【は】
Date: Thu, 29 Apr 1999 23:53:26 JST From: "安田 康晴" Subject: [SEML:440] シミュレーション(雑感) 今晩は、安田@出雲消防です。 救命士のシミュレーションがemlに飛び火し論議され研修所の 実際を垣間見今後の救急隊員教育に新たな布石を投じれれば と思います。以下emlへの転送可です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー シミュレーションとはある種マニュアルに基づいて行われる訓練 だと思います。そのマニュアルは実戦から得られるものでなくては なりません。例えばトップガンの様に相手機の航空力学、戦闘能力 等を十分分析・把握しその攻撃についての対応策のマニュアルが 作成されます。そのマニュアルに基づきシミュレーションが毎日の 様に行われます。ペルーの日本大使館でのペルー軍の攻撃も相手 の人員・武力等を十分把握しなおかつ大使館と同じ構造の建物を造り そこで実戦を想定したシミュレーションが行われ、人質救出作戦が 成功しました。これがシミュレーションです。しかしこのシミュレーシ ョンを行う隊員は全て基本をマスターした隊員です。今回の論議で はそこまで達していない隊員にこれらのシミュレーションを行う困難 さを露呈したと思います。このままで終えては行けません、きちんと 救命士教育課程に行くまでの救急隊員教育も論じるべきと考えます。 併せ救命士のシミュレーションも。救命士の生涯教育を論ずる前に クリヤーせねばならないことではないでしょうか。semlから飛び火した ことです。ある程度の終結をさせましょう。今後は具体的にどうすれば これらのの問題が解決できるか、その方法論に矛先を向けてはどう でしょうか。みなさんどうお考えですか。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 以上転送可ですが是非越智さんのコメントも添えて転送して下さい。
【ひ】
Date: Fri, 30 Apr 1999 04:17:06 JST From: "Shiro Fujiyama" Subject: [SEML:441] Re:シミュレーション(雑感) 越智さん、安田さん、皆さんこんばんは! 鳥取西部消防の藤山です。 私自身、指令課、救急II課程修了という、現場から離れた状態で 少し、生意気かもしれませんが、私見を述べさせてください。 皆さんの熱意のあふれる論議に、敬意を表します。素晴らしいエネ ルギーです。 私自身、「シミュレーション」という言葉の定義が曖昧なので、この場 合、「救命士さんが行われる想定訓練」と言うことで、発言させていた だきます。 シミュレーションを如何に、現場に近い形で行うか..という、命題だと 思います。これは当然の流れだと思います。 _1.シミュレーションの目的_________________ シミュレーションの目的は、一定の状態を想定し、そこで行われる処置 がどのような意図で、どのように行われ、どのような結果になったかを、 自己及び第3者的に評価し、救命士としての能力向上のため役立てる ものだと思いますが、研修所で行われるシミュレーションと現場で活動 中の救命士さんの行うシミュレーションとでは、その目的が違うと思いま す。 _2.研修所でのシミュレーション________________ ・教育目的で研修課程の成果としてのシミュレーション 救急II課程とスタートとし、救命士の早期除細動を目的とする課程の中で 様々な、知識、手技、経験、経験がもたらす知恵が必要になってきます。が 研修所で行われます、基礎教育を目的としたシミュレーションでは、様々な ケースから得られる経験、統計、分析からの最新の要素が反映された、基 礎的な訓練が、行われるのは当然のことと思います。 _3.再教育としてのシミュレーション_______________ ・技術の再評価と現場対応能力の指標としてのシミュレーション しかし、救命士となられてからの訓練は、その知識、経験からの現状認識をし 処置の無駄を如何に省くかという訓練だと思います。 _4.シミュレーションに於いて、何を得るか_____________ ・シミュレーションと現場とは違うという認識をもつ だから、といって無限にシミュレーションの域を出るものではないという認識も 必要となってきます。そういう意味で、処置に必要なコミュニケーション以外の、 いわゆる自己認識、あるいは評価者のための発声も必要になってくるでしょうし、 ダミーを対象としているため、実際とは違い、処置をしながら自分自身の中で 想定を創っていかなければいけないと言う、必要以上の負担かかることになり ます。 したがって、シミュレーションを行うに当たっては、訓練者自身がどこに主眼を於 いて実施し、第三者の識者に評価を受ける必要があると思います。 以上です。 思いつくままに、シミュレーションについて書いてみました。乱筆乱文お許しください。 ----- Original Message ----- 送信者 : 安田 康晴宛先 : SEML 送信日時 : 1999年4月29日 23:53 件名 : [SEML:440] シミュレーション(雑感) > 今晩は、安田@出雲消防です。 > 救命士のシミュレーションがemlに飛び火し論議され研修所の > 実際を垣間見今後の救急隊員教育に新たな布石を投じれれば > と思います。以下emlへの転送可です。 (以下、省略)
【ふ】
Date: Fri, 30 Apr 1999 11:44:08 JST From: "Y.Takeda" Subject: [SEML:442] RE: :シミュレーション(雑感) 藤山さん、皆さん、こんにちは竹田@出雲消防です。 藤山さん、上手くまとめていただきましてありがとうございます。 私の文章表現力のなさから理想と現実、また藤山さんの言われる「研修所での シミュレーション」と「再教育としてのシミュレーション」とが混在し混乱を 招いたことと、発言の中にお気に召さない表現があったことをお許し下さい。 今回の「消防のシミュレーション」の発端になった越智さんの[SEML:399] で のシミュレーションは、守田@尼崎さん[SEML:436]が言われるように現場で既 に活躍している救命士が「再教育としてのシミュレーション」をすべきものが あまりに「研修所でのシミュレーション」に近かったためではないでしょう か。 今後、救急活動のレベルアップ(社会復帰を最終目標)をしていくために基本 訓練→応用訓練→現場→基本訓練→応用訓練→現場に活かす、ことが必要で すね。 藤山さんより >シミュレーションを如何に、現場に近い形で行うか..という、命題だと >思います。これは当然の流れだと思います。 > >_1.シミュレーションの目的 (以下、省略)
【へ】
Date: Fri, 30 Apr 1999 13:28:37 JST From: "小村正明" Subject: [SEML:443] REシミュレーション みなさんこんにちは、小村@松江消防です シミュレーションの話題が続きますが、救急隊員や教育関係者以外の方は退屈だと思 いますが、活動につながる基本的なとこですのでもう少し書かせて下さい 研修所のシミュレーションが、話題になっていますが。その発端的なメールを見ると 救命士が行ったデモンストレーションが話題になるべきものではないのでしょうか。 ・・・・会・シンポジウムなどのデモンストレーションが研修所のシミュレーション と同じ。 デモンストレーションが現場活動に即応していないのでだめ。 →イコール研修所のシミュレーションに問題がある。 この視点の違いに問題があるような気がします。 [SEML:235]の中で竹川さんが書かれています 研修所は一般社会では自動車学校のようなも まさにそのとおりだと思います。 救急救命士になるために入った研修所では、その基本をシミュレーションで訓練す る。 現場に帰れば、それを基本に実際に合った活動をする。 デモンストレーションは、現場を想定したものなら、現実に合った活動を紹介する。 それを救急救命士になった人が、研修所のシミュレーションをそのまま展示すること に問題があるのではないのでしょうか(メールの内容から批判させてもらいました、 実際にされた方には申し訳ありません)。 私自身は、[EML:428]の中でも書いたように、研修所のシミュレーションは非常に勉 強になり、現場活動の中で生きています。しかし、シミュレーションのように「周囲 の状況好し」などはやっていません。 研修所卒業後、先輩の救命士に現場活動について聞いたところ、「周囲の状況よし、 などは言っていない、しかし、指令内容・無線の内容や関係者からの聞き取りの中で 同じ事をいている。」とシミュレーションの意味についていろいろ教わりました。 また、昨年9月に研修所を卒業した救命士も研修所のシミュレーションは現場活動に 役にたつと言っていました。 [SEML:425]の中で曽田さんが、「シミュレーションは全て忘れて」と書かれているの には疑問が残ります。 全てとはどこまでですか?基本的なものまでではないはずです。 どこかでシミュレーションが生きているのではないのですか? それを次の救命士に受け継ぐことも大切ではないのでしょうか。 6ヶ月の貴重な時間は無駄ではないはずです。 私の、活動の基本はやはり研修所のシミュレーションです。 そして、現場活動の中でそれを進歩させ、シミュレーションの完成品を作るのだと思 います。 デモンストレーションではなく、シミュレーションについてもう一度検討してはどう ですか。 乱文申し訳ありません
【ほ】
Date: Fri, 30 Apr 1999 16:03:07 JST From: Genro Ochi Subject: [SEML:444] Re: シミュレーション(雑感) 出雲消防 安田さん、seml, emlの皆様、愛媛大学の越智です。消 防や救急救命所における救急処置シミュレーションに関する話題です。 安田さんからお声がかかりましたので、もう1度私の考えをまと めてみます(学会前でじっくり書けないことをお許し下さい)。な おシュミレーションと書かれる人がおられますが、つづりはsimulation でシミュレーションが正しいと思いますので、ご注意下さい。 〇 1.救急隊員の集まりや消防本部で日常的に実施されるシミュレー ションは、時には処置の流れの復習をするために基礎的なシミュレ ーションをされても構いませんが、原則としては救命(社会復帰) のために最も可能性の高い処置の流れを追求するシミュレーション をしてほしいです。 くどいようですが、虚血性心疾患に伴う心肺停止の場合は AHAの ACLSが王道だと思います。以下、古賀俊彦・訳「高度循環救命法」 I-4〜12、株式会社 マルコ出版部、を下敷きにして、私が考える あるべき処置の流れを書いてみます。 1)予備的最初の行動 ・反応性を評価 ・助けを呼ぶ(越智注:例え病院内で医師が、心肺停止状態の 患者を発見した場合でも、助けを呼び、治療に必要な人手 を確保する必要があります) ・適切な体位に(患者にとって適切な体位) ・ 同上(患者を処置者にとって適切な体位に) 2)第一次 ABCD処置 ・気道を開く (越智注:AHAの記載にも口腔内異物確認の記載もありますが、 除細動器(ECGモニタ−)が現場に届いている場合は、気道 確保などの処置とは無関係に、できるだけ速く心電図波形を 確認する) ・呼吸が無いことをチェック ・換気(ポケットマスク、バック&マスクなどによる) ・脈無しを確認 ・心マッサ−ジ ・VF/VTを除細動 *越智注:除細動器が到着し次第、直ちに ECG波形を確認。医 師への通報、特定項目実施について一括指示を得る。VF/VTで あれば(心電図電送をすることなく)除細動を実施。 3)第2段階の ABCD処置 ・気道:気道開通の適性度を再チェック、ラリンジアルマスクな どによる気道確保。 ・呼吸:ラリンジアルマスクなどを挿入後の換気状態そチェック、 呼吸音の聴診 ・静脈路確保(越智注:薬剤投与が許されていないわが国では、 静脈路確保は搬送中または病院到着後に実施するのも一法) *越智注:ここまでの処置はできるだけ迅速に行うべきであり、 家族の了解を取り付けることに手間取ってはならない。119番 通報(EMSへの搬送依頼)をすること自体が、「患者や家族が、 救急隊員が患者に必要な処置を行いつつ早期に医療機関へ搬 送することを希望している」ことを前提としている。 〇 救急救命所でのシミュレーション イ)処置の流れを整理するためのシミュレーション(現在行われて いる基礎的なもの) ロ)電気的除細動に重点を置いた現場密着型のシミュレーション バックマスク法を修得するなどの、基礎的な訓練の間はイ)を中心 にしてもよいと思いますが、医師への通報や早期除細動のための工夫 を織り込んだロ)の流れについても話をする必要があると思います。 そして課程が終了に近づいた段階では、イ)と対比させながら、ロ) のシミュレーションも実施させていただけませんでしょうか。 できれば「救急救命士」養成学校なのですから、基礎的な訓練やシ ミュレーションは入校前に所属本部などでみっちりやっていただき、 ロ)を教える時間的な余裕を十分残してほしいです。 〇 【今回の論議の行き着くところ】:論説としてまとめて救急医療ジ ャーナルなどに投稿! 今回の論議を生産的なゴールに行き着かせるためには、必ずしも意 見の一致を模索するのでなく、両論併記の部分や読者への問いかけに とどまる部分を残したままで、論説としてまとめてはどうか? 私が 読みたい、書きたいと思うのは以下の観点からの論説です。 a.救急処置シミュレーションを救急救命士会で見て救急医が考えた事 b.救急救命士養成学校教員による a.への反論と、救急救命士養成学校 の現状(シミュレーションに対する姿勢) c.現場の救急救命士の意見 d. a〜cのまとめと提言 *e 文体など全編の統一性を持たせるためのレフリー役の方(a-dと兼 任も可)も必要と思います。 ** メーリングリストでの論議の流れにならって、対談あるいはリレー 方式で論考を連ねてもよいかと思います。 私は言い出しっぺですので、seml、emlの皆様の中に b〜eを担当し て下さる方があれば、私は aを担当したいと思います(もちろん他に 立候補される方があれば、私である必要はございません)。皆様、積 極性が喜ばれるメーリングリストですのでぜひ自薦(場合によって他 薦)で担当者を決めて、論考をまとめてみませんか。執筆開始は論議 が一応おさまってからでよいと思いますが。。 それでは皆様、また。
【ま】
Date: Fri, 30 Apr 1999 22:27:33 JST From: "taka" Subject: [SEML:448] Re.シミュレーション(雑感) 小田さん、越智さん、円山さん、皆さん、こんにちは。 鳥取中部消防三浦です。 シミュレーションについて、論議が交わされ、ふん、ふん と読んでいました。 研修所は、いわば国家試験をまだ受けていない、医学生と 同じです。手技の完璧な完成を求めても無理が生じます。 シミュレーションと言う、大それた名目の基に、基本手技を 学ぶ所と思っています。 それぞれが、いろいろ思うことは、救命士になり、医師となり 現在まで努力したから、そう感じるのだと思います。 けれど、研修所のやり方は、時代と共に変えていく必要は ありますね。 私は、デモンストレーションとシュミレーションを勘違い されている方が、あるように思います。 デモは、訴える何かを持って実施すれば、その目的を 達する事ができると解釈しています。 シミュレーションは、現場の状況、病態の状況等をいろいろ 組み合わせて、実戦のためにと、擬似体験するものだと思います。 ですから、組み合わせは何百・何千と在り、理想的なシミュレーション の完成形はないと思います。 また、救急隊員は心疾患によるCPAだけでなく、あらゆる分野の CPAに遭遇するわけで、CPR、特定行為は変化して行われます。 反論があるかと思いますが、CPRの完成形(理想形)も、今は、 無いとしか言えませんね。 いろんな人が、いろんな意見を言ってますから。 そのひとつに、私はCPRにおいて、5対1あるいは、15対2でなく 心マは80〜100のリズムで、心マ5回に送気1でなく、高濃度酸素を バンバン送っています。(アンビューにおいても) とりとめの無い意見になりましたが、この問題は現在現場で働く者 教育する者、その指針を考え通達するものが、集まり討議すること が、必要と思います。お粗末な意見ですいません。
【み】
Date: Fri, 30 Apr 1999 23:55:10 JST From: "真誠会" Subject: [SEML:450] Re [SEML:448] Re.シミュレーション(雑感) 米子真誠会小田です。皆さん今晩は。 SEML:448より |研修所は、いわば国家試験をまだ受けていない、医学生と |同じです。手技の完璧な完成を求めても無理が生じます。 |シミュレーションと言う、大それた名目の基に、基本手技を |学ぶ所と思っています。 |それぞれが、いろいろ思うことは、救命士になり、医師となり |現在まで努力したから、そう感じるのだと思います。 |けれど、研修所のやり方は、時代と共に変えていく必要は |ありますね。 小田:雑談です:今回SEMからはじまったシュミレーションにかんする討論が全 国に広がった事はすばらしい事です。私ももちろん救急医療に携わる医師ですので 私なりの考えがある(というより体が覚えている)のですが、今回のシュミレーシ ョン、あるいは救急の現場での状況と私の救急との関わりは環境がかなり異なるの で、あるいはシュミレーションに関しては皆さんの発言から想像は出来ても現実を 知りませんので場違いな発言になりますので、皆さんのメールを見ながらいろいろ 勉強させていただいております。 (後略)