単純部分発作

意識を失わない発作の代表です。ここで、単純と言うのは”意識を失わない”事を意味しています。

焦点が活動し、異常波が発生して広がってゆく時、一度に大きな部分が巻きこまれず、比較的狭い部分だけが巻きこまれるとこのような症状になります。見られる症状は、巻きこまれた脳の部分によって決まります。手足を動かす”運動野”が巻きこまれると、その部分の手や足がびくびくとけいれんを繰り返します。この時けっして物を掴むとかのまとまって運動は起こりません。また、”感覚野”が巻きこまれますと、相当するからだの部分にもぞもぞするような異常な感覚が起こります。痛みを感ずる場合もあります。”視覚野”が巻きこまれると、視野の一部がゆがんで見えたり、様々な色が変わるミラーボールのような物が見えたりします。
このような症状は数分で自然に収まります。焦点は症状を表す脳の領域に近く存在することが疑われます。

下の図は脳の機能領域の分布を示しています。