救急医療メーリングリスト(eml)より

救急救命士の業務外における自動体外式除細動器(AED)使用は合法

(厚生労働省の見解)

(本資料の、著作権などに関する責任はすべて発信責任者が負います)。


Date: Tue, 28 Dec 2004 10:06:56 +0900
From: 市川高夫
Subject: [eml-nc4: 2523] Re: 2243 AED の使用につき,質問です.


当地で行った検証会後の厚労省への確認事項では
H16.12.15新潟県医薬国保課を通しての解答

「救急救命士の業務外におけるAED使用の可否について厚生労働省の
見解を確認する」

「救急救命士の業務外におけるAED使用については、一般市民と
同様の扱いであり、使用しても医師法、救急救命士法等関係法令
違反にはならない。」

とのことで、当地では、ボランティアで待機している場合の救命士の
AED使用予想においても認めることになりそうです。

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市川高夫 新潟県立六日町病院 麻酔科
        〒949−6623
        新潟県南魚沼市六日町636−2
        CDCのガイドラインの拙訳など
          
http://www.muikamachi-hp.muika.niigata.jp/acad_cdc.html


救急医療メーリングリスト(eml)より

救急救命士の業務外におけるAED使用に関する論議


目次
 A [eml-nc4: 1838] AED 使用について教えて下さい
 B [eml-nc4: 1840] Re: AED 使用について教えて下さい(その1)
 B [eml-nc4: 1841] Re:AED 使用について教えて下さい(その2)
 A [eml-nc4: 1844] RE: [1840] AED 使用について教えて下さい
 C [eml-nc4: 1845] Re: AED 使用について教えて下さい
 D [eml-nc4: 1846] Re: AED 使用について教えて下さい
 A [eml-nc4: 1851] RE: [1846] AED 使用について教えて下さい
 F [eml-nc4: 1852] Re:AED 使用について教えて下さい
 F [eml-nc4: 1853] Re: AED 使用について教えて下さい
 越智[eml-nc4: 1854] Re: 1852 AED 使用について教えて下さい
 畑中[eml-nc4: 1858] AED 使用について教えて下さい
 中村[eml-nc4: 1859] Re: AED  使用について教えて下さい
 G [eml-nc4: 1861] Re: AED 使用について教えて下さい
 天羽[eml-nc4: 1863] Re: AED 使用について教えて下さい
   [eml-nc4: 1891] Re: AED 使用について教えて下さい
 櫻井[eml-nc4: 1892] Re: AED 使用について教えて下さい
 D [eml-nc4: 1982] Re:AED 使用について教えて下さい
 D [eml-nc4: 1983] Re:AED 使用について教えて下さい
 越智[eml-nc4: 1984] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい
 H [eml-nc4: 1986] Re:AED 使用について教えて下さい
 I [eml-nc4: 1987] RE: [eml-nc4: 1984] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい
 J [eml-nc4: 1994] Re: AED 使用について
 J [eml-nc4: 1995] Re: AED 使用について
 K [eml-nc4: 1996] Re: AED 使用について教えて下さい
 D [eml-nc4: 1997] [eml-nc4: 1858] AED 使用について教えて下さい
 D [eml-nc4: 2000] [eml-nc4: 1861] Re: AED 使用について教えて下さい
 D [eml-nc4: 2001] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい
 D [eml-nc4: 2002] Re: AED 使用について教えて下さい
 嶋本[eml-nc4: 2012] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい
 I [eml-nc4: 2013] Fw: 救急救命士の処置の範囲について
 越智[eml-nc4: 2015] Re: 2001 AED 使用について教えて下さい(息子が救命士ならためらわず実施せよと)
 畑中[eml-nc4: 2016] AED 使用について教えて下さい
 畑中[eml-nc4: 2019] AED 使用について教えて下さい(息子が救命士ならためらわず実施せよと)
 畑中[eml-nc4: 2020] Re: AED 使用について教えて下さい
 越智[eml-nc4: 2025] Re: 2020 AED 使用について教えて下さい
 L [eml-nc4: 2041] Re: AED 使用について教えて下さ
 藤本[eml-nc4: 2042] Re: AED 使用について教えて下さい
 畑中[eml-nc4: 2047] AED 使用について教えて下さい
 D [eml-nc4: 2048] Re: Fw:  救急救命士の処置の範囲について
 櫻井[eml-nc4: 2050] Re: AED   使用について教えて下さい
 榧 [eml-nc4: 2053] Re: AED 使用について教えて下さい
 H [eml-nc4: 2060] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい
 越智[eml-nc4: 2062] Re: 2053 AED 使用について教えて下さい(厚労省への問い合わせ)
 大塚[eml-nc4: 2064] Re: 1983 AED  使用について教えて下さい
 D [eml-nc4: 2202] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい(長文です)
 D [eml-nc4: 2203] Re:AED 使用について教えて下さい(長文です)
 D [eml-nc4: 2205] Re: 1983 AED  使用について教えて下さい
 D [eml-nc4: 2207] Re: AED 使用について教えて下さい
 越智[eml-nc4: 2208] Re: 2207 AED 使用について教えて下さい(救命士にも長い業務外の時間がある)
 櫻井[eml-nc4: 2211] Re: AED 使用について教えて下さい
 H [eml-nc4: 2213] 救急救命士の救急関連行為は公務内外を問わず業務とみなされる
 N [eml-nc4: 2243] RE: AED の使用につき,質問です.
 J [eml-nc4: 2259] RE: AED の使用につき,質問です.
 市川[eml-nc4: 2523] Re: 2243 AED の使用につき,質問です.
 D [eml-nc5: 0057] Re: 転載の御願い
 越智[eml-nc5: 0058] Re: 0057 転載の御願い
 市川[eml-nc5: 0059] Re: 転載の御願い



From: A(医師) Subject: [eml-nc4: 1838] AED 使用について教えて下さい Date: Mon, 4 Oct 2004 02:02:16 +0900 Aです。 ・・地域MC委員ですが 地域の救急MLでの論議で いくつか答えられない疑問がありましたので教えていただきたく お願いいたします。 質問1: AED使用で 反復する非医療職種も4つの条件を満たせばAED 使用が可能とあります。医療職=医師等とは、医師・看護師・ 救急救命士の国家資格保有者と考えます。 医師・看護師・救急救命士については、業務中、業務外を問わず AEDの使用は可能であると考えて良いのでしょうか? 質問2: 地域MCの除細動プロトコールでは 出動した救命士は、6回以上の 除細動であれば、オンラインMCにより医師の判断を求めます。 業務出動でない救命士(マラソンに参加していたり ボランティア・ スタッフなどで居合わせた)がAEDを使用する場合、このプロトコール に拘束される事はないのでしょうか? 質問3: たまたま居合わせた医師もしくは看護師・救命士が、AED以外の 医療器具を所持していないとして 救急隊が到着するまで10回でも、 20回でも、何回でもAEDが指示する限り除細動を行うことは適当 なのでしょうか? またPADでのAEDの除細動回数について何かの制限があるので しょうか? 質問4: 医政指発第0816001号(平成16年8月16日) 「自動体外式除細動器(AED)の講習内容の取りまとめについて」 により、AEDの講習が修了次第、非医療職もAEDの使用が可能 と考えてよろしいのでしょうか?



From: B(救急隊員) Subject: [eml-nc4: 1840] Re: AED 使用について教えて下さい(その1) Date: Tue, 5 Oct 2004 01:03:46 +0900 Aさん、こんにちは。 B@・・消防と申します。 その1 地域MC委員のAさんにお答えするのは僭越ですし、地域の救急MLで の論議ということですので同じような疑問を思っていた救命士の解釈とご理 解いただければ幸いです。 個人的な解釈ですので誤りがありましたら、ご指摘いただければと思います。 > 質問1: > AED使用で 反復する非医療職種も4つの条件を満たせばAED > 使用が可能とあります。医療職=医師等とは、医師・看護師・ > 救急救命士の国家資格保有者と考えます。 > 医師・看護師・救急救命士については、業務中、業務外を問わず > AEDの使用は可能であると考えて良いのでしょうか? 質問1について 医政発第0701001号(平成16年7月1日) 「非医療従事者による自動対外式除細動器(AED)の使用について」 1、反復継続性が認められない一般市民がAEDを使用しても医師法違反にならない。 2、反復継続性が期待、想定される非医療従事者がAEDを使用する場合、   (1)〜(4)の条件を充たせば医師法違反にならない。 (1) 医師等を探す努力をしても見つからない等、医師等による速やかな対応   を得ることが困難であること (2) 使用者が、対象者の意識、呼吸がないことを確認していること (3) 使用者が、AED使用に必要な講習を受けていること (4) 使用されるAEDが医療用具として薬事法上の承認を得ていること 業務外であれば、医療資格を有した一般市民という言葉が適切かどうか わかりませんが、医療資格の有無に関係なく医師法違反は問われないと 思います。 業務中であれば、それぞれの医療資格応じたAEDの使用になり、救急 救命士は救急救命士法に基づき、地域MCの除細動プロトコールでの 実施になると思います。 看護師さんも、院内・院外の除細動プロトコールでの実施となり、訪問 看護等の業務中も所属する医師の包括的指示下でのAED使用と解釈 できると思います。 > 質問2: > 地域MCの除細動プロトコールでは 出動した救命士は、6回以上の > 除細動であれば、オンラインMCにより医師の判断を求めます。 > 業務出動でない救命士(マラソンに参加していたり ボランティア・ > スタッフなどで居合わせた)がAEDを使用する場合、このプロトコール > に拘束される事はないのでしょうか? 質問2について 救急救命士の除細動プロトコールは搬送手段(救急車)があるという前提 で策定されていると解釈しております。 ですから、地域においては、3連続1セットの除細動で早期搬送を優先させ ている地域もあります。 本来、救急業務下での救急救命士の除細動プロトコールですから、国の 想定している救急車を使用しての救急業務から外れた、搬送手段のない 除細動は従来の(国が例示した)地域MCの除細動プロトコールでは想定 していないと思います。



From: Subject: [eml-nc4: 1841] Re:AED 使用について教えて下さい(その2) Date: Tue, 5 Oct 2004 01:07:32 +0900 Aさん、皆さん、こんにちは。 B@・・消防です。 その2です。 > 質問3: > たまたま居合わせた医師もしくは看護師・救命士が、AED以外の > 医療器具を所持していないとして 救急隊が到着するまで10回でも、 > 20回でも、何回でもAEDが指示する限り除細動を行うことは適当 > なのでしょうか? > またPADでのAEDの除細動回数について何かの制限があるので > しょうか? 質問3について AEDの使用は医行為ですから、医師は自分の責任において除細動の回数 を決めることが可能と思いますが、看護師、救急救命士は業務中(救急車 で出動する場合)であれば、院内や地域除細動プロトコールで示されたとお りの実施と思います。(医師の指示を含みます。) たまたま居合わせた等の場合は一般市民の状況と何ら変わることがありま せんので、医師の具体的指示がある場合を除き、AEDプロトコールで除細動 メーッセージがなくなるまで、 すなわちAEDのメッセージのとおり実施するのだ と思います。 また、消防職員は「救急隊員の行う心肺蘇生法等について」(平成16年8月25日) の通達がでておりますが、救急車で搬送することが前提ですので一般救急隊員 のAEDは地域MCの除細動プロトコールに従うとされています。(国の例示) 救急救命士資格を有している職員がポンプ車で現場に出動することがあります。 そこで、AEDがたまたま有ったらどうするか。 これは、救急救命士資格を有する職員が地域MCの除細動プロトコール の制約を受けるかというと、けっしてそうではないのだと思います。 搬送手段も、医療器具を所持していない場合は、資格の有無に関係なくAED メッセージのプロトコールと思います。 では、ポンプ車に除細動器を積載していた場合はどうなるか? 同様に、救命士資格の有無に関係なくAEDメッセージのとおりと思います。 > 質問4: > 医政指発第0816001号(平成16年8月16日) > 「自動体外式除細動器(AED)の講習内容の取りまとめについて」 > により、AEDの講習が修了次第、非医療職もAEDの使用が可能 > と考えてよろしいのでしょうか? 質問4について 消防機関はその対応については、今年中の早い時期に対応するという 通達が消防救第161号(平成16年7月1日)にでておりますが、具体的に はまだ未実施です。 消防以外で行う非医療従事者に対するAED講習について、気になるの は「一般市民のために・AEDを用いた救急蘇生法の指針」で手技の統一 があるのかと思っていたところ、心停止を目撃した場合の一次救命処置 は、人工呼吸より心臓マッサージを優先(ABCD でなくACDB)する方法を 教えているのもあり、手技の統一はどうなのかなと思っております。



From: Subject: [eml-nc4: 1844] RE: [1840] AED 使用について教えて下さい Date: Wed, 6 Oct 2004 15:13:24 +0900 Aです。 B@・・消防さん、direct-mailを頂きました皆様、ご教示 ありがとうございました。多くの示唆を頂き理解が深まりました。 県の消防課のほうにも問い合わせまして その回答をいただきました。 行政の見解という事で 紹介いたします。 > 質問1: > AED使用で 反復する非医療職種も4つの条件を満たせばAED > 使用が可能とあります。医療職=医師等とは、医師・看護師・ > 救急救命士の国家資格保有者と考えます。 > 医師・看護師・救急救命士については、業務中、業務外を問わず > AEDの使用は可能であると考えて良いのでしょうか?  看護師、救急救命士については,4つの条件を満たしている場合、  業務中,業務外を問わずAEDの使用は可能となります。(医師法第17条  違反にはならない)  ただし、業務外の場合は、一般の市民が行う場合と同じ扱いとなり。  MCプロトコールには拘束されません。 > 質問2: > 地域MCの除細動プロトコールでは 出動した救命士は、6回以上の > 除細動であれば、オンラインMCにより医師の判断を求めます。 > 業務出動でない救命士(マラソンに参加していたり ボランティア・ > スタッフなどで居合わせた)がAEDを使用する場合、このプロトコール > に拘束される事はないのでしょうか? > 質問3: > たまたま居合わせた医師もしくは看護師・救命士が、AED以外の > 医療器具を所持していないとして 救急隊が到着するまで10回でも、 > 20回でも、何回でもAEDが指示する限り除細動を行うことは適当 > なのでしょうか? > またPADでのAEDの除細動回数について何かの制限があるので > しょうか?  原則として、業務外の救急救命士や一般市民はMCのプロトコールに  拘束されません。別のプロトコール(「自動体外式除細動器(AED)を  用いた救急蘇生法の指針」監修:日本救急医療財団、編著心肺蘇生  法委員会)があり、このプロトコールでは、オンラインにする事は規定  されておらず、回数制限もありません。   救急現場において、救急救命士は、除細動による処置と医療機関への  早期の搬送という2つの選択枝を持っています。  現場において救急救命士が、VT/VFが出る限り除細動を続けると  医療機関への搬送が遅れ、より高度な治療を行う機会が失われるとの  観点から、国の救急救命士業務拡大の検討会において協議された結果、  6回実施した後は医師の指示を受ける事とされました。  このことから、搬送する手段が無い業務外の救急救命士や一般の  市民は、救急車等搬送手段ができるまで、除細動を続けるということ  になります。 > 質問4: > 医政指発第0816001号(平成16年8月16日) > 「自動体外式除細動器(AED)の講習内容の取りまとめについて」 > により、AEDの講習が修了次第、非医療職もAEDの使用が可能 > と考えてよろしいのでしょうか?  一般市民、特にたまたま居合わせたような人については、一般に  反復継続して使用する可能性が認められないため、講習を受けていなくても  医師法違反にはならないとされていますが、医学的知識を含め救命への  理解に立って、自信を持って救命に積極的に取り組む事を促すため、今後、  一般市民を含む多くの方に講習を受けていただく事が期待されています。   一方、一般市民のうち、スポーツセンター等に勤務しているなど業務の  内容、活動領域の性格から一定の頻度で心肺停止者に対し応急の対応を  する事が期待、想定されている者については、4つの条件(講習を含む)  を満たす事によって、医師法違反にはならないとの方針が明らかにされて  います。  (講習済の救命士でない消防職員、警察官などのAED使用はすでに   認められ、始められる とお聞きしました。)



From: C(救急隊員) Date: Wed, 06 Oct 2004 17:16:34 +0900 Subject: [eml-nc4: 1845] Re: AED 使用について教えて下さい A先生、C@・・消防といいます。 最近、同様な内容で調べておりまして、とても参考になりました。 私が作ったわけではありませんが、以下のようなページもござ いますので参考にしてください。 救急医療ジャーナル 法律講座 http://aeml.umin.ac.jp/data/jems/hyodai/houritu_title.html 「救急救命士は勤務外に特定行為を行えるか。」 など 確か、この回答は当時の厚生省健康政策局が出したものだったはずです。 A先生のメールと、上記のHPの両方を読むととても微妙ですねえ。 県の回答は、県の方が厚生労働省に問い合わせた内容なのでしょうか。 その点が気になります。 私は、某救急救命士養成所をこの春卒業したんですが、そのときの法律 問題に関する研修の中でも、某消防局顧問弁護士の方が救命士の資格は 勤務中であるか非番であるかは、関係ないとおっしゃっていました。 もちろん、救命士の活動は、救急車内に限定されますが・・・ ちょっと混乱気味です。(^_^;;



From: D(医師) Subject: [eml-nc4: 1846] Re: AED 使用について教えて下さい Date: Wed, 6 Oct 2004 17:30:05 +0900  Dです。  下記の内容で、医師法、救急救命士法からみて適切でない個所についてご指摘さ せていただきます。  所属組織の見解ですか?と質問を頂だいしそうですが、法律に書いてあること のみ申し上げますの で、所属組織の見解以前のずっと基本的な内容です。(と思います。)  解釈の曖昧なものについては原則触れないこととしますが、言及した場合にはそ の旨申し添えます。 Aさんより >B@・・消防さん、direct-mailを頂きました皆様、ご教示 >ありがとうございました。多くの示唆を頂き理解が深まりました。 >県の消防課のほうにも問い合わせまして その回答をいただきました。 >行政の見解という事で 紹介いたします。 →(矢印に続いてDの発言、以下同じ)この問題を理解するには少なくとも医師法と 救急救命士法について理解が必要ですが、「県の消防課」はそのいずれも所管おら ず(接点はある)、理解に不十分な場合があることにご留意ください。 >> 質問1: >> AED使用で 反復する非医療職種も4つの条件を満たせばAED >> 使用が可能とあります。医療職=医師等とは、医師・看護師・ >> 救急救命士の国家資格保有者と考えます。 >> 医師・看護師・救急救命士については、業務中、業務外を問わず >> AEDの使用は可能であると考えて良いのでしょうか? > > 看護師、救急救命士については,4つの条件を満たしている場合、 > 業務中,業務外を問わずAEDの使用は可能となります。(医師法第17条 > 違反にはならない) > ただし、業務外の場合は、一般の市民が行う場合と同じ扱いとなり。 > MCプロトコールには拘束されません。 →看護師、救急救命士は、免許取得の時点ですでに「4つの条件」以上の教育を受けて  いるので、「条件を満たす」か否かについては問題になりません。 →救急救命士は、救急救命士法第44条第2項で「救急車等以外の場所で業務を行っては  ならない」と規定されていますので、消防法に基づく救急業務に従事していない救急  救命士はどのような処置もしてはならないことになります。(救急救命士法に従えば  業務外ならばAEDの使用はできませんし、プロトコールに拘束される、あるいは拘束  されないという問題自体が発生しません。) →(蛇足的ですが)救急救命士には刑法第37条第1項に規定する緊急避難は適応されない  ようです(第2項に「前項(第1項、D注)の規定は、業務上特別の義務がある者には、  適用しない。」とあります)。そして、これについては救急救命士の標準テキスト  (P.186)に記載がありますので、ご確認ください。 >> 質問2: >> 地域MCの除細動プロトコールでは 出動した救命士は、6回以上の >> 除細動であれば、オンラインMCにより医師の判断を求めます。 >> 業務出動でない救命士(マラソンに参加していたり ボランティア・ >> スタッフなどで居合わせた)がAEDを使用する場合、このプロトコール >> に拘束される事はないのでしょうか? >> 質問3: >> たまたま居合わせた医師もしくは看護師・救命士が、AED以外の >> 医療器具を所持していないとして 救急隊が到着するまで10回でも、 >> 20回でも、何回でもAEDが指示する限り除細動を行うことは適当 >> なのでしょうか? >> またPADでのAEDの除細動回数について何かの制限があるので >> しょうか? > > 原則として、業務外の救急救命士や一般市民はMCのプロトコールに > 拘束されません。別のプロトコール(「自動体外式除細動器(AED)を > 用いた救急蘇生法の指針」監修:日本救急医療財団、編著心肺蘇生 > 法委員会)があり、このプロトコールでは、オンラインにする事は規定 > されておらず、回数制限もありません。 > 救急現場において、救急救命士は、除細動による処置と医療機関への > 早期の搬送という2つの選択枝を持っています。 > 現場において救急救命士が、VT/VFが出る限り除細動を続けると > 医療機関への搬送が遅れ、より高度な治療を行う機会が失われるとの > 観点から、国の救急救命士業務拡大の検討会において協議された結果、 > 6回実施した後は医師の指示を受ける事とされました。 > このことから、搬送する手段が無い業務外の救急救命士や一般の > 市民は、救急車等搬送手段ができるまで、除細動を続けるということ > になります。 →プロトコールは「業務中の救急救命士」を対象とするものであって、救急救命士法と  は距離のあるものです。質問2の回答は、「業務出動でない救急救命士はAEDを使用す  ることはできません」です。追加的に申し上げますと、医療従事者が有資格者である  がために行うことができる医行為についてはボランティアの考え方はありません。こ  れは上記標準テキストP.150に記載があります。(ただし、例えば、医師が運動会等で  会場に医師として無償で待機するというボランティアはありえます。) →質問3の回答については、「たまたま居合わせた救急救命士」を除くという限定がつ  きます。 取り急ぎメールさせていただきました。 (D)



From: Subject: [eml-nc4: 1851] RE: [1846] AED 使用について教えて下さい Date: Thu, 7 Oct 2004 00:22:22 +0900 Aです。皆さんこんばんわ。 Cさん、Dさん御教示ありがとうございました。 私が頂いたのは「県の消防課」の見解であり 厚生労働省の 見解では有りません。 この疑問の素になりましたのは 地域でのマラソン大会や 剣道大会において 参加者としてまた会場スタッフとして居合 わせた救急救命士はAEDが使えるのか?という質問でした。 現実にはそのいずれのイベントとも 医師が救護班につめており 医師の指示の下にAEDを操作することになります。 これについては http://aeml.umin.ac.jp/data/jems/kiji/houritu09.html#01 によりますと  ・救急救命士の管轄は、行政上の便宣を目的として設けられ  ている制度にすぎません。したがって、たとえ管轄外であっても、  救急救命士が医師の指示を受けて特定行為を行うのである限り、  救急救命士法第荷44第1項の趣旨に反するものではないので、  可能です。 という記載があります。イベントが医師の包括指示下におかれた ものであれば「業務外の救急救命士」もAED操作可能と理解 します。 地域MC委員としては 地域内の全てのスポーツイベントを把握し それを医師の指示下において救急救命士が特定行為 および AEDのできる体制にしたいと考えています。 しかし今後 スポーツイベント以外の ゴルフ場や温泉などにもAED は配備されていくと思います。その場に「たまたま居合わせた」救急 救命士が心肺停止例を目の前にして AEDが使えない という事は いかがなものか と思います。 Dさんが教えてくださった > 法律に書いてあることのみ申し上げますので、 > 「厚生労働省の見解」以前のずっと基本的な内容です。 「業務出動でない救急救命士はAEDを使用することはできません」。 という法律は悪法です。 実際に救急救命士はAED講習を受け ACLS・JPTEC講習会では インストラクター・プロバイダーとして受講医師を指導するほどの 救急救命技術を有している方も多いのです。BLSを施行できない AEDも使えない医師もいる現状で 目の前の失われようとしている 生命を救えるかも知れない技能を持った人間が 救急救命士で あるためにAEDが使用できない ということになれば何のために 厚生労働省及び消防庁はPADを推進しているのか と疑問です。 その法律を改正する術を私は知りませんが 何とかしていただき たい と希望します。



From: F(救急隊員) Date: Thu, 7 Oct 2004 00:48:04 +0900 (JST) Subject: [eml-nc4: 1852] Re:AED 使用について教えて下さい 立て続けにF@・・消防です 行き違いになってしまったようですので、ひとことだけ AさんWrote >しかし今後 スポーツイベント以外の ゴルフ場や温泉などにもAED >は配備されていくと思います。その場に「たまたま居合わせた」救急 >救命士が心肺停止例を目の前にして AEDが使えない という事は >いかがなものか と思います。 私の理解が悪いのかもしれませんが Dさんのメールは、「たまたまだったらOK」と理解しております 私の疑問としては、スポーツイベントのボランティア は、「一定の頻度で期待される者」であるので、医療資格を持ち、場所の 限定のある救急救命士としては、一定の頻度として期待される ボランティアになるのはまかりならないというように読めること でございました。 解釈が誤っておりましたら、お詫びいたします。



From: Date: Thu, 7 Oct 2004 00:51:56 +0900 (JST) Subject: [eml-nc4: 1853] Re: AED 使用について教えて下さい みなさん、こんばんは。 F@・・消防です。 AEDの件、新しい時代に向かってゆく中では、さまざまな課題が 表出してくるのは、世の常です。 だからこそ、ディスカッションを繰り返しながらよりよい方向に進むことが 賢者の道(ちょっとかっこよすぎかもしれませんね)ではと・・・ さて、Dさんにお返事いただけるか、ちょっと 怖い幹事もしますが、ご意見させてください。 DさんWrote >この問題を理解するには少なく >とも医師法と救急救命士法について理解が必要ですが、「県の消防課」 >はそのいずれも所管おらず(接点はある )、理解に不十分な場合 > があることにご留意ください。 御意。 県の見解を読むときには、その回答の根拠がどこにあるか、しっかりとした 見極めが重要です。 鵜呑みは駄目です。(というところが寂しいのですが・・・・全てそうではな いですよ。もちろん) 一方 >  法律に書いてあることのみ申し上げますので、(以下失礼します) ほんとに書いてあることのみだと、そうなりますね。 救急救命士の職域の問題になるのでしょうか。 これらは、本当の意味での討論が必要なのでしょうね。  救急救命士の資格に場所の限定を見るとき、創設当時の社会状況を 思い出します。  当時は、今のように携帯電話も世の中にはまれで、医師と連絡をとる のにも、ポケベル打って、電話口に先生を呼んで具体的指示を受けて という、携帯電話なんて非常に珍しい時代だった。 しかも、それが非常に恵まれている地域でそうだった、という話ですね。 だからこそ、医師の具体的指示の得られる施設として高規格救急車が 限定された場所として整備されるべし、とされたものです。  救急救命士の活動の場所の限定は、これらの環境が変わったことも 含めて考えてゆかなければならないことではないでしょうか。  法律に書いてあることのみで解釈するならば。 実務的には、マラソン大会にボランティア救護員を募集すると。 講習を受けた一般市民だとAED使えるんだけど、あなたは救急救命士の 資格をもっているので、一定の頻度の期待される人としてAEDは使えな いから、一般市民を採用したほうがいいよ。 なんてことが起こるわけですよね。 それとも、このようなケースでは、AEDが「ボタンを押してください」なんて しゃべったら、これは、たまたまOKなことでしょうか 国民の利益を守る法の解釈として正しいのでしょうか。 もう一点 MCは、救命士法とはたしかに一線を画しているかもしれません。 しかし、実務的に非常に重要だということを、考えさせられます。 医療職種は非常に重い資格です。 だからこそ、質の管理される環境が必要ということでもありましょう。 一線を画しているとはいえ、形骸化したMCの上で、なし崩しに いろいろなことが動くことは、あってはならないと思います。 気分を引き締めて行きたいと感じております。 では



From: 越智 Date: Thu, 07 Oct 2004 07:17:36 +0900 Subject: [eml-nc4: 1854] Re: 1852 AED 使用について教えて下さい  Aさん、Fさん、皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎です。所 用で投稿ができませんでしたが、手短に意見を述べさせていただきます。 1)スポーツイベントで会場に詰める医療関係者(医師、看護師、救急救命  士)や養護教員などは業務としてでなく、ボランティアとしての参加して  いると考えてよい(報酬を貰わず、善意で参加) 2)救護ボランティアとしてスポーツイベントに参加した様々な職種・立場の  人が実施できる処置 ・救護ボランティアとしてスポーツイベントに参加した一般市民(例えば  AEDの事前訓練を受けていない会社員)   → 止血処置、消毒処置、副木固定、人工呼吸・心マ、AEDなどの対応可 ・救護ボランティアとしてスポーツイベントに参加した一般市民(例えば  AEDの事前訓練を受けた養護教諭)   → 止血処置、消毒処置、副木固定、人工呼吸・心マ、AEDなどの対応可 ★救護ボランティアとしてスポーツイベントに参加した救急救命士   → 止血処置、消毒処置、副木固定、人工呼吸・心マ、AEDなどの対応可  (市民として緊急避難的に行動するものであり、医師の事前指示やMCの   了解は不要と考える) ・救護ボランティアとしてスポーツイベントに参加した看護師   → 止血処置、消毒処置、副木固定、人工呼吸・心マ、AEDなどの対応可  (市民として緊急避難的に行動するものであり、医師の事前指示やMCの   了解は不要と考える) ・救護ボランティアとしてスポーツイベントに参加した医師   → 止血処置、消毒処置、副木固定、人工呼吸・心マ、AEDなどの対応可  (市民として緊急避難的に行動するものであり、所属長やMCの了解は不   要と考える)  皆様のご意見はいかがでしょうか。



Date: Thu, 7 Oct 2004 11:59:18 +0900 (JST) From: 畑中 Subject: [eml-nc4: 1858] AED 使用について教えて下さい 皆さん、こんにちは。 救急救命九州研修所の畑中です。 Dさん > →救急救命士は、救急救命士法第44条第2項で「救急車等以外の > 場所で業務を行ってはならない」と規定されていますので、 > 消防法に基づく救急業務に従事していない救急救命士はどの > ような処置もしてはならないことになります。(救急救命士法に > 従えば業務外ならばAEDの使用はできませんし、プロトコール > に拘束される、あるいは拘束されないという問題自体が発生しません。) 「救急車等以外の場所で行う」ということと、「消防法に基づく救急業務の 一環として行う」というのは、まったく別個の問題だと私は思います。 「救急用自動車」の定義は消防法とは直接の関係はないようですから。 もしDさんの解釈が正しいとすると、非番や公休日の救命士ほど (早期除細動を実現するということにおいて)役に立たない人間は いないということになりますね。救命士はがっかりすることでしょう。 Dさんの解釈が正しくないことを祈るのみです。



Date: Thu, 07 Oct 2004 12:09:05 +0900 Subject: [eml-nc4: 1859] Re: AED 使用について教えて下さい From: 中村  Dさん、こんにちは。  中村@東北大医療管理学と申します。  詳細なご教示、誠にありがとうございました。 (Dさん) > →救急救命士は、救急救命士法第44条第2項で「救急車等以外の場所で業務を行っては  ならない」と規定されていますので、消防法に基づく救急業務に従事していない救急救  命士はどのような処置もしてはならないことになります。(救急救命士法に従えば業務  外ならばAEDの使用はできませんし、プロトコールに拘束される、あるいは拘束されな  いという問題自体が発生しません。) (中略) > →プロトコールは「業務中の救急救命士」を対象とするものであって、救急救命士法と   は距離のあるものです。質問2の回答は、「業務出動でない救急救命士はAEDを使用する  ことはできません」です。追加的に申し上げますと、医療従事者が有資格者であるがた  めに行うことができる医行為についてはボランティアの考え方はありません。これは上  記標準テキストP.150に記載があります。(ただし、例えば、医師が運動会等で会場に医  師として無償で待機するというボランティアはありえます。) > →質問3の回答については、「たまたま居合わせた救急救命士」を除くという限定がつ  きます。  納税者の多額の負担によって養成されている専門職である救急救命士が、充分と考 えられるスキルについて、たとえ非番であったとしても国民の生命・財産を守るため にその能力を充分に果たすことを妨げるような法制度を放置することは、国家国民の ためにならない不備であると考えます。  早急なる法改正、あるいは所管官庁による適切な通知通達が必要であると考えます。  Dさんは如何お考えでしょうか?



Subject: [eml-nc4: 1861] Re: AED 使用について教えて下さい From: G(医師) Date: Thu, 7 Oct 2004 17:56:56 +0900 "[eml-nc4: 1851] RE: [1846] AED 使用について教えて下さい" において、Aさんは書きました: > 「業務出動でない救急救命士はAEDを使用することはできません」。 > という法律は悪法です。 > > 実際に救急救命士はAED講習を受け ACLS・JPTEC講習会では > インストラクター・プロバイダーとして受講医師を指導するほどの > 救急救命技術を有している方も多いのです。BLSを施行できない > AEDも使えない医師もいる現状で 目の前の失われようとしている > 生命を救えるかも知れない技能を持った人間が 救急救命士で > あるためにAEDが使用できない ということになれば何のために > 厚生労働省及び消防庁はPADを推進しているのか と疑問です。 > > その法律を改正する術を私は知りませんが 何とかしていただき > たい と希望します。 横レス失礼します。Gです。 何のための免許制度かと考えれば、国民の安全のためと納得できるので はないでしょうか?すなわち「俺は医者の免状はないがブラックジャッ ク級の天才だ。お前等を手術してやる」では、甚だ不安がありますので、 医師免許制度があり医師以外の医業の禁止が法律で定められている訳で す。看護師、救急救命士も同様にそれぞれ行なうことの出来る医療行為 が、規定されている筈です。 確かに仰る通り、その辺の医者より遙かに救急救命技術に長けた救急救 命士さんもいらっしゃると思いますが、そう言う方であっても医師から 独立して医療行為を許すならば、救急救命士に麻酔科医師に準じた教育 研修が必要であろうと思います。(大学教育6年+卒後研修5年) あるいは、人命救助という大義名分の前に多少のことは許される考えも あるかも知れません。しかし、運転免許のない人に救急車の運転をさせ るのか?と問われれば、答えは自ずと明らかでしょう。免許制度とは、 そういうものです。 しかし、本題に立ち返って、救急救命士であろうが看護師であろうが、 一市民としてAEDを操作することは問題ないと私は思います。なぜなら、 そもそもAEDは、一般市民の操作を前提として造られた器機だからです。



From: 天羽 Subject: [eml-nc4: 1863] Re: AED 使用について教えて下さい Date: Thu, 7 Oct 2004 20:20:17 +0900 皆さん、お疲れ様です、天羽@上尾FDです。 難しいことはわかりませんが、バイスタンダーで居合わせた業務外の救命士が AED実施の制限を受けるなら多くの方は、罪を犯してでも罰を受けぬためAEDを 実施するでしょう。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * T .Amaha Ageo E.M.T   JPTEC Conference http://www.jptec.jp/   Let's eradicate the preventable death ! http://www.dff.jp/index.php * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *



Date: Wed, 13 Oct 2004 23:29:32 +0900 Subject: [eml-nc4: 1892] Re: AED 使用について教えて下さい From: 櫻井 Dさんこんにちは。 櫻井@日大救急医学です。 (引用部分省略)  確認なのですが一般の方が施行できる行為を(AEDのボタンを押すこと),救命士 が非番の時に市街で心肺停止患者に遭遇したときに,ボタンを押すことができないと いうことでしょうか。  もしそうであれば,一般の方に許可された行為が,救命士だから,業務外だから, その行為は違法であるということが問題なのでしょうね。でも一般の方に許可されて いるのです。もし,一般の方に許可されている行為なのに,非番の救命士がAEDのボ タンを押せない場合,そして,そのため死ぬことになった人がいた場合,その方の生 存権はどうなるのでしょうか。もし自分の愛する人が本来助かるべきなのに助からな かったとしたら,その責任を持つ人間を許さないのは人情ですよね。まあ,そのため 死ぬことになった人の家族は,訴訟を起こす権利は生じるでしょう。その時被告とな るのは誰なんでしょうね。  行政府の見解が社会とうまく合わないときには,司法で調節するのは三権分立とい えるでしょうけど,もし必要だとするとあまり時間の浪費に思われます。  この様なことが問題になるのは,以前の救急救命士の気道管理における自己解釈に よる暴走(救命士のみが悪かったわけではないのは周知の事実ですが)が微妙な影を 落としているのでしょうか。



From: 越智 Date: Thu, 21 Oct 2004 18:56:31 +0900 Subject: [eml-nc4: 1984] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい  Dさん、eml-ncの皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎 です。これまでの私の発言と重なる部分もありますが、もう一度おつき合い ください。 ○ Dさんは書きました(eml-nc4: 1983): 「費(越智注:「非」に置き換えます)医療従事者による自動体外式除細  動器(AED)の使用について」(平成16年7月1日付、医政発第0701001号、  厚生労働省医政局長、各都道府県知事宛通知)を読むとわかるのですが(web  に登載されているでしょうか?)、 → これらの資料は以下のウェブにあります。   ・非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用のあり方検討会・    報告書 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0701-3.html   ・非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用について    (医政発第0701001号、厚生労働省医政局長発、各都道府県知事宛) http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/04/AED_iseirei7010011.pdf   ・「非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用のあり方検討    会報告書」を踏まえた消防機関の対応について    (消防救第161号、消防庁救急救助課長発、各都道府県消防防災主管部長宛) http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/04/o7-aed.htm ○ >「医師でない者が反復継続する医師(越智注:「医師」はDさんの誤記で  すね。「意志」に置き換えます)をもって行えば、基本的には医師法第17  条違反となる」と記載してありますので、たとえば「ボランティアの救護  班」といったものを組織してwaitingしているようなAEDの使用の仕方は  想定していないことが明らかです。以上です。 → 皆様も大小かかわらずスポーツイベントに参加されることがあると思い   ます。私にとって親しみがあるのは息子が参加する少年柔道の大会です。   必ず「救護所」がありますが、そこに座るの柔道整体師さんだったり、   看護師さんだったり、救急隊員だったりします。私も救護担当者のサポ   ートを頼まれたことがあります(大けがで最寄りの○○大病院へ運ばれ   るようなときは世話してほしい・・)。一般市民が救護担当のこともあ   ると思います。   この救護担当の人(一般市民だったり、養護教員だったり、柔道整体師   だったり、救急隊員だったり、看護師だったり、医師だったり)は擦り   傷を消毒してガーゼで覆ったり、前腕を強打し変形腫脹があるときに   添え木をして病院へつれていったり、出血に対して圧迫止血をしたり、   (めったにないでしょうが)心肺停止の人に心肺蘇生法をしたり、あれ   なぜかこんなところにAEDが・・とAEDを作動させたり、することが許さ   れていると思います。消毒や添え木固定や止血や心肺蘇生法やAEDを作   動させることは本来なら医療行為なのでしょうが、市民として緊急避難   として実施してよい行為であることも間違いないと思います。   それゆえ私は厚労省通達「非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)   の使用について」が想定しているAED使用者に「ボランティアの救護班   員」が含まれないとは考えられません。スポーツイベントなどで、頻度   が高い軽傷・軽症の傷病を想定して待機している市民(たまたま救急救   命士ということもある)が突然発症した心肺停止に対し、AEDを含む心   肺蘇生法を実施することに問題はないと考えます。  Dさんをはじめ皆様のご意見はいかがでしょうか。  



Date: Thu, 21 Oct 2004 22:13:14 +0900 From: H(医師) Subject: [eml-nc4: 1986] Re:AED 使用について教えて下さい ・・病院のHです。 Dさん、 Dさんはスポーツイベントで、はたしてどの程度の頻度でAEDが使用されると 想定されていますか? ハイリスク患者がイベントに参加するのであれば、医師 か看護師が待機すべきと思います。しかし自己申告や一般的な問診、必要に応じ てメディカルチェックがなされた上でのスポーツイベントに対して、万が一に備 えてAEDを携帯して待機することは、一般に「反復継続の意志あり」とは認めら れないと思います。でなければ客室乗務員によるAEDの使用は医師法違反とはな りませんか? ボランティアでの待機を含めて、市民が生命の危機に陥っている現場に救急救命 士がたまたま業務外に居合わせた場合のAEDの使用は、一般市民としての行為で あって、救急救命士の業務として行うものではありませんから、医師法には違反 しないと考えられます。救急救命士法は、医師免許を有しない者による医行為を 禁止している医師法第17条の除外規定にあたると言えますが、ここでは医行為に あたりませんので、救急救命士法を持ち出すまでもありません。 ですから、 > 「一般市民として」AED操作可能である、とは、救命の場にたまたま遭遇した場合 > に、一般市民がAEDを操作できるように、救急救命士資格を有する人がAEDを > 用いたとしても、医師法違反に問われない、という意味です。(そのようなことを禁 > じても公益も法益もない、という判断だと推測しています。) > (中略) > たとえば「ボランティアの救護班」といったものを組織してwaitingしているよ > うなAEDの使用の仕方は想定していないことが明らかです。 ([eml-nc4: 1983] Dさん) Dさんが想定されていないことはよくわかるのですが、報告書の次の文章から 示される趣旨(非医療従事者でさえ積極的に取り組むことを促されているのです から、まして医療従事者の積極的な取り組みが求められていることは明らかです) を考えると、Dさんのご指摘は適切でないと思います。 > 救命の現場に居合わせた一般市民を始めとする非医療従事者が、安心感・自信を > もって、積極的に救命に取り組むことを促すようにするものであるべきである。 > 上記の4条件は、業務の内容や活動領域の性格から一定の頻度で心停止者に対し > 応急の対応を行うことがあらかじめ想定される者が自動体外式除細動器を用いた > ときに医師法第17条との関係で示されたものである。一方、救命の現場に居合わ > せた一般市民が自動体外式除細動器を用いることは一般的に反復継続性が認めら > れず、医師法違反にはならないものと考えられる。医師法違反の問題に限らず、 > 刑事・民事の責任についても、人命救助の観点からやむを得ず行った場合には、 > 関係法令の規定に照らし、免責されるべきであろう。 > 当検討会が示す条件は「法違反に問われない」、「損害賠償責任を問われない」 > という、言わば消極的な安心感を与えるものにとどまらず、医学的知識を含め救 > 命についての理解に立って、自信を持って救命に積極的に取り組むことを促すも > のであるべきである。 (非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用のあり方検討会報告書) なお、医師法違反にならない行為を、救急救命士法が規定する業務でないことを もって、業務出動でない救急救命士はAEDを使用することはできない=救急救命士 の資格を持たない者(一般市民)に許される行為が救急救命士の資格を有する者に は許されない、とするためには、救急救命士法の条文に明確な禁止規定が必要であ ると思いますが、そのような規定は救急救命士法にはありません。



From: I(救急隊員) Subject: [eml-nc4: 1987] RE: [eml-nc4: 1984] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい Date: Thu, 21 Oct 2004 22:32:45 +0900 はじめまして I@・・消防です 非医療従事者によるAEDについてお聞きしたいことがあります 越智さんが言っていることは非番の救急救命士がボランティア等に参加して CPA患者に必要であれば除細動してもよいということですよね? 救急救命士法には「業としては病院または診療所に搬送されるまで・・・」 とあります。 これはあくまで業務上ということですか? 非番であれば一般市民であり実際に除細動する行為は緊急避難の適応になるのでしょうか? それが事実であれば、救命率の向上に俄然意欲がでるのですが・・・ (もちろん業務でも!!) ご教授下さい



From: K(救急隊員) Subject: [eml-nc4: 1996] Re: AED 使用について教えて下さい Date: Fri, 22 Oct 2004 17:34:20 +0900 Dさん、みなさんこんにちは。 K@・・消防です。 私は職場の仲間と、私たちの管轄内(2市10町)で開催される市民マラソン大会 を対象に、大会会場やコース内での不測の事態に備える活動をするグループを 2年前に立ち上げ活動をしています。  概要は携帯電話は当然ですがシュラフや毛布やポケットマスクなどを自転車や バイクに積んでランナーが走るコースを流して監視しています。  メンバーの多くは救急救命士ですが、今年AEDの使用が一般市民にも出来る ようになったことや、価格がグループにとってリーズナブルになってきたことを 受けてAEDの購入を考え始めたところです。 Dさんより >  私が以前申し上げたことの主旨は、「ボランティア」であっても、医療従事者が医 > 療従事者の「ボランティア」をする場合には医療資格に拘束されるということです。 > 看護師資格保持者が、「ボランティア」として医師の業務を行うことは > 許されないのは自明です。 とのことですが、その医師の業務の一部が市民レベルまで降りて(※ あまり使い たくないのですが。)来ているのですから資格の有無にかかわらずAEDは使える と思うのですが。 また、使えなければいけないと考えます。そこに今回の国の決定の最大の意志が あると思っていたのですが。 医師と市民が使えて、救命士が使えないって、変ですよね。 私の理解が不十分であれば教えてください。みなさんいかがですか。



From: Subject: [eml-nc4: 1997] [eml-nc4: 1858] AED 使用について教えて下さい Date: Fri, 22 Oct 2004 18:46:53 +0900  Dです。  遅くなりましたが下記のメールにお答えします。 >救急救命九州研修所の畑中です。 >> →救急救命士は、救急救命士法第44条第2項で「救急車等以外の >> 場所で業務を行ってはならない」と規定されていますので、 >> 消防法に基づく救急業務に従事していない救急救命士はどの >> ような処置もしてはならないことになります。(救急救命士法に >> 従えば業務外ならばAEDの使用はできませんし、プロトコール >> に拘束される、あるいは拘束されないという問題自体が発生しません。) >「救急車等以外の場所で行う」ということと、「消防法に基づく救急業務の >一環として行う」というのは、まったく別個の問題だと私は思います。 →指摘の内容が理解できません。まず、自ら救急救命士法の該当条文を読むことが必 要です。前提となる基礎知識がないのに議論をするのは、かみ合うはずがないので、 時間がもったいないです。その上で、救急車以外の場所で「何を」行い、それが消防法 に基づく救急業務の一環として行うことと「どこが、どう」違うのか指摘してくださ い。 >「救急用自動車」の定義は消防法とは直接の関係はないようですから。 →これはそのとおりです。ただし、今議論されていることでなく、救急車に関心が向 くのはどうしてですか?  消防の組織は救急車の「仕様」は詳細に決めていますが、それについて法的にガチ ガチに決めているのではないということを消防本部に照会し、教えてもらったこと があります。職場に関係あることは調べようと思います。  それと、救急車の最も重要な機能の一つが、実は他法により規定されている機能 なのですが、それは当然ご存知ですよね。質問しておきます。 >もしDさんの解釈が正しいとすると、非番や公休日の救命士ほど >(早期除細動を実現するということにおいて)役に立たない人間は >いないということになりますね。救命士はがっかりすることでしょう。 >Dさんの解釈が正しくないことを祈るのみです。 →法律本文に書いてある内容であって、日本医師会の方が「次回の法改正では、改正 を要望する」と発言されていたことを紹介しました。「解釈」などという水準を超えて います。Eさんのメールにも言及がありましたし、基本的知識と考えていい のだと思います。  社会人は仕事を一生懸命することで評価されるのであって、なぜ非番等のAED使用 という特殊な領域を設定して「役に立たない」などと言われなければならないのか理 解できませんが、もう少し丁寧に教えてくれますか?



From: Subject: [eml-nc4: 2000] [eml-nc4: 1861] Re: AED 使用について教えて下さい Date: Fri, 22 Oct 2004 19:26:54 +0900  Dです。  私に寄せられたメールでないかもしれませんが、Gさんの以下のメールにコメ ントさせてください。 [Gさんのメールの引用] しかし、本題に立ち返って、救急救命士であろうが看護師であろうが、 一市民としてAEDを操作することは問題ないと私は思います。なぜなら、 そもそもAEDは、一般市民の操作を前提として造られた器機だからです。 Dのコメント:  Gさんのおっしゃることが安心、安全な社会を構築する上で一つの有効な手段 であることは間違いがありません。  そのため、厚生労働省は、今回、AEDを医行為だと考えるとしても、非医療従事者 がAEDを使用することについて道を開いたのだと考えています。  ただし、医行為であるがゆえに、国民の安全を担保する必要もあることから、医 業の概念を崩しておらず、かえって通知の最初に「反復継続の意思」について言及し ています。  とっさの場合、居合わせた非医療従事者がAEDを実施できる、そんな社会を目指す 第一歩目の通知と思われますが、AEDを技術的にも制度的にも、体温計や家庭用血圧 計のように皆が使いこなすようになるにはもう少し時間がかかるということだと思 います。  (免許制度について述べたGさんの「解説」はとてもわかりやすいので、私も何か の機会に利用させていただきます。)



From: Subject: [eml-nc4: 2001] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい Date: Fri, 22 Oct 2004 20:03:20 +0900 Dです。 越智さん、通知等のご呈示、また、私の誤字についてご訂正していただきありがと うございます。大事な語句を変換ミスとはいえ気づかないことは恥ずかしいことかも しれません。お礼と、お詫びを申し上げます。ただし、「反復継続のイシ」は「意志」で なくて「意思」です。) >  ・非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用について >   (医政発第0701001号、厚生労働省医政局長発、各都道府県知事宛) > http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/04/AED_iseirei7010011.pdf >  ・「非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用のあり方検討 >   会報告書」を踏まえた消防機関の対応について >   (消防救第161号、消防庁救急救助課長発、各都道府県消防防災主管部長宛) > http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/04/o7-aed.htm →越智さんがご呈示くださった上記の二つの通知は重要です。ぜひ皆さんお読みください。  「非医療従事者にAEDの使用が認められた」と言う社会に流布していることが、実は 「制限つき使用を認めたものである」ことが理解してもらえると思います。 >>「医師でない者が反復継続する医師(越智注:「医師」はDさんの誤記で > すね。「意志」に置き換えます)をもって行えば、基本的には医師法第17 > 条違反となる」と記載してありますので、たとえば「ボランティアの救護 > 班」といったものを組織してwaitingしているようなAEDの使用の仕方は > 想定していないことが明らかです。以上です。(ここまでDの発言) ここから越智さんの発言: >  それゆえ私は厚労省通達「非医療従事者による自動体外式除細動器(AED) >  の使用について」が想定しているAED使用者に「ボランティアの救護班 >  員」が含まれないとは考えられません。スポーツイベントなどで、頻度 >  が高い軽傷・軽症の傷病を想定して待機している市民(たまたま救急救 >  命士ということもある)が突然発症した心肺停止に対し、AEDを含む心 >  肺蘇生法を実施することに問題はないと考えます。 > Dさんをはじめ皆様のご意見はいかがでしょうか。 →ここは二段構えで考えることができます。  まず、る救急救命士法の改正がなく、また、通知についても法に関する記載が言 及がありませんので、現行法はそのままにしてあることがわかります。つまり、救急 用自動車以外で業務することを制限していることに変化はありません(ですか ら、AEDだけでなく、心配蘇生法も実施できないのです。医療従事者である救急救命 士の業務そのものができないのですから。)次に、非医療従事者にAEDの使用を認めて いるとしても「反復継続の意思」がない使用を認めているに過ぎません。とっさのとき に多くの非医療従事者がAEDを使える社会を目指すとしても、制度として、AEDの使 用を虎視眈々とねらっている人の存在を認めるものでない、ということでしょうか。 ちなみに、法律の本文の規定と通知の規定とでは、法律の方が優先です。  「反復継続の意思」というものがわかりにくいと思いますが、これは、「医行為を 「適応があれば実施しよう」と備えている心的態度」といったところでしょうか。「一回 ならばよくて、二回以上ならばだめ」というのでなく、「ゼロ回でもだめ」という概念 です。例として、平成16年7月以前に気管チューブを装備していた救急車は、装備を やめました。備えておくこと事態が「反復継続の意思」ありとみなされるという判断に よるものです。(守るべき法律である医師法においてはそうです。)  「許容」という概念もなじみがなかったのですが、だんだん理解されてきたと思い ますので、「反復継続の意思」も基礎知識になると思われます。  最後にお願いですが、私は現行の制度を、公知となっている情報をもとにご照会 するということをやっております。発言を私の信条、人格に結び付けてお考えになる のはご容赦ください。  以上です。



From: Subject: [eml-nc4: 2002] Re: AED 使用について教えて下さい Date: Fri, 22 Oct 2004 20:43:24 +0900 Dです。 ご返事が遅れ誠に申し訳ありません。 >櫻井@日大救急医学です。 > >>  救急救命士法の概略を述べれば、救急隊が行う病院前救護の水 >> 準を向上させるため、救急救命士により高度な三つの特定行為の実 >> 施を認めるものです。ただし、二つの制限が課せられました。 >>  それが、救急救命士法第44条第1項、第2項です。 >>  第1項では、特定行為を行う場合には医師の指示を受けることを条 >> 件付けました。(自動体外式除細動器の使用に当り医師の包括的指示 >> により実施できることとした15年4月の改正は、使用する除細動器を半 >> 自動式除細動器から自動体外式除細動器に改め、かつ、特定行為か >> ら削除したものです。) >>  第2項では、」救急救命士が救急用自動車等以外の場所でその業務 >> を行ってならないこととしました。(この「業務」を「特定行為」と誤解してい >> る方がいますが、条文は「業務」です。また、業務と管轄は直接に関係 >> するものでないことにも触れておきます。) > > 確認なのですが一般の方が施行できる行為を(AEDのボタンを押すこと),救命士 >が非番の時に市街で心肺停止患者に遭遇したときに,ボタンを押すことができないと >いうことでしょうか。 →法制度的にはそうなのですが(救急救命士法第44条第2項です)、医師法違反を問わ ないだろうというのが担当の話でした。それで、「一般市民としてやってくれという 事なんだと理解しています。私自身は、厳密に運用することが、公益にも法益にも合 わないという判断をしたのだと理解しました。  それと下の段落について述べさせていただきますが、「一般の方に許可された」と いうのは、あくまでも「反復継続の意思のない」使用であることにご留意ください。 > もしそうであれば,一般の方に許可された行為が,救命士だから,業務外だから, >その行為は違法であるということが問題なのでしょうね。でも一般の方に許可されて >いるのです。もし,一般の方に許可されている行為なのに,非番の救命士がAEDのボ >タンを押せない場合,そして,そのため死ぬことになった人がいた場合,その方の生 >存権はどうなるのでしょうか。もし自分の愛する人が本来助かるべきなのに助からな >かったとしたら,その責任を持つ人間を許さないのは人情ですよね。まあ,そのため >死ぬことになった人の家族は,訴訟を起こす権利は生じるでしょう。その時被告とな >るのは誰なんでしょうね。 > 行政府の見解が社会とうまく合わないときには,司法で調節するのは三権分立とい >えるでしょうけど,もし必要だとするとあまり時間の浪費に思われます。 →上の段落にお答えするのは私にはその実力がないとも思ったのですが、素人の範囲 で述べさせてください。救急救命士法に関することでなく、法制度に関することを述 べています。 ただし、私はそんな状況で、救急救命士法を理由にAED実施を拒むよ うな人の判断に賛成できません。  「救急救命士がAEDを使用しなかったため、肉親が死んだのは当該救急救命士が非 番を理由にAEDの使用を拒んだためである」と訴えられた場合、それが医学的に間違 いない事実(迅速にAEDを使用しなかったことと死亡したことの因果関係がある)だと 証明されても、救急救命士は負けないと思います。理由は、救急救命士法第44条第2 項です。救急救命士が、法により業務の場所の制限があると主張すれば、それは法定 の行為ですから、正当行為よりも強く、絶対の理由です。刑法に (正当行為) 刑法第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。 という規定があり、非番の際に業務の一つであるAEDの実施をしなかったのは救急 救命士法第44条を守ったからですといえば、それは刑法上認められた「罰しない」 理由に該当する認められると思います。   ただし、肉親の方が、「業務するのに場所の制限を設けた救急救命士法自体が不 適切であると主張して、厚生労働大臣を訴えるということもできます。  質問ですが、非番の救急救命士がAEDを実施し、それでも救命できなかった場合、 医学的に救急救命士に瑕疵がないことが証明されていても、訴えられたらどうしま しょうか? 民法に言うところの緊急の事務管理に関する規定と救急救命士法の場所 の制限条項はどちらが重いのでしょうか。 > この様なことが問題になるのは,以前の救急救命士の気道管理における自己解釈に >よる暴走(救命士のみが悪かったわけではないのは周知の事実ですが)が微妙な影を >落としているのでしょうか。 →私が一番心配するのは実はこの部分です。AEDが「みんなに使用できるようになった」 という解釈は、「反復継続の意思がない」場合という条件付であることに気づかな かったり、あるいは、自己解釈のまま法律本文の規定に反すると認められることに 踏み込むのは賢明でないと思うのです。気道確保に係る一連の展開は、実は櫻井さん 述べていることと時系列的には逆で、医師と離れている業務をすることが明らかで あることから、「医師の具体的な指示を受けなければ特定行為を行ってはならない」 (法第44条第1項)に規定しておいたのに、一部の消防組織、救急救命士は逸脱行為を していたことがわかり、「そらみたことか」と憤る立場の人々がおいたというのがお およその経過だと認識しています。同じ事は繰り返してはならないと思います。組織 でなく、個人であるところが違いますが。(ちなみに、私は山形県酒田市出身です。)



From: 嶋本 Subject: [eml-nc4: 2012] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい Date: Sat, 23 Oct 2004 03:23:26 +0900 皆さん、こんばんは。 嶋本@北九州消防です。 救急救命士の非番でのAEDの使用に関した皆さんの議論を拝見し、大変勉強させてい ただきました。 私としては、救急救命士が、非番日(業務外)において、各種スポーツ大会で救護班 にボランティアとして参加し、AEDを使用しても何ら問題ないと考えます。 理由は、救急救命士の業務を行う場所が、「救急自動車及び医療機関への搬送を前提 とした現場」に限定されないとすれば、救急救命士法に抵触しないと思われます。 また仮に業務を行う場所が限定され、救急救命士法に抵触するとしても、平成16年7 月1日付け医政発第01001号「非医療従事者による自動対外式除細動器(AED)の使用 について」(厚生労働省医政局長通知) -------------------------------------------- 2 非医療従事者によるAEDの使用について 救命の現場に居合わせた一般市民がAEDを用いることは、一般的に反復継続性が認め られず、医師法第17条違反にならないものと考えられること。 一方、業務の内容や活動領域の性格から一定の頻度で心停止者に対し応急の対応をす ることが期待、想定されている者については、平成15年9月12日構造改革特区推進本 部の決定として示された4つの条件を満たせば、医師法違反とならないもの」(文章 を若干改変しております) -------------------------------------------- に明記された、「業務の内容や活動領域の性格から一定の頻度で心停止者に対し応急 の対応を期待、想定されている者」としてであれば、反復継続性の有無を問わずAED の使用ができるのではないでしょうか。 恐れ入りますが、上記の私の考えが間違った解釈でしたら、皆さんのご指導をいただ きたく存じます。 それから、下記、Dさんのお書きになった心肺蘇生法に関する部分ですが、たしかに 救急救命士法第43条「救急救命士は、保健婦助産婦看護婦法第31条第1項及び第32条 の規定にかかわらず、診療の補助として救急救命処置を行うことを業とする」と規定 されておりますが、心肺蘇生法は、一般市民が行える「救命手当(BLS)」と規定さ れており、この救急救命処置に該当しないと認識しておりました。一連のメールの論 点となっておりますAEDはともかくとして、心肺蘇生法に関するこの部分は何かの間 違いではないでしょうか? > →ここは二段構えで考えることができます。 >  まず、る救急救命士法の改正がなく、また、通知についても法に関する記載が言 > 及がありませんので、現行法はそのままにしてあることがわかります。つまり、救急 > > 用自動車以外で業務することを制限していることに変化はありません(ですか > ら、AEDだけでなく、心配蘇生法も実施できないのです。医療従事者である救急救命 > > 士の業務そのものができないのですから。)次に、非医療従事者にAEDの使用を認めて > > いるとしても「反復継続の意思」がない使用を認めているに過ぎません。とっさのとき > に多くの非医療従事者がAEDを使える社会を目指すとしても、制度として、AEDの使 > 用を虎視眈々とねらっている人の存在を認めるものでない、ということでしょうか。 > > ちなみに、法律の本文の規定と通知の規定とでは、法律の方が優先です。


From: Subject: [eml-nc4: 2013] Fw: 救急救命士の処置の範囲について Sent: Friday, October 22, 2004 11:19 PM  はじめまして I@・・救急隊です Dさんの投稿についてご教授ください まず、救急救命士法の改正がなく、また、通知についても法に関する記載が言 及がありませんので、現行法はそのままにしてあることがわかります。つまり、救急 用自動車以外で業務することを制限していることに変化はありません(ですか ら、AEDだけでなく、心配蘇生法も実施できないのです。 とあります。 しかしながら救急救命士の処置の範囲の中に人工呼吸、心臓マッサージは含まれて いません。人工呼吸・心臓マッサージは標準課程の処置範囲に含まれているはずです。 どのような解釈か解説いただきたいと思います。



From: 越智 Date: Sat, 23 Oct 2004 09:19:12 +0900 Subject: [eml-nc4: 2015] Re: 2001 AED 使用について教えて下さい(息子が救命士ならためらわず実施せよと)  Dさん、eml-ncの皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎 です。救急救命士の業務外AED使用について色々と意見交換有難うございます。  私自身は医師ですので、業務中、業務外を問わず医療行為を実施できます ので、今回のグレーゾーン(救急救命士の業務外AED使用)に関する痛みは少 ないです。でも私がもし救急救命士であれば以下のように考えますね。 ○  救急救命士の業務外でのAED使用が「反復継続の意思あり」として医師法違 反に問われる恐れがあるとしても、通達や判例が出て国や司法の方針が明確 になるまでは「オレハAEDヲヤルゾ」の方針でゆきます。救急救命士がボラン ティア(一市民)として救護所に詰めることができないなんて馬鹿げている し、CPRもAEDも実施できないなんて、あるいはCPRはできてAEDは実施できな いなんて馬鹿げているからです。私の息子が救急救命士なら、「そんな場面 ではためらわずAEDを打て、そうしないと悔いが残るぞ」と言いますね。この あたりは私たちが保つべき遵法精神に照らして恥じることはないです。息子 が「結果が悪く(民事)訴訟になったり、救急救命士法違反に問われるかも」 と言ったら、「もちろんお前の自己責任でやりなはれ。自分しかAEDを作動さ せられない所でCPA患者に遭遇してAEDを使えないようなフヌケになるな」と 返しますね。  私自身の結論として、スポーツイベントの救護所に詰めた一般市民、養護 教諭、救急救命士、看護師、医師はいずれも「擦過傷の消毒」「骨折?の副 木固定」、「止血法」、「CPR」、「AED操作」をためらう必要はないです。 少なくとも具体的に特定の職種にそれを禁じる通達も判例も出てないです。 ○ Dさんより(eml-nc4: 2001): >ただし、「反復継続のイシ」は「意志」で >なくて「意思」です。) → 確かにそうですね。有難うございました。 ○ > 最後にお願いですが、私は現行の制度を、公知となっている情報をもとにご照会 >するということをやっております。発言を私の信条、人格に結び付けてお考えになる >のはご容赦ください。 → この点は重要ですね。Dさんのご趣旨は「救急救命士のAED使用の範   囲をできる限定したい」ということではなく、「現在の法、省令を解釈   すればこうである」ということですね。   「悪法」は改める必要があり、改められてゆくことと思います。悪しき   法・省令の「解釈」も改められ、淘汰されてゆく必要がありますね。私   たちも様々な意見交換の機会をとらえて、人を救い自分を救うことが容   易になる方向に現実を変えてゆきたいですね。  以上、Dさんをはじめ皆様のご意見はいかがでしょうか。



Date: Sat, 23 Oct 2004 10:35:09 +0900 From: 畑中 Subject: [eml-nc4: 2016] AED 使用について教えて下さい 皆さん、こんにちは。ELSTA九州の畑中です。 > →指摘の内容が理解できません。まず、自ら救急救命士法の該当条文を読むことが必 > 要です。前提となる基礎知識がないのに議論をするのは、かみ合うはずがないので、 > 時間がもったいないです。その上で、救急車以外の場所で「何を」行い、それが消防法 > に基づく救急業務の一環として行うことと「どこが、どう」違うのか指摘してくださ > い。 Dさんには、「救命士法も読んでいない、基礎知識がな い、議論する時間ももったいない」と一刀両断にされてしまいまし た。あいかわらずDさん、手厳しい。 (中略) > →救急救命士は、救急救命士法第44条第2項で「救急車等以外の > 場所で業務を行ってはならない」と規定されていますので、 > 消防法に基づく救急業務に従事していない救急救命士はどの > ような処置もしてはならないことになります。 問題は、「救急車等以外の場所で業務を行ってはならない」の中の 「業務」が、果たして「消防法にももとづく業務」に限定されるの かどうかです。そうではないはずです。業務(業)とは、「反復・ 継続する意思をもって....」であって、なにも「消防」とか「消防 法」とは関係ないでしょう。病院の救急車や民間の救急車の中、あ るいはその周辺で、救急救命士が、その業(務)を行うことを、 救命士法は禁じていません。さらに、業を行えるか否かは「(消 防署に)勤務中か否か」にも無関係ですから、非番の消防職員で あっても救急救命処置を行えば、業(務)を行ったことになりま すし、「医師の具体的指示」などの要件を満たしている限り、そ のことで罰せられることもありますまい。それとも、救命士の業 務を消防法に基づく業務だけに限定するような隠れた規則でもあ るのでしょうか。 また、「場所の制限」に関して、Dさんは[eml-nc4: 2001] の中 で以下のように述べています。 > 救急用自動車以外で業務することを制限していることに変化は > ありません(ですか ら、AEDだけでなく、心配蘇生法も実施できないのです。 >医療従事者である救急救命士の業務そのものができないのですから。) 「救急救命士の業務」とは何でしょうか? 救急救命士法によれば、救急救命士が「業」とすることを認められ ているのは「救急救命処置を行うこと」で すよね。で、「場所の制限」は、 この「業(務)」にかけられた ものです。ですから、救命士の業務= 救急救命処置は場所が制限されていますが、それ以外の処置、 たと えば心肺蘇生(バッグマスクを使用しない場合)は「救命士の業務」には 含まれていないわけで、だから場所の制限もないはずです。



Date: Sat, 23 Oct 2004 11:56:37 +0900 From: 畑中 Subject: [eml-nc4: 2019] AED 使用について教えて下さい(息子が救命士ならためらわず実施せよと) 越智さん、みなさん、こんにちは。 ELSTA九州の畑中です。 On Sat, 23 Oct 2004 09:19:12 +0900 Genro Ochi wrote: >  私自身は医師ですので、業務中、業務外を問わず医療行為を実施できます (以下、引用省略) 「業」とか「業務」という言葉について、ここらで一度、確認しませんか? この言葉、ややこしいっす。 1. 救急救命士法がどうのこうの、という時の「業務」は「業」のことで あって、勤務中とか勤務外とかは関係ありませんね。私は今日、休み ですが、たまたま自宅に訪ねてきた友人の診療を(無償で)すれば、 医師としての「業」(業務)を行ったことになります。 ですから、上記、越智さんのご発言を言い直させていただけば... 「私自身は医師ですので、勤務中、勤務外を問わず医療行為を実施できます。」 であり、医療行為を実施した時点で「業務」をしたことになります。 2. 一方、「業務災害」などを論ずる場合には、「業務中」、「業務外」は、 まさに我々が日常的に理解している定義に近い概念ですので、上記に 引用した越智さんのご発言を言い直す必要はまったくないということになります。 ですから、1.の意味でこの言葉を用いると: ある当務において、ある救命士が一度も救急救命処置を行わなかったと すると、その救命士はその日、「(救命士としての)業務を行わなかった」 ということになります。あるいは、一般的な救急救命士が「(救命士としての 業務を行う」のは、1年間のうちに何回かだけで、残りはほとんど「勤務したが、 業務は行っていない」ちゅうことになりますね。 一方、非番であれ出番であれ、管轄内であれ管轄外であれ、救急救命処置を 行った救命士は(救命士としての)業務を行ったことになります。その場合、 救急救命処置を行う際に必要な要件(医師の指示など)を満たしておれば、 もちろん合法ですし、満たしていなければ違法です。 「業(務)」の意味については、以前、どなたかがこのMLで解説してください ました。そのメールは発見できなかったのですが、以下に別の解説を引用して おきます。 ----------------------- 以下、引用 -------------------------- 業務とは、人が社会生活上の地位に基づいて、反復継続して行う行為を さします。公私を問わず、収入や利益をともなうかどうかは問われません。 ですので、営業のための運転はもちろんとして、通勤やレジャーのための 営業目的でない運転も業務ですし、免許取立てでの最初の運転であっても、 無免許運転であっても、運転すること自体を業務とされているのです。 ------------------------ 引用終わり --------------------------- (以下、省略)



Date: Sat, 23 Oct 2004 20:54:03 +0900 From: 畑中 Subject: [eml-nc4: 2020] Re: AED 使用について教えて下さい ELSTA九州の畑中です。 自己レス、というか、訂正です。 (以下、省略)



From: 越智 Date: Sun, 24 Oct 2004 00:52:47 +0900 Subject: [eml-nc4: 2025] Re: 2020 AED 使用について教えて下さい  畑中さん、eml-ncの皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎です。今回、 救急救命士がスポーツイベントの救護ボランティアとしてAEDを操作するこ との是非についてご意見をお伺いしていますが、救急救命士制度について きちんとした理解がないと正しい結論に到達できませんね。大変勉強にな ります。引き続き、宜しくお願いいたします。  畑中さんの以下の訂正文はすっきり頭に入ります。これによると救急救 命士によるAEDを用いた除細動は「業」として「救急救命処置を行うこと」 であり、医師の包括的指示が必要であり、「場所の制限」を受けることに なりますね。これについては了解です。  一方で、救急救命士が大部分軽症、軽傷の傷病者が予想されるスポーツ イベントにボランティアとして詰めていたとき、たまたま発生した心肺停 止患者にその場にあったAEDを用いて対応できる・・そんな日本であってほ しいと思います。もし法省令の改正が必要でしたらそれを望みますし、解 釈の変更だけで済むものなら、そうしていただきたいと思います。そして、 はっきり禁じられていない(通達も判例も無い)のだから、敢然とAEDを実 施しようよ・・というのが、現在の私の主張です。  引き続き皆様のご意見を宜しくお願いいたします。



From: L(救急隊員) Subject: [eml-nc4: 2041] Re: AED 使用について教えて下さい みなさん、こんばんわ!     L@・・消防です。 みなさんや、恩師の方々の議論を興味深く拝読させていただいています。 私なりの解釈ですので、屁のツッパリにもなりませんが 救急救命士法44条の↓ ーーーーーーーーーーーー救命士法 引用ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (特定行為等の制限) 第44条 救急救命士は、医師の具体的な指示を受けなければ、 厚生労働省令で定める救急救命処置を行ってはならない。 《改正》平11法1602 救急救命士は、救急用自動車その他の重度傷病者を搬送す るためのものであって 厚生労働省令で定めるもの(以下この項及び第53条第2号において 「救急用自動車等」という。)以外の場所においてその業務を行ってはならない。 ただし、病院又は診療所への搬送のため重度傷病者を救急用自動車等に乗せるま での間において救急救命処置を行うことが必要と認められる場合は、この限りでない。 ーーーーーーーーーーーー救命士法 引用 終わりーーーーーーーーーーーーーーーー この中の制限、救急用自動車等とわざわざ明記されているのは、 救命士免許のみで、直接医師とコンタクトを取り、公安委員会から認定を受けて いない車両(極論・・・自家用車)での業務を禁止するたぐいではないでしょうか? その業務開始の制限に、特に勤務時間中とも、 非番時は救急事故発生後とも明記されていませんし。 ですから、目の前で急変患者が発生し、119番等の通報、もしくは通報依頼すれば 「救急用自動車等に乗せるまでの間において・・・」の条件は満たされ救命士と してAEDを作動させることはできると考えられます。 もう一つの考え方として、私たち消防職員であり救命士(民間は除く)は、単独 でサラリーしません。必ず組織内に居り、公務員ですので副業することもできませ ん。ですから、非番時は医療の観点からは一般市民と変わりありません。(私信) しかし、教育は受けている(3時間)ということで、AED使用に問題なしとの見解! (反復して使用の通達・・・は分かりませんが) それから、全部をひっくるめて緊急避難行為!でAED どの点から考えてもなんら支障の無いことと考えます。 啓発する立場の側が、免許があるから使えない?というのはおかしいです。 最後に、非番時にも公務員には「守秘義務や信用失墜行為の禁止等があります。 特権としては、非番時にも、危険と知り得た場合、必要に応じて火災等であれば 消防警戒区域、水災等であれば、避難勧告をすることが法的に明記されています。 これは、同時に社会的地位なのですが、 今後、救命士の地位(市民権)向上はありえるのでしょうか? 幼稚な見解、失礼しました。



From: 藤本 Subject: [eml-nc4: 2042] Re: AED 使用について教えて下さい 皆さん、こんばんは。 藤本@北但消防(兵庫)です。 この度は、台風23号被害で、各地からここ但馬に支援の手を 差し伸べていただき感謝いたします。 また、この台風の被害があったのは当地だけではなく、 日本全国あらゆるところで被害があったにもかかわらず、 トップニュースで豊岡が出てしまったために、他の被災された 地域に支援の手が届いてないのではないかと心配して おります。 さて、今回の見出しの件ですが、(中略) 私が疑問に思ったのは、  但馬剣道連盟が主催で、私の所属する日高剣友会が  主管で開催する剣道大会に、AEDを設置しする場合、  救急救命士である私が使用しても良いのか? と言ったことでした。 実は、ここには『反復の意思』があります。 大会や、将来は練習の度に置いて使用したいと考えるからです。 今月末に予定していた大会は、台風の影響で本日ですが 延期と決定しました。 また、指導している保護者の数人が医師であり、 大会時は救護班として関わっていただける予定でしたので、 使用に問題はないと考えておりました。 以上のことが背景にあることをお伝えしたく思い、 今更ながらですが、投稿させていただきます。 では、失礼いたします。



Date: Mon, 25 Oct 2004 17:02:16 +0900 From: 畑中 Subject: [eml-nc4: 2047] AED 使用について教えて下さい 越智さん、Lさん、藤本さん、Jさん、みなさん、こんにちは。 ELSTA九州の畑中です。 越智さん、いわく: >  一方で、救急救命士が大部分軽症、軽傷の傷病者が予想されるスポーツ > イベントにボランティアとして詰めていたとき、たまたま発生した心肺停 > 止患者にその場にあったAEDを用いて対応できる・・そんな日本であってほ > しいと思います。もし法省令の改正が必要でしたらそれを望みますし、解 > 釈の変更だけで済むものなら、そうしていただきたいと思います。 他の皆さんと同様、私も越智さんと同じことを望んでいます。ただ、この場 では、現時点でどのように解釈できるのだろうか、という疑問が呈されている のだと思っています。 で、Lさん(久しぶり!)、「私なりの解釈ですので、屁のツッパリにも なりませんが」ちゅうのは、私の解釈についても同じことですし、みなさんも 同様だと思いますよ。皆、自己流です...よね。 今ひとつ釈然としないのは「業としてみなされるようになると、制限が付いて しまって、結果的には一般市民より行動が制限されてしまう」という点ですよね。 「業とするからには、そうでない者よりも厳しい条件が課せられる」ということ 自体は、ある程度まっとうなことだと私は感じています。「救命士はAEDを 何度も使うことになるのだから、一般の人と同程度の技能で満足することなく、 もっとしっかりした基礎知識を持って、より適切にAEDを使用して欲しい」とい うことでしょう。そういうふうに考えると「より厳しい条件」自体を「おかしな 制限」だとは思えなくなります。そこで、以下、法律上、救命士は一般市民には 課せられない制限から逃れられない、としたらどうなるか......と仮定して 考えてみました。 論点は、AEDについて救命士に課せられている「場所」と「医師の指示」という 二つの制限になると思います。 で、場所の制限については、イベントでの救護所にせよ、Jさんが指摘され るように、たまたま「道で倒れた」場合でも、「病院又は診療所への搬送の ため重度傷病者を救急用自動車等に乗せるまでの間において」という部分に 該当するのではないでしょうか。先のメールでも申し上げたように、 この部分を「消防法に基づく業務中の」という風に解釈する必要はないように 思います。少なくとも、私が調べた限り、そのような制限はどこにも書かれて いません。だから非番、出番は関係ないと思います。 (ただし、一般論として、「制限がない」と断定するのは難しいです。 存在証明は簡単だけど、不在証明は困難ですから。) もう一つの制限=「医師の指示」については、もう少し難しそうです。 藤本さんが挙げておられるような状況なら、その場に同席した医師から、 具体的な指示が出されればもちろんOKでしょうし、事前の打ち合わせのなかで 包括的指示を出しておいてもらうというのもOKではないでしょうか。 イベントの救護所で、医師も待機している場、その医師とは離れた場所で 活動する場合でも、事前の打ち合わせで包括的指示を確認しておけば よいように思います。 ところが、Jさん御指摘のように、たまたま「道で倒れた」場合、 その時点では「包括的指示を受けている」とは言えないような気が します。丸山さんは救急隊員として包括的指示を受けているので しょうが、これこそ、消防の出番の場合は...というのが包括的指示の 前提にあるような気がするからです。 (ほんとかな?自信は全くありません) 医師に電話をして、その状況を説明した上で具体的指示を受ければ それでよいのかも知れませんが、これには時間がかかります。 では、どうすればよいか?.....わかりません。 とうことで、「救命士のAED使用は、一般人の使用よりも多くの制限を受ける」 ということを受け入れると(仮に)しても、イベントなどの救護所に ボランティアとして参加する場合には、それらの制限をクリアできることが 多いと思いますが、いかがでしょうか。



From: Subject: [eml-nc4: 2048] Re: Fw: 救急救命士の処置の範囲について Date: Mon, 25 Oct 2004 17:52:48 +0900  Dです。  「[eml-nc4: 2013] Fw: 救急救命士の処置の範囲について(Iさんからのご投稿)」 について返信します:  救急救命士の業務には業務する場所に制限があることを述べました。原則、救急用 自動車の以外の場所で業務を行ってはならないとされています。  下の引用個所で私が述べたことは、AED以外の業務、例えば心肺蘇生法に含まれる ものもできません、ということを述べることが主旨です。救急救命士の業務は、救急 救命士資格を持たないとできない行為と救急救命士資格を持たない人ができること と、その双方から構成されています。 > Dさんの投稿についてご教授ください > >まず、救急救命士法の改正がなく、また、通知についても法に関する記載が言 >及がありませんので、現行法はそのままにしてあることがわかります。つまり、救急 >用自動車以外で業務することを制限していることに変化はありません(ですか >ら、AEDだけでなく、心配蘇生法も実施できないのです。 > > とあります。 > > しかしながら救急救命士の処置の範囲の中に人工呼吸、心臓マッサージは含まれていま >せん。人工呼吸・心臓マッサージは標準課程の処置範囲に含まれているはずです。どのよ >うな解釈か解説いただきたいと思います。



Date: Mon, 25 Oct 2004 18:07:39 +0900 Subject: [eml-nc4: 2050] Re: AED 使用について教えて下さい From: 櫻井 Dさん,皆さんこんにちは。 櫻井@日大救急です。 > →法制度的にはそうなのですが(救急救命士法第44条第2項です)、医師法違反を問わ > ないだろうというのが担当の話でした。それで、「一般市民としてやってくれという > 事なんだと理解しています。私自身は、厳密に運用することが、公益にも法益にも合 > わないという判断をしたのだと理解しました。 >  それと下の段落について述べさせていただきますが、「一般の方に許可された」と > いうのは、あくまでも「反復継続の意思のない」使用であることにご留意ください。  我々が生きている現代という時代は何故この様になったかと言うことに興味があり いろいろと勉強をしています(長文ですがこの件に関係有り。我慢して読んで下さい)。 さて,我々が生きている市民社会の源流はやはり,市民革命の時代にかたちづくら れたと言えるでしょう。イギリス清教徒革命から名誉革命の間に書かれたホッブスの リバイアサンという本に以下のように書いてありました。  人間の理性によって発見された一般法則に自然法というものがあり,その第一の法 は人はその生命を破壊したり生命維持の手段を奪い去るような事柄を行ったり,また 生命が最もよく維持されると彼が考えることを怠ることが禁じられる。  以下,第2へ続いてゆくのですが,まず第一が上記,生命を守ることであるのは確 かです。この自然法を守るために国家という枠組みが作られたということです。よっ て,国家を構成する主権者は国民から上記自然法を実現するため権限を委譲されてい るのです。  よって,この思想の後継者である日本国政府は,生命が最もよく維持されると彼が 考えることを怠ることが禁じられているのです。  さて,ここで,AEDのボタンをより早く押すこと,これは,心室細動の患者の予後 を改善するのは周知の事実です。G2000においてもそのためにあらゆる障害を取り除 くことが先決であると謳っています。これにはんする行為は,国民の生命が最もよく 維持されることを考えることを怠っていると考えます。よって,上記答えとなったの でしょう。  ここで問題となるのは,救急救命士法であり医師法であります。確かに法を文字通 り解釈するとDさんの仰るとおりとなります。しかし,非番の時はもしボタンを押 したとしても訴追はしないと言うことは確認されたと思われます。  しかし,それでは,ボランティアでその様な組織を作ったときに救急救命士がボタ ンを押せるかということが問題となります。もし,これに反対するのであれば,ボラ ンティアの救急救命士がボタンを押す方が一般の方がボタンを押すより不利である (国民の生命が守れない)事態を明示する必要があります。素人より訓練された救命 士がボタンを押すことの不利益何でしょう。  そもそもAEDの無かった時代の法律で,本事態を納めようと言うところに無理があ るのではと考えます。この解決として, 1.立法側として,政治に働きかけ,法律を変える。これは,手続きが踏めれば可能で すが大変でしょう。 2.行政側として,解釈を変更する。ただし遵法を旨とする行政府の苦悩はあると考え ます。現実的にはボランティア組織にAEDがあるだけでは,おとがめはなしでしょう。 これを使ったときに訴追するかが問われます。 3.司法として,実際ボランティアを組織してAEDを押したときに,厚労省が訴追した ときに司法の場で正当性を主張する。 一応いろいろ考えてみました。いかがでしょうか。



From: Subject: [eml-nc4: 2053] Re: AED 使用について教えて下さい Date: Mon, 25 Oct 2004 18:45:34 +0900 畑中さん、越智さん、Lさん、藤本さん、Jさん、みなさま、こんばんは。 榧@玉野消防です。 みなさまの議論を拝見しながら、勉強をさせていただいております。 さて、救急救命士法が、勤務中の救命士が救急車に搭乗して現場活動を行うこと を前提とした法律であるため、今回のように解釈の違いによる議論が沸き起こっ ているものと思います。 以前、AEDや半自動式除細動器使用にまつわる例外として、航空機乗務員のAED使 用や、院内における看護師のAED・半自動式除細動器の使用について、厚生労働 省に対する問い合わせの回答を受け、医事課長通達であったり、看護課の回答と いう形で、医師法第17条違反又は保健婦助産婦看護婦法第31条違反を構成しない というお墨付きをいただき、安心して使用できるようになったという経緯があり ますね。また、質疑応答集みたいに監督官庁が公開しているものもあります。 そこで、個人的に厚生労働省のHPに1.非番の救命士が市中に設置されたAEDを 使用することは可能か、2.その場合AEDが指示するとおり地域MCのプロトコルに 定められた回数を越えるショックを医師の指示なしで実施できるのかの2点を問 い合わせさせていただきました。 もしかしたら、どこの馬の骨かわからない私には回答は来ないかもしれません。 しかし、どこの馬の骨かわかっている立場の方からの問い合わせには回答がある かもしれませんね。



Date: Mon, 25 Oct 2004 23:19:15 +0900 From: Subject: [eml-nc4: 2060] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい ・・病院のHです。 Dさん、 >  「反復継続の意思」というものがわかりにくいと思いますが、これは、「医行 > 為を「適応があれば実施しよう」と備えている心的態度」といったところでしょ > うか。「一回ならばよくて、二回以上ならばだめ」というのでなく、「ゼロ回で > もだめ」という概念です。例として、平成16年7月以前に気管チューブを装備し > ていた救急車は、装備をやめました。備えておくこと事態が「反復継続の意思」 > ありとみなされるという判断によるものです。(守るべき法律である医師法にお > いてはそうです。) ([eml-nc4: 2001]) 航空機の客室乗務員にはじまり、スポーツクラブなどの商業施設やJリーグなど のプロフェッショナルスポーツのトレーナー、警備・介護業界の従業員などは、 ある一定の頻度でAEDの使用が想定されることを前提に、AEDの訓練を受けてそれ ぞれの業務に従事しています。このような事実は、医療資格を有しない者が顧客 の急変に備えて待機し、事あればAEDを使用する明確な意思(Dさんのご指摘 によれば反復継続の意思にあたります)を持っている場合も医師法違反にはなら ないと解されていることに基づいていると思います。AEDによる除細動はすでに 一般市民に許容される行為と認められているため、反復継続の意思の有無は関係 ないのでしょうね。 そもそも、Dさんが仰る「救急救命士」とは、救急救命士法第2条第2項の規 定により「厚生労働大臣の免許を受けて、救急救命士の名称を用いて、医師の指 示の下に、救急救命処置を行うことを業とする者をいう。」との規定を満たして いることが前提であると思います。 つまり、救急救命士の名称を用いて医師の指示の下に行う救急救命処置でなけれ ば、救急救命士資格保持者が行う処置は救急救命士法に規定される業務ではなく、 一般市民としての行為と考えられるため、医師法および保健師助産師看護師法に 違反しない限り、救急救命士法の影響は及ばず、場所の制限も関係ないはずです。 以上のように考えれば、救急救命士資格保持者がスポーツイベントなどの救護班 にボランティアとして参加して、一般市民に許される範囲の処置を実施すること に備えることは何ら制限ないのであって、その行為にAEDによる除細動が含まれ ているとしても、医師法、保助看法、救急救命士法のいずれにも違反しないと解 釈できると思います。 上記の考え方に誤りがあれば、ご指摘いただけると幸いです。



From: 越智 Date: Tue, 26 Oct 2004 07:15:37 +0900 Subject: [eml-nc4: 2062] Re: 2053 AED 使用について教えて下さい(厚労省への問い合わせ)  玉野消防 榧さん、eml-ncの皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎で す。手間を惜しまず、厚生労働省へ問い合わせをしてくださったことを感 謝します。厚労省から回答があればひろく情報共有させてくださいね。 (☆追記:2004年末の段階で、厚生労働省から榧さんへの回答はなかった   とお聞きしています。)



From: 大塚 Subject: [eml-nc4: 2064] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい Date: Tue, 26 Oct 2004 07:52:31 +0900 > 航空機の客室乗務員にはじまり、スポーツクラブなどの商業施設やJリーグなど > のプロフェッショナルスポーツのトレーナー、警備・介護業界の従業員などは、 > ある一定の頻度でAEDの使用が想定されることを前提に、AEDの訓練を受けてそれ > ぞれの業務に従事しています。このような事実は、医療資格を有しない者が顧客 > の急変に備えて待機し、事あればAEDを使用する明確な意思(Dさんのご指摘 > によれば反復継続の意思にあたります)を持っている場合も医師法違反にはなら > ないと解されていることに基づいていると思います。AEDによる除細動はすでに > 一般市民に許容される行為と認められているため、反復継続の意思の有無は関係 > ないのでしょうね。 客室乗務員の場合は厚生労働省医政局医事課の 元課長補佐が法学雑誌ジュリストの特集にAED使用に至る経緯を 発表していますので以下に要約を記します。 無資格者がAED使用を可能にする法解釈として 1)当該行為が医行為ではないと解釈する 2)医行為には該当するが反復継続の意思をもって行っていないと解釈する 3)構成要件に該当するが違法性を阻却する の3通りがある。 1)について厚生労働省は医行為と解釈し, 3)については司法権との兼ね合いから事前に 緊急避難にあたる行為を行政側から言いにくいという問題点がある, としている。 そこで日本航空のデータを元に一人の客室乗務員が フライト中に心肺停止患者に遭遇する確率を計算したところ 123年に1度以下との結果になった。これを元に 反復継続の意思はもちえないという結論に至り通知を出した。 その他,救命と法律に関して医学者,法学者,厚労省官僚, 航空会社社員,損害保険会社社員が参加して興味深い 議論を展開しています。国会図書館に利用者登録して申し込むか 公立図書館へ行けば入手できます。 樋口範雄,大原光博,金光良美,久保野恵美子,西舘恵子, 三田村秀雄:救命と法.ジュリスト,1231,104-134,2002. http://www.ndl.go.jp/jp/data/opac.html 旭中央病院神経精神科 大塚 祐司



From: Subject: [eml-nc4: 2202] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい(長文です)
Date: Thu, 4 Nov 2004 20:51:48 +0900  Dです。  今回の新潟中越自身で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。  また、復旧作業に従事されている方々、誠にご苦労様です。  ・・病院のHさんのメールにお答えします。  2度メールを頂だいしながら、お返事が遅れすいません。地震の直後はメールを控 えておりましたし、また、いろいろ資料等勉強しておりました。 >>  「反復継続の意思」というものがわかりにくいと思いますが、これは、「医行 >> 為を「適応があれば実施しよう」と備えている心的態度」といったところでしょ >> うか。「一回ならばよくて、二回以上ならばだめ」というのでなく、「ゼロ回で >> もだめ」という概念です。例として、平成16年7月以前に気管チューブを装備し >> ていた救急車は、装備をやめました。備えておくこと事態が「反復継続の意思」 >> ありとみなされるという判断によるものです。(守るべき法律である医師法にお >> いてはそうです。)   (以上、[eml-nc4: 2001]におけるDの発言)) 以下、Hさんの発言 [ただし、「→」の後にDの発言(回答)を記載] >航空機の客室乗務員にはじまり、スポーツクラブなどの商業施設やJリーグなど >のプロフェッショナルスポーツのトレーナー、警備・介護業界の従業員などは、 >ある一定の頻度でAEDの使用が想定されることを前提に、AEDの訓練を受けてそれ >ぞれの業務に従事しています。このような事実は、医療資格を有しない者が顧客 >の急変に備えて待機し、事あればAEDを使用する明確な意思(Dさんのご指摘 >によれば反復継続の意思にあたります)を持っている場合も医師法違反にはなら >ないと解されていることに基づいていると思います。AEDによる除細動はすでに >一般市民に許容される行為と認められているため、反復継続の意思の有無は関係 >ないのでしょうね。 →この個所は、いわば、現象のみをとらえて容認された結果と誤解したご発言です。 以上の例は「認められていた」のでなく、「準備や使用することが放置されていた」、 あるいは「(しばしば、行って良い行為かどうかの確認なしに)必要と思われるし、法 的に問題があるかどうか判断せずに行っていた」という状態であったというべきで す。決して「解されていた」というものでありません。「関係ない」どころか、「反復継続 の意思」という医師法等医事法制の根幹をなす概念を否定するものですから重大な誤 認識です。ただし、7月1日付け通知以降では状況は変わっています。ただし(二度 目)、通知においても「AED使用は医行為に該当するものであり、医師でない者が反復 継続する意思をもって行えば、基本的には医師法違反となるものであること」と記載 されておりますが、このことについて、関係者にいろいろ教えてもらっておりまし たので、このことについて後便で述べます。 >そもそも、Dさんが仰る「救急救命士」とは、救急救命士法第2条第2項の規 >定により「厚生労働大臣の免許を受けて、救急救命士の名称を用いて、医師の指 >示の下に、救急救命処置を行うことを業とする者をいう。」との規定を満たして >いることが前提であると思います。 >つまり、救急救命士の名称を用いて医師の指示の下に行う救急救命処置でなけれ >ば、救急救命士資格保持者が行う処置は救急救命士法に規定される業務ではなく、 >一般市民としての行為と考えられるため、医師法および保健師助産師看護師法に >違反しない限り、救急救命士法の影響は及ばず、場所の制限も関係ないはずです。 →上の段落は、救急救命士法を(あるいは救急救命士を?)真っ向から否定するご発言 ですが、まちがいです。ご自分でそう思われることは自由ですが、救急救命士等に自 説を押し付けるようなことがあれば幇助することを問われる場合がありますので、 申し添えます。  救急救命士法第2条第2項は救急救命士の定義を述べたものであって、医師の指示 の下に「法にいう」医救急救命処置を実施できると「定義」されている条項です。これに より、救急救命士は、(医師、看護師(保健師、助産師)を除く)他の医療従事者には できない特定行為(制定当時は三行為、今は二行為)をすることができる医療従事者 であると認めているわけです。「業とする」という術語の意味は、「反復継続の意思を もって行う」ということで、医行為である特定行為を医師の指示を受けて行うことの できる医療従事者、ということです。ただし、救急救命士の「定義」に規定されている 行為が、業務の一部であってもさしつかえないことは当然です。  「業務」については救急救命士法の「第四章 業務等」を参照して理解するのが適切 です。  第四章において救急救命士の業務について述べてあります。救急救命士の仕事が保 健師助産師看護師法の規定にかかわらず、診療の補助として行われるものであるこ と等、制限、連携、救急救命処置録、守秘義務、名称独占等々について記載があり ます。救急救命士の業務は、法律に書いてあるだけでも多岐に渡ります。それを、「救 急救命士の名称を用いて医師の指示の下に行う救急救命処置でなければ、救急救命 士資格保持者が行う処置は救急救命士法に規定される業務ではなく、一般市民とし ての行為と考えられるため、医師法および保健師助産師看護師法に違反しない」と法 律の他の関連のない個所を捉えておっしゃるのは不適切です。  (それと法律のわかりにくいところを指摘しますが、定義について述べる第2条第1 項に救急救命処置について定義してあり、「この法律で「救急救命処置」とは、、、」 と記載があります。ここで「この法律で」と限定的に言っていることに注意が必要で、 ここではいわゆる 特定三行為(今は二行為)を意味しているわけです。これは、消防 の救急隊の方々が救急救命処置として捉えているものと差異があります。すなわち、 「救急救命処置」という言葉を、救急救命士法では「医師の具体的指示を必要とする救 急救命処置」という意味で使用していますが、消防においては、加えて、包含関係に ある「救急救命士による「救急救命処置の範囲」」というのがあります(標準テキスト P.186より、除細動含む)のでをそのことを知っていないと混乱します。最低限の知識 として確認願います。仲間で情報交換するときはこのことを踏まえて相談してくださ い。念のため。) →さて、本論です。第四章に記載される第44条第2項には、「救急救命士は、救急用自 動車等(略)以外の場所においてその業務を行ってはならない。」と記載してあります。 「その業務」が何かということが論点になるわけですが、その前に前提を提示します。  救急救命士という極めて特殊な(医療従事者の業務は皆特殊な仕事です。ですか ら、法律まで作って規定するわけです。この問題を議論するのにこの認識が不可欠で す。)身分法の「業務」を理解するのに、「理解の助け」としてそのへんに置いてある学 習事典の「業務」という言葉の意味を転記するような一般論で考えても意味がありま せん。ましてや伝聞情報を書き連ねても有害なだけです。そのような愚を注意深く回 避して議論を進めます。  まず、法律にいう「救急用自動車」において行われる業務が何かを考えてみてくだ さい。救急用自動車においてなされる業務が、郵便配達とか選挙広報とかであるはず がありません(例として総務省関連のものを挙げました)。それは救急業務です。ま た、救急救命士が乗車している救急用自動車は市町村等消防本部の救急用自動車で しょうから、その活動は公務として行われるのであり、その根拠は消防法にあるは ずです。それで消防法を参照しますと、「用語例」と規定された第二条9号につぎのよ うな記述があります。 消防法 「第二条 九 救急業務とは、災害により生じた事故若しくは屋外若しくは公衆の出 入する場所において生じた事故(以下この項において「災害による事故等」とい う。)又は政令で定める場合における災害による事故等に準ずる事故その他の事由 で政令で定めるものによる傷病者のうち、医療機関その他の場所へ緊急に搬送する 必要があるものを、救急隊によつて、医療機関(厚生労働省令で定める医療機関を いう。)その他の場所に搬送すること(傷病者が医師の管理下に置かれるまでの間 において、緊急やむを得ないものとして、応急の手当を行うことを含む。)をい う。  要するに、救急救命士の業務とは公務としての救急業務であり、それは「救急隊に よって医療機関等に搬送すること」であると規定されているということです。(消防法 では救急隊が3名で構成されることまで規定されています。そうすると、救急救命士 は三人一組で活動する救急隊の重要な構成員の一人ですが、単独で行動することは 想定されていないのかもしれません。)そして、救急用自動車以外の場所では「その業 務を行ってはならない」と明記されているわけです。私自身は、救急救命士の活動の 場が拡張されることを思い、勉強会などで必ず発言するようにしていますが、現実 問題として、二つの法律の本文に制限規定が記載されているというのは、ものすご く厳重な規定だと感じます。 >以上のように考えれば、救急救命士資格保持者がスポーツイベントなどの救護班 >にボランティアとして参加して、一般市民に許される範囲の処置を実施すること >に備えることは何ら制限ないのであって、その行為にAEDによる除細動が含まれ >ているとしても、医師法、保助看法、救急救命士法のいずれにも違反しないと解 >釈できると思います。 >上記の考え方に誤りがあれば、ご指摘いただけると幸いです。 →上記の考え方に基本的な誤りがあることを指摘しました。  「ああもとれる、こうもとれる」というのでなく、まず基本となる考え方、情報を 整理して理解することから始めていただくことを、このことを議論するすべての 方々にお願いしておきます。



From: Subject: [eml-nc4: 2203] Re:AED 使用について教えて下さい(長文です) Date: Thu, 4 Nov 2004 21:30:48 +0900  Dです。  引き続いてHさんのメールに返信します。  お答えする順番が逆になり、Hさんに申し訳ないところもありますが、ご容赦 ください。 >Dさんはスポーツイベントで、はたしてどの程度の頻度でAEDが使用されると >想定されていますか? ハイリスク患者がイベントに参加するのであれば、医師 >か看護師が待機すべきと思います。しかし自己申告や一般的な問診、必要に応じ >てメディカルチェックがなされた上でのスポーツイベントに対して、万が一に備 >えてAEDを携帯して待機することは、一般に「反復継続の意志あり」とは認めら >れないと思います。でなければ客室乗務員によるAEDの使用は医師法違反とはな >りませんか? >ボランティアでの待機を含めて、市民が生命の危機に陥っている現場に救急救命 >士がたまたま業務外に居合わせた場合のAEDの使用は、一般市民としての行為で >あって、救急救命士の業務として行うものではありませんから、医師法には違反 >しないと考えられます。救急救命士法は、医師免許を有しない者による医行為を >禁止している医師法第17条の除外規定にあたると言えますが、ここでは医行為に >あたりませんので、救急救命士法を持ち出すまでもありません。 →上の段落については後段で触れています。「ボランティアであって」から始まる段落 について述べます。  救急救命士資格を有する人は、死亡するか救急救命士資格を取り消されない限り 救急救命士です。医療に関する状況下で一般市民であることが優先することはありま せん。これは定義の問題ですので、議論の余地のないところです。ただし、AEDはある が十分に使用できる人がいない、医師を探してもいない、そのようなときにAEDを使 用したとしてもおとがめはないですよね。事実上の問題として。(しかし、救急救命士 養成課程で使用する「標準テキスト」には、P.186、右に一般市民にたいし、緊急避難 が適応されるものの、救急救命士は医事法制の全体との枠組みとの整合性を求めら れると理解すべき」という記載があります(執筆者は杉本壽先生)ので紹介します。)  救急救命士法は、保助看法の除外規定により診療の補助として救急救命処置等を 行うことができる医療従事者です。そのことは第43条に明記しています。医師法第17 条の除外規定など、医事法規にあるのでしょうか。最も犯してならない考え違いと申 し上げます。 >ですから、 > >> 「一般市民として」AED操作可能である、とは、救命の場にたまたま遭遇した場合 >> に、一般市民がAEDを操作できるように、救急救命士資格を有する人がAEDを >> 用いたとしても、医師法違反に問われない、という意味です。(そのようなことを禁 >> じても公益も法益もない、という判断だと推測しています。) >> (中略) >> たとえば「ボランティアの救護班」といったものを組織してwaitingしているよ >> うなAEDの使用の仕方は想定していないことが明らかです。 >([eml-nc4: 1983] Dさん) >Dさんが想定されていないことはよくわかるのですが、報告書の次の文章から >示される趣旨(非医療従事者でさえ積極的に取り組むことを促されているのです >から、まして医療従事者の積極的な取り組みが求められていることは明らかです) >を考えると、Dさんのご指摘は適切でないと思います。 →これまで関係部局に照会したりしておりました。上記についてはいろいろな受け取 り方がなされていることを確認してあらためて驚いています。関係部局でも受け取り 方、認識が違うので、これは、部局間で調整してほしいところです。今まで私が紹介 してきた制度に関する事項は、文字を読んでいる限り違っていないのですが、直接 の担当部局である行政が、弾力的な運用を許す可能性もあります。であればそれが解 釈として行き渡るかもしれません。  このメールの後のほうでHさんが引用している報告書の一部は「第2 非医療従 事者が自動体外式除細動器を使用する条件についての考え方」の「3 使用者の安心確 保による積極的対応」の個所ですが、検討会報告書を読み、そして、7月1日付け通知 を読むと、報告書に横溢する除細動器の使用を広く認め、周辺の法制度整備も視野 に入れ、市民全員による新たな救命のあり方の展開の第一歩という元気が、どこか にいってしまったと感じるのは私だけでしょうか。  通知の冒頭、AED使用は医行為である、反復継続の意思をもって使用すれば医師法 違反である、と書いてあったりして、従前とどこが違うのか判断に苦しみます。  通知は、報告書を踏まえて書くもので、報告書が専門家の検討のまとめであるの に対し、通知は行政の意思を示すものですから、通知の方が上です。これも基本的な 知識ですので、理解してください。  ですから、報告書の主旨(趣旨でなく主旨だと思います)を踏まえて書かれた筈の 通知によって考えれば、私の主張は間違っていないのですが、あとは行政の運用の 仕方だと思っています。  それと、「非医療従事者でさえ積極的に、、、、、ましてや医療従事者の積極的な 取り組みが求められていることは明らか」という認識は間違いです。医療従事者は、 医療に関することを行う場合は、一般の人よりも厳しい規制を受けます。上の杉本先 生も当該個所でそう紹介しています。また、「非医療従事者」とは、AEDを使用する資 格を持たないという観点から、医師、看護師(制度的には保健師、助産師も)、救急 救命士以外の医療従事者を含むのですが、それは了解されていますか。 >> 救命の現場に居合わせた一般市民を始めとする非医療従事者が、安心感・自信を >> もって、積極的に救命に取り組むことを促すようにするものであるべきである。 >> 上記の4条件は、業務の内容や活動領域の性格から一定の頻度で心停止者に対し >> 応急の対応を行うことがあらかじめ想定される者が自動体外式除細動器を用いた >> ときに医師法第17条との関係で示されたものである。一方、救命の現場に居合わ >> せた一般市民が自動体外式除細動器を用いることは一般的に反復継続性が認めら >> れず、医師法違反にはならないものと考えられる。医師法違反の問題に限らず、 >> 刑事・民事の責任についても、人命救助の観点からやむを得ず行った場合には、 >> 関係法令の規定に照らし、免責されるべきであろう。 >> 当検討会が示す条件は「法違反に問われない」、「損害賠償責任を問われない」 >> という、言わば消極的な安心感を与えるものにとどまらず、医学的知識を含め救 >> 命についての理解に立って、自信を持って救命に積極的に取り組むことを促すも >> のであるべきである。 >(非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用のあり方検討会報告書)               [報告書の引用に関しては上に述べました。] >なお、医師法違反にならない行為を、救急救命士法が規定する業務でないことを >もって、業務出動でない救急救命士はAEDを使用することはできない=救急救命士 >の資格を持たない者(一般市民)に許される行為が救急救命士の資格を有する者に >は許されない、とするためには、救急救命士法の条文に明確な禁止規定が必要であ >ると思いますが、そのような規定は救急救命士法にはありません。 →AEDの使用が、現時点で、必ずしも「医師法違反にならない行為」でないことは通知 を読んでもらえばわかると思います。(しかし、体温計や血圧計のように使用できる 方が公益にかなうことは明らかですから、そのための整理がなされれば良いと考え ています。)  それと、救急救命士法は、病院前救護において救急隊の構成者により高度な医療 サービスを提供してもらうため、そのような需要に対応可能な医療従事者、すなわ ち救急救命士制度を創設するため制定された法律です。制定以来、処置範囲の拡大 等、サービスの内容を、どんどん広げていこうと考えるばかりでしたから、禁止事 項を盛込むことなど誰も考えなかったでしょう。また、救急救命士が、救急に関連す る行為を行えばそれは業務なのです。医療従事者は、資格を取得した時点でそのよう な「みなし」を受けることになっています。これは「三角形の内角の和は180度である」 という「決めごと」に類するものです。救急救命士が、「土嚢を詰める」「消火にあたる」 という行為は救急に該当しないので問題になりません。  以上です。



From: Subject: [eml-nc4: 2205] Re: 1983 AED 使用について教えて下さい Date: Thu, 4 Nov 2004 22:36:48 +0900  Dです。  ジュリストの重要な座談会の情報を簡潔に要約してくださいました大塚さんに心 より感謝します。  さっそく、ご教示の通り、近くにある・・市立総合図書館に行って、借りてまい りました。本当に興味深い議論が展開されています。  読んだ感想など。  3)に挙げてある違法性阻却(緊急避難、正当行為)にしなかった理由もようやくわか りました。P.115で大原さんが「(AEDを)やっていいですという形で医師法上整理する というのは非常に難しくて、緊急非難という形で違法性阻却される場合は、十分考 えられるというくらいしか、、、」という発言も印象に残ります。  民法の緊急の事務管理規定、それだけでは不十分で、救命救急の充実のために、 法律家の方々が、日本版「よきサマリア人法」をつくる必要性の提言をしていたこと も所見の知識でした。(法務省は、特区構想の中では民法にいう緊急事務管理規定で 十分との判断をしていましたが)  こういった法制面も考えないと、ただ、処置を実施すればよいというものでない と思います。人名は人の財産以上のものですから、当然、責任問題が発生するはずで す。  しかし、何よりも感じたのは、東北大学の久保野恵美子助教授が発言です。すなわ ち、「救命措置という、おそらくぜひ促進すべきだと多くの人が考えるような行為に ついて、法があるがゆえにその実施が躊躇される、法が阻害要因になるということ は、決してあってはならないことだと思います」(P.115、右)ということが、今後の 取組み方の方向性を示しているのだと思いました。  紹介していただきましたので、お礼に感想を述べさしていただきました。  以上 (引用中略) >客室乗務員の場合は厚生労働省医政局医事課の >元課長補佐が法学雑誌ジュリストの特集にAED使用に至る経緯を >発表していますので以下に要約を記します。 > >無資格者がAED使用を可能にする法解釈として >1)当該行為が医行為ではないと解釈する >2)医行為には該当するが反復継続の意思をもって行っていないと解釈する >3構成要件に該当するが違法性を阻却する >の3通りがある。 > >1)について厚生労働省は医行為と解釈し, >3)については司法権との兼ね合いから事前に >緊急避難にあたる行為を行政側から言いにくいという問題点がある, >としている。 (以下、略)



From: Subject: [eml-nc4: 2207] Re: AED 使用について教えて下さい Date: Thu, 4 Nov 2004 22:59:48 +0900  Dです。  日大の櫻井さんのメールに返事を申し上げます。  まず、遅くなりましたことをお詫びします。  理由(のようなもの)は前のメールで書きましたので、ここでは割愛させてくださ い。 >。さて,我々が生きている市民社会の源流はやはり,市民革命の時代にかたちづくら >れたと言えるでしょう。イギリス清教徒革命から名誉革命の間に書かれたホッブスの >リバイアサンという本に以下のように書いてありました。 > > 人間の理性によって発見された一般法則に自然法というものがあり,その第一の法 >は人はその生命を破壊したり生命維持の手段を奪い去るような事柄を行ったり,また >生命が最もよく維持されると彼が考えることを怠ることが禁じられる。 > > 以下,第2へ続いてゆくのですが,まず第一が上記,生命を守ることであるのは確 >かです。この自然法を守るために国家という枠組みが作られたということです。よっ >て,国家を構成する主権者は国民から上記自然法を実現するため権限を委譲されてい >るのです。 > > よって,この思想の後継者である日本国政府は,生命が最もよく維持されると彼が >考えることを怠ることが禁じられているのです。 →三位一体に示されるように、小さな政府を目指すのが日本の方向性のようです。 ホッブスが唱えたという「政府に強権を」ということが日本で該当するのかどうかは わかりません。しかし、以下に記載されるような医学的、工学的な進歩が公益をもた らすなら、それなりの制度的「手当て」がなされることが望まれます。救急救命士法で は、業務の場所の制限が極めて強いので、障害があり、救急救命士のみが取り残さ れたような形になっていて不満をもたれる方も多くいると思われます。(個人的に は、早くAEDが、例えとしてですが、血圧計や体温計のようなものになって定着する ことに公益があると感じています。) > さて,ここで,AEDのボタンをより早く押すこと,これは,心室細動の患者の予後 >を改善するのは周知の事実です。G2000においてもそのためにあらゆる障害を取り除 >くことが先決であると謳っています。これに反する行為は,国民の生命が最もよく >維持されることを考えることを怠っていると考えます。よって,上記答えとなったの >でしょう。 > > ここで問題となるのは,救急救命士法であり医師法であります。確かに法を文字通 >り解釈するとDさんの仰るとおりとなります。しかし,非番の時はもしボタンを押 >したとしても訴追はしないと言うことは確認されたと思われます。 > しかし,それでは,ボランティアでその様な組織を作ったときに救急救命士がボタ >ンを押せるかということが問題となります。もし,これに反対するのであれば,ボラ >ンティアの救急救命士がボタンを押す方が一般の方がボタンを押すより不利である >(国民の生命が守れない)事態を明示する必要があります。素人より訓練された救命 >士がボタンを押すことの不利益何でしょう。 > > そもそもAEDの無かった時代の法律で,本事態を納めようと言うところに無理があ >るのではと考えます。この解決として, > >1.立法側として,政治に働きかけ,法律を変える。これは,手続きが踏めれば可能で >すが大変でしょう。 >2.行政側として,解釈を変更する。ただし遵法を旨とする行政府の苦悩はあると考え >ます。現実的にはボランティア組織にAEDがあるだけでは,おとがめはなしでしょう。 >これを使ったときに訴追するかが問われます。 >3.司法として,実際ボランティアを組織してAEDを押したときに,厚労省が訴追した >ときに司法の場で正当性を主張する。 > >一応いろいろ考えてみました。いかがでしょうか。 →私自身が現時点で持っている知識、情報、経験等に照らし、自分が法律作成の担当 者だったらどう考えるか、という想定をしてみました。よろしければ読んでみてくだ さい。 ○救急救命士の方が「ボランティア(非番で、業務外で)でAEDの使用が認められるよう にする法改正は、一番後に回します。救急救命士法は救急救命士の消防法に基づく救 急業務における病院前救護の充実を図るのが目的だから、非番とか業務外とかは法 律の外である。 ○現在、救急救命士の数は15000人くらい。そのうち、消防に勤務し、実際に救急車に 乗務している人は10000人くらいだといわれる。高規格救急車に救急救命士が乗っる 運用隊率は70%を少し超えたくらい。業務外の救急救命士のことを考えるより、一 刻も早い運用隊率100%を目指すことが国民の利益にかなうのでないか。 ○10000人の中で非番とされる救急救命士がどのくらいいるか、数はこれから把握す るとしても、一年間に看護師資格をとる数はおよそ45000から50000。この人たちのわ ずかな人でもAEDに習熟してくれれば、中長期的にみて、救急救命士のボランティア を認めるより国民の利益は確保される。 ○救急救命士の価値は最低限の確認でスイッチを押すだけの(市民に許される程度 の)AED実施において発揮されるのでなく、機動性、迅速性、総合的な病院前救護の 提供であり、傷病者のバイタルサインを確認しながら観察し、判断し、気道確保、 静脈確保、除細動それぞれのタイミングをはかりながら、一方で医療機関をトリ アージしながら隊員、機関員に適切な指示を出す、といった存在であってほしい。 ○救急救命士の運用隊率:100%が達成されたら、次に救急救命士の搭乗複数化を目 指すのが政策的に重要だろう。 ○ボランティア云々はずっと後々の検討課題。 ○しかし、救急救命士は50歳後半で救急車勤務から離れる人もいるし、60歳になれば 退職である。このような人材の活用を図る手段はないだろうか。 ○所管は違うが、消防法の救急業務の「定義」にAED等必要な救急の処置の啓発普及業 務を加えてもらい、上の人たちに(退職者には消防団ならぬ「救急団」として)新たな 業務として従事してもらえないだろうか。  よくまとまらなくなったので、ここでやめます。私の場合、業務としての病院前救 護をさらに充実してほしいというのが基本的姿勢です。   以上です。



From: 越智 Date: Thu, 04 Nov 2004 23:46:59 +0900 Subject: [eml-nc4: 2208] Re: 2207 AED 使用について教えて下さい(救命士にも長い業務外の時間がある)  Dさん、eml-ncの皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎 です。  以下のご意見には強い疑問をいただきます。日本の病院外心肺停止患者を 1人でも多く救命するということを目標におけば、これほどの無駄、非合 理はないと思います。 Dさんは書きました(eml-nc4: 2207): >○救急救命士の方が「ボランティア(非番で、業務外で)でAEDの使用が認められるよう >にする法改正は、一番後に回します。 (引用部分省略)



Date: Fri, 05 Nov 2004 12:36:28 +0900 Subject: [eml-nc4: 2211] Re: AED 使用について教えて下さい From: 櫻井 Dさんこんにちは。 櫻井@日大救急です。 > →三位一体に示されるように、小さな政府を目指すのが日本の方向性のようです。 > ホッブスが唱えたという「政府に強権を」ということが日本で該当するのかどうかは > わかりません。しかし、以下に記載されるような医学的、工学的な進歩が公益をもた > らすなら、それなりの制度的「手当て」がなされることが望まれます。救急救命士法で > は、業務の場所の制限が極めて強いので、障害があり、救急救命士のみが取り残さ > れたような形になっていて不満をもたれる方も多くいると思われます。(個人的に > は、早くAEDが、例えとしてですが、血圧計や体温計のようなものになって定着する > ことに公益があると感じています。) ホッブスは清教徒革命から名誉革命の間にこの著書を記しており,クロムウェルの政 治の最中であったと考えます。この中で,自国民を救うにはどうしたらよいかという 真剣な問より,前述の自然法第一法”人はその生命を破壊したり生命維持の手段を奪 い去るような事柄を行ったり,また生命が最もよく維持されると彼が考えることを怠 ることが禁じられる”が出てきたのだと考えます。彼は,このため亡命をしています し,まさに命を懸けた著書であったと考えます。 日本国政府がこの末裔である証拠は日本国憲法 第13条(個人の尊重、幸福追求権、公共の福祉) すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利 については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必 要とする。 第25条(国民の生存権、国の社会保障的義務) 1.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増 進に努めなければならない。 に表されていると考えます。医師法や救急救命士法も基本的には上記概念に反するこ とは禁じられていると考えます。 本件で先ず行うべき議論は,救急救命士がボランティア活動中にAEDのボタンを押す ような状況になったとき,一般人よりも国民の生命に不都合を及ぼすような事態は何 かということです。訓練された救命士が一般人よりこの件に不利なことがあれば,医 師法も,救命士法も妥当でしょう。 しかし,もしその不利を明らかにできないのであれば,国民の生命の最大限の尊重を 政府は行っていないと考えます。G2000という国際的な科学組織の勧告と,日本国憲 法の概念に反することは懸命ではないと考えます。よって,本件はAEDは血圧計や体 温計と同様であるという意見で良いのではないかと考えます。また,そう考えてくだ さるDさんの行政府の一員としての苦悩は理解できます。 救命士や他の業種の暴走をおそれるのであれば,医師しか行えない気管挿管や中心静 脈路確保を行った事態と,一般人にも許可されたAEDのボタンを押すことは,厳密に 分けて考えるべきです。 > ○救急救命士の方が「ボランティア(非番で、業務外で)でAEDの使用が認められるよう > にする法改正は、一番後に回します。救急救命士法は救急救命士の消防法に基づく救 > 急業務における病院前救護の充実を図るのが目的だから、非番とか業務外とかは法 > 律の外である。 > ○現在、救急救命士の数は15000人くらい。そのうち、消防に勤務し、実際に救急車に > 乗務している人は10000人くらいだといわれる。高規格救急車に救急救命士が乗っる > 運用隊率は70%を少し超えたくらい。業務外の救急救命士のことを考えるより、一 > 刻も早い運用隊率100%を目指すことが国民の利益にかなうのでないか。 > ○10000人の中で非番とされる救急救命士がどのくらいいるか、数はこれから把握す > るとしても、一年間に看護師資格をとる数はおよそ45000から50000。この人たちのわ > ずかな人でもAEDに習熟してくれれば、中長期的にみて、救急救命士のボランティア > を認めるより国民の利益は確保される。 > ○救急救命士の価値は最低限の確認でスイッチを押すだけの(市民に許される程度 > の)AED実施において発揮されるのでなく、機動性、迅速性、総合的な病院前救護の > 提供であり、傷病者のバイタルサインを確認しながら観察し、判断し、気道確保、 > 静脈確保、除細動それぞれのタイミングをはかりながら、一方で医療機関をトリ > アージしながら隊員、機関員に適切な指示を出す、といった存在であってほしい。 > ○救急救命士の運用隊率:100%が達成されたら、次に救急救命士の搭乗複数化を目 > 指すのが政策的に重要だろう。 > ○ボランティア云々はずっと後々の検討課題。 > ○しかし、救急救命士は50歳後半で救急車勤務から離れる人もいるし、60歳になれば > 退職である。このような人材の活用を図る手段はないだろうか。 > ○所管は違うが、消防法の救急業務の「定義」にAED等必要な救急の処置の啓発普及業 > 務を加えてもらい、上の人たちに(退職者には消防団ならぬ「救急団」として)新たな > 業務として従事してもらえないだろうか。 現時点で救急救命士が運動会の救護班として既にボランティア活動をしていることは 想像できます。その時に,倒れた子供の胸にAEDをはってもボタンが押せない事態に ならないことを祈ります。



Date: Fri, 5 Nov 2004 18:25:13 +0900 From: Subject: [eml-nc4: 2213] 救急救命士の救急関連行為は公務内外を問わず業務とみなされる ・・病院のHです。 勝手ながらタイトルを変更させていただきました。 Dさん、 色々とお調べいただいたり関係部局にご照会いただいた上でお返事いただきまして ありがとうございます。省内での照会とはいえご自分の時間を割いて手間暇をかけ てお調べいただいているのでしょうね。手元に資料を揃えたり、行政関係者に直接 尋ねたりすることは、市中病院で診療に従事している身では、なかなかできません。 AEDの使用が医行為であることに何ら変更がないことについては、通知と報告書を 読みなおして自分の誤りを確認しました。ご指摘ありがとうございました。 ものわかりが悪くて大変申し訳ないのですが、もう少しおつきあい願います。 > 救急救命士が、救急に関連する行為を行えばそれは業務なのです。医療従事者は、 > 資格を取得した時点でそのような「みなし」を受けることになっています。 上記については全く認識していませんでしたので驚きました。医師や看護師につい てはわかるのですが、救急救命士は業務に従事する場所の限定を受けているという 点で、医師や看護師と大きく異なっているように私には思われます。にもかかわら ず、救急救命士が上記のような「みなし」を医師や看護婦と同等に受ける根拠を、 再度噛み砕いて教えていただけると幸いです。 限定されている場所以外では、一般人にも認められている行為であっても「救急に 関連する行為」という理由で救急救命士の業務とみなされ、当該行為が禁止される という理屈が、いまだに私にはよくわからないのです。 なお、 > 最低限の知識として確認願います。仲間で情報交換するときはこのことを踏ま > えて相談してください。念のため。 大変耳の痛いご指摘ばかりです。しかし冒頭でも触れましたが、特に法律関連事項 の理解については著しい情報格差が感じられて「基本となる考え方や情報整理」が、 少なくともDさんほどに容易でないからお尋ねさせていただいているわけです。 AED使用についての認識の誤りは情報格差に起因するものではありませんから厳し いご指摘を受けて当然です。しかし個人の意見表明を受けて「幇助することを問わ れる場合もある」とまでお書きになるのは、少し刺激が強すぎますので、ご容赦願 います。



Date: Tue, 28 Dec 2004 10:06:56 +0900 From: 市川 Subject: [eml-nc4: 2523] Re: 2243 AED の使用につき,質問です.

当地で行った検証会後の厚労省への確認事項では H16.12.15新潟県医薬国保課を通しての解答 「救急救命士の業務外におけるAED使用の可否について厚生労働省の 見解を確認する」 「救急救命士の業務外におけるAED使用については、一般市民と 同様の扱いであり、使用しても医師法、救急救命士法等関係法令 違反にはならない。」 とのことで、当地では、ボランティアで待機している場合の救命士の AED使用予想においても認めることになりそうです。 ---------------------------------------------------- 市川高夫 新潟県立六日町病院 麻酔科



Subject: [eml-nc5: 0057] Re: 転載の御願い 送信日時: Sat 01/15/2005 07:39:12 JST From:  越智さん、市川さん  Dです。年末、年始の期間、妙に忙しく、この件に対応するまと まった時間がとれず、皆様にご迷惑をおかけしたかもしれません。  また、市川さんは中越地震の被害、また、被災者の方々等への治療などで大変多 忙だったと思われます。雪深い新潟の地ですから、厳しい状況は変わっておられない かもしれませんが、まずは、お疲れ様でしたと申し上げさせていただきます。  さて、転載のお願いについては基本的にそのとおりでよいわけですが、お尋ねが 二つあります。  まず、一つ目です。  市川さんのeml-2523に記載されている内容ですが、このことは、この議論の当初 から明らかであったことです。なぜなら、私が厚生労働省の担当者に照会し、「市民 としてやってください」という内容を得て、その件を・・市のA先生にお伝えし ました。そのことを受けて、A先生が本MLに「できる」旨の投稿をされたのです が、それを踏まえ、私としてAEDはよいとして、他の行為についてできるのか(でき ないのでないか)、そう思う根拠は(1)通知中の「反復継続の意思」に関する記載、(2) 救急救命士法第44条第2項の救急用自動車以外で「業務」を行ってはならないという規 定である、という少し複雑な(?)議論を提起したのでした。市川さんは、地震の真っ 只中におられましたし、emlを読めない日々が続いたために失念されたのかもし れないと感じています。それと、すべての市民がAEDを使用できることには公益、 法益があるという私の考えも述べさせていただいたことも、思い出していただけれ ば幸いです。ですから、「厚生労働省の担当者がそう言ったので結論が出た!」という ご認識でしたら、それは単に振り出しに戻っただけでありませんか?というお尋ね です。  二つ目です。  先日、「救急隊員の行う心肺蘇生法等について」(平成16年8月26日付け、消防庁救 急救助課長発各都道府県消防防災主管部長宛通知)を知りました。非医療従事者のA ED使用が認められたことを受けて救急救命士を除く救急隊員の行う心配蘇生法の 実施要領を定めたので周知する、という主旨の通知です。その中に「救急救命士の資 格を有する救急隊員は、「救急救命士法に定めるところにより」というのが味噌です ね。この実施要領にかかげるもののほか、救急救命士法に定めるところにより、心肺 蘇生を行うこと。」という文言がありました。ご存知ですか?というのがお尋ねの二 番目です。消防庁にも救急救命士の「業務」の範囲について私と同じ認識の人がおられ るのかもしれません。どういうわけかインターネット上では探せませんでしたが、紙 媒体であれば各県の消防防災課に届いていますので、これも併せて掲載してくださ い。  以上お願いします。  ここからは余談です。 (中略)  「救急救命士の業務外におけるAED使用については、一般市民と同様の扱いで あり、使用しても医師法、救急救命士法等関係法令違反にはならない。」との厚生 労働省の見解として市川さんが紹介されておられますが(私も似たような口頭見解を 聞きましたが)、だから、通知のとおり、反復継続の意思がないならば使用できるの でしょうが、よく考えるとどうして、「有資格の救急救命士が無資格の一般市民と同 様の扱い」という下降(?)ベクトルの比較をされるのか不思議です。(「市民としての 看護師は看護助士同様に行為が認められる」という文は文法的には正しいのでしょう が、日本語としては意味不明ですから。)それと、「業務外におけるAED使用以外の処 置」はできるのかどうかについても、ついでに照会してもらえば、さらに理解が深 まったかもしれません。  救急救命士の業務範囲、処置範囲(この二つは違うものですが)が広がってほしい ものだと考えます。蛇足ですが、すこしずつ根拠を積み重ねていくしかなく、「市民 と同様にできるから、できる」という考えでなく、「だれそれが言っているからでき る」でもなく(、文書化されたものをひとつひとつ獲得するという考えでないと財産 になっていかないと思います。



From: 越智 Date: Sat, 15 Jan 2005 16:02:07 +0900 Subject: [eml-nc5: 0058] Re: 0057 転載の御願い  Dさん、eml-ncの皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎です。  さて、Dさんのコメントにつきまして ○ > まず、一つ目です。 > 市川さんのeml-2523に記載されている内容ですが、このことは、この議論の当初 >から明らかであったことです。なぜなら、私が厚生労働省の担当者に照会し、「市民 >としてやってください」という内容を得て、その件を・・市のA先生にお伝えし >ました。そのことを受けて、A先生が本MLに「できる」旨の投稿をされたのです >が、それを踏まえ、私としてAEDはよいとして、他の行為についてできるのか(でき >ないのでないか)、そう思う根拠は(1)通知中の「反復継続の意思」に関する記載、(2) >救急救命士法第44条第2項の救急用自動車以外で「業務」を行ってはならないという規 >定である、という少し複雑な(?)議論を提起したのでした。 → 今回の論議のきっかけとして、「救急救命士法」にもとづけば救急救命士が救急用   自動車以外でAEDを用いた除細動を実施できないのではという懸念がありました。   今回、新潟県医薬国保課を通じていただいた厚生労働省の見解により、上記の心配   が無用のものであったということがわかり大きな収穫であったと思っております。 ○ > 二つ目です。 > 先日、「救急隊員の行う心肺蘇生法等について」(平成16年8月26日付け、消防庁救 >急救助課長発各都道府県消防防災主管部長宛通知)を知りました。非医療従事者のA >ED使用が認められたことを受けて救急救命士を除く救急隊員の行う心配蘇生法の >実施要領を定めたので周知する、という主旨の通知です。その中に「救急救命士の資 >格を有する救急隊員は、「救急救命士法に定めるところにより」というのが味噌です >ね。この実施要領にかかげるもののほか、救急救命士法に定めるところにより、心肺 >蘇生を行うこと。」という文言がありました。ご存知ですか? → 救急救命士はこの通知にあるように「救急救命士法に定めるところにより」心肺蘇   生法(AEDを用いた除細動を含む)を行うことしか許されないのか? というのが   今回の意見交換の重要なテーマであったと理解しています。そして厚生労働省の見   解として、救急救命士が業務外に一般市民と同様なかたちでAEDを使用できるとい   う情報を得て非常に喜んでいるところです。このことと上記通知とは両立しうるこ   とだと考えています。 ○ (引用部分省略) → 私には上記のご意見がよく理解できません。   「非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用のあり方検討会報告書」   を踏まえた消防機関の対応について(消防救第161号平成16年7月1日) http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/04/o7-aed.htm   において以下のようにうたっています。   |業務の内容や活動領域の性格から一定の頻度で心停止者に対し応急の対応をす   |ることが期待・想定される非医療従事者(医療資格を持たない消防職員等)が,   |心肺機能停止傷病者に対してAEDを用いても,次の4つの条件を満たす場合には,   |医師法(昭和23年法律第201号)第17条違反とならないものとするとの見解が出   |されたこと。   国がAEDを用いても医師法17条違反にならないとの見解を示したのであるから、条   件さえかなえばAEDを使用できると考えてもよいのではないでしょうか。  以上、引き続き意見交換をさせていただきたく、よろしくお願い申し上げます。



Date: Sat, 15 Jan 2005 16:14:36 +0900 From: 市川 Subject: [eml-nc5: 0059] Re: 転載の御願い Dさま、みなさま、どうも。 >  市川さんのeml-2523に記載されている内容ですが、このことは、この議論の当初 > から明らかであったことです。 おそらく、私を含め、畑中さん、Hさんなどは「反復使用」部分あたりで Hさんの解釈をどうも釈然としないと感じられあのスレッドになったと 思います。 「市民のマラソン大会で、ボランティアとしていつも 同じスポーツマン自称の靴屋のAさんが救護テントの AEDのそばに待機している」 のが許されて、 「市民のマラソン大会で、ボランティアとしていつも 救急救命士のBさんは救護テントのAEDのそばに 待機している」では 救命士は「反復使用する意図」があると認められるので 違法であるという論をDさんは言い続けられてきたのと 理解しています。 (中略) (もう一度、厚労省に具体的な「救命士・救急隊員がボランティアで AEDのそばで待機すること」の違法性について、文書で手に入れたいと 思います) 他のみなさまの御意見をお願いいたします。 --------------------------------------------- 市川高夫 新潟県立六日町病院 麻酔科


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