な演題等の企画、タイムスケジュール、さらに近臨技の意向も踏まえ以下の基本方針を決定した。@正会員以外の発表も可能とし、参加・発表のオープン化を考える。A展示を行わず、正会員外会員の参画方法を考える。
 また、実行委員としても参加してもらう。B実行委員の人選は、次期担当学会を考慮して行う。C学会の運営は受益者負担を基本とし、交流会についても同様とする。D学会の運営は県下のできるだけ多くの施設の協力を得る。E学会の準備・運営を新人研修の一環として行う。F災害もしくは悪天候時には学会の延期は行わず中止とする。それまでに集められた演題登録料や広告料は返還しないなどである。これら学会開催の基本的な方針と大まかな計画を立て、実行委員会の設立と作業を移行するための準備を行った。
  実行委員会の部局の構成は事務局、学術、会場と大まかに3つに分け、事務局は事務部、庶務部、会計部、広報部、関連行事部。学術は一般演題・シンポジウム部、特別企画部。会場は会場部、正会員外参画部に分け、それぞれの主業務と担当業務を明示し、責任の所在を明らかとした。
 事務局事務・庶務部の作業は、学会事務局として対外的窓口、文書管理、会議録の作成管理、文責の発翰、ポスター・公示・プログラム・抄録集・学会運営マニュアルの作成、学会ホームページ運営、電子抄録集、備品の管理・調達、当日の学会総合受付、宿泊関係、弁当等の食事関係など様々であった。全体を通した継続的な作業としては、会議の議案書と議事録の作成、会議開催案内、発翰文書・来翰文書の発受であった。時期的な作業としては、学会下見準備、近畿学術部シンポ打合せ会の準備と開催、公示準備、演題受付準備、各種委員会の設置、ドリンクコーナーとお土産コーナーの協力要請と準備、座長・シンポジストの委嘱、プログラム作成、抄録作成、スライド受付、運営マニュアル作成、実務委員の選出と委嘱、実務委員会開催、当日総合受付準備、食事・宿泊関係とタイムスケジュールはぎっしり詰まっていた。しかし、大過なく作業を終えることができたのは、事務局構成員が各自責任をもって準備を進めて下さったお陰である。ただし、事務局の問題点として、事務局長の仕事は会長共々本来タイムスケジュールに添った各部局の進行状況の把握と管理であるはずが、あらゆる仕事に責任を持ちスーパーマン的に事務作業を行った点である。これは今回の事務局構成員の中に、前回担当学会の際の事務経験者がいなかったためであり、私の仕事ぶりも至らなかったためである。前回の資料は残されていたが、それらを眺めていてもイメージがわかず、文書の作成など全てが一からの作業で、ある作業をはじめるに際しその都度詳細な計画を作成する必要があった。これらの反省点から学会準備の詳細をしっかり残し、次期担当学会に備えるよう心掛けていたが文書管理は難しく、途中で何度も修正される資料はどれが最終であるのか、またその関連資料の修正は済んでいるのか混乱の連続であった。

事務局の基本方針

 事務局長の基本方針は、学会の準備は多くの方に携わっていただき、気持ち良く参加できるように心掛ける。学会当日も気持ち良く参加・発表して頂けるように心掛ける。
 学会事務局は、学会の窓口であるため学会の顔でもある。県内の会員は勿論、県外の会員および賛助会員との対応が多く、とても気を付ける必要があった。特に演題締切りやスライド受付締切りの前後には、電話やメールでの問合せが殺到し、対応が大変であった。事務局長の方針を守り優しい気持ちで対応できたか、今さらながらに不安が残る。

学会参与の存在

学会準備を進める中で、事務局としてとても心強かったのが学会参与の存在であった。
組織の運営、学会の運営、近臨技との関係、日臨技との関係、賛助会員との関係全てに精通した参与の意見、指導は、事務局としてプレッシャーに感じていたが、それ以上に頼りになる大きな存在であった。

次期担当学会に望むこと

実務委員広くそして早期に選出できるように、奈臨技施設代表者会議を利用し協力を要請する必要があると考えられ、演題提出の要請にも利用できると考えられた。
 前回の担当学会では初めてコンピューターを持ち込み液晶プロジェクターを用いたPCプレゼンテーションを一部に行った。今回は全てがPCプレゼンであり、スイッチヤーを用いてPCの切り替えを容易にする工夫を行った。7年後の学会はどのような形式で行われるのか予想もつかないが、各県の学会運営を注意深く観察し 応用発展させていく必要があると思われる。
各部局の作業の中には、時間をかけて行う作業や皆んなで力を合わせて行う作業が多い。しかし、期限の決められた限られた短い時間に完成させなければならない作業も非常に多い。この短期間での作業には個人の能力がとわれ、特にコンピュータを駆使して行う作業が多い。
 今回経験したものを糧として個人の能力をさらに高め、7年後にはもっと多くの活躍ができるように各自のスキルアツプが望まれる。また、今回多くの演題が集まったが、学会運営と同時に学術面にも力を入れ、学会を表と裏の両面で活性化できるように力をつけて、7年後に会員皆んなの力をまた集結さるという決意が必要と思われる。