愛媛県は東・中・南の三つの地区に大別され、「伊予の国」の「予」をそれぞれに付けた名称で呼ばれています。医療圏も同様で、三次救急医療施設としての救急救命センターが、東予に1、中予に2、南予に1の合計4か所あります。今回われわれの活動は、それらのセンター長、副センター長等にもご賛同いただくとともに顧問としてお迎えすることができました。
そして、さまざまな職種の人々の集まりによる手探りの状態ではありましたが、今年2月25日に「愛媛救友会」と称して誕生することができました。「一人でも多くの人を助ける」ことをスローガンに、救急救命に関する知識の修得および技術の研さんのための症例研究会の開催、会員間の情報交換、そして親睦を図ることを目的として、あくまでプライベートな会として発足したのです。
発足式は、県医師会館において、会員96人が参加して行なわれました。会則決議、役員選出の後、会員による「救急救命士運用から今日まで」、県交通消防課の「消防防災ヘリコプターの運用について」、県立中央病院の「救急救命センター14年間のDOA症例と今後の問題点」などの記念講演に続き、団らんの親睦会へと移り、盛会のうちに終了しました。
(2) 会員等:会員数は270人。県下の全消防本部からの入会を含め、その内訳は、県消防学校職員、救急告示病院等の医師・看護婦、自衛隊・海上保安部の救護・救難等の職員、バイスタンダーCPRの指導員(日本赤十字社支部職員、日赤ボランティア指導員ー各学校養護教諭、スポーツ指導者、警察官、会社員、看護婦、消防職員等)と職種もさまざまで、「救命の四つの輪」に携わる人たちが集える会が出来ました。これは、いま全国で結成されている救急救命士会等の中で、「目標とされている会」が出来たのではないかと自負しています。なお、会費は、年会費等で2千円としました。
いままでは皆、組織の中の敷かれたレールの上を歩きながら、立ち止まったり走ったりしてきました。それが、昨年の阪神・淡路大震災後、大規模災害や集団救急事故への対応として、組織間の「縦横のつながり」が叫ばれるようになり、危機管理体制の一環として、緊急消防援助隊の結成や近隣消防本部との相互応援協定が締結され合同訓練も行われてきました。このような状況においては、組織間の形成的なつながりだけでなく、平素からの組織の枠を越えた個人的なつながりが大切ではないかと思います。もちろん組織内の「和」もまた重要です。
同じ思いを持った者が集まるのは楽しいことです。しかし、自分のアンテナをいろいろな方向に張り巡らせ、抜け駆けするぐらいの気持ちがなければ進歩はないと思います。そういった意味での、自己研さん、コミュニケーションの場としての「会」にしたいと思っています。
本誌18号で、「インターネットに救急・災害医療情報ホームページが誕生」という記事が紹介されました。このホームページは、当会の顧問であり運営委員でもある愛媛大学医学部救急医学教室の越智助教授が開設されており、当会の活動内容等も掲載されています。全国の救急救命士会などからの情報もお待ちしています。