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瀬戸僚馬

瀬戸 僚馬
Ryoma SETO, R.N., Ph.D.

東京医療保健大学 医療保健学部 医療情報学科 教授

限られた医療資源を有効活用するため、全体最適に向けた病院情報システムの構築とデータの二次利用を推進しています。特に役割分担の見 直しを重視しており、「人と機器・システム」や「人と人」のよりよい関係づくりを模索しています。

学会
行政

厚生労働省 - 居宅介護支援費に係るシステム評価検討会 構成員

最近の活動

2024年夏に「看護DX実践ガイド」を刊行しました。
同分野の書籍は本邦初です。ぜひご笑覧ください。

看護DX実践ガイド
令和3-5年度 基盤研究(C) 「地域包括ケア病棟の看護・介護を支援するPoint of Careデータ基盤の開発」
【終了】平成30-令和3年度 基盤研究(C) 「看護・介護ケアの質保証を目的とした地域包括ケア病棟における位置検知技術の応用研究」
【終了】平成28-30年度 基盤研究(C) 「地域包括ケア病棟の看護・介護を可視化するクリニカル・ダッシュボードの開発と適用」

「地域包括ケア病棟の看護・介護を可視化するクリニカル・ダッシュボードの開発と適用」は、2016年から2020年にかけて行われた研究で、クリニカル・ダッシュボードのプロトタイプを開発し、看護・介護の質を可視化する手法を検討しました。この研究では、IoTデバイスを用いてバイタルサインデータを収集し、重要業績評価指標(KPI)を表示することが提案されました。研究の成果は、効率的かつ質の高いケアの実装に寄与することを示唆しており、地域包括ケア病棟に特化した質指標の開発にも貢献しています。

その後継となる「看護・介護ケアの質保証を目的とした地域包括ケア病棟における位置検知技術の応用研究」は、2019年から2023年にかけて実施され、位置検知技術を活用して看護・介護職の動線データを収集し、それを基に看護・介護ニーズの予測と質向上を目指したものです。この研究では、モノ認証を用いた看護・介護行為の検出手法が開発され、特に体位変換マットレスの技術が実用新案として登録される成果を上げました。研究の意義としては、医療現場における位置検知技術の実用化を促進する基盤を築くことが挙げられます。

●研究成果の一部が、実用新案登録されました。

耐圧分散クッション,耐圧分散クッションの使用方向測定装置 実用新案登録 第3225058号

●本研究による成果の一部を公表しております。

Seto R, Ishikawa M, Okudaira H, Ishida K, Inoue T, Wakabayashi S, Liu D. Trial of Converting Nursing Records into Simplified and Structured Information Utilizing ChatGPT-3.5, Stud Health Technol Inform 2024;315:236-240

Seto R, Hosaka R, Ishida K et al. Perceptions About Nursing Practice Based on the Internet of Things: A Survey of Nursing Managers, Stud Health Technol Inform .2021;284:215-219

【終了】平成24-26年度 若手研究(B)「患者・市民の情報需要と多施設比較可能性に対応した病棟ケアの質評価指標の構築」

平成23年度までの研究事業を通じ、わが国の病棟業務支援システムからどのような「病棟ケアの質指標」を得られるのかは明らかになりました。その過程で明らかになったことは、病棟ケアに関する情報は、各病院で用いられている用語や、更には処方・処置などのオーダエントリシステムの運用によっても大きく影響され、施設ごとの特異性がきわめて高いという特徴です。

そこで、本研究事業では、現在わが国で利用可能な質指標を、どのように多施設比較が可能な指標に転換できるかを、海外事例の検討、および国内の病棟業務支援システムのデータ分析を通じて模索していきます。同時に、病棟ケアの質に関する、わが国の患者・市民の情報需要も可視化していきます。もちろん、従来からの医療現場に入力負荷をかけないデータ生成・抽出・分析という方針は貫きます。本研究の目標は、患者・市民の情報需要に合致し、かつ信頼性の高い、「病棟ケアの質指標に関するミニマムデータセット」を構築することにあります。

●研究成果の一部が、平成25年電気学会優秀論文表彰A賞(題名:合理的多職種協働による看護支援)を受賞しました。

●本研究による成果の一部を公表しております。

Seto R, Inoue T, Tsumura H. Clinical documentation improvement for outpatients by implementing electronic medical records. Stud Health Technol Inform. 2014;201:102-7.

【終了】平成22-23年度 若手研究(B) 「テキストマイニングによる病棟ケアの質評価に関する研究」

病棟業務支援システムは、きわめて粒度の細かい情報が蓄積されるシステムです。しかし、そのデータはまだまだ十分に活用されていないのが現状といえます。二次利用には、様々な課題があります。そもそもデータ構造がベンダや病院によって千差万別であること、二次利用のアウトプットイメージが揉まれていないこと、その中でケアの質を議論するための二次利用には、かなり限界があります。他方、一次利用が存在しないデータをもっぱら分析のために蓄積しようという方法は、業務負荷やデータの信頼性の観点から、更に大きな課題を抱え持つことになりかねません。

今の時点では、中長期的な課題には取り組みつつも、日常業務の中で既存の病棟業務支援システムに蓄積されてきたデータを最大限に活用する方法を短期間で編み出し、活用することを提案しました。

行政委託研究等

都道府県等の行政機関が行う事業に協力し、調査や分析を支援しています。市民への医療情報教育や、医師の間接的業務負荷の実態調査など のテーマがあります。成果物の一部は病院等で活用可能です。

民間助成研究

平成27年度 公益財団法人三井住友海上福祉財団助成: 骨折患者の早期社会復帰を実現する看護・介護ケアパスの開発。研究成果の概要は、こちらをご参照下さい。

平成26年度 公益財団法人医療科学研究所助成: 大都市圏周辺地域における地域包括ケア病棟の機能特性。詳細は『医療と社会』26巻2号(2016)をご参照下さい。

平成21年度 財団法人政策医療振興財団助成: 医師事務作業補助体制の推進を目的とした病院情報システムの標準的運用マニュアル構築。研究成果の概要は、下記論文をご参照下さい。