例えば、警察は事故災害現場の統制や法と秩序の維持などにかかわるだろうし、消防局では救助と火災、化学汚染および放射性汚染のような危険の隔離にかかわり、救急隊や医療班は現場とそれに引き続いて受け入れ病院との両方で、生命の救助と保全にかかわる。その際に関係するそれぞれの機関が同一の目的や対象を持つことが必須のことである。指針の鍵となる点は、災害時のマネージメントに対する合同の対応が存在するということである(Box 2.1参照)。
上記のように、事故災害では多くの機関が巻き込まれるわけですが、適切な対応を行うために各機関ごとに指針となるマニュアルが存在します(表2.2)。では保健医療サービス指針の内容はどんなものだろうか。Box 2.2のように9つの章に分けられている。
例えば、一般原理では緊急計画において、ある一つのプログラムがあらゆる危機に対応できることが理想であることなどが述べられ、また各機関との連携や、器材の使用方法に慣れておく必要性が記されている。救急隊運営手順についてはBox 2.3を参照のこと。
指針のポイントとしては、各機関が合同の対応目的をもち、あらゆる災害に対応する危機計画を用意し、又それに習熟するため、演習を定期的に行うことであると考えられます。
Box 2.1 合同の対応の目的
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Box 2.2 保健医療サービス指針――内容
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Box 2.3 救急隊サービス部門の仕事
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作 業 | 機 関 |
---|---|
負傷していない生存者のケア | 警察、社会奉仕団 |
負傷者のケア | 警察、消防局、救急隊と医療班 |
死者の処理 | 警察、医療班、検死官 |
災害局の運営 | 警察 |
友人や親族の取り扱い | 警察、医療班、社会奉仕団、地方行政機関 |
避難と避難所の設営 | 警察、地方行政機関 |
社会的心理学的支援 | 社会奉仕団 |
宗教上、修養上の要請 | 教会のアドバイザー |
サービス部門 | 指 針 | 発効年度 |
---|---|---|
警察 | 緊急手配マニュアル | 1991 |
消防署 | 大事故災害緊急手配マニュアル | 1991 |
救急隊 | 救急搬送運営要項:市民救急 | 1990 |
英国保険局 | 英国保険局の緊急計画: 放射能を含む事故を取り扱うための保健要項 | 1989 |
英国保険局の緊急計画: 大事故災害を取り扱うための保健要項 | 1990 | |
大事故災害の死亡:病理医の役割―HC90(38) | 1990 | |
地方行政局 | 地方行政機関への緊急計画指針 |
Crush Syndromeは筋挫滅を伴う外傷後に急性腎不全を呈するものである。
2)DIC が組織内に出血した血液の崩壊(溶血)を契機として起こり、次の機序により腎不全が発症する。
赤血球の崩壊産物 →
これらが組合わさり血管内凝固が発生し、ヘモグロビンと同様に腎毒性物質として作用する。また代謝性アシド-シスによるミオグロビン円柱の増加やミオグロビンが尿細管閉塞に作用することで、直接腎不全に関連する。
1)腎不全への進展予防
2)ショックに対する治療
3)DIC に対する治療
4)尿毒症に対する治療
・発生地域:南海トラフ(フィリピン海プレートが沈み込む地域)
日本海溝(太平洋プレートが沈み込む地域)
日本海東縁
・発生機序:海底で岩盤が跳ね上がる現象による
・特徴:最も巨大な地震を引き起こす
※南海トラフ(中央構造線の南側の日本外帯の南方沖)
2)陸のプレート内に起こる浅い大地震(プレート内地震)
・特徴:内陸の活断層に発生する大地震である
※西日本内帯(近畿地方北部とその両端に位置する北陸及び山陰地方)
3)沈み込んだプレート内に起こる深い大地震(プレート内地震)
大規模地震の長期的予知方法の基本は、それぞれの活断層が1000年に1回程度の頻度で起こす固有大地震のサイクルの今どの辺りにあるかを知ることである。また、地下構造の調査をきめ細かく行い、地殻変動を予想し、日本列島のシミュレーションを行う方法の開発が、予知精度を高めるために必要である。
このような先行現象があることから、短期的予知が可能であることが示唆される。よって、短期的予知方法の開発には、このような先行現象の発生機序を解明する基礎研究が必要である。