HOME > 学術集会・教育集会 > 第13回家庭医の生涯教育のためのワークショップ > 内容の紹介 |
第13回家庭医の生涯教育のためのワークショップ |
内容の詳細 |
● 12日(一日目) | |||
船橋市立医療センター内科 岩岡秀明 氏 健診などで高血糖を指摘され、外来を受診された時、どのように検査や治療を進めてゆくか、薬の選択も含めたマネージメントについて、医師により、かなりの温度差があるのが事実です。特に生活習慣の変更が困難な患者さんでは、なかなかコントロールが難しいのが実情です。
社団法人地域医療振興協会 地域医療研修センター 名郷直樹 氏 今から15年以上前、高コレステロール血症を220mg/dlでスクリーニングするというような基準が世の中に出始めた頃、中年女性の半分近くが基準を上回る状況に、どうしていいのか途方にくれた頃から、EBMに熱を上げ、コレステロールに関するエビデンスを片っ端から勉強していた時代。20年近い年月を経て、さまざまなことが見えてきたように思います。
東京都老人医療センター 桑島 巌 氏 高齢者の最大の特徴は臨床的背景に個人差が大きく、画一的集団の平均的結果である大規模臨床試験の結果をそのまま当てはめることは必ずしも最適な医療とはいえません。しかし一方において高齢者に対する先入観がエビデンスの活用を阻んで来たという事実もあります。本講演では、個々の医師が長年培ってきた経験にエビデンスというサイエンスをいかに融合させて個別的治療(tailored medicine)に活かすかについて考えてみます。 |
● 13日(二日目) | ||||||||||||||||||||
奈良女子大学・保健管理センター 高橋裕子 氏 世界規模のたばこ規制枠組み条約の発効や健康増進法など社会が禁煙化に向かう中、家庭医の「身近な禁煙支援者」としての役割はますます重要性を増しています。
石岡・平本皮膚科医院 平本力( ) 今回は、(1)厄介な皮膚疾患名のからくり、(2)皮疹は意地悪な画像問題か、(3)家庭医療で行える・行うべきこと、(4)皮膚疾患はどう扱われるか、(5)皮膚科教科書を読みなおす、(6)実践に必要な基礎知識、(7)皮疹の評価方法・・・を課題として、皮膚科が嫌いな諸兄とジャムセッション〜バトルしてみましょう。
船橋市立医療センター内科 岩岡秀明 氏 糖尿病患者数の増加に伴い、インスリン療法の適応患者も増えています。まだインスリン注射に対して、抵抗感のある患者さんが多いのですが、実は、医師自身も、インスリン使用について高いハードルを感じている方が少なくありません。
北部東京家庭医療学センター 北足立生協診療所 井上真智子
氏 家庭医として女性患者さんを診る際に、どのような問題を意識して診療にあたるとよいのでしょうか。風邪症状で受診した場合でも、思春期、性成熟期、子育て期、更年期、老年期などのステージによって、それぞれに特有の課題が隠れています。このワークショップでは、女性のライフステージ・包括性・継続性を意識したアプローチの仕方について、ディスカッションとロールプレイを交えて学びます。また、低用量ピルについてのミニレクチャーも行い,実際に明日からでも処方してみようと思えるようにします。
亀井内科呼吸器科 亀井三博 氏 恩師K先生の生き方に惹かれ、息切れ医者になって10余年(注:息切れで悩む患者さんを診る医者の意味ですぐ息切れする医者ではありません)。たくさんの息切れ患者さんの駆け込み寺の住職として蓄えた長年のノウハウを一挙公開いたします。呼吸生理学の知識も、最新の画像診断もいりません。使うのは患者さんの言葉を聴くあるいは聴診する耳と注意深く観察する眼と患者さんに触れる手、そして眼の後ろに鎮座する灰色の脳細胞です。フローボリュームカーブと単純写真は診断の裏付けに使います。
伊賀内科・循環器科 伊賀幹二 氏 胸痛を訴える患者の鑑別診断を学生や研修医に質問すると、狭心症、心筋梗塞、解離性動脈瘤、気胸、肺塞栓といった教科書的なものを重みをつけないでリストします。
西伊豆病院 仲田和正 氏 整形外科で「病名は急性腰痛症」と重々しく宣告された場合、「原因がなんだかよくわからなかった。」という意味です。腰痛症の7割はMRIをもってしても原因がわかりません。腰痛は症状が派手なわりに2週も経てば大方治ってしまいます。しかし中に重大な疾患が潜んでいる場合があります。これをスクリーニングできれば良いのです。また腰痛の神経所見の取り方はポイントがありますのでそれを解剖学から説明します。また老人の姿勢の成り立ちは理解できると大変興味深くお年寄りの診察が楽しくなります。
医薬品医療機器総合機構 池田正行 氏 頭痛の患者さんを外来で診た時、髄膜炎だったらどうしよう、くも膜下出血じゃなければといいのだが、と心配します。実は神経内科医も同じ心配をしています。その心配を生かして診療しているのです。
研修医(医学生や卒後20数年、、、の万年研修医でもOK!)の方!!
済生会横浜市南部病院 若林秀隆
氏 家庭医はリハビリテーションを含めたあらゆる健康問題に対処します。しかし、リハビリテーションの本当の意味を正確に説明し実践できる家庭医は多くないと思われます。リハビリテーションの視点での機能評価(国際生活機能分類:ICF)を身につけると、障害を持つ患者さんの評価をより適切にできるようになります。Patient-centered
Clinical Method、Family-oriented Care、Community-oriented Primary Careのコンセプトと関連させながら、理解を深めることができればと考えています。
医薬品医療機器総合機構 池田正行 氏 しびれを訴える患者さんが苦手なのはなぜでしょうか?腱反射や感覚検査、脊髄高位診断がどの患者さんでも必ず必要だと思い込んでいませんか?ハンマーも筆も安全ピンも使わずにしびれの診断ができるとしたら、素晴らしいことだと思いませんか?病歴だけで8割どころか10割までも診断が詰められる。そんなうまい話があるかどうか、このセッションに参加していただければわかります。 |
← 第13回家庭医の生涯教育のためのワークショップ TOPページへ |
CopyrightcThe Japanese Academy of Family Medicine,1998-2007 |