提案:
有珠山噴火による被災者救援物資の受けいれについて
平成12年4月1日 救急医療メーリングリスト(eml)・有志
参考:「被災地への救援物資等の提供をお考えの方へ」
(東京メトロネット災害情報HP)
【提案:有珠山噴火による被災者救援物資の受けいれについて】
北海道自治体組織関係者 各位殿
広域災害・救急医療システム メーリングリスト(wds)受信者 各位殿
このたびの有珠山噴火におきましては関係者の皆様に御尽力をいただい
ておりますことを、深謝申し上げます。
さて3月31日、郵政省が有珠山噴火による被災地に対する救援用の物品
の郵便料金を免除(伊達市災害対策本部宛のみ)することを決定したとの
報道がありました。北海道南西沖地震(奥尻島)や阪神・淡路大震災の際、
無秩序に送られた救援物資によって様々な問題が生じたことは災害関係者
のなかでは周知の事実であります(交通渋滞への影響、開梱・整理・分類
に要する過大な労力や不要な物資の処理といった非効率的な支援活動につ
ながるため)。支援の大原則は、被災地の迷惑とならないことです。大局
的にみれば、善意が仇となる場合もあることを考慮する必要があると考え
ます。
私共は、救援物資送付を勧奨する行為は
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被災地において本当に必要とされる物資の種類と数量を確認
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被災地での受け入れ体制確立
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被災地への輸送ルート確立
といった条件が満たされるまで、厳に慎まれるべきと考えます。そして、
以上の条件が満たされてない現在、北海道自治体組織関係者の皆様から、
郵政省に対し、救援小包の無料配送を凍結するようお願いされるのが得策
であると進言致します。
また、報道関係に対しましては、以下のようなお願いをされてみては如
何でしょうか
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救援物資送付に関して、一般人が「何でも送ればいい」という意識を
助長するような美談的報道を控えること
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現時点では、救援物資を送っていただく場合、個人で現地に直接送っていただくのではなく、有珠山噴火福祉救援ボランティア活動対策本部(道社協、道日赤、各種ネット団体など参加)011−271-1944 に、
連絡の上、必要物資を確認して行う方法もあること。
その一方で関係者各位におかれましては、被災地で救援物資を混乱なく
受け取れるように、上記3項目を早急に整えていただきたいと思います。
そのためにはボランティアとの連携を積極的に推進されることが、よい解
決策ではないかと考える次第です。
以上、皆様の御活動に少しでも役立つことができましたらと考え、提案させていただきました。
平成12年4月1日
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救急医療メーリングリスト(eml)・有志
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漢那朝雄(九州大学大学院医学系研究科災害救急医学)
越智元郎(愛媛大学医学部救急医学)
戸田年総(財団法人東京都老人総合研究所)
中川和之(時事通信社・神戸総局)
大友康裕(国立病院東京災害医療センター)
井上徹英、田中盛重、玉木基之、小林 勉
*皆様からの御意見を漢那(kanna@dem.med.kyushu-u.ac.jp)または越智(gochi@m.ehime-u.ac.jp)までお送り下さい。
■救急・災害医療ホームページ/ □救急医療メモ