第一会場

今田 周二

 第一会場は学会のメイン会場として公開文化講演、教育講演が割り振られ、これらの講演の時間帯はこの1ケ所に参加者が集中するようスケジュールされているが、850人収容の大さな会場。前部通路と舞台間の座席の左右をパソコンの会場業務用スペースとして利用し、中央部にスライドプロジェクターが設置され来場者が利用し難く、舞台前の百数十席を利用されない席として省いても学会来場者の予測と比べ大きい。公開文化講演は学会を開場して最初の行事であるが、技師会関係者の多数の入場を期待するにはすこし開始時間が早すぎる。一般の方で考古学に興味をもっておられる方も多いだろうし、いろんな所にポスターも配付し、会員施設でも宣伝して頂いており、一般来場者も期待したいが、初日は土曜日、どの程度来場していただけるか不安である。一方、教育講演は学会スケジュールの合間でランチョンセミナー前の時間帯に設定され学会参加者が集中するだろうから、勉強しようという会員が多ければ格好は保てるだろう。一般演題やシンポジウムは会員が分散し各会場百人前後だろうから第一会場は閑散とした会場になるだろうな、と色々体裁を心配しながら学会準備をしていた。
 学会初日、秋晴れで出足も期待できそうな天候にめぐまれた。一般の方の入場を促そうと講演担当委員と共に人通りの少ない正面玄関に設置してあった公開講演の看板を第一会場前へ移し、入場無料と書き加えた。会場入り口扉も全開にする。ポスターも総合受け付け前のテーブル、人通りの多い駐車場通路の掲示設備に束で貼りまくった。何人誘導できるだろう?
 さあ、もうすぐ開演、少しずつ人は入って来られるが、10分前でも会場は閑散としている、一般来館の方はどこ? 前の方の年輩女性のグループらしき数人はそうだろう、あそこのラフなスタイルの長髪の年輩の男性もかなあ、少ない、ポスターも当日の掲示では効果は期待できない、うまらないなあ、全部で200人もいないかなあ。2の4の6と人数を勘定しはじめると、2階入り口から制服の団体が入って来る。舞台に向かって右側中段の席がダークブルーに埋まった、実際は数十人だと思うが、100人以上来場して頂いたような心強さがあった。学会幹部の先生方も初日の講演に気を使って人集めをしていただいていたんだと思いながらも、最終的には400人ぐらいの来場を頂き、とりあえず、体裁が整って公開講演を開催でき、ほっとした。2日目の教育講演は、学会参加者が予想を上回ったことも手伝って、他会場の午前の予定が修了した頃から会場への入場者が目立ちはじめ講演開始時間には概ね会場全体に来場者が座っている状況であり、満員の講演会だったという印象がある。ああ、よかった!
 今回は、奈臨技として初めてパソコンを使ったスライド映写で、予めデータをファイリングすることで当日のスライドに関する仕事がほぼ映写のみとなり、学会期間中の会場係りの仕事は前回に比ベスライドの移動がないので、かなり軽減され業務がスマートになったように感じた。その分パソコンヘのファイリングの仕事が学会前の準備に加え、予想していたとはいえ当日のデータの差し換えもいくらか発生したようで、ランチョンセミナーのない第一会場でもお昼に会場パソコンで直接データの訂正をされてた演者の方がおられ、今回、独立した部署であったスライド受け付けは非常にたいへんだった思う。しかし、それぞれの担当者が受け持ちの仕事を的確に処理していただき、特に会場運営としてスムースに流れてほしいスライド映写もパソコンに精通した映写担当者のおかげで大きなドラブルもなく2日間無事に進行できたと思う。ご協力頂いた皆さんありがとうございました。