手術のいらない、
新しいがん治療法。
けいひてきとうけつゆうかいえしりょうほう
" 経皮的凍結融解壊死療法 "
を
知っていますか?
がん治療に、新たな選択肢を。
肺がんの治療は、これまで外科切除、放射線療法が主流でした。
一方で、慶應義塾大学病院では全国に先駆けて、胸部悪性腫瘍を凍らせて治療する
「経皮的凍結融解壊死療法(以下、凍結療法)」を導入。
長年の実績とチーム医療で、体に優しい治療を追求してきました。
経済的負担が大幅に軽減されます
2026年3月より保険適用に
2026年3月から、冷凍手術器Visual-ICE™ Cryoablation System (ボストン・サイエンティフィック社)による凍結療法の保険適用が、従来から認められていた腎がんに加え、標準治療に不応の肺がん、四肢・胸腔内及び腹腔内に生じた軟部腫瘍等にも拡大されました。これにより、体への負担が少ない凍結療法の、全国的な普及が期待されています。
経皮的凍結融解壊死療法の
4つのポイント
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体への負担や
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痛みが
比較的少ない -
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呼吸機能の
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低下が
ほとんどない -
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放射線療法や
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化学療法が
効きにくいがんにも
効果が期待できる -
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治療部位に
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再発した場合も
繰り返し
行うことができる
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体への負担や痛みが比較的少ない
凍結針の径は約1.5mmと非常に細く、治療の痕はほとんど残りません。また、胸膜には神経が走行しているため、熱を用いるラジオ焼灼療法(RFA)では痛みが生じやすいのに対し、凍結療法は冷却に伴う麻痺効果により痛みを抑制できます。
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呼吸機能の低下がほとんどない
外科手術では肺を切除することで呼吸機能が損なわれてしまいます。それに対して凍結療法は、治療の標的となる組織がどのような場所にあっても、その周囲箇所のみをピンポイントで治療できるため、高い呼吸機能の温存効果が期待できます。慶應義塾大学病院での過去の治療データを参照しても、凍結療法の治療前後で肺活量はほとんど変動せず、治療後もこれまで通りの呼吸を保ちやすい治療法といえます。
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放射線療法や化学療法が効きにくいがんにも効果が期待できる
放射線療法や薬物療法の効果が得られないがんは治療の選択肢が限られます。その中で、比較的進行が緩やかな転移性肺腫瘍や胸腺腫は凍結療法によってがんをピンポイントで治療する(局所制御)ことで、予後延長効果を期待することができます。
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治療部位に再発した場合も
繰り返し行うことができる凍結療法は治療箇所周囲の組織に生じるダメージが比較的小さく、強い瘢痕(かたい線維化)が起こりにくいとされています。がん細胞は壊れますが、組織の骨組みとなる血管や肺の構造はある程度残るため、治療した場所が極端に硬くなったり変形したりしにくいという特徴があります。
このようなお悩みを持つ方に、
特にお勧めしたい治療です。
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呼吸機能などの問題で
全身麻酔に耐えられない -
放射線療法後に
再発したがんがある -
大血管、気管・気管支、
食道・胃の近くのがんがある -
薬物療法の効果が
得られにくいがんがある
慶應義塾大学病院での
施術実績
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20年以上の豊富な臨床経験
慶應義塾大学病院では、2002年から2016年までに約240名の肺悪性腫瘍の患者さんに対して経皮的凍結融解壊死療法を行い、良好な治療成績を収めてきました。この治療で最も多くみられた有害事象は気胸(肺に空気が漏れて肺がしぼむ状態)でした。366件の治療手技のうち18%(66件)で気胸を認め、そのうち11.2%(41件)では肺のしぼみが大きく、胸腔ドレーン(胸に管を入れて空気を抜く処置)の留置を要しましたが、手術を必要とするような重篤な気胸は認めませんでした。また、治療後30日以内の死亡も認めておりません。
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多数の施術実績を持つ専門
チーム本治療は2016年より一時休止しておりましたが、2023年5月に患者申出療養として再開し、2026年3月からは保険診療として広く提供できる体制となりました。2002年より本治療に取り組んできた経験豊富なスタッフが中心となり、長年にわたり培った知見と技術をもとに、チーム一丸となって本邦随一の施術実績を誇ります。
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最新鋭の医療設備
当院では、最新鋭の冷凍手術器「Visual-ICE™ Cryoablation System」を用いた先進的な治療を行っています。直径約1.5mmの凍結針により、体への負担を抑えながら、がんに対する精度の高い治療を提供しています。
ボストン・サイエンティ
フィックジャパンについて
世界最大級の医療機器メーカー。患者さんへの負担を可能な限り軽くすることのできる低侵襲治療(インターベンション)に特化した製品を扱っています。
WEB初診予約から呼吸器外科 加勢田医師(水曜日)の外来をご予約下さい
治療の流れ
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入院1日目(治療前日)
凍結療法は通常4~5日の入院で行われます(気胸などの合併症で入院期間が延長する場合もあります)。入院初日は、治療法に関するオリエンテーション等を行います。
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入院2日目(治療日)
朝から食事を止め、治療を開始します。治療に要する時間は2~3時間です。治療は局所麻酔下に行いますが、少し気分が楽になるような薬を使用します。CT室の台の上に横になり、CTを撮影しながら凍結針をがんに刺します。凍結針が適切な位置にあることを確認したのち、約50分間かけてがんを凍結融解します(5~10分間凍結して、10分間融解させるというプロセスを計3回繰り返します)。治療後は病室に戻り安静にします。治療2時間後の胸部X線写真を確認した後に、歩行や食事は可能となります。
※手術の様子の映像が流れます
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入院3日目(治療翌日)~入院4~5日目(治療2~3日目)
血液検査、胸部X線写真、胸部CT検査を行います。その後、合併症発生の有無を確認し、問題なければ退院になります。
経皮的凍結融解壊死療法に
関する詳細情報
凍結療法に関するQ&A
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どのくらいの大きさの腫瘍まで治療できますか?
一般的に、3.5㎝以内の腫瘍における治療成績が良好ですが、症状緩和目的の場合は10㎝までの大きさを対象にしてきました。がんの種類や数も関係するため、個々の患者さんごとに判断しています。
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治療後はいつから日常生活に戻れますか?
治療後は2~3日間の入院で経過を確認します。退院後は通常の日常生活に戻ることが可能ですが、激しい運動などは一定期間控えていただく場合があります。
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すべての肺がんに対して行える治療ですか?
すべての肺がんに適応となるわけではありません。凍結療法が適している肺がんは放射線療法後の局所再発や放射線療法を行いにくい中枢型の肺がんですが、腫瘍の大きさ、位置、数、全身状態などを総合的に判断して治療方針を決定します。
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他の治療(手術・放射線療法・薬物療法)と併用できますか?
患者さんの状態によっては、手術、放射線治療、薬物療法などと組み合わせて治療を行うことがあります。複数の治療を組み合わせることで、より高い治療効果が期待できる場合があります。
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外来で受けることはできますか?
凍結療法は治療後の安全確認のため、通常は入院で行います。入院期間は一般的に4~5日程度です。
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胸腺腫や中皮腫に対して行うことはできますか?
標準治療の適応のない胸腺腫や中皮腫も治療可能な場合があります。
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