◆夏の事故:12 危機想定し生活を
97.07.30夕刊 3頁
事故は事前に防ぎたい。
兵庫医大救急部の丸川征四郎教授は、家庭での危機管理が重要だという。
例えば、漂白剤や園芸用農薬など、子供が手にすると危険な物は、子供にも分かる
ように、赤や黄の色ラベルを張って、手の届きにくい所に保管する。
事故や急病の時、どんな行動をとるか、話し合っておくことも大切だ。自宅の近くにどんな病院が
あるのか。その電話番号と道筋を一覧表にして、家族全員が分かる場所に張る。家族の連絡方法を決
めて、子供にも十分に教える。「両親の外出中におば
あちゃんが突然倒れたら、どこに連絡するのか、救急車をどう呼ぶのか、など夏休み
を利用して子供と1緒に訓練するのもいいでしょう」
危機には、特別に何かをするのではなく、危機に対応できる日常生活を送ることが
大切だ、と丸川教授は強調する。「だれかが助けてくれる、だれかが危険を防いでく
れるのではありません。阪神大震災の時に学んだはずなのですが」
「夏の事故」はこれで終わり。次回からは「O(オー)157」。
(中村通子)