済生会中和病院 小林 史孝
まだ寒さも残る、3月12日、13日、奈良県臨床衛生検査技師会の輸血実技講習会が、県営福祉パークで開催されました。実習があるにもかかわらず、受講料が安かったので、貴重な連休にもかかわらず、愛する家族を置き去りにして参加してしまいました。(案の定、家族にはブーブー言われましたが・・・)
さて、実技講習会の内容ですが、一日目は、講義が半日にわたり行わました。内容は、血液型、不規則性抗体、交差適合試験、症例から学ぶ血液製剤の選択、カラム凝集法などについて、基礎知識から実際の検査法について講義されました。特に症例から学ぶ血液製剤の選択の講義では、普段検査をしている上ではあまりわからない、各種血液製剤がどのような症例で、どのように使われているのかを、実際の症例を通して、ダイナミックに講義され、非常に参考になりました。
二日目はグループに分かれ、ABO式、Rh式血液型(D陰性確認試験、抗体吸着解離試験を含む)、不規則性抗体検査、交差適合試験の実習が行われました。また私のグループのテーブルには、学生時代の2学年下の後輩が横に座り、前の席には学生時代に臨床実習で輸血を教えていただいた先生がなぜか座っておられたので、まるで気分は学生時代の臨床実習で、いつ前に座られている先生に、学生時代のように怒鳴られるのかと、ひやひやしながら実習していました(笑)。また隣の後輩は、ちゃきちゃきとした良く気が利く、某T理Yろづ病院の女性技師で、「小林さんこれやっときますね!」や、「わたしがそれやっときました!」とか、じゃんじゃん手伝っていただき、(せっかく実習にきてるのにな一)とか思いながら、心では泣き、顔には引きつりながらもにこやかな表情を浮かべ、楽しく実習させていただきました。
欲を言えば、実技に付き添っていただいていた先生方のコツやノウハウみたいなものを(たとえば凝集の覿察の仕方や、分注量の大切さなど)、教科書には書いてなくても普段気をつけておられることを、教えていただければもっと参考になることも多かったかと思います。
今回のように安い会費で、実技講習会を開催することが、なかなか難しくなってきているとのことですが、輸血に携わる検査技師の教育の充実が、強く望まれている医療情勢の中、ぜひこのような実技講習会を続けてもらえることを願い、また微力ながらもこのような勉強会を盛り上げていけるよう協力させていただきた
いと考えていますので、また機会があればよろしくお願いいたします。
最後に、このような充実した勉強会を開催していただいた先生方に、深く感謝いたします。