(エマージェンシー・ナーシング Vol.12 (7): 653-5, 1999)
読者の皆様は、96年10月から連載された「ナースのためのコンピュ −タ通信講座」をご記憶でしょうか。この中で「救急医療メーリングリ スト(eml)」というインターネットを用いたフォーラムが紹介されま した。 emlでは救急隊員、医師、看護婦(士)、防災関係者など、救急・ 災害医療に関心のある全国からの参加者が、活発な情報交換をしていま す。
emlではこれまでに、表1に示すような様々な話題が取り上げられましたが、1998年4月以降の重要なテーマに「乳幼児の救急処置」があります。
1996年の統計から乳児死亡の原因をみますと、先天奇形、周産期の呼 吸障害及び心血管障害に続いて、乳幼児突然死症候群(SIDS)と不慮の 事故(窒息、溺水、交通事故等)が上げられています。乳幼児の救急処 置法については、SIDSや事故への備えという面から、 父母や保育関係 者の関心が大変高くなっています。 ところが、心肺停止患者の絶対数 は成人が圧倒的多数であることから、乳幼児への救急処置が消防、赤十 字などの救命講習の主要テーマとして取り上げられにくい現状がありま す。
そこで、 emlでは「乳児の突然死撲滅キャンペーン」を計画し、ホー ムページ上で様々な情報提供を行うとともに、全国で20回以上の乳幼児 救急救命講習会を実施して来ました。講習会においては各地の消防本部 のご協力を御願いし、また遠近の emlのメンバーが講師や実習指導者と して参加しました。
今回の「乳幼児の救急」の特集は、emlメンバーでもある本誌編集者が 発案されたもので、emlメンバーが日頃勉強して来たことや、救急看護の 専門家の皆様にお伝えしたいことを書かせていただくことになりました。 読者の皆様には私共の活動にご理解とご協力をお願いしますと同時に、 emlにも奮ってご参加いただければ幸いです。
なお「乳幼児の突然死撲滅キャンペーン・ホームページ」と「eml ホー
ムページ」のアドレスはそれぞれ、http://ghd.uic.net/98/i406sids.html、
http://ghd.uic.net/jp/ML/ となっておりますので、ご参照下さい。
(eml救急医療メモ http://ghd.uic.net/jp/ems/memo.htmlより)
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