会長挨拶

 (社)奈良県臨床衛生検査技師会
 会長  増 谷 喬 之

 「2005年我が国、初の人口減少の可能性」の見出しで、厚労省人口動態統計速報がでました。半年単位で死亡数が出生数を上回ることはこれまでになかったが、今年の1月〜6月までの半年間で日本の人口が約3万1千人減少したことが人口動態統計で判明しました。当初の予想推移よりも2年ほど早い傾向で、わが国の活力停滞、衰退が伺えます。平成17年8月8日の参議院本会議において郵政民営化法案が否決され衆議院解散、9月11日の総選挙に備え各政党議員がそれぞれの選挙区に大移動。社会保障制度改革、年金問題、雇用問題など重要な政治課題が山積する中、国政の中枢は空白状態であります。選挙に費やされる税金は約770億円、有権者数で算出すると1票当たり約1400円と言われております。総選挙が国民生活にどの様に影響するのか注視するところであります。
 一方、医療環境に目を向けますと医療費抑制政策、医療法改正、個人情報保護法など、医療を取り巻く環境は著しく変化し、厳しい状況が続いております。このような状況の中で、本年4月に日臨技の懸案事項であった「臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律」の改正が、附帯事項付で衆・参議院本会議で可決いたしました。漸く一歩前進したと感じるとともに、臨床検査技師としてチーム医療に積極的に参画し、地域医療に貢献して行かなければなりません。チーム医療を推進するうえで留意して頂きたいことは、検査室の生き残りのみを主眼とした活動になっていないか?また標語だけが先行していないでしょうか?今一度、患者の視点に立ち、患者中心の医療提供の基盤として、チーム医療の重要性を再確認していただきたい。また昨年より近臨技で企画検討されておりました、近畿医学検査学会(第45回:滋賀県担当)と日本臨床検査医学会・近畿支部との学会同時開催は、その意味においても大変意義あるものと考えられます。同時開催の目的はご承知の通り、臨床検査医学の発展ならびにチーム医療の底上げを目標に展開されております。各施設におかれましても患者中心とした医療を念頭に活動されていると思いますが、さらに他の職種の方たちと横の繋がりをもって、幅広い分野に関する学術研究を聴取し情報交換することが、ひいては我々臨床検査技師のレベルアップ、スキルアップに繋がることと確信します。今後の垣根を越えた学会開催に大いに期待されるところであります。
 今年度の奈臨技事業計画の一つに福利厚生の充実を図ることを挙げせて頂いております。学術活動のみならず会員相互の親睦を充実させるため、奈臨技同好会の企画と助成であります。また当会主催の諸行事(研修会、講演会等)への参加、協力に村し、会員の安全保障を徹底するための目臨技リンクスヘの加入であります。親睦会では会員相互のコミニケーション向上を目指し、出来るだけ多くの会員皆様に参加いただけるよう企画させていただきました。今後、会員皆様からの企画提案とご参加をお待ちしております。
 来年度の当会の大さな事業として、法人設立20周年記念事業があります。昭和33年に日本衛生検査協会・奈良県支部として設立し、昭和61年12月に法人格を取得、平成18年度をもちまして奈臨技・創立50周年、法人設立20周年を迎えることになりました。奈臨技・定期総会に改めて提案させていたださますが、今年中に準備委員会を立ち上げ、会員皆様の協力のもと、奈臨技活動を一層発展させるための記念事業として企画させて頂きたいと存じます。よろしくご協力の程、お願い申し上げます。
 おわりに、平素より奈臨技組織活動に村し、ご協力を賜りましたこと厚くお礼申し上げます。今後とも当会発展のため、一層のご支援、ご協力をお願いする次第であります。