瀬戸僚馬

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Ryoma SETO, R.N., Ph.D.

東京医療保健大学 医療保健学部 医療情報学科 教授

日本医療マネジメント学会
日本医療マネジメント学会第18回東京支部学術集会長

医療情報学科・瀬戸ゼミのホームページはこちら

 医療の全体最適化を実現する観点から、病院情報システムの構築とデータ・二次利用、「医師、医療関係職種、事務職員等の役割分担推進」、「市民への医療情報提供」などのテーマに取り組んでおります。このホームページでは、おもに外部資金による研究の概要と成果をご紹介しています。
文部科学省/日本学術振興会 科学研究費補助金
平成28-30年度 基盤研究(C)
「地域包括ケア病棟の看護・介護を可視化するクリニカル・ダッシュボードの開発と適用」

現在、成果公表の準備中です。

【終了】平成24-26年度 若手研究(B)
「患者・市民の情報需要と多施設比較可能性に対応した病棟ケアの質評価指標の構築」

 平成23年度までの研究事業を通じ、わが国の病棟業務支援システムからどのような「病棟ケアの質指標」を得られるのかは明らかになりました。その過程で明らかになったことは、病棟ケアに関する情報は、各病院で用いられている用語や、更には処方・処置などのオーダエントリシステムの運用によっても大きく影響され、施設ごとの特異性がきわめて高いという特徴です。
 そこで、本研究事業では、現在わが国で利用可能な質指標を、どのように多施設比較が可能な指標に転換できるかを、海外事例の検討、および国内の病棟業務支援システムのデータ分析を通じて模索していきます。同時に、病棟ケアの質に関する、わが国の患者・市民の情報需要も可視化していきます。もちろん、従来からの医療現場に入力負荷をかけないデータ生成・抽出・分析という方針は貫きます。本研究の目標は、患者・市民の情報需要に合致し、かつ信頼性の高い、「病棟ケアの質指標に関するミニマムデータセット」を構築することにあります。
●研究成果の一部が、平成25年電気学会優秀論文表彰A賞(題名:合理的多職種協働による看護支援 )を受賞しました。
●本研究による成果の一部を、公表しております。
Seto R, Inoue T, Tsumura H. Clinical documentation improvement for outpatients by implementing electronic medical records. Stud Health Technol Inform. 2014;201:102-7.

【終了】平成22-23年度 若手研究(B)
「テキストマイニングによる病棟ケアの質評価に関する研究」

 病棟業務支援システムは、きわめて粒度の細かい情報が蓄積されるシステムです。しかし、そのデータはまだまだ十分に活用されていないのが現状といえます。二次利用には、様々な課題があります。そもそもデータ構造がベンダや病院によって千差万別であること、二次利用のアウトプットイメージが揉まれていないこと、その中でケアの質を議論するための二次利用には、かなり限界があります。他方、一次利用が存在しないデータをもっぱら分析のために蓄積しようという方法は、業務負荷やデータの信頼性の観点から、更に大きな課題を抱え持つことになりかねません。
 今の時点では、中長期的な課題には取り組みつつも、日常業務の中で既存の病棟業務支援システムに蓄積されてきたデータを最大限に活用する方法を短期間で編み出し、活用することを提案しました。

行政委託研究等
 都道府県等の行政機関が行う事業に協力して、調査や分析などを支援しています。過去に行ったテーマとしては、市民への医療情報教育や、医師の間接的業務負荷の実態調査などがあります。これらの報告書には公開対象とならないものもありますが、病院等でも活用できる成果物の一部を公開しています。
●ふくしま医師事務作業補助者ステップアップガイド(2016年3月31日)
民間助成研究
終了】平成27年度公益財団法人三井住友海上福祉財団助成
「骨折患者の早期社会復帰を実現する看護・介護ケアパスの開発」

研究成果の概要は、こちらをご参照下さい。
【終了】平成26年度公益財団法人医療科学研究所助成
「大都市圏周辺地域における地域包括ケア病棟の機能特性〜Basic-Nonbasic分析の応用〜 」

研究成果の概要は、『医療と社会』26巻2号(2016)をご参照下さい。
【終了】平成21年度財団法人政策医療振興財団助成
「医師事務作業補助体制の推進を目的とした病院情報システムの標準的運用マニュアル構築」

 医師事務作業補助者の業務には医療文書の作成や代行入力などがありますが、これらは何れも病院情報システムを使うことを前提とした業務です。しかし、従来は医師の事務的な作業の補助を薬剤師や看護師が担っていた経緯もあり、このような業務が必ずしも円滑に医師事務作業補助者に移行されていないのが現状です。本班では、このような現状を克服するために、医師事務作業補助者の業務(著作権登録第34419号の1)を整理し、その中でどのように病院情報システムを活用していくことが望ましいか提言を行いました。
 この提言のベースとなる業務の実態調査は、わが国において初めて行われたものです。その結果は、下記で公開されています。
○瀬戸僚馬,蓮岡英明,三谷嘉章,山下小百合,若林進,渡辺明良,石神久美子,武藤正樹,開原成允.医師事務作業補助者の業務と電子カルテ等への代行入力の現状,医療情報学2009;29(6):265-272
【終了】平成21-23年度財団法人新医療施設開発振興財団助成
「医師と医療関係職種との役割分担を推進するためのオーダリングシステムの
 アーキテクチャ再構築に関する研究」
医師と医療医療職種の役割分担を進めるためには、医師から移譲される情報が円滑に医療関係職種に伝達され、共有される仕組みが必要です。しかし、このような情報の生成自体に手間をかけてしまうと、かえって医師の業務量が増えてしまい、全体最適にはつながりません。本班ではこのような問題意識に立って、医師事務作業補助者等によるオーダ情報の生成と、これを受け取る薬剤師や看護師等の業務フローを見直すための研究活動を行いました。
 オーダ情報を受け取る薬剤師や看護師には、複数の職種が同時に業務を遂行していくための情報基盤が必要です。諸外国ではこのような個々の業務や、医療従事者の「ステイタス」を管理するためのツールが多数開発されています。本研究では、このようなツールのわが国への適用可能性についても議論をまとめ、そのためのアウトラインの提言を行いました。
○医師事務作業補助者による処方・注射オーダの代行範囲に関するアウトライン
○医師事務作業補助者業務日誌(例)
※この日誌例は、平成21年度の助成研究の成果物ですので、現在の「医師事務作業補助体制加算1」を反映しておりません。同加算を算定する場合、病棟・外来等の業務場所を織り込むことをお勧めします。