広域災害・救急医療情報システム運用法の再考

愛媛大学医学部救急医学 越智元郎、白川洋一

(第5回日本集団災害医学会、2000年2月)


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★日本集団災害医学会ホームページ


口演原稿

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 「広域災害・救急医療情報システム運用法」について提案する。

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 最初に災害対応のための情報システムの問題点について述べる。本システムは平成8年度から5年計画で全都道府県への整備を目指している。しかしシステム導入県は今年度末で29に過ぎず、現状では大災害時に未導入県からの情報発信は期待できない。

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 未導入県の対策として、
 イ. 未導入県の主要機関がインターネットを介して本システムの非公開ページにアクセスする権限を持ち、他の施設などの情報も含めて入力する。
 ロ.未導入県からの情報を、被災地外の担当者が受け取り、システムへ代行入力をする。
の2つを上げたい。

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 次に、情報入力の重要性と災害通信訓練について強調したい。まず、 災害時に情報入力ための人手を割くべきことの重要性を十分に浸透させる。また「災害モード」に切り替える手順や入力方法、閲覧方法などについて災害通信訓練を通じて関係者の理解を深める必要がある。

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 公開ホームページには、大災害時に市民やNGO、報道機関などにどのような災害情報が提供されるかを、明瞭に示しておく。また災害医療関係者の自己啓発のための情報を豊富に収載する。また、メーリングリストを非災害時から関係者の情報交換や相互啓発、人的交流などに活用する。

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 第2に、救急医療情報システムについて述べる。
 日常の救急医療を扱う救急医療情報システムは多くの地域で 200以上の端末を動かし、閉鎖型ネットワークを形成している。しかしこれらが有用な情報ネットワークとして機能している地域は少ないと言われる。

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 その対策としては、
1) 広域災害救急医療情報システムの導入を通じて、救急関連機関へのインターネット基盤の整備をはかる。
2) 医療機関の空床情報、診療可否情報の入力を市民に対する義務としてとらえる。

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3) ホームページを通じて市民へ救急医療情報を提供する、
4) 消防本部、救急医療機関、救急医療対策協議会などの情報公開の場とする、
5) 地域の救急対応能力を監視するためのデータを得る、
などが上げられる。

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 「まとめ」のスライドです。以上です。

(発表を終えるにあたり、資料をご提供いただきました厚生省健康政策局ならびに(株)NTTデータ各位に深謝申し上げます)