研修会参加記

近臨技血液検査分野研修会

済生会御所病院 竹上 公昧子

  第15回近畿臨床衛生検査技師会 形態部門(血液検査分野)研修会は、和歌山県臨床衛生検査技師会担当で、2005年3月26・27日に和歌山県立医科大学にて開催されました。
1日日は、
  血液疾患標本の鏡検ポイント
  小児の白血病と化学療法
  リンパ系腫瘍:病態へのアプローチと診断
  形態検査の標準化について
の4講演が行われた。
講演の中で1番印象に残ったのは、「血液疾患標本の鏡検ポイント」でした。この講演では実際のCBCや末梢血液像・骨髄像のデータが示され、一症例ごとに異常値や異常所見の検討が行われました。その中での、「検査結果を最初に目にし、そしてその結果を臨床へ報告するのは検査技師である」という言葉が心に残りました。
 2日日は、70台余りの顕微鏡を使っての鏡検実習が行われました。ここでは、普段では本の中でしか目にすることのない症例を実際に見て実務委員の方々の説明を聞くことができました。
 最近の血球計測装置の発達により、検査技師の技術を必要とすることなく検査結果が出るようになりました。
 この事は技師にとって大きなメリットである、と共に血液標本を鏡検する機会が減少したことによる細胞観察力の低下を引き起こすデメリットでもあるということに気付きました。それだけでなくCBCのデータから疾患を疑ったり、機器が示す様々なフラグを理解し標本を鏡検する時に生かせているのか?と自問自答す
る良い機会になりました。
 一本の末梢血から得られる情報はけっして少なくはないと思います。検査室から臨床へリアルタイムに正確で付加価値のあるデータを返せるように日々努力していかなければいけないと思いました。