AHA新ガイドライン

第7.1部、気道管理と換気に関する追記
(Part 7.1: Adjuncts for Airway Control and Ventilation)

目次
はじめに(Introduction)
バッグマスク換気(Bag-Mask Ventilation)
気道補助器具
高度な気道確保
吸引器具
移動用人工呼吸器
まとめ
参考文献


[現在の翻訳レベル=一次チェック済み 061120]

■はじめに

 この章では、心肺蘇生中および切迫心停止期に換気と酸素化(後ろより移動変更)を維持する ための推奨事項を中心に述べる(This section highlights recommendations for・・)。 CPR 中の換気の目的は適切な酸素化と十分な二酸化炭素の排出を 維持することである。しかし、これまでの研究からは、その 目的を達成するために必要となる最適な 一回換気量や呼吸数、酸素濃度がどれくらいかはわかっていない。 VFによる突然の心停止(以下、VF SCA)の最初の数分間には、救助呼吸 はおそらく胸骨圧迫ほど重要ではない。なぜなら 心臓や脳を含む末梢組織への酸素運搬は動脈血酸素含量よりも血流量に 大きな影響を受けることがわかっているからである。 従って、VF SCAの最初の数分間には、救助者が一人の場合は、換気による胸骨圧迫 の中断が最小限となるように努力するべきである。 より上級の救助者(the advanced provider)の場合は、 高度な気道確保を行なったり心電図リズムの確認を行ったりする際の、胸骨 圧迫の中断時間が最小限となるように心がけるべきである。

 VF SCAが長時間継続している患者や、全ての窒息性心停止(溺 水、呼吸停止した薬物中毒患者など)の患者では、換気と胸骨圧迫の両 方が重要だと考えられている。なぜなら、このような患 者は心停止前に低酸素血症となっているからである。

 CPR中の全身血流そしてその結果として肺血流は非常に(substantially)減少するため 、救助者は通常よりずっと少ない分時換気量で 正常の換気血流比を保つことができる。 高度な気道確保器具を使ってCPRを行なっている場合には、 ECCガイドライン20001で推奨されていたよりも少ない呼 吸回数で換気することを、現在では推奨している (第4部 成人の一次救命処置を参照)。 心停止直前と直後には、より正常に近い一回換 気量と呼吸数で酸素化と換気を行う必要がある。

 心停止後の最初の数分間を過ぎると、組織の低酸素が進行する。 CPRは正常のおよそ25〜33%の心拍出量をもたらす。 このような少ない心拍出量の状態は 心臓や脳への最低限の血流(a small but critical amount of blood)を を維持する。とは言え、効果的な自己循環が得ら れるまでは、組織の低酸素状態が持続する。 低酸素の原因となる他の原因としては、微小循環障害による肺内シャント (intrapulmonary shunting with microcirculatory dysfunction) やそれに付随する換気血流比の異常が挙げられる。 基礎疾患に呼吸器疾患を 持つ患者もいる。組織の低酸素状態は嫌気性代謝と代謝性アシドーシスを引き起こす。酸塩基平衡の不均衡により薬 物治療や電気的治療(除細動)の効果が弱められることがある。

 酸素化を改善するために、ヘルスケアプロバイダーは一次救命処置や二次救命処置で それが使用可能になれば直ちに、100%酸素(FiO2=1.0)を与えるべ きである。 吸入気に高濃度酸素を投与することは、動脈血の酸素飽和度ひいては酸素 含量を最大限にするだろう。 高濃度酸素投与は心拍出量が少ないときに酸素供給量(心拍出量×動脈血酸素含量)を 維持することに、役立つだろう。 このような短期間の酸素療法では酸素による中毒は 発生しない。


■バッグマスク換気(Bag-Mask Ventilation)

 ヘルスケアプロバイダーはすべて、酸素化と換 気を補助するためにバッグマスクの使用に慣れておく必要がある2-4。 バッグマスク換気は、蘇生の最初の数分間や、高度な気道確保の実施が遅れたり 不成功となった場合には、特に有用である。 バッグマスクで効果的に換気を行なうためには、適切な訓練と頻繁な 実践が必要である(requires adequate training and frequent practice)。

 バッグマスクの望ましい部品(desirable components) については「第4部 成人の一次救命処置」に列挙している。 バッグマスクを使用する(高度な気道確保器具が使用されていない)とき、救助者は胸郭が挙上 させるのに十分な一回換気量(約6〜7mL/kg、500〜600ml)で、1秒間かけて換気すること5。 この換気量では胃膨満の危険性が最低限に抑えられる。 救助者は頤(おとがい)部(chin)を挙上したり、マス クの方へ顎を引き上げたり、 マスクを顔に密着させて保持することなどにより、気道を確実に開通 させければならない(The rescuer should be sure to open the airway adequately with・・)。 CPRの間は、30回の胸骨圧迫毎に短い(3〜4秒の)間隔(pause)をあけ、この間に 2回の換気を行なう。 フェイスマスクの代わりに高度な気道確保器具(気管チュ−ブ、食道気管コンビチ ューブ[Combitube]、あるいはラリンゲルマスク[LMA])を使用する場合、救助者は CPR中に毎分 8〜 10回換気するべきである。 1回の換気はおよそ1秒間かけて行い、その間、胸部圧迫を毎分100回の速度で実施する。換気と胸 骨圧迫は同期させようとしない(do not attempt to synchronize)。

 心拍のある(with a perfusin rhythm)(すなわち、CPR中よりも肺血流が良い)患者の換気には 、1分間におよそ10〜12回の換気(6〜7秒に1回の換気)を行う。 マスクの時も高度な気道確保がされている時も、1秒間かけて換気を行なう。

 重篤な閉塞性肺疾患で呼気時の気道抵抗が増加している患者では、 ヘルスケアプロバイダーは意図しない(inadvertent)内因性PEEP、 いわゆるauto-PEEPが発生する原因となる空気の蓄積(air trapping) を防ぐように努力すべきである。 循環血液量減少のある患者では、auto-PEEPによって心拍出量や血圧の 低下が起こる可能性がある。 このことを防止するために、このような患者ではさらに少ない換気回数 (6〜8回/分) とし、呼気が完全に終了ように十分な 時間をとる。

 バッグマスク換気により胃膨満をおこし、それに伴い胃内容逆流、誤嚥 、肺炎などの合併症を引き起こす可能性がある。 胃の膨満により横隔膜が挙上し、呼吸運動が制限されるため、肺コンプラ イアンスが減少する4,5-9


■気道補助器具

口咽頭エアウエイ

 口咽頭エアウエイは意識のない患者(反応のない患者) で咳 や嘔吐反射のない患者にのみ(should be reserved for use in unconscious  (unresponsive) patients with no cough or gag reflex)、そして訓練された人のみが用いるべき である(Class IIa)。 不適切な挿入は、舌を下咽頭に 押し込み、気道閉塞を引き起こす。 高度なエアウエイ使用について(各器具ごとに)個別に考慮した 研究はないものの、エアウエイの使用は舌による気道閉塞を防いで、バッ グマスク器具を使っての十分な換気をするのに役立つかも知れない。

鼻咽頭エアウエイ

 鼻咽頭エアウエイは気道が閉塞していたりその危険性がある患 者で、とりわけ歯を食いしばってエアウエイ挿入ができなくなっている ときに有用である。 意識障害がひどくない患者では、鼻咽頭エアウエイは経口エア ウェーより受けいれ易い。 鼻咽頭エアウエイを挿入した場合、最高で30%の患者で鼻出血 (airway bleeding)を起こす恐れがある(LOE 5)10。 頭蓋底骨折の患者において鼻咽頭エアウエイを誤って頭蓋内に挿入してしま ったという 2編の症例報告(LOE7)があることから、これを重度の頭部顔面外傷患者 に使用する場合には常に注意を払う必要がある。

 すべての補助器具と同様に、鼻咽頭エアウエイを安全に使用するためには、十分な訓 練と、実践、さらに再訓練が必要である。 心停止時における鼻咽頭エアウエイの使用に関する研究は見られない。 気道閉塞患者において、バッグマスクによる換気を容易にす るために鼻咽頭エアウエイを使用してもよい。


■高度な気道確保器具

 救助者は蘇生処置中における高度気道確保器具挿入に関す る、有益性と危険性をわきまえていなければならない。 その危険性は患者の状態と救助者の気道管理における専門的熟練度に 影響される。 高度気道確保器具の挿入により数十秒間にわたって、胸骨圧迫の中断が余儀なくさ れるために、救助者は高度な気道確保よりも胸骨圧迫の方に重きを置くべきで ある。 救助者は、初期のCPRと除細動処置が無効に終わるか、心拍 再開が得られるまでは、高度気道確保を後回しにしてもよい(Class IIb)。 高度な気道確保器具を有効に使用するためには、ヘルスケア・プロバイダー (HCP)はこれらの器具の頻繁な 実践使用を通じて知識や技術を維持していく必要がある。 ヘルスケアプロバイダーが気道管理の 1つの基本的 な方法を訓練して、その方法についての経験と専門的技術を身につける ことは有用かも知れない。 そして、第一選択の器具による気道確保ができなかった場合でも、 気道管理と換気の第二に(バックアップとして)用いられる手段を持つべきであ る。 おそらくバッグマスク換気がそのバックアップ手段となりうるであろう。

 いったん高度気道確保器具を挿入したら、救助者が2名の場合、もはやCPR サイクル(換気のための胸骨圧迫の中断)を行う必要はない。 胸骨圧迫担当の救助者は、換気のための中断時間を取る ことなく、1分間に100回の速さで胸骨圧迫を続けるべきである。 換気担当の救助者は、1分間に 8〜10回の人工呼吸を行う。 救助者が 2人の場合、胸骨圧迫担当者の疲労と胸骨圧迫の質および圧迫回数 の劣化を防ぐために、およそ 2分ごとに圧迫・換気の担当を交代すべきであ る。 救助者が多数いる場合には、約 2分毎に圧迫担当を順に廻していく (rotate the compressor role)べきである。

バッグマスク換気 対 高度な気道確保器具
(Bag-Mask Ventilation Versus the Advanced Airway)

 バッグマスクによる換気、あるいは高度気道確保器具(気管チューブ、コン ビチューブ、LMAなど)を用いた換気は蘇生中の換気法とし て容認される。 上述したように、すべてのヘルスケアプロバイダーはバッグマスクを用いて有 効な酸素化と換気ができるように訓練されるべきである。 バッグマスクを使っての換気が不十分であったり、患者搬送に時間がかかるとい うようなことがあるので、上級ヘルスケアプロバイダーは 高度な気道確保器具の挿入の訓練も受け経験を積んでいな ければならない。

 気管チューブ(訳者註)はかつて、心停止の際の気道管理の最適な方法と考えられて いた。 しかしながら、挿管が未熟なプロバイダーによって行われたり、チューブ位 置の確認が不十分(monitoring of tube placement is inadequate)であったりした場合、(挿管による)合併症の頻度が受け入 れがたいほど高いことが今や明らかになっている。 心停止の際の最適な気道管理の方法は、プロバイダーの経験、EMSもしくはヘ ルスケアシステムの特徴、さらには患者の状態によって異なる。

 成人心停止傷病者の転帰を、気管挿管とバッグマスク換気との間で直接評価し た前向き無作為比較試験はない。 一般救急隊員(emergency medical technician)とパラ メディック(paramedic) によって治療された成人の院外心停止の転帰を比 較した研究では、長期生存率とパラメディックの技術(たとえば気管挿管や 静脈内カニュレーションや薬剤投与など)との間に相関を見出すことは できなかった13-15。 1編のEMSシステムにおける前向き無作為比較試験16では、小児 の短時間の病院外搬送(short out-of-hospital transport intervals) に関して、気管挿管がバッグマスク換気を生存率で上回る(survival advantage)ことは示されなかった。 この研究で、プロバイダーの気管挿管に関する訓練・経験は十分 ではなかった(had limited training and experience in intubation)。

 後ろ向き研究において(LOE 5)気管挿管処置は、617-19〜1420%の誤挿 管、位置異常をもたらしていた。 これらは、挿管を行ったプロバイダーの初期研修、あるいは実地での経験が不 十分であったことを反映しているか、または、患者の移動に伴って正しく挿管されて いた気管チューブの位置異常が起きた可能性が考えられる。 気付かれない誤挿管やチューブ位置異常の危険性を減らすために、プ ロバイダーは呼気二酸化炭素検知器、食道検知器などの 器具を用いて、気管チューブが正しい位置にあることを現場でも、移動中の車内でも、 病院に着いた時にも、さらには患者を移動させたあとではいつも確認すべきである。 これらの器具については以下に述べる。

 コンビチューブ、LMAなどの高度気道確保器具挿入の訓練を受け た救急隊員など(prehospital providers)がそれらを安全に挿入・使用 し(they appear to be able to use these devices safely)、バッグマスクの場合に劣らず有効に換気できる ようである(Class IIa)2,21,22。 しかしながら、高度な気道確保器具は技術的に複雑で、失敗をする可能性がある。 またその技術を維持するためには頻回に経験あるいは実践することが不可欠である23。 高度な気道確保器具が病院前の心停止において生存率を改善させたという報告 がないということを心に留めておくことは重要である。

訳者註:この文書中で「endotracheal tube(ETT)」、 「endotracheal intubation」の訳は「気管挿管(気管内)チュ−ブ」、「気管内挿管」でなく、 それぞれ「気管チュ−ブ」、「気管挿管」で統一した。G2000では「endotracheal tube(ETT)」、「endotracheal intubation」は「tracheal tube(TT)」、「tracheal intubation」 の用語を使うことにすると書いてあったのが、G2005では徹底されてい ないようである。

食道―気管―コンビチューブ

 コンビチューブがフェースマスクと比べて勝っている点は、気管チュー ブと同様に 気道の隔離(isolation of the airway)、誤 嚥の可能性の減少、より信頼性の高い換気ということに関してである。 そして、コンビチューブが気管チューブより勝っている点は、主として訓練の容 易さに関連してである2,24。 コンビチューブによる酸素化と換気は、気管チューブの場 合とほぼ同等(compare favorably with those achieved with the endotracheal tube)である25

 5編の病院前、病院内を含む成人における蘇生の無作為比較試験において、 さまざまなレベルの経験を積んだプロバイダー(providers with all levels of experience) がコンビチューブを挿入する と、気管挿管したときと同じ程度に換気することができた(LOE 2)21,26-29。 これらの報告からして、ヘルスケア熟練者にとって心停止の際の気道管理に気管チュ ーブの代わりにコンビチューブを用いることは受容できることである(Class IIa)。

 コンビチューブの遠位端が食道もしくは気管に入っているのをその反対に入っている と誤認した場合には、致死的な合併症が起こる可能性がある。そのため、チューブの 位置確認が必須となる。その他の、コンビチューブの使用に伴って考えられる合併症 としては、裂傷や 挫傷、皮下気腫などの食道外傷があげられる(LOE 230; LOE 525,31)。

ラリンジアルマスクエアウエイ(LMA)

 LMAはフェースマスクよりも安全で、信頼性の高い換気が行える32,33。 LMAは誤嚥に対して完全な防御はできないものの、バッグマスクを用いたとき に比べて、LMAを用いた場合の方が逆流(嘔吐)が少なく誤嚥がまれ であることが報告されている。 気管チューブと比較しても、同程度に換気ができ33,34、蘇生中 の患者の 71.5〜97%において有効な換気ができたことが報告されている22,25, 35-38

 LMAの挿入、使用のトレーニングは、気管挿管のそれより簡単である。その理 由としては、LMAの挿入には喉頭鏡を使う必要がなく、声帯を直視下に確認す る必要がないためである。 患者への接近が十分にできない場合39,40や、頚髄損傷のおそれ(a possibility of unstable neck injury) がある場合41や、気管挿管のための適切な体位をとることが不可能なときなど、 ラリンジアルマスクは気管チューブより有利となる可能性がある。

 麻酔された患者において気管挿管とラリンジアルマスク(LMA)とを比較した 多数のレベルの高い研究成果(LOE 2)39,42-46や、LMAを他のエアウエイや 人工呼吸技術と比較した追加的な多数の研究結果(LOE 2)2,47-52からは、い ろいろな状況での気道管理において、看護師、呼吸管理師(respiratory therapists)や 救急隊員(彼らの多くはこの器具をこれまで使ったことがないが)などがLMAを使用すること が可能であることを示している。

 LMAの挿入に成功しても一部の人では換気ができないことがある2,25,33。 ヘルスケアプロバイダーはこのことを念頭に置いて、ラリンジアルマスクに代 わる気道管理の方法をわきまえておくことが重要である。 LMAを挿入する可能性のある人は十分な初期訓練を受け、通常勤務として(regularly、訳者註)器具の挿入を実践(practice)してゆくべきである。 また、LMAの挿入の成功率と合併症の発生率はしっかりと記録されるべきである。 ヘルスケア熟練者(healthcare professionals)が心停止時の気道管理のた めに、気管チューブの代わりにLMAを使用することは、容認できる(Class IIa)。

訳者註:「Providers・・should practice insertion of the device regularly.」 の訳に関し、翻訳グループの中で意見が分かれた。
  • A案:通常勤務として(正式に)(regularly)実践すべきである。
  • B案:定期的に(regularly)実践すべきである。
 前者は訓練の時期が過ぎた後は通常業務の中で実践を積む必要があるという趣旨と考えた。一方、 後者は気管挿管をするプロバイダーがある頻度以上の気管挿管の実践を(この仕事を続ける限り)重ねる必要があるという趣旨と考えた。利用者の皆様はどちらが適訳と考えられるだろうか。

気管挿管

 気管チューブは気道を確実に保ち(keep the airway patent)、これによって気管内 分泌物の吸引や高濃度酸素投与が可能になる。さらに、いくつかの薬剤の投与ル ートとして使用すること、決められた一回換気量を送ること、カフ付のチューブを用い て誤嚥を防止することなどが可能となる53

 訓練が不十分なプロバイダーが気管挿管を試みることは、口咽頭 の外傷、容認しえないほど長い胸骨圧迫・換気の中断、その試みに時 間がかかることまたは気管チュ−ブの誤挿管・位置異常を誤認識するこ とで引き起こされる低酸素症など、さまざまな合併症を引き起こしうる。 気管挿管をするプロバイダーには、十分な初期研修、そして頻 回の経験か再訓練が必要である(Class I)。 病院外で挿管をするEMSシステムは、合併症を減らすために蘇生の質の改善を 続けて行く手順を確立しなければならない。

 緊急気管挿管の適応は、(1)救助者が、意識のない患者 にバッグバルブマスクで十分に換気できないとき、(2)気道の防御反射 が存在しない場合(深昏睡、心停止)である。 救助者は気管挿管の適正な訓練を受け十分な実施経験がなければならない(must have appropriate training and experience)。

 救助者は心肺蘇生(CPR)中に胸骨圧迫の頻度と時間を最小限とするこ と、そしてこの際、高度気道確保器具の挿入時などを除いてCPRの中断時間を 10秒以内にとどめること(with a goal to limit to no more than 10 seconds)が奨められる。 圧迫担当の救助者(the compressing rescuer)が胸骨圧迫を一時中断したらすぐに挿管できるよう に準備をしておけば(喉頭鏡をかけ、挿管チューブを手にもった状態で待機するなど)、 気管挿管に必要な胸骨圧迫の中断時間を最小限に出来る。 胸骨圧迫の中断は挿管する救助者が声帯を確 認してチューブを挿入する間だけにとどめるべきである。 圧迫担当者はチューブが声帯を通過した直後に胸骨圧迫を再開できるよう、 準備するべきである。 複数回の挿管の試みが必要な場合には、その間に、十分な換気と酸素化そ して胸骨圧迫を行わなければならない。

 循環のある患者に気管挿管する場合には、パルスオキシメータ と心電図をモニターしながら挿管操作をし、必要によっては処置を中断 して酸素化と換気をはかる。

 気管チューブの声門通過が視認され、陽圧換気中の胸の膨ら みと聴診でチュ−ブの位置が確認できたとしても、さらに呼気終末二 酸化炭素検出器または食道挿管検知器によるチューブの位置確認をする べきである(Class IIa)54。 患者移動時には特に55、チュ−ブの気管からの逸脱 (tube misplacement)、位置異常(displacement)、閉塞16,20 などの危険性がある。 臨床徴候56、チューブ内の曇り57を含めて、 単独で完全に信頼できる確認方法はない。 気管チューブ挿入位置の確認方法についてはこの後に述べる。 プロバイダーは、挿管直後や患者を移動したとき、臨床的評価 によりまた確認器具を用いて気管チューブの位置を確認しなければなら ない。

 気管チューブの位置確認のための臨床的評価

 プロバイダーは挿管直後に、気管チューブの位置を十分に評 価(perform a thorough assessment)しなければならない。 この評価中に胸骨圧迫の中断を求めるべ きではない(should not require interruption)。 理学的所見による評価には、両胸が拡がるのを見ること、心 窩部(呼吸音は聞こえないはず) および両肺野での(呼吸音が両側 同じにかつ十分に聞こえるはず)の聴診がある。 気管内にチューブが正しく位置していることを確認するために、器具を用いた 確認も行う。 もしチューブの位置に疑いがあるときには、喉頭鏡を用いてチューブが 声帯を通過していることを確認する (visualize the tube passing through the vocal cords)。 それでも疑わしいときには、チュ−ブを 抜去し再挿管が出来るまでバッグバルブマスクで換 気を行う。

 器具を用いた挿管チューブの位置確認  プロバイダーは挿管直後と患 者を移動させた時に必ず、臨床的評価と器具を用いた方法により気管チュ−ブ の位置確認をしなければならない。 しかしながら、気管チューブが気管に入っているか食道に入 っているかについて、いずれかの器具が感度と特異度ともに優れてい るということを示す研究はない(No study has identified a single device as both sensitive and specific・・)。 すべての確認器具は互いを補う関係にあると考えるべきである。最初に挿管した後、 チューブの位置を監視(monitor)する器具の能力を定量化した報告はない。

呼気CO2検知器  呼気CO2の検知はおのおの独立した気管チューブの位置確認方法の1つであ る。呼気CO2検知器は単純なので(given the simplicity of the exhaled CO2 detector)、心停止の 患者においても、気管チュ−ブが正しく挿入されていることを確認するための方法として最 初に用いることができる(Class IIa)。 しかしながら、特に心停止の場合、呼気CO2の検知 は気管チューブの位置確認方法として絶対的なものとはいえない。 成人における 1つのメタ解析(LOE 1)、1つの前向きコホート研究(LOE 3)、 いくつかの症例集積研究や症例報告(LOE 5)から、 呼気CO2検知器(波形 表示、色調表示、デジタル表示)は、心停止の際に気管チューブの位置を確認するための器具 として有効である可能性が示唆されている。 レビューされた論文から得られた結果 は以下のとおりである。

  • 感度(気管チューブが正しい位置にある時に CO2が検知される確率) 33〜100%
  • 特異度(誤って食道挿管されたときに CO2が検知されない割合) 97〜100%
  • 陽性反応的中度(真陽性)(CO2を感知したときに気管チューブが気管内にある確率) 100%
  • 陰性反応的中度(真陰性)(CO2が感知されないときに食道挿管している確率) 20〜100%

訳者註:predictive valueは以下の様に「反応的中度」と訳している所が多い。 http://www.med.nihon-u.ac.jp/department/public_health/ebm/ce204.html

 心停止の際に呼気の CO2が検知された(CO2が陽性)とき には気管チュ−ブは通常、気管に位置している。 動物実験において、心停止前に多量の炭酸飲料 を飲んでいた場合の偽陽性(CO2が陽性だがチューブは食道に位置している) が報告されている。

 心停止中の偽陰性(ここではチューブが気管内に位置しているのに CO2 を検知できないことと定義)にはいくつかの原因がある。 最も一般的な理由は心肺蘇生中には肺血流が少なく CO2が肺に運ばれないことである。 偽陰性は肺塞栓の場合にも報告されている。これは肺へ の血流そしてCO2の運搬が減るためである。 もしも検知器が胃内容物、酸性の薬(例えば、気管内投与し たアドレナリン)に汚染されると、 比色計では色 が呼吸毎に変わるのではなく一定の色のまま変化しなく なる可能性がある。 さらに、アドレナリンの静注直後70や重篤な気道閉塞(例えば喘息重積時や肺水腫 65,71-73)のときには、CO2の排出と検知は劇的に 減少する。 これらの理由から、CO2を検出しなかった場合、食道検知器 あるいは直接声帯を見るなどの異なった方法を行うこ とが推奨される。

 他の高度な気道確保器具(コンビチューブやLMA)の位置確認に CO2検出器を 使うことについては、十分な研究がない(Class 未確定)。

食道挿管検知器(Esophageal Detector Devices, EDD)  EDDは押しつぶした後、気管チュ ーブにけられるバルブから出来ている。 もし挿管チューブが食道にある場合(EDD陽性)、EDDによ って吸引されて食道が虚脱するか食道壁が挿管チューブに 着くために EDDが再膨張しない。 EDDには注射器様のものを挿管チューブにつけるものもある。救助者は内 筒(barrel)を引くことにより検査を行なう。 もし挿管チューブが食道にある場合は、注射器の内筒が引 けない(空気を引くことが出来ない)。

 EDD(自己膨張バルブ、シリンジタイプ)の精度を評価した論文が 8編ある (LOE 318,66,74, LOE 575, LOE 7、非心停止76-79)。 しかし対象数が少ない、コントロールがないなどの欠点がある。

 5つの論文において EDDは気管チューブが食道 に挿管された際の感度が非常に高いとされている(LOE 575、LOE 776-79)。 しかしながら、心停止を含む 2つの研究(LOE 3)66,74では、EDD は気管チューブが気管内に位置しているのを示す特異度が低かった。 これらの研究によれば、正しく挿管されていたチューブの 30%近くが EDDにより食道挿管であると認識されたために抜去されている(LOE 3)67。 手術室における研究においては、1歳未満の小児20名で感度も特異度も低かった(LOE 2)88。 これらの研究を踏まえ、EDD は気管チューブの位置を確認する方法の 1つに過ぎない(just one of several independent methods)ということを心に留めておく必要がある。

 EDDは病的肥満、妊娠後期、喘息重積状態、そしておびただし い気管内分泌物があるときには、気管が虚脱する傾向にあるために結果を誤らせる可能性がある。 気管チューブの位置を持続的にモニターする検査として、EDDが正確で あると言う証拠はない。

 挿管後の治療

 高度な気道確保器具を挿入し位置を確認した後には、救助者はチュ ーブの深さを門歯のところで記録(marked at the front teeth)し確実 に固定しなければならない。 頭の伸展、屈曲によって気管チューブの位置が大きく動く83-85恐れ があるので、われわれは移動中特に一つのところから他のところへ動いたときには、 持続的に(ongoing)チュ−ブ位置をモニタ−することを推奨する86,87。 プロバイダーは高度気道管理器具を挿入した場合必ず、その れが正しい位置にあることを挿入直後と患者移動時にその都度、確認 するべきである。

 気管チューブはテープか市販の固定器具でしっかりとしっかりと固定する(Class 1)。 ICUでの 2つの研究(LOE 788,89)において、バック ボードや市販の固定器具を用いたチューブの固定やその他の方法は事 故抜管を防ぐ方法として、従来のテープで固定する方法と同等である (provide an equivalent method for preventing accidental tube displacement)と報告されている。 患者の移動時にはこれらの器具の使用を考えるべき であろう(Class IIb)。 チューブの位置確認と固定の後で、チューブの 先端が気管分岐部より上にあることを(可能であれば)胸部レントゲン写真で確認する。

 心肺蘇生をする救助者にとって、高度な気道確保器具を挿入し た後の最も重要な注意点(caveat)は以下の 3点である。

  1. まず、高度気道確保器具が正確な位置にあることを確認する。

  2. 2人の救助者がいる場合は、蘇生のサイクル("cycles" of CPR) (換気のために胸骨圧迫を止める)は行わない。 胸骨圧迫をしている人は、換気のために休むこと なく、1分間に100回の速さで圧迫を継続する。 換気担当者は 1分間に8〜10回の換気をする。 胸骨圧迫と換気の係は約 2分ごと に交代する。これにより心マッサージ担当者が疲れたり、 胸骨圧迫の質が劣化し回数が減らないようにするためで ある。 大勢の人がいる場合は、胸骨圧迫の係を 2分 ごとに交代(rotate)する。

  3. 救助者は、心肺蘇生中には静脈潅流と心拍出量を低下させるので 過換気を避けなければならない。


■吸引器具

 緊急蘇生の際には、ポータブルでも据え置き型でも、 吸引器が使用できなければならない。ポータ ブルタイプは咽頭内の吸引が出来るように、十分な陰圧と流量を備えていなければ ならない。 吸引器具は、大口径の折れ曲がりにくい吸引チューブや、 半硬性の咽頭用先端(semirigid pharyngeal tips) に接続できなければならない。 破損しないビン、チューブやカテーテルを洗浄するための 滅菌水と共に、色々なサ イズの滅菌された吸引チューブが高度な気道確保器具 の内腔の吸引のために用意されていなければならない。 据え置き型の吸引器は、チューブをクランプした場合に はチューブ先端で 40L/min以上の流量と 300mmHg以上の 陰圧を作れる十分なもの(powerful enough)でなくてはならない。 また小児や挿管された患者に使用するために、吸引力を調整 できなければならない。


■移動用人工呼吸器

 「第6部 心肺蘇生法の技術と器具」を参照のこと。


■まとめ

 すべてのBLS、ACLSプロバイダー(粗訳「HCP」)は、 心肺蘇生の最中や呼吸循環不全を示す患者に対して、バッグバルブマスクで 換気ができなければならない。 高度な気道確保器具を用いた気道の管理はACLSの基礎的な技術(a fundamental ACLS skill) である。 すべてのプロバイダーは気管チュー ブや他の高度な気道確保器具が正しい位置にあるか、しっ かりと確認(confirm correct placement)できなければならない。 安全かつ効果的にこれらの器具を用いるには、この鍵となる 技術(this key skill、訳者註:高度気道確保器具の位置確認のこと) が必要である。 そして、どの器具を用いるかという選択の問題よりも、訓練や使用回 数、成功と合併症に関して記録すること(monitoring)の方が、各器 具の長期的な使用成績(the long-term impact)に影響を及ぼすのである。


参考文献

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