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 間脳・下垂体腫瘍関連の,自分自身が第1著者である学術論文のリストです.ほとんどの論文は脳神経外科医を対象としているため,極めて専門性の高い内容になっています.ただ,国際的な学術雑誌に治療成績を発表するということは,究極の情報公開であります.なぜなら,学術的に価値があるものかなど,厳選された数名のレフェリーの厳しい審査をパスしたものだけが,雑誌に掲載されるからです.興味ある方には別冊のコピーをお送りすることもできますので,e-メールでご連絡いただければと考えております.

[下垂体腺腫の治療について]

Kitano M, Taneda M.
Capsule plication as a protective measure against post-operative intracapsular haematoma formation following trans-sphenoidal removal of pituitary macroadenoma.
Acta Neurochir (Wien) 150:797-802, 2008(英語の論文)

要約
 従来は開頭術をおこなっていた大きな下垂体腺腫に対する,経蝶形骨洞法の治療成績の報告です.大きな腫瘍の摘出では,術後の血腫形成により,視力改善が得られないことがあります.これを予防するため,被膜縫縮の方法を開発しました.
 最近の23例の鞍上部に進展して視力障害で発症した,下垂体腺腫に対して,経蝶形骨洞法による腫瘍摘出術を行いました.術後の合併症を回避するため,腫瘍被膜の処理をしました.
 術後87%の症例で,術直後の視力改善を認めました.術後,視力が悪化した患者さんはいませんでした.以上の結果から,被膜縫縮の工夫は,経蝶形骨洞法の安全性と確実性を高めることができました.
 従来,大きな下垂体腫瘍は開頭術で摘出する傾向がありました.しかし,最近では,下垂体の手術を専門にする脳外科医の間では,腫瘍の大きさに関係なく,最初の手術は経鼻的に行う傾向が強くなっています.さらに,内視鏡やナビゲーション,手術中のMRI撮影なでの工夫により,従来経鼻的な方法では摘出できなかった大きな腫瘍も,1回の経鼻的手術で全摘出できるようになってきました.そこで問題となるのが,腫瘍が大きければ大きいほど,全摘出により大きな摘出腔が残ることになります.この摘出腔に血の塊がたまって,これが視神経を圧迫するという,従来では見られなかった合併症を経験するようになりました.そこで開発したのが,被膜縫縮法であります.これにより,経蝶形骨洞法の安全性と確実性を高めることができました.

北野昌彦, 種子田護
インフォームドコンセントの実際 Case4:下垂体腺腫
脳神経外科速報12; 293- 299, 2002(日本語の論文)

北野昌彦, 種子田護
内視鏡を応用した経蝶形骨下垂体腺腫摘出術
解剖を中心とした脳神経手術手技 第6巻223- 231, 1999(日本語の論文)

北野昌彦, 種子田護
内視鏡を応用した経蝶形骨下垂体腺腫摘出術
脳神経外科25:197- 203, 1997(日本語の論文)

[海綿静脈洞内に浸潤した下垂体腺腫の治療について]

Kitano M, Taneda M, Shimono T, Nakao Y.
Extended transsphenoidal approach for surgical management of pituitary adenomas invading the cavernous sinus.
J Neurosurg 108:26-36, 2008(英語の論文)

要約
 従来外科的手術が困難と考えられている海綿静脈洞内に進展した下垂体腺腫に対する,拡大経蝶形骨洞法の治療成績の報告です.
 過去9年間に,36例の海綿静脈洞内進展下垂体腺腫に対して,拡大経蝶形骨洞法による腫瘍摘出術を行いました.手術中の脳神経損傷を回避するため,加速度センサーを用いた,脳神経モニター法を新たに開発しました.
 術後72%の症例で,海綿静脈洞内腫瘍を全摘出できました.特に,成長ホルモン産成下垂体腺腫の12例について,67%の症例で内分泌学的な腫瘍全摘出を達成しました.術後,27%に一過性の複視を認めましたが,内頸動脈損傷などの重大な合併症は経験しませんでした.
 以上の結果から,拡大経蝶形骨洞法では,従来の開頭術では不可能と考えられた海綿静脈洞内腫瘍の摘出を,安全かつ低侵襲に達成しえることがわかりました.
 本論文は,海綿静脈洞腫瘍に対する拡大経蝶形骨洞法の治療成績をまとめた,世界初の論文であります.今後発展が予測されるこの分野の基礎となる論文と考えられます.

北野昌彦, 中野直樹, 種子田護
海綿静脈洞内進展下垂体腺腫に対する内視鏡支援拡大経蝶形骨洞手術
脳腫瘍の外科-手術による根治性と神経機能- 308- 315, 2003(日本語の論文)

[頭蓋咽頭腫の治療について]

Kitano M, Taneda M.
Extended transsphenoidal surgery for suprasellar craniopharyngiomas: infrachiasmatic radical resection combined with or without a suprachiasmatic trans-lamina terminalis approach.
Surg Neurol 71:290-298, 2009(英語の論文)

要約
  拡大経蝶形骨洞手術は,正中部のトルコ鞍近傍組織である視床下部-下垂体系および第3脳室へ,直接アプローチすることが可能である.鞍上部の頭蓋咽頭腫に対する摘出度と合併症の有無を検討した.
 過去9年間に,20例の頭蓋咽頭腫の患者さんで,経鼻的な摘出術を行いました.9例は視交叉の前方の腫瘍で,9例は視交叉の後方に伸びた腫瘍で,2例は第3脳室内の頭蓋咽頭腫でした.86%の患者さんで腫瘍を全摘出できました.術後の視力の改善は84%で,下垂体柄の温存は95%の患者さんで達成できました.しかし,65%の患者さんで,術後下垂体機能の悪化を認めました.また,術後61%の患者さんで尿崩症を合併しました.また,視力の悪化を3例,過食症を2例,短期の記憶障害を2例で合併し,髄液鼻漏は初期の3症例で経験しましたが,硬膜閉鎖法を開発して以来,髄液鼻漏はありません.
 良好な手術成績が得られたことから,拡大経蝶形骨洞法は,開頭術に匹敵する腫瘍摘出を,合併症を少なく,低侵襲に達成できることが判明しました.
 本論文は,鞍上部に伸びる比較的大きな頭蓋咽頭腫に対する拡大経蝶形骨洞法の治療成績をまとめて報告した論文であります.開頭術に比べて,脳の障害と内分泌の障害が少ないことが特記すべき点であります.さらに,外科手術の低侵襲化の潮流により,脳神経外科でも開頭術を避ける傾向があり,本論文を契機に拡大経蝶形骨洞法の普及が予測されます.

北野昌彦, 種子田護
頭蓋咽頭腫に対する内視鏡支援拡大経蝶形骨手術
日本内分泌学会雑誌78;96- 99, 2002(日本語の論文)

[鞍結節部髄膜腫の治療について]

Kitano M, Taneda M, Nakao Y.
Postoperative improvement in visual function in patients with tuberculum sellae meningiomas: results of the extended transsphenoidal and transcranial approaches.
J Neurosurg 107:337-346, 2007(英語の論文)

要約
 鞍結節部髄膜腫においては,拡大経蝶形骨洞法は,従来の開頭術に代わる術式として報告されていますが,その優位性は確立されていません.そこで,われわれの経験した鞍結節部髄膜腫について,開頭術と拡大経蝶形骨洞法との手術成績を比較検討しました.
 過去12年間に,28例の鞍結節部髄膜腫の治療を行いました.前半の12例は開頭術で,後半の16例は拡大経蝶形骨洞法により腫瘍摘出を行いました.視機能の改善を目的として,術式にかかわらず全例で視神経管の開放を行いました.鞍結節部髄膜腫では,視機能改善が最大の手術目的であります.しかし,有用な視機能評価法が開発されていなかったため,新しい視機能評価法を提唱し,両術式について視機能改善度を比較検討しました.
 両術式の比較では,腫瘍摘出度には差がないが,拡大経蝶形骨洞法は,開頭術に比べ,有意に手術時間が短く,出血量が少なかったことが判明しました.また,視機能の改善も,有意に拡大経蝶形骨洞法が優っていました.これらの結果から,拡大経蝶形骨洞法は,開頭術に匹敵する腫瘍摘出を,低侵襲に達成できることが判明しました.
 本論文は,鞍結節部髄膜腫に対する拡大経蝶形骨洞法の治療成績をまとめて報告した最初の論文であります.外科手術の低侵襲化の潮流により,脳神経外科でも開頭術を避ける傾向があり,本論文を契機に拡大経蝶形骨洞法の普及が予測されます.

[斜台部の腫瘍の治療について]

北野昌彦
斜台近傍病変に対する拡大経蝶形骨洞手術-経鼻的経斜台法-
脳神経外科36:677- 684, 2008(日本語の論文)

要約
 経鼻的経斜台法の手術手技について,脳神経外科医を対象に書いた総説である.
 経鼻的経斜台法は,斜台や橋腹側部などの脳幹の正中病変に対する低侵襲なアプローチである.本法では,脳圧排をまったくせずに,硬膜外から斜台正中部を広範囲に骨削除できることから,斜台に進展した脊索腫に有用である.また,橋腹側の腫瘍や血管病変に対しても適応となる.この場合最も問題となるのが,硬膜静脈叢の処理と術後髄液漏の予防である.硬膜静脈叢からの出血に対しては,硬膜断端の縫合が最も確実である.また,腹壁より採取した筋膜パッチを用いて,硬膜をwatertightに縫合閉鎖することにより,術後の髄液漏は回避可能である.深く,狭い術野での縫合操作の習得には熟練を要するが,経鼻的経斜台法は,経口腔法のような術後の咽頭内パッキングや食事制限が不要であるなどの利点があり,到達困難な斜台部病変,脳底動脈や橋腹側部病変に適応となる.

北野昌彦, 種子田護
斜台近傍病変に対する経鼻的経斜台法
脳腫瘍の外科 270- 274, 2006(日本語の論文)

[拡大経蝶形骨洞手術について]

Kitano M, Taneda M.
Extended transsphenoidal approach with submucosal posterior ethmoidectomy for parasellar tumors. Technical note.
J Neurosurg 94:999-1004, 2001(英語の論文)

要約
 標準的な経鼻的経蝶形骨洞手術(いわゆるHardyの手術)は,脳圧排を要せずに頭蓋底に到達できる利点がありますが,手術野が狭く,深い欠点がありました.このため,手術適応は,トルコ鞍内に限局した小さな下垂体腺腫に限られていました.このHardyの手術の欠点を克服するため,術野を拡大する術式を考案しました.
 標準的なHardyの手術に,粘膜下の後部篩骨洞の開放を追加することにより,術野を低侵襲に拡大しました.本法を巨大下垂体腺腫,頭蓋咽頭腫,鞍結節部髄膜腫などの傍鞍部腫瘍の14例に適応し,その有用性を検討しました.
 本法では,低侵襲にHardy手術の術野が拡大し,さらに内視鏡を併用することで,従来の開頭術に匹敵する治療成績を,低侵襲に達成可能であることが判明しました.
 近年の内視鏡の普及により,開頭術を避け,より低侵襲に頭蓋底に到達する術式が多数考案されています.本論文を契機に,拡大経蝶形骨洞法の普及が促進されたと考えています.

Kitano M, Taneda M.
Extended transsphenoidal approach to anterior communicating artery aneurysm: aneurysm incidentally identified during macroadenoma resection: technical case report.
Neurosurgery 61(5 Suppl 2):E299-300, 2007(英語の論文)

要約
 脳動脈瘤の手術では,動脈瘤頸部とその周囲の微細構造を詳細に把握することが大切であります.拡大経蝶形骨洞手術では,脳圧排なしに脳底部に直線的に到達可能であります.そこで,前交通動脈瘤のクリッピング手術における拡大経蝶形骨洞手術の可能性について報告しました.
 偶然に下垂体腫瘍に合併した前交通動脈瘤の治療経験と3例の献体脳での外科解剖学的な検討から,拡大経蝶形骨洞法では,くも膜の剥離により,視交叉,両側の前大脳動脈と前交通動脈が,脳圧排なしに手術用顕微鏡下に直視可能であることが判明しました.
 拡大経蝶形骨洞法では,術野が狭く深いため,高度な技術を要すること,術後髄液鼻漏を合併する可能性があることなど,克服すべき問題点はありますが,脳の圧排をまったく要しないため,大脳半球間裂アプローチの代用として,未破裂動脈瘤や高位の前交通動脈瘤に有用であることを示した,最初の報告であります.
 開頭術を避け,低侵襲な治療への要求は,医療の潮流であります.このため,動脈瘤手術は,血管内治療へと移行しつつあります.しかし,血管内治療では対処できない症例もあり,本論文の発表により,拡大経蝶形骨洞のこの分野での可能性が検討されます.

Kitano M, Taneda M.
An adjustable nasal speculum for the extended transsphenoidal approach. Technical note.
J Neurosurg 106:932-933, 2007(英語の論文)

北野昌彦, 種子田護
拡大経蝶形骨洞手術
脳神経外科33; 853- 864, 2005(日本語の論文)

北野昌彦, 種子田護
傍鞍部病変に対する各種経蝶形骨洞法の適応
日本内分泌学会雑誌82;34- 36, 2006(日本語の論文)

北野昌彦, 種子田護
下垂体腫瘍の内視鏡支援手術
日本医事新報33- 36, 2001(日本語の論文)

北野昌彦, 種子田護
下垂体腫瘍に対する内視鏡支援拡大経蝶形骨手術
日本内分泌学会雑誌77;124- 127, 2001(日本語の論文)

北野昌彦, 種子田護
内視鏡支援によるトルコ鞍近傍病変の摘出
脳神経外科の最新医療225-229, 2004(日本語の論文)

北野昌彦, 種子田護
経蝶形骨洞手術の適応と限界-内視鏡単独から拡大手術まで-
日本内分泌学会雑誌80;40- 43, 2004(日本語の論文)

北野昌彦, 種子田護
トルコ鞍近傍腫瘍に対する拡大経蝶形骨法
脳腫瘍の外科-最新テクノロジーを用いた正中部および脳幹・間脳腫瘍の手術-54- 60, 2002(日本語の論文)

北野昌彦, 種子田護, 新山一秀, 中野直樹
経蝶形骨法による傍鞍部への到達
顕微鏡下手術のための脳神経外科解剖XII 121- 126, 2000(日本語の論文)

[術後髄液漏の予防法について]

Kitano M, Taneda M.
Subdural patch graft technique for watertight closure of large dural defects in extended transsphenoidal surgery.
Neurosurgery 54:653-661, 2004

要約
 経蝶形骨洞手術の最も多い合併症は髄液鼻漏であります.従来は,腫瘍摘出腔であるトルコ鞍内に腹壁から採取した脂肪片などを充填する方法が一般的でした.しかし,この方法では,手術中に大量の髄液流出を認めた場合には,髄液鼻漏や髄膜炎が高率に合併しました.そこでわれわれは,術後の髄液漏を防ぐため,watertightな閉鎖法を考案し,その有用性を検討しました.
 鞍上部腫瘍34例を対象として,脂肪片充填群,筋膜による閉鎖群,筋膜-ゴアテックスパッチによる閉鎖群の3群に分け,術後の髄液漏の発生頻度や合併症の有無について比較検討しました.筋膜もしくは筋膜-ゴアテックスパッチによる閉鎖では,深く狭い術野における縫合法を新たに考案し,watertightに硬膜を閉鎖しました.
 術後の髄液漏の発生率は,脂肪片充填群,筋膜による閉鎖群,筋膜-ゴアテックスパッチによる閉鎖群の3群で,それぞれ50%,30%,9%でした.また,筋膜-ゴアテックスパッチによる閉鎖群は,筋膜による閉鎖群に比べて,有意に手術時間の短縮を認めました.
 筋膜は,接着する組織と強く癒着するため,確実な創閉鎖が期待できますが,狭くて深い術野では,取扱いが難しく,密な縫合に時間を要しました.筋膜とゴアテックス膜をサンドイッチ状に重ね合わせることにより,この欠点を克服し,watertightな硬膜閉鎖が可能になりました.
 経鼻的に頭蓋内腫瘍に対して低侵襲にアプローチする拡大蝶形骨洞手術の最大の問題点は,術後の髄液漏や髄膜炎の合併であったため,より確実な頭蓋底閉鎖法の開発は急務でありました.本法の開発により,頭蓋底の硬膜を大きく開放した場合に,安全な修復・閉鎖が可能となり,手術の安全性向上に貢献しました.

Kitano M, Taneda M.
Icing and multilayering technique of injectable hydroxyapatite cement paste for cranial base reconstruction after transsphenoidal surgery: technical note.
Neurosurgery 61(3 Suppl):E53-54, 2007(英語の論文)

要約
 拡大経蝶形骨洞法は,脳圧排を要しないことから,飛躍的に適応範囲が拡大しています.しかし,本法により前頭蓋底を大きく開放して,腫瘍を摘出した場合は,頭蓋底に生じる大きな骨欠損が問題となります.ハイドロキシアパタイトセメントは,代用骨として広く臨床応用されていますが,硬化時に非常に不安定な素材であるため,髄液などに接することの多い頭蓋底の修復には不向きでありました.そこで,ハイドロキシアパタイトセメントを用いた新しい閉鎖法を開発し,その有用性を報告しました.
前実験として,ハイドロキシアパタイトセメントの硬化は,周囲の温度に大きく左右され,摂氏20度の約20分に対して,摂氏5度の低温環境では硬化に約10時間要することを証明しました.この特性を利用して,冷却したハイドロキシアパタイトセメントを重層補填する方法を開発しました.55例の頭蓋底手術に適応し,術後成績を検討しました.
ハイドロキシアパタイトセメントの冷却・重層法による頭蓋底閉鎖の成功率は,98%でした.1例に髄液漏,1例に感染を認めました.
ハイドロキシアパタイトセメントの冷却・重層法は,鼻中隔などの自家骨を用いて閉鎖できない頭蓋底欠損の閉鎖に有用であり,術後の髄液漏予防に効果的であります.
 拡大経蝶形骨洞法により,頭蓋底手術の適応範囲が拡大するにつれ,術後の髄液漏予防の重要性が増しています.硬膜欠損部のwatertightな閉鎖に加えて,頭蓋底骨の補填も重要であります.本論文では,温度によりハイドロキシアパタイトセメントの硬化時間を調節することが可能であるという素材の特性に着目し,冷却・重層法という新しい使用法を開発し,臨床応用することにより,その有用性を確立しました.

北野昌彦, 種子田護
止血法および剥離法
脳神経外科手術アトラス 180- 187, 2004(日本語の論文)

北野昌彦, 中野直樹, 新山一秀, 種子田護
視神経圧迫および減圧術による視機能変動の電気生理学的評価法
医学のあゆみ176;691- 692, 1996(日本語の論文)