プロフィール

BIRTHDAY 1963年7月10日
ORIGIN 福岡県筑後市
EDUCATION 熊本 & 東京
JOB 研究者・教育者
HOBBY 登山、スキー、自転車、写真
FAMILY 妻と子供3人
MOTTO  「春風以接人 秋霜以戒己」、「虚心観万象」

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横溝研の研究紹介


平成24年4月1日付で、順天堂大学に赴任致しました横溝岳彦です。研究室の改装に時間がかかりましたが、平成25年3月に九州大学から研究室を移動させました。皆様、宜しくお願い申し上げます。

私は医学部卒業後、3年間を産婦人科医として過ごし、患者さんから多くのことを学びました。陣痛促進薬として患者さんに投与していたプロスタグランディンの作用機序に興味を持ち、基礎医学の道に入りました。東京大学医学部生化学教室の清水孝雄先生の薫陶を受け、実験と研究の面白さに魅せられてから、早くも20年近くが経とうとしています。大学院では酵素学を学び、その後生理活性脂質の受容体を中心に研究を展開してきました。好中球の走化性因子として知られていたロイコトリエンB4の受容体BLT1の発見(Nature 1997)と遺伝子欠損マウスの解析を通じて、ロイコトリエンB4が単なる炎症性メディエータではなく、重要な免疫制御因子であることを明らかにすることができました。2000年に偶然発見したBLT2受容体(J. Exp. Med. 2000)は、当初ロイコトリエンB4の低親和性受容体だと考えていましたが、これまで忘れられていた炭素数17の脂肪酸12-HHTが生体内リガンドであることを発表することができました(Okuno, J. Exp. Med. 2008)。それまで12-HHTの生理活性の報告はありませんでしたが、皮膚損傷時に血小板から産生される12-HHTがケラチノサイトの移動を促進して創傷治癒を促進すること(Liu, J. Exp. Med. 2014)、上皮細胞間の細胞接着を強化して皮膚バリア機能を維持するのに重要であること(Ishii, Faseb J 2016)や急性肺損傷から個体死を防ぐ作用があること(Shigematsu, Sci. Rep. 2016)を見いだすことができました。最近では、質量分析計を用いた脂質定量解析を進め、多数の臨床教室と共同研究を行い、全身麻酔薬プロポフォールがロイコトリエン産生を抑制することで抗炎症作用を発揮している事(Okuno, Faseb J 2017)を見いだしました。少しずつしか進まない研究ではありますが、誰にも否定されることのない確実な研究成果を残してこれたことを嬉しく思います。

研究は地味で辛い作業です。数多くの予備実験を繰り返し、何度も再現性を取らなければなりません。ようやく成果をまとめあげても、今度は論文のレビューワーとの辛い戦いが待っています。それでも研究は楽しいものです。誰も見つけることのできなかった分子を発見し、その機能を誰よりも先に知ることができた時の、あの血液が沸騰するような興奮を一度味わってしまうと、研究から離れて生きていくことはできません。応用研究がもてはやされるこの頃ですが、私は知的興奮をもたらす基礎研究にこだわっていきたいと思っています。そして、発見の興奮と喜びを、一人でも多くの若い研究者の卵に味わって欲しいと切に願います。

私は熊本のカトリックの学校で「Man for others」を人生の目標とする教育を受けました。研究者としてもこの気持ちを忘れないように心がけています。医学部学生に対しては、常に問題意識をもって教科書や実習に望み、科学的な視点を失わない医学生の初期教育をめざしています。基礎医学に興味を持つ学生には早い段階から研究にふれるチャンスを与えたいと思います。大学院生の教育については、正確な再現性のある実験を正確に行える研究者、自らの実験結果から真理を見いだし、それを自ら論文や学会発表で世界に発信出来る研究者の育成を心がけています。基礎研究に興味のある先生方は、ぜひご連絡いただきたいと思います。 基礎医学研究の醍醐味を若い世代に伝え、順天堂大学の発展に少しでも貢献することが出来れば、これに勝る喜びはありません。(2013年3月1日)

横溝の全論文のPubMed検索はこちらです。「教授の雑文のページ」:お暇な方はどうぞ。

略歴

昭和63年03月 東京大学医学部医学科卒業
昭和63年05月 東京大学付属病院産婦人科入局
平成03年04月 東京大学大学院医学系研究科博士課程入学
平成07年04月 東京大学大学院医学系研究科 日本学術振興会特別研究員
平成10年04月 同 助手 (細胞情報部門)
平成12年10月 同 助教授
平成18年02月  九州大学大学院医学研究院 教授 (医化学分野)
平成24年04月  順天堂大学大学院医学研究科 教授(生化学第一講座)

所属学会

日本生化学会、日本脂質生化学会、日本分子生物学会、日本免疫学会、米国生化学会(ASBMB)、
国際脂質生物学会議(ICBL)


受賞歴

1999年9月 第6回国際エイコサノイド学会Young Investigator Award受賞
平成13年10月 第74回日本生化学会奨励賞受賞
平成16年10月 東京大学医学部ベストティーチャー賞受賞
平成23年11月 九州大学研究活動表彰受賞(主幹教授任命)

現在の役職

平成29年度〜 日本脂質生化学会 庶務幹事
平成29年度〜 日本生化学会 企画委員会 顧問
平成30年度〜 日本学術振興会 学術システム研究センター 専門研究員
平成30年度〜 AMED CREST・PRIME 「生体組織の適応・修復機構」領域 副統括
2019年〜 Steering Committee Member, ICBL
2019年〜 Board member, Eicosanoid Research Foundation

過去の役職

平成22〜26年度 文部科学省科研費新学術領域「脂質マシナリー」領域代表
平成22〜29年度 日本生化学会 企画委員会委員長(「生化学」誌編集長)
平成22〜29年度 AMED CREST「慢性炎症」領域アドバイザー
平成27〜29年度 日本生化学会 理事
2008〜2012年 Editorial Board, J. Biochemistry
2015〜2016年 Korean BK21 plus project advisory board

教授著書

Bioactive Lipid Mediators


脂質疾患学

CBL2019@Tokyo

Bioactive Lipids in Cancer, Inflammation and Related Diseases

 リポクオリティ (lipo-quality)

生命応答を制御する脂質マシナリー

基礎研究医養成のための順天堂型教育改革

High affinity FLAG Ab 2H8

教授の雑文のページ

教授著書