平成25年4月より,大塚重則氏の後任として埼玉県細胞検査士会会長を拝命いたしました
埼玉社会保険病院の河村憲一です.
日本臨床細胞学会は平成25年4月より公益社団法人となりました.これに伴い細胞診関連の
学会の機構は変更を余儀なくされています.我々埼玉県の細胞検査士会も「埼玉県細胞検査士
会」と名称変更し,新たな体制で生まれ変わることになりました.
埼玉県細胞検査士会は全国の検査士会の中でも特に長い歴史を持っています.そして,年齢や
経歴に関係なく自由な雰囲気で会の運営を続けて来ました.勉強会の責任者にはベテランばかり
でなく,積極的に若い人たちも登用されてきました.このことが埼玉県内における和気あいあいと
した雰囲気を生み出してきていると思います.
ここにきて,我々が細胞診を始めた頃から多くのことを教えてくださった諸先輩方が徐々に
定年を迎えられる時期になり,次の世代へと世代交代する現実を実感することとなりました.
しかし,世代が変わっても良き伝統は継続しなければならないと思っております.
さて,現在細胞診は特に癌を発見する手段として医療の中で,検診で確固たる位置づけが出来
てきていると思います.しかし,細胞検査士という職業はいまだに広く認知されているとはいえま
せん.細胞検査士を認知してもらい,広く人材育成をしていかなくてはこれからの発展は望めませ
ん.我々が県内で出来ることは,勉強会を通じて埼玉県内における細胞診のレベルアップを図るこ
とと,公益活動を通じて細胞検査士という職業を広く世間に広報していくことだと思います.
勉強会の柱は「鏡検セミナー」です.年二回自由に症例を持ち寄って,様々な意見交換をしてい
く会です.今,自分たちが分からないことを出し合って勉強していくこの会は,明日から役立つ勉
強会だと思っています.一方,広報活動の柱は「頸がん検診の啓発活動」です.啓発活動は厚生労
働省や埼玉県の後援を受けながら,NPO法人子宮頸がんを考える市民の会から送られるパンフレ
ットなどを街頭にて配布する活動です.埼玉県では浦和駅や,熊谷のうちわ祭りでビラ配りを行っ
てきました.この活動には子宮頸がん予防における検診の重要性を県民に広めるという目的もあ
りますが,顔の見える細胞検査士になることも大切なことだと思っています.
会長就任にあたり,埼玉県細胞検査士会の和の伝統を大切にしながら,今後も会員一人ひとり
が積極的に参加したいと思えるような,また誰もが気兼ねなく発言できるような会にしていきた
いと考えていますのでご協力をお願いいたします.
|