着衣水泳について教えて


目 次

  1. 質問:着衣水泳について教えて
  2. コメント
  3. 新聞記事より
  4. 着衣水泳について(ホームページ発信中)
  5. コメント
  6. 新聞記事へのコメント
  7. コメント
  8. 質問者より
  9. 追加情報:テキストとビデオがあります
  10. 長岡市の小学校で着衣水泳の訓練を実施(980723)


1.質問:着衣水泳について教えて

Date: Thu, 17 Jul 1997 18:41:14 +0900 Subject: [fdp:00683] 着衣水泳について 始めまして。○○消防組合所属のKといいます。 消防署に勤務して早8年、昨年あたりから救急講習会を任されるよ うになり日夜勉強に励んでおります。 管内の小学校を主に担当していますが、この地域は夏休みの間、 PTAの方々が交代で水泳場の監視をしておられて、水泳場の監視要 領や、救助法をメインに教えています。その関係で、最近着衣水泳 に関する質問が増えてきました。服を着たまま川や海に落ちた場合 の水泳方法や、服を脱ぐべきかそのままの方がよいのか、詳しい資 料がなく困っています。 皆さんの本部の着衣水泳についての指導方針や資料がございました ら教えていただければ嬉しいです。


2.コメント

Date: Thu, 17 Jul 1997 23:10:00 +0900 Subject: [fdp:00685] RE: 着衣水泳について  Kさん、皆さんマイド! >管内の小学校を主に担当していますが、この地域は夏休みの間、 >PTAの方々が交代で水泳場の監視をしておられて、水泳場の監視要 >領や、救助法をメインに教えています。その関係で、最近着衣水泳 >に関する質問が増えてきました。服を着たまま川や海に落ちた場合 >の水泳方法や、服を脱ぐべきかそのままの方がよいのか、詳しい資 >料がなく困っています。  確かに、この手の資料は不足していますね。  学校での水泳では、教師も水着を着ていることが多いでしょうし、また、足も つくと思われます。  問題は、池や川そして一番考えられる海でのそれだと思います。  着衣のまま飛び込むことはあまりお薦めできませんね。  あわてて飛び込んでしまうことが多いと思いますが、可能であればズボンは脱 いだ方がいいでしょう。水を含んだズボンは非常に動きにくく、また、疲労度も 格段に違います。  水泳方法は救助隊で水難をされている方か、民間のライフセーバーの方がおら れれば専門的にお聞きできると思います。  確か、記憶によれば、溺者の後方から接近し、脇の下から手を回すと言うもの だったと思います。  基本的なものばかりで申し訳ありません。  救急災害医療メーリングリストにライフセーバーがおられますので、一度そち らの方で聞いてみましょうか?  もしかすると、専門書のようなものがあるかも知れませんよ。(^_^)

3.新聞記事より

Subject: [eml:03864] 着衣水泳について かなり長文 Date: 18 Jul 1997 12:16:36 +0900 Nです。 >  最近着衣水泳に関する質問が増えてきました。服を着たまま川や海に落ち > た場合の水泳方法や、服を脱ぐべきかそのままの方がよいのか、詳しい資料 > がなく困っています。 朝日新聞に、先日、着衣水泳の記事がでていました。 「資料」といえるかどうか分かりませんが、ご参考までに。 ……………………………………………………………… 着衣水泳 水着との違い、まずは体験(きほんのき) 97.07.13 朝刊 20頁 第2家庭(全1751字)  洋服を着たまま、誤って水に落ちたらどうするか。 泳ぎが苦手な身としては、想像するだけで身がすくむが、 いつそんな状況に遭わないとも限らない。 ここ数年、小中学校でも教えるようになった着衣水泳を体験。 「水泳のきほんは、まず命を守ること」と説く講師に、 とっさの対処法を教わった。  子どものころから水が怖かった。指導をお願いした埼玉大 学教育学部教授の野沢巖さん(五二)に打ち明けると、 「そういう人こそ、一度体験した方がいいんです」と勧められた。 野沢さんは野外運動学が専門。着衣水泳の研究と指導を始めて 二十年になる。毎年夏には、各地のPTAや公民館に呼ばれ、親子に教えている。                 *  大学のプールで講習を受けた。気温三六度。長そでシャツの上に トレーナー、綿パンツにスニーカーのいで立ちでプールサイドに。 「さあ、どうぞ」と促され、ひとまず、ザブーン。  「動いてみてください。服は重く感じないでしょ」  服を着て泳ぐとその重さで体が沈む、と考えてしまいがちだが、 実際は違った。服も水中では浮力の作用で軽くなる。重さは 「ゼロと考えていい」。ただ、体にまとわりついて水の抵抗 を受けるため、水着のようには動けない。  着衣水泳の授業で、水中で服を脱ぐよう教える教師もいるが、 野沢さんは否定的だ。「泳ぎながら脱ぐのは大変だし、体温も 奪われる。そんな時間があったら、岸に戻る努力をしたほうが いい」という。                 *  野沢さんの調べだと、誤って水中に転落したケースのほとんどは、 川や池などの岸から落ちた、というもの。それも岸から三メートル 内のところだ。「一番近い岸を確認してすぐに戻るのが得策」。 泳ぎが得意でない人は、バタ足と平泳ぎの手を使うといいと勧 められた。  プールサイドから横向きに落ちてみる。いったん沈んで浮き上 がり、泳ぐ方向を確かめて平泳ぎで戻る。その間、約十秒。 水を飲んでむせたが、あわてさえしなければ大丈夫だ。  「そう、あわてる必要がないとわかるだけでも体験する意味は あるんです」と野沢さん。流れのある川などでは、少し下流の岸 に向かって泳ぐこと。また、どうしても長い距離を泳がねばなら ないときは、「足のけりで体を浮かしてゆっくり泳げる、平泳ぎが いい」という。  岸から遠く、泳ぎにも自信がない場合はどうするか。「浮くも のにつかまって救助を待つんです」。「ラッコ浮き」だ。  転落者を見たら、とりあえずバッグやランドセルなどを投げる。 受け取ったバッグは逆さにして、手提げのひもをベルトの位置で 持ち、背浮きする。海面に浮いて腹の上で貝を割る、ラッコのス タイルをまねる。  衣類の入ったスポーツバッグを投げてもらった。体の力を抜いてラッコスタイルに。 バッグは防水加工してあり、パンパンにふくれてよく浮く。 水面から顔だけ出した状態でも、しばらくは耐えられそうだ。 一・五リットルのペットボトルでも試した。なんとか体は浮いた。  「人間の水中体重はゼロに等しいから、ちょっと浮くものが あれば大丈夫。普段持ち歩いているものはほとんど浮きます。 荷物も空気を含んで浮力を生むので、バッグは中身が入ったまま で投げるほうがいい」                 *  救助者は、落ちた人をバッグにつかまらせてから、大声で周りに助けを求める。救 助のロープがみつからない場合は、長そでシャツで代用する。いったんぬらし、そで 口を結んでつなげ、落ちた人の頭上目がけて投げて引き寄せることもできる。  運河が縦横に走るオランダを始め、欧州では水の事故から身を 守る着衣水泳は盛んだ。だが、日本の水泳指導は泳ぎ方や競泳中 心で、着衣水泳への取り組みはここ数年のことだ。 昨年七月、日本体育施設協会が調べた実施率をみても小学校で 四割、中学で二割にとどまる。  「水着と服を着たときの泳ぎは全然違う」と野沢さん。 一時間の講習が一生の備えになるなら、体験するに越したことは ない、というのが実感だ。  (斉藤泰生 イラスト・向井田りゅう)  <きほんの極意>  ▼服や靴は脱がない  ▼すぐに一番近くの岸に戻る  ▼浮くものにつかまって救助を待つ

4.着衣水泳について(ホームページ発信中)

Date: Fri, 18 Jul 1997 11:42:46 +0900 Subject: [rcml:00351] Re: 着衣水泳について >ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー > 最近着衣水泳に関する質問が増えてきました。服を着たまま川や海に落ち >た場合の水泳方法や、服を脱ぐべきかそのままの方がよいのか、詳しい資料 >がなく困っています。 >ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 長岡技術科学大学の斎藤です。 昨日7月17日梅雨空のもと、近くの小学校で着衣水泳の授業を行ってきました。 1。川や海に落ちた場合の水泳方法  浮いているのがベストです。着衣水泳とは水泳(泳)の字がくっついているので泳 ぐように解釈されやすいですが、本質は服を着たまま浮いて呼吸を確保することです 。すなわち、着衣水泳を行うときは浮き身の基本から入って、最終的に身近なものを 使って長時間浮いていることができるように指導するのが理想です。  川でながされても浮いているだけですか?という質問を受けますが、その先に滝で もない限り浮いて流されればいつかはだれかが助けてくれますと答えます。それぐら い長時間浮くことが要求されるし、練習でできるようになります。 2。服は脱ぐべきか  原則は、脱ぎません。夏でも水による体温低下はきわめて重大な危険要因です。例 えば昨日は水温26度、気温18度、天候雨でした。プールで泳いでいた子供たちは 冬服を着ていましたので最初の20分は寒がりませんでした。その後、ズボンだけ脱 がせたら3分の2の子供がふるえ出しました。一緒に入った小学校の先生も急に寒く なったとびっくりしてました。ズボンは浮具になるので、使えるときは脱いで使った ほうがよいのですが、他に浮くものがあればまずはそれを使用することを教えます。 3。その他 私のホームページ
http://hts.chem.nagaokaut.ac.jp/に着衣水泳の詳細が掲載して あります。また、長岡市立深沢小学校http://marcer.nagaokaut.ac.jp/~fukasawa/tyakui.html で昨年の実施例があります。今年の実施例は近日中にアップの予定です。  また、ご質問等はhts@nagaokaut.ac.jpか0258-47-9316(斎藤教官室直通)までい ただければいつでもお答えします。着衣水泳の授業方法は、まだ全国的に手探り状態 です。指導要領の整備を早く終了したいと考えてます。みなさんの質問やアイデアの なかに新しいヒントが隠れているので、ぜひそれらをお寄せ下さい。

5.コメント

Date: Fri, 18 Jul 1997 13:55:50 +0900 Subject: [eml:03866] 着衣水泳 ご質問の件はまるで素人なのですが、イギリスではその手の訓練が非常に先進的で、 水死による死亡数がとても少ないのを聞いたことがあります。 着衣については、上着なんかを脱いで、立ち泳ぎをしながら水上で広げて袋状にして、 布の浮き袋代わりにすることを子供達に訓練していたのをテレビで見たことがあります。 しぼんできたらまた膨らませて、ともかく自分で泳がずに何かに掴まって浮かんでいる ことを強調していました。       ☆     ☆     ☆     ☆     ☆ 最近スイミングスクールでも(ちなみに京都の踏水会というところだと思 いますが)、訓練の一環として着衣で水中に転落することを子供達に 体験させていると聞いています。

6.新聞記事へのコメント

Date: Fri, 18 Jul 1997 19:40:41 +0900 Subject: [rcml:00361] Re: 転送・[eml:03864] 着衣水泳について 長岡技術科学大学の斎藤です。 朝日新聞のきほんのきを私も読みました。 大部分は埼玉大の野沢さんに共感しますが、 「泳ぎながら脱ぐのは大変だし、体温も 奪われる。そんな時間があったら、岸に戻る努力をしたほうが いい」のうち、”岸に戻る努力”だけは疑問が残ります。 みなさん、岸の直下から急に深くなる場所を想像してください。防波堤、岩場、橋、 堀、用水路、、、、 これらはみな陸から水面までかなりの高さがある場所です。水がたんまりある場所は 水面と岸が同じ高さだと洪水を起こすから段差をつくってあるのです。したがって着 衣状態で落ちるとたいていの場合、岸に戻っても陸に上がれないことの方が圧倒的に 多いわけです。こうなると、岸まで戻っても努力は文字とおり泡となって消えていく ばかりです。 もう一つ理由があります。それは、水に落ちたときに心を落ち着ける時間がほしいと いうことです。一番最良の方法は青空をみながらねっころがることです。すなわち、 仰向けに浮いて30秒くらい空をみて、回りの景色をみて、状況を把握することです 。ここで岸に戻ることを強調すると単にがむしゃらに体を動かすことしか頭に浮かび ません。このパニック状態に陥った子供を10人以上みてきました(すべて本当に溺 れている)が、絶対に岸になんて戻れませんでした。 溺れた人をいままで20人近く救助してきました。なかには人工呼吸が必要でそれに より蘇生した人、意識障害はあったが呼吸があった人、水を飲んだだけで助かった人 がいました。私が救助した人はすべて社会復帰をはたしてます。溺れたての人は眼球 が飛び出るのではないかと思うほど目を見開き、縮瞳(これこそ目が点になる)して ます。特に子供がこのようになると本当にかわいそうです。人工呼吸をするとほんの 2〜3回吹き入れるだけで蘇生します。蘇生の瞬間は、溺者が腹部を大きくふくらま し、それをへこませるときです。同時に胃の内容物を戻します。異物除去を行い気道 を確保すると、しばらくして意識を回復します。ある6歳の女児の場合、意識が回復 してから大あばれをはじめました。近くにいたお母さんが「この子気がちがってしま った」と叫ぶほどの大暴れです。女児にしてみれば、記憶は溺れている状態で止まっ ているわけです。ですから暴れても無理がありません。 万が一水に落ちてもここまでひどい状態にならないように、着衣水泳の真の目的はこ こにあります。

7.コメント

Date: Sat, 19 Jul 1997 10:22:18 +0900 (JST) Subject: [eml:03869] 着衣水泳 ***I(○○消防)です。*** 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 私的で申し訳けありませんが、着衣での水泳について発信させて頂きます。 着衣での水中に転落した場合のとっさの行動及び方法を考えてみました。 1 何か荷物をもっている時の場合(リュック・ポシェット等の袋物)   中に入っている荷物は取り出さずに、そのままラッコのように胸の上に   置き、両手でつかみそのままでいるか、又は余力があれば、逆さカエル   泳ぎ(仰向けのままで平泳ぎのように両足を水中でかきます。)をして   岸まで泳ぎます。 2 浮輪を作る   スーパーでの買い物をしたときにもらう、白い袋をポケットの中に。   (ちゃらちゃらとしたやつ)   これって結構、役に立つんです。水面に取り出し両手で袋をサッと空中   で空気を入れ膨らませ、端を両手で空気が漏れないようにしっかりと持   ちその浮力で浮かびます。 3 その他は斉藤さんの言われたように服を利用する方法です。 水面に浮かんでいる人に捕まる物を与えることです。 1 ペットボトルの空容器を栓をして投げます。  (中に空気が入っているので浮輪代わりに役立ちます。)   できれば、2個が理想ですが・・・ 2 発砲スチロールの板をビート板代わりにする。 その他小さなものでも浮く物であれば、結構役に立つと思います。 追記:海水浴での子どもの水難事故防止対策 これから、海水浴シーズンですが、よく子供会で団体で海水浴を している風景を見かけます。 こんな時、子供さんを水難から守るために考えてみました。 1 子供さんを偶数のグループに分ける。(1斑を10人以下)   そのグループにキャップで色分けする。   (このときにできれば、遊泳区域をそれぞれのグループごと   に決めておき、それ以外の区域では泳がせないように指導す   る。)   これにより、岸から監視している大人達がすぐに人数を数え   ることができ、人員把握が迅速にでき、かりに人数が足りな   い場合はすぐに捜索が開始できると思います。 2 それぞれグループを2人1組にする。   そして、いつも一緒に行動させる。   (こうしておけば、かりに1人が溺れても、すぐにそばにい   る人が助けることができたり、大声を出して近くにいる人を   呼ぶことができると思います。)    あとは、遊泳時間を決めるなどして水難事故を予防して欲しいと 思います。 子供さんの水難事故は本当に両親にとって最悪の事態だと思います。 子供さんを守るのは引率の大人達です。 他人の子供さんもこの時は自分の子供となることを心にとめておい て欲しいです。 以上、勝手なことと思いつきでの発信で申し訳けありませんが、参考 になればと思います。 また、皆さん、ほかによい提案がありましたら、よろしくお願いいた します。

8.質問者より

Date: Mon, 21 Jul 1997 10:30:34 +0900 Subject: [fdp:00699] ありがとうございました(着意水泳) Iさん、Oさん、大変参考になるレスありがとうございました。 10日ほど前の朝日新聞に着衣水泳についての記事が掲載されてい たのを見ましたが、各消防本部等の指導方針を知りたくメールさせ ていただきました。レスが遅れて大変申し訳ありませんでした。 (ハードディスククラッシュおよび夏期休暇のため)。m(_ _) m 今までは、服を着たまま入水しないことと、万が一はまった場合 は落ち着いて岸へ戻るように程度で、もっぱら周囲のものが助ける 方法を指導していました。救急担当者や救助担当者と話をしてはい たのですが指導要領を決定することはできていませんでした。今後、 この情報を参考にさせていただき指導要領の作成に努力していきま す。どうもありがとうございました。m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m

9.追加情報:テキストとビデオがあります

Date: Sat, 09 Aug 1997 08:26:10 +0900 Subject: [fdp:00726] 着衣水泳の資料 着意水泳についての資料を探していたところ、山海堂というところから 教育現場で着意水泳を指導するためのテキストと資料が発売されて いるそうです。現在パンフレットを取り寄せ中です。 「山海堂」 03−3816−1617 テキスト1,680円。ビデオ4、935円です。

10. 長岡市の小学校で着衣水泳の訓練を実施(980723)

From: "hts" Subject: [neweml: 03716] 着衣水泳(長文です) Date: Sun, 26 Jul 1998 14:52:48 +0900 長岡技術科学大学の齋藤です。 さて7月23日に本学において近くの小学校の授業の一環でサバイバルフローテイング (俗に着衣水泳と呼ばれてます)を行いました。本学のプールは25mx6コース 、深さ1.3ー1.5mの競技用の室内プールですが、流水装置が設置されている ので流水下における競泳練習やサバイバルフローテイング(着衣水泳)の訓練がで きます。ここにおいて多分全国的にも初めてになるであろう、流水下でのサバイバ ルフローテイング(着衣水泳)の授業を行いました。 当日の指導スタッフは長岡市立深沢小学校の佐藤校長を始めとする教職員、大学か らは本学体育保健センター教官塩野谷と化学系教官齋藤です。対象は深沢小学校4 年生ー6年生までの48名でした。児童は過去2年間、静水下でのサバイバルフロ ーテイング(着衣水泳)の訓練を毎年夏休み前に体験しています。したがって48 名中ペットボトルのラッコ浮きが3分以上できない児童は1人だけで、あとはでき ます。 メニューは次の通りです。 13:40 入場、準備 14:00 ー14:10 水着で100mアップ。深さを確かめながら。(半数以上の児童はプール最深部で 顔が水面にでません) 14:10ー14:20 1コース(25m)のみを流水にして、流れにのって泳ぐ。4年生は最高流速1. 5m/s、5、6年生は最高流速3m/s、以下すべて同じ条件。 14:20ー14:30 着衣状態(長袖長ズボン、靴下着用)で流れに乗って泳ぐ。 14:30ー14:40 着衣状態でペットボトルラッコ浮き。 14:40ー15:00 着衣状態で流れるペットボトルをつかみラッコ浮き。その後水面に流れと垂直に渡 されたロープにつかまる、一連の動作。 結果について以下に速報します。始めに予想をいくつか挙げておき、それに対する チェックを行いました。 予想1)流水下では恐怖で溺れる 外れました。流水下のほうが体を横にしたとき浮きやすくなるので、流れにのって すいすい泳いでいました。特に4年生は静水下ではプールの真ん中でコースロープ につかまってしまう子供が多いのに対し、流水下では2ー3名でした。「川に流さ れたら流れにのって泳ぎながら岸に近づく」のがいいかもしれません。これについ てはもう少し実験を重ねはっきりさせたいと思います。 予想2)秒速3mの流れは練習には速すぎる 近くを流れる田んぼの用水路の流速が秒速3mほどです。この流速はかなりダイナ ミックです。流れをみただけで大人でもすくみます。この中では大人でも立ってい られません。しかしながら実際に流れてみると大した事はありませんでした。子供 たちはラッコ浮きしながら陸の上の先生に手を振る余裕すらあります。 予想3)流れの中でペットボトルをとることができない この予想はあたりました。手先でとろうとしてもペットボトルが逃げていきます。 とることに失敗したとたん溺れる子供が数名いました。浮く物につかまらないで顔 挙げ平泳ぎをした方が溺れないので、浮くものに捕まる瞬間こそが溺水の魔の瞬間 といえます。 予想4)水面に渡されたロープに捕まれない 水面に渡されたロープの光景は用水路でよく見ます。ほとんどの子供がこれにつか まることができました。しかしながら、上流からつかまえると首にかかります。い ったんロープの下流にでてつかむとうまく行きます。ただし、この方法も失敗する とチャンスを逃します。ベターなのは流れにたいして斜めにロープがはってある構 造です。これですといったん下流にでてもロープにつかまるチャンスが増えます。 写真やビデオもふんだんに撮りましたので、以上の結果はこれからホームページに まとめていきます。なんとか次のシーズン前に本として出版できるように準備を進 めてみます。ご意見、ご感想をお聞かせください。 新しい結果はまだ貼り付けてませんがホームページアドレスは
http://hts.chem.nagaokaut.ac.jp 齋藤秀俊 hts@nagaokaut.ac.jp

■救急・災害医療ホ−ムペ−ジ/ 全国救急医療関係者のページ
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