近臨技研修会報告

近畿血清検査研修会に参加して

天理よろづ相談所病院  佐藤 京子

 「外線です。」と電話を受け取ったのが八月末です。電話の内容は“まほろば’への原稿依頼でした。心中は「えっ、どうして私?大変だあ。」でも口から出た言葉は「OK」の返事でした。我ながらこのギャップに驚きました。
 翌朝、あれは夢だ、幻だと自分に言い聞かせ忘れる事にしてしまいました。が・・・夢じゃない。夢じゃなかった!!(となりのトトロより)赤紙(旧い人間だなぁ。)ならぬ正式原稿依頼が手元に届きました。

【Why?参加】
 さて、私は技師になって以来、検体検査に携わってきました。化学、血液、血清部門と移動し、現在は感染症検査(血清部門は化学に吸収されました)と腫瘍マーカー関係の検査を担当しています。随分と長く技師をやってきていますが、研修会への参加は極めて少なく、(片手いやいや両手位かな。自慢することじゃないね。)お泊まりの研修会参加は初めてです。
 今回なぜ参加したかというと、単調な日々の生活に何か刺激がほしかったというのは建前で、一泊、家事無し、主人子供無し、食事付さ、上げ膳据膳で極楽はな〜んて、頭の中でパチパチと盤勘定をした結果の参加決定でした。(その時は此の様な副産物が生じるなんて思ってもみませんでした。)

【Let's go.研修会】
 平成15年2月22日宇前九時、当院職員駐車場に集合。当日第二講座の講師のK技師の運転で一路琵琶湖へと旅立ちました。私はVIP待遇で後部座席を独り占めしてグースカ♪ピースカ♪ムニュムニュ♪熟睡。そろそろ小腹がすいたなぁと目が覚めたら、窓越しに“琵琶湖”が見え隠れして、
スゴーイ!ヒローイ!と感動しました。(奈良県民は海に憧れる?私だけかしら?)昼食後、会場に一番乗り!!気合い十分だ!!のはずが・・・
 第一講座は、抗原抗体反応の異常反応のメカニズムについての講演でした。フンフンなるほど・・・生体がもつ自己防衛力により、測定系を邪魔する様々な自己抗体ができる場合もあるんだ。
と、思ってたら、どんどん難解になってきて、最後には自分の無知と理解不足を棚に上げて“早口でわからん”の一言で終了させました。ゴメンナサイ。A先生。
 第二講座は、先輩のK技師の講演です。しっかり開かねば・・・と思ってはいたのですが、“きれいなスライド’と色彩に魅了されてしまいました。ゴメンナサイ。ゴメンナサイ。
 第三講座はグレイゾーンは必要ですか?不必要ですか?に分かれてのディスカッションでした。白熱していて、必要です側の意見を開けば必要に傾き、不必要です側の意見を聞けば不必要に傾き、まるで、弥次郎兵衡のごとく気持ちが採れ動さました。
 その気持ちを引きずりながら、翌日第四講座のHCV抗体定量の問題点についての講演において演者のグレイゾーンデータに対する考えを聴くとまたまた弥次郎兵衛のゆれ巾が大きくなりました。Mrグレイゾーンに恋する乙女心が胸に残り複雑の気持ちになりました。
 この二日間で自分が報告しているデータについて改めて考える機会が得られました。迫力あるディスカッションは少々怖かったですが、これも、検査データに対する真摯さゆえで、私もいつまでも弥次郎兵衛ではいけないと反省しました。
 帰りも先輩K技師の車の後部座席にVIP待遇で乗車しウトウトしながら、天理に着きました。長い二日間でした。

【感 謝】
 懇親会で私のテーブルは、余興のビンゴゲームで全員が何等かの景品をGETしました。しかも、一番最初にビンゴになり気持ちがよく、ビンゴゲームをする都度この研修会を思い出すでしょう。
 研修会って、難しいことをやってるというイメージで敬遠していたけれど案外“最初の一歩”という感じで扉を開いてみるのもいいかなぁ。そう感じさせて下さった講師の皆様、近畿技師会様、研修会に送り出してくれた部屋の皆様、有難うございました。そうそうこの原稿を書くにあたり、パソコン(Word)の指導をかってでてくれた後輩技師の皆様、“口は出すけど手は出さない”私に付さ合っていてだき有難うございました。
 では、またどこかの研修会でお会いしましょう。阪神優勝ばんざい!