検査研究部門・分野だより

生物化学分析部門
臨床化学検査分野

猪田 猛久

一昨年から足元を見直すことを中心としたテーマで勉強会を開いています。来年度もその内容を継続していく方向で考えています。
 来年はキャリプレーションのデータや自動分析装置に関連した参考書を中心に勉強会を開いていきたいと考えていますが、他に希望があれば取り入れていきたいと思いますのでどしどし意見希望を言って下さい。


免疫検査分野

山口 正悟

 免疫検査の分野では、今までの活動であまりとり上げなかった腫瘍マーカーについて勉強会を計画しています。また年明けの平成18年の2月には奈良県で第18回近畿臨床衛生検査技師会血清検査研修会を一泊で計画しています。ウイルス検査分野とも連携をとって開催しますが、免疫検査分野では、甲状腺・メタポリックシンドロームとサイトカインの関係について・そして今盛んに報道されている中皮腫についての講演を予定しています。地元で開かれる研修会であり、普段血清検査に携わっていない会員の方にも興味を持って頂ける内容ですので、皆さんの多数のご参加をお願いします。


遺伝子検査分野

大峠 和彦

 先日、理化学研究所を初めとする国際研究グループは、マウスの遺伝情報全体(マウスゲノム)の大半が無駄と思われていたが、その全体の70%が、他の遺伝子の働きを調節するなど細胞内で利用されていることを示す研究成果をサイエンスに発表した。ヒトでも同様の仕組みがあると考えられ、これまでの生命観を覆す成果となる。今後、そのようなRNAがどう機能しているかの研究が重要になるとしている。と云うニュースが新聞に掲載されていた。
 遺伝病カタログには8,587種の遺伝子、遺伝子産物および遺伝形質(遺伝疾患を含む)が記載されており、このうち1,644の遺伝疾患についてはすでに遺伝子の染色体上の局在が明らかにされている。遺伝性疾患以外にもさまざまな疾患や健康の問題に遺伝子が関与することが明らかとなっており、診断、治療および予防医学の分野に応用されようとしています・・・・・。
 遺伝子の解読は確かに、世界的規模で加速的に進んでいます。臨床検査の分野で、今後の発展が大さく期待されているのが遺伝子・染色体検査であるといわれています。しかし、感染症の遺伝子検査は多くの施設で実施されていますが、ヒトの遺伝子検査は保険適用はなく、大半の施設では外部委託検査となっているのが現状で広く普及しているとはいえません。遺伝子検査の自動化、定量化も広がりつつありますが、奈良県内では遺伝子検査を施設内で行っている施設は限られています。
 こんな現状ですが今年は、第1回は7月1日に遺伝子・染色体検査分野合同で「染色体検査 検体処理から核型分析」と題し勉強会を行いました。第2回は9月10日奈臨技・大臨技協賛 遺伝子・染色体検査分野合同で、「A)分子標的治療薬に関する最近の遺伝子検査 B)個別医療に向けた遺伝子検査」と題し、第3回は形態部門・遺伝子分野合同で「胸水出現疾患について学ぶ」と題し研修会を実施する予定です。この様に遺伝子検査分野だけではなかなか研究班活動できないため、県内外と合同で活動を行っています。以前にも書さましたが、遺伝子検査の実務に就いていない会員が多い現状では研究班活動の企画への参画は難しいかもしれませんが、興味ある方、企画に参画していただける方は是非申し出てください。

<連絡先>
  TEL:0743−63−5611 (内線8408)
  FAX:0743−62−2335
  E−mail:ohgoe@tenriyorozu−hp.or.jp


神経検査分野

小林 昌弘

 神経検査分野は、本年度も昨年度同様に9回の勉強会を予定しています。脳波、筋電図、聴力検査の実技習得を目的とした「きれいにとれるシリーズ」が3回、初心者向けの脳波判読を目的とした「脳波の手習い」が3回、各疾患や脳波の異常波形について勉強する「定期勉強会」が3回という内容で取り組んでいます。

4月15日 「脳波の手習い1」
5月14日 「きれいにとれるシリーズPWV編」
6月17日 「脳神経定期勉強会1」
7月9日 「きれいにとれるシリーズ聴力検査編」
9月15日 「脳神経定期勉強会2」
10月28日 「脳波の手習い2」
12月15日 「脳波の手習い3」
1月28日 「きれいにとれるシリーズ筋電図編」
2月24日 「脳神経定期勉強会3」

 また11月12日、13日には日臨技主催の生理機能検査研修会もあります。内容は術中モニターについての研修会です。

 勉強会の内容に関する要望や、日常の検査における疑問点などを気軽に話し合えるような勉強会を進めていきたいと思いますのでよろしくお願いします。


機能検査分野

吉田 和弘

 分野だよりが掲載されるのが、10月とのことで機能検査分野を含めて、まだ半分しか消化し切れていない状況かと思います。今年度から心電図関係は心電図定期勉強会、きれいにとれるシリーズー心電図編−を合わせて毎月最低1回実施して年間で計13回の勉強会が行われる予定です。呼吸機能関係では、きれいにとれるシリーズ−スパイロ編−と呼吸器定期勉強会を合わせて計4回の勉強会を行います。また、まだ計画・策定中ではありますが医師を招いての講演会も予定しています。
 スパイロ検査では、業者の方に参加して頂いて、機器の扱い方・メンテナンス法・感染症対策などの他にも最新の呼吸器疾患の知見の紹介などをして頂いています。その他にも患者さんとの上手なコミュニケーションのとり方・誘導の方法・検査結果の見方・各種疾患でのフローボリューム曲線の解釈の仕方などの説明をして頂いています。スパイロ検査は麻酔を使う手術の場合やCOPDの診断には必須の検査であり、最近社会的問題になっているアスベストによる被害を含む塵肺定期健康診断の一つでもあり、今後この分野におけるニーズが大きくなると思われます。今年度の特徴としましては、スパイロの勉強会にSAS(睡眠時無呼吸症候群)の検査である睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)を取り入れております。SASの検査は、簡易型を含めて徐々にではありますが県内でも普及しつつあります。今までこれといって勉強会や判読をやっていなかったのですが、今年度から呼吸機能検査の延長線として取り組んでいきたいと考えています。
 心電図では、心電図定期勉強会の中に通常の勉強会の他に3回の症例検討会を取り入れ、会員諸氏から症例を持ち寄り珍しい症例や判定困難な症例の紹介をして頂いて、参加者全員に考えてもらうようにしております。症例の中には典型的な教科書的なものだけではありませんので、繰り返し参加することで、心電図波形を見て判断し鑑別するチカラが養われてくることを期待しております。
 大抵の場合、勉強会と言うと聞いて帰るだけですが、与えられるだけでなく、人前で話したりする事も面白いことと思います。人前で話すことは勇気が要って少しなあと、ためらいがちにはなるものですが、必要なのはほんの少しの勇気と「皆にこういう症例がありましたと教えてあげたり、この症例はどのように見ればいいのか、この心電図波形がわからないけれども誰か教えてくれる人はいないか」と普段、検査室で話したりしているようなことを気軽にこの勉強会で発表してもらえればと思っています。症例の提示は勉強会の講師の方々からもありますが、もちろん参加する会員の方々からの自主的な発表も歓迎しております。それに加えて、内容・程度のいかんに関わりなくどんな質問でも歓迎しております。分からないことや迷っていることをそのままにしないで、その時その時に質問してもらう事とその場で自分のものにする事が一番の近道です。
 システム上では、心電図定期勉強会では前年度までの予約制から自由参加に変更し、且つ各回毎にテーマを決めて講師の方に基礎から中級レベルの内容までを話してもらっております。のべ参加会員数は、心電図関係で前年度で約160名から8月上旬の時点で約100名、同じく呼吸機能関係で、約50名から現時点で約30名と前年度と比較しても増加傾向を示しています。特に、呼吸機能の一部にPSG検査を取り入れたことによりスパイロ検査をしている方に加えて更に対象者が拡大したものと思われ、スパイロ検査の底辺が広がっていくと考えております。

 今後の展開として、会員の方の意見も大事にしながら進めていきたく思っておりますので、こうしてほしいとか要望があれば言ってもらえれば幸です。心電図定期勉強会のテーマ毎の講習は今年度が初めての試みですので、今年度のテーマ以外でもこれと言うのがあれば検討していきます。また、機能検査分野として、日常検査に役に立ち還元されるような魅力ある勉強会へと努めていきたいと思っております。


画像検査分野

松下 陽子

 画像検査分野では今年度も,隔月各1回の心臓・腹部超音波定期勉強会ときれいにとれるシリーズの頚部動脈超音波検査篇をはじめ,計18回の勉強会を計画しました。MRの勉強会は、本年度は臨床を中心とした内容とし、腹部領域と心臓領域の2回開催しましたが、いずれも10余名にご参加いただきました。実技講習会は、腹部超音波が12名、頚部動脈超音波が15名に受講していただきました。心臓超音波の実技講習会は10月、3月の計2回、開催を予定しています。このほか、9月以降は、今年度の新たな試みとして、検診検査における画像検査の現状についての勉強会を企画しました。腹部超音波検査とMR検査について、検診検査を実施されている県内の4施設の方にお話していただく予定です。また、近年検査依頼の増加している末梢血管検査についての勉強会も、奈良県立医科大学の平井都始子先生を講師にお迎えして企画することができました。より実践に役立てて頂けるよう、また多くの会員にご参加いただけるよう、土曜日午後の開催としました。
 最近は、画像検査、特に超音波検査に関する勉強会は、近畿圏でもかなり頻繁に開催されています。本年度の技師会の企画も含めると、土曜・平日を問わず、毎週何らかの会が催されていることも稀ではありません。このような状況ですが、少人数だからこそ生かせるような研修の企画や、他府県との交流も考慮できるような機会なども、会員の皆さまのご意見を参考に考えてゆきたいと思います。今後もどうぞよろしくお願いします。


形態検査部門
細胞検査分野

西浦 宏和

今年度の細胞検査分野の活動としては、6月に病理検査分野と合同で、免疫染色の賦活化法とカバープレート法についての講演会を開催させて頂きました。また、コントロールサーペイの検討会も行う予定です。解答だけでなく、各施設での疑問症例等をお持ち頂ければ、討議もしたいと思います。出来るだけ参加して頂けるようお願いいたします。
 講演会のテーマ等ご意見、ご要望がありましたら連絡下さい。


病理検査分野

小野 喜雄

 本年途中より急きょ班長交代することになりました。以前にも担当させていただきましたが、諸事情により引き受けさせていただくことになりました。宜しくお願いいたします。
 技師会活動は6月に「酵素抗体法の手技」について勉強会を実施しました。コントロールサーペイの検討会も今年中に実施する予定です。また今年のテーマの一つとして、内部精度管理が各施設でどのように行われているのか、アンケート方式で調査させていただきたいと思います。内部精度管理とは、検体管理で氏名と検体の照合、依頼箋内容と組織の確認、受付の順番、固定液の濃度・使用期間、脱脂や脱灰の液の管理や確認法など間違いを少なくするための取り組みを意味します。
 そのほかパラフィン包埋での微小検体処理、染色液管理では液の補充、使用期限や染色性の保持をどのように行っているのか例として上げられます。集計後、各施設の取り組みを勉強会で紹介していただき、それぞれの優れた点や改善点を見出し精度管理の向上に結び付けたいと考えています。
 これら勉強会での要点を奈臨技のホームページでも紹介して行きたいと思います。
 最近の話題も引き続き業者の協力を得ておこないたいと思いますので、関心のある話題を提供していただけたら幸です。
 勉強会は一部の施設を除き細胞検査と両方携わっている方が多いことから、細胞検査と同時におこなっていきたいと思います。ご協力の程お願いいたします。


一般検査分野

吉田 恵三子

 平成17年の一般検査勉強会は尿定性の標準化、寄生虫のすべて、さらに外部の講師を迎えての尿沈渣についてと幅広く行いました。
 特に会員の岩本技師を講師に迎えて行った寄生虫の勉強会は好評でした。そこで感じたことですが、岩本技師は寄生虫のプロフェショナルだと言う事です。“虫のことならなんでも知っているよ、すべて教えてあげるよ”と、スライドに示される虫卵の特徴、鑑別方法など教科書には載っていないことが、エピソードとともに次々と伝授された。そのスライドのすべては30数年にわたって岩本技師が足を運び、日本はもちろん海外においても実際に自分の手で集めたものばかりだ。そのスライドの虫・卵の特徴や見分け方の説明に加え、採取した場所や状況をきのうの事のように熱く熱く語る姿は、スライドの虫・卵に対する愛おしさが感じられるとともに、その広く奥深い知識にただ感心し敬服したすばらしい勉強会でした。
 先日のテレビ番組でこれからの日本を背負っていくのは“おたく”であると竹中平蔵氏が言っておられました。“おたく”とは好きなことをとことん突き詰めていくプロフェッショナルの事だ。これからの臨床検査を背負っていくのもこの“おたく”(ただし臨床に社会に貢献できるおたくであることが必要)だと思っています。平成18年の勉強会は一般検査の“おたく”を育てる会にしたいです。


血液検査分野

梅木 弥生

 まずはじめに、当県血液検査分野は今年多忙な年を迎えており、第16回近畿血液検査研修会を2005年2月25日(土)〜26日(日)に計画し準備を勧めてまいりました。このほどようやく奈良県も含め近畿各府県に案内書の配布するにいたりました。これもひとえに今年1月の研究班を実施した際、出席していただいた方々に研究班終了後、引き続き残っていただいて実務委員として共に活動してくださったスタッフのお陰と深く感謝いたしております。ありがとうございました。引き続き実務委員活動よろしくお願いいたします。この場をおかりしてお願い申し上げます。
 研究班活動 今年度は4〜6回の予定で行いたいと考えて活動してきましたが、はじめに述べたように、研修会準備があり思うように進んでいないのが現状でありますが、シリーズとしてフローサイト勉強会を実施しました。基礎編として自施設でのデータの読み方・基礎的な解析見学などの基礎編が終了し、今後実際に解析を行う実技編を数回行う予定です。また、今年は自動血球計数装置メーカ大手4社の学術部講演を開催しました。今後毎年このような形でシリーズ形式としテーマを決めて講演会を開催する予定です。症例検討会・凝固・止血の勉強会も予定しております。
 最後に第16回近畿血液検査研修会は悪性リンパ腫をテーマとし県立文化会館にて開催いたします。本研修会より始めて動画を取り入れて研修を進めていく方式で認定試験方式を取り入れましたので、より生きた研修会となることが期待されますので皆様のご参加をお待ちいたしております。なお、奈臨技ホームページにも掲載させていただきましたので、是非一度ご覧ください。


染色体・生殖医療検査分野

福塚 勝弘

A.染色体分野
 染色体分野における本年度の活動としては、基本的には遺伝子検査分野と合同で実施します。以下に記す1は遺伝子検査分野と合同、2は大阪府と奈良県の染色体・遺伝子検査分野との合同、3は形態検査部門と遺伝子分野の合同で実施します。

1.“染色体検体処理から核型分析”について、
 株式会社SRLの方にSRLにおける実際についてお話頂き、我々の施設で行っている方法と比較しながら、疑問点を多数あげ質問することが出来良かった。

2.
A)分子標的治療薬に関する最近の遺伝子検査
 ・・・・・三菱化学ビーシーエル遺伝子検査部
      遺伝子検査グループ 松本 英郎
1)慢性骨髄性白血病治療薬(グリベック)に
  関する遺伝子検査
2)非小細胞肺癌治療薬(イレッサ)に関する
  遺伝子検査

B)個別医療に向けた遺伝子検査
 ・・・・・・近畿中央病院 錦  正樹氏
 日時:9月10日(土)14時30分〜17時
 場所:あべのメディツクス6階講義室で実施する予定ですので多数参加して下さい。
3.胸水出現疾患について学ぶ(仮タイトル)
 胸水中に出現する細胞について(細胞診) 
                   鴻池技師
 胸水出現例における染色体異常について
                    福塚技師
 胸水出現例における細胞形態とFCM検査
                   岸森技師
 胸水出現疾患の診断と治療     前田Dr
 日時:2005年12月10日(土)14時〜
 場所:天理よろづ相談所

形態部門全体で共通の話題として実施します。先生にも診断と治療と言うことでお願いしていますので、日頃疑問に思われていることをお聞きするチャンスですので是非参加して下さい。


B.生殖医療検査分野
 生殖医療検査分野においては、昨年度より大阪府と合同で年に一度実施する予定です。生殖補助医療としてIVF−ETや顕微受精に携わる職種として、実際に卵子や精子、受精卵や胚を扱うエンブリオロジスト(胚培養士)という新しい職種があります。エンブリオロジストは約半数が臨床検査技師で約半数が農学系の大学を出られた方で構成されています。10組に1組の夫婦は不妊に悩んでいます。また、晩婚化による高齢出産の問題等、今後ますます、活躍が期待される分野です。
 今年度は、詳細は未定ですが、1月の土曜日に講演会を実施し、昨年と同様に一般の方も参加出来るようにする予定ですので、一般の方もお誘いの上多数参加して下さい。また、奈良県下で生殖医療に携わっておられる方がおられましたら、私の方へ御連絡下さい。
 また、染色体分野や生殖医療で実施して欲しい内容がありましたら御意見お待ちしています。


感染制御部門
微生物検査分野

小泉  章

 本年度の感染・免疫部門 微生物検査分野のテーマは、『奈良県下における微生物検査の標準化を目指して』で、今年は特に薬剤感受性試験を中心に研究班を企画しています。
 私が微生物検査業務を行う上で最重要点を3つ挙げるならば、@検査の迅速性、A検出菌に対する解釈(臨床的意義)、B正確な薬剤感受性試験と感染症に即した結果報告である。いずれも、感染症診断と治療に対しダイレクトに作用する問題で、これらのどれを疎かにしても、最善の感染症診療から遠のくこととなり、我々の報告した検査情報が診断と治療に対し最大限に活用される為の課題とも言える。一方、医療経済の破綻に伴う検査の保険点数の格下げの影響から、検査の効率性や経済性を加味した検査体系も求められている中、各検査室の置かれている立場や状況にも差異もあり、一口に標準化を叫んだところでなかなか容易ではない。先に示した重要課題AおよびBは、標準化と言うより、むしろ一定レベルの統一性と表現した方が解り易いかもしれません。どの様な患者様・臨床材料(感染症)に出くわしたとき、どの様に検査を進めて行くのか。どこまで同定検査を行い検出された菌をどの様に解釈し報告するのか。薬剤感受性試験は必要なのか否か。実施したとしても、結果に対し細菌側だけに囚われるのではなく、抗生剤(薬物動態)や生体側(患者状態、感染部位etc.)も考慮した報告方法についても改善の余地はある。本年度は、その薬剤感受性試験を中心テーマとし、検査の効率性や経済性についても意識しながら、“一定レベルの統一性”を皆様と共に模索して行きたいと思います。

<上半期の勉強会日程>

主題:薬剤感受性(基礎編)     〔C−10〕
講師:小松 方 会員(天理よろづ相談所病院)
日時:平成17年6月24日(金)
  18時30分〜20時30分
会場:奈良医大附属病院 中検技局

主題:薬剤感受性(基礎編)     〔C−10〕
講師:小松 方 会員(天理よろづ相談所病院)
日時:平成15年7月16日(土)
  15時30分〜17時30分
会場:天理よろづ相談所病院 第3討議室

主題:感染性心内膜炎(IE)の基礎と一痘例(PK/PD
   理論に基づき治療を顧みる)  〔C−10〕
講師:宇野健司、笠原 敬医師/小泉 章
   奈良医大附属病院 感染症センター
           /同院 中央臨床検査部
日時:平成17年10月7日(金)
  18時30分〜20時00分
会場:奈良医大附属病院 中検技局

主題:平成17年度 微生物検査分野サーベイ検
   討会             〔C−10〕
講師:長坂 陽子 会員(天理よろづ相談所病院)
日時:平成17年10月21日(金)
  18時30分〜20時00分
会場:奈良医大附属病院 中検技局


ウイルス検査分野

山口 正悟

 ウイルス検査は、医療現場では免疫反応による検査が主に実施されており、肝炎ウイルスや梅毒などの術前感染症検査・HIV検査・インフルエンザ等実施されている施設が多いと思います。今まではごく一般的な検査として勉強会に取り上げてきましたが、今後はその他のウイルスにも焦点をあてた勉強会をと考えています。また平成18年の2月には奈良県で第18回近畿臨床衛生検査技師会血清検査研修会を一泊で計画しています。免疫検査分野とも連携をとって開催しますが、ウイルス検査分野としては、今年度の近畿学会でも取り上げられるHBウイルスの変異について違った角度からの講演を予定しています。またクラミジア感染についてもとり上げていますので、多数の会員の方の参加をお願いいたします。


輸血・移植検査分野

吉和  豊

 平成17年度の分野活動として、勉強会3回、コントロールサーペイ検討会を予定している。
 今年度は、9月に第10回近畿輸血研修会(奈良医大)があり、勉強会等の分野活動は年度の後半が中心となっている。活動内容は、昨年度に引き続き基礎的な勉強会、症例検討会、およびルーチンの問題点を取り上げていく予定である。活動内容(予定)は以下の通りである。

●テーマ:「輸血検査を考える」
 日 時:平成17年10月28日(金)
 講 師:佐々木氏 潟Jイノス学術部
 会 場:平井病院 会議室

●テーマ:輸血基礎勉強会
 日 時:平成18年1月中旬
 講師:未定
 会場:未定

●テーマ:「症例検討会」
 日 時:平成18年3月上旬
 講 師:会員
 会 場:未定

『第10回近畿輪血研修会』
日 時:平成17年9月10日(土)〜11日(日)
内 容:
 10日(土)近臨技中級者輸血実技講習会(奈良医大)
      ナイトセミナー(橿原オークホテル)
 11日(日)輸血講演会(橿原オークホテル)
 研修会には、15名の会員の方に実務委員として御協力頂きました。
森本 武次 (天理よろづ相談所病院)
津田 勝代 (   〃    )
土屋 直道 (   〃    )
南  睦美 (   〃    )
川越 善子 (奈良県立奈良病院)
辻内 智美 (   〃    )
柳田 祐起 (   〃    )
小林 史孝 (済生会中和病院)
山口 正悟 (奈良県立三室病院)
山口 英世 (大和高田市立病院)
藤原 美子 (榛原町立榛原総合病院)
竹田 知広 (   〃    )
濱   玲 (服部記念病院)
前田 美和 (奈良県立医科大学病院)
吉村  豊 (   〃    )

 初級輸血講習会は、2年に1回の開催予定です。来年度に予定されていますが、実技講習会は試薬等の費用がかかることから、計画を立てるのが厳しい現状です。しかし、実技講習会を通じて、技術向上以外に、ルーチンの問題の解決につながることも数多くあり、今後も出来る限り続けていければと考えています。
 最後に本年度輸血・移植分野の活動に御協力頂きました会員の皆様に御礼申し上げます。また、輸血・移植分野に対する御意見、御要望がありましたらお知らせ下さい。


検査総合管理部門

部門長 :猪木 正允                      
     世話人 :嶋田 昌司、長谷川正行、枡尾 茂、三谷 典映

 奈臨技における検査総合管理部門は、平成14年度の研究班組織の編成替えによって新たに発足し、今年度で4年目を迎えることができました。皆さんご存知のとおりこの部門は、管理運営・精度管理・機器管理・情報管理の4つの分野で構成されています。いずれの分野も内容的に密接に関連していることから、分野単独の活動よりも部門として統轄すべく、発足当時から部門単位で活動してまいりました。
 これまで研究班活動は学術的研鑽が主体で、これによって会員の知識あるいは技術の向上に寄与し日頃の仕事に大いに役立てられて、技師会活動の要とも言うべき存在であり、これからもその役割は変わらないことでしょう。ここに新たに学術(学問的)分野に加えて、「検査を管理する」「検査室をマネージメントする」といった、検査を総合的に捕らえ管理するという、学術とは少し違った視野の研究班として立ち上がったのが総合管理部門です。
 最初はどういった活動をしようかと思い悩み、他県の活動等などを参考にテーマを決め、発足2年目の平成15年度から本格的な活動を開始いたしました。15年度は主に検査センター・メーカー等から講師を招き、診療報酬・DPC・標準化・チーム医療などをテーマに、これから検査室管理を考える上での基礎知識となるよう総論的な研修会を行いました。また、県内の検査室および奈臨技会員対象にアンケート調査を行い、検査室の実態や技師の検査に対する意識調査を行い、皆様の多大な協力を得られまして大変有意義な知見を得ることができました。これにつきましては学会発表および「まほろば」に掲載させていただきました。16年度は総論的な話題からもう少し実際的な話題へと見方を変えようということで、「将来を見据えた検査技師の取り組み」というテーマで勉強会を開催いたしました。
 さて、今年度ですがトピックスとして、今年から施行され検査技師の対応も問われる「個人情報保護法」を取り上げます。また、「報告データに直結するヒューマンエラーの回避法」と題した勉強会を企画しました。仕事をしている上でいろんな場面で間違い(エラー)が潜んでいると思われます。その間違い(エラー)を回避する為にどういった努力をされているのか話し合ってみたいと思います。検体検査編・生体検査編と2回くらいで行う予定にしております。
15年度から本格始動した活動ですが、勉強会の参加者がまだまだ少ない状況です。検査総合管理というと、管理職のイメージをもたれるかもしれませんが、検査室に働くものすべてが考えていかなければならないテーマだと思います。会員の皆様にとって興味深い、また役に立つテーマの勉強会になるよう世話人一同努力してまいりますので、よろしくお願いいたします。また、ご意見ご要望など気軽にお寄せください。