多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に対する新しい不妊治療

―単孔式腹腔鏡下未熟卵子採卵による体外受精―

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣内に多数の小卵胞を認めるが、ホルモンバランスの異常により排卵に至るまでの卵胞発育が障害され、月経不順や不妊症の原因となる病気です。

 

 PCOSの患者さんが妊娠を希望する場合、通常排卵誘発剤を使用することが多いのですが、排卵誘発剤によって1個だけの卵胞を発育させることはなかなか困難で、2個以上の卵胞が育って、双子妊娠、三つ子妊娠などの多胎妊娠となったり、また一度に多数の卵胞が発育すると、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という、最悪の場合生命の危険を伴う合併症を引き起こすことがあります。

 

 こうした、排卵誘発の困難な患者さんに対して、腹腔鏡下に卵巣に多数の孔をあけることで、ホルモン環境が改善し、自然に排卵が起こるようになることが知られており、実際に多くの施設で行われています。ただ、卵管や精子の側にも問題がある場合や、術後妊娠に至らない場合は、結果的に体外受精に移行することも多いため、東大病院女性診療科では、腹腔鏡下手術の際に卵巣に針を刺して採卵を行い、ご主人の精子と受精させた後に凍結保存し、自然に排卵が来るようになってから融解胚移植を行う治療をすすめています。

 

 この腹腔鏡下手術は、お臍の中に切開を入れるだけ(傷の残らない腹腔鏡下手術 をご覧ください)で行いますので、美容的にも優れています。

 

 詳しくは担当者の外来を予約いただいたうえでご相談ください。

 

          担当 藤本晃久 毎週水曜日午前

 

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単孔式腹腔鏡下にみた卵巣

 

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下腹部より直接針を刺して、未熟卵子の採卵を行います。

 

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採卵後、卵巣表面に電気メスにて多数の孔をあけた後の卵巣

(このあと、多くの患者さんで自然に排卵が来るようになります)