救急救命士法施行規則の一部改正に関する厚生労働省通知(2003年3月)
資料作成:2003年 3月28
日、四国がんセンター麻酔科 越智元郎
- 目 次
医政発第0326002号
平成15年3月26日_
各都道府県知事 殿
厚生労働省医政局長
救急救命士法施行規則の一部を改正する省令の施行について
今般、救急救命士法施行規則の一部を改正する省令(平成15年厚生労働省令第50号。以下「改正省令」という。)が、別添1のとおり、平成15年3月26日公布され、平成15年4月1日から施行されることとなった。
救急救命士法(平成3年法律第36号)の施行に関しては、従前より、平成3年8月15日健政発第496号等をもって御協力いただいているところであるが、下記に掲げる本改正の趣旨、内容及び留意点について後了知の上、消防主管部局とも連携し、適切な対処をお願いするとともに、医療機関等関係方面への周知徹底及び指導方よろしくお願いしたい。
記
第1 改正の趣旨
平成14年12月に取りまとめられた「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会」報告(以下「検討会報告」という。別添2参照)を踏まえ、迅速性が強く求められる除細動について、事前及び事後のメディカルコントロール体制の確立の下で、包括的指示による実施を認めるものであること。
第2 改正の要点等
1 除細動の包括的指示化
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除細動について、救急救命士法施行規則(平成3年厚生省令第44号)第21条第1号を改正し、救急救命士法第44条に規定する医師の具体的な指示を受けなければ行えない行為の対象から除外し、包括的指示による実施を認めることとすること。
2 無脈性心室頻拍について
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検討会報告において、無脈性心室頻拍(脈拍を触知しない心室頻拍をいう。)についても
早期の除細動が必要であるとされたことを受け、上記1にあわせて心肺機能停止状態の概念
に含まれることとし、救急救命士が除細動を実施できることとすること。
第3 留意事項
1 メディカルコントロール体制の整備について
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改正省令の施行後においても、除細動については、救急救命士法第2条第2項に規定する「医師の指示の下の救急救命処置」と評価しうる条件の下での実施が必要であることから、医師の包括的指示による実施を認めるものであって、医師の指示なくその実施を認めるというものではないこと。
この趣旨から、検討会報告にあるとおり、プロトコールの作成及び普及、講習カリキュラ
ムに沿った必要な講習の実施、プロトコールに沿った実施等についての事後検証体制の整備
など、事前・事後のメディカルコントロール体制の整備が包括的指示の下での除細動実施の
条件となることに十分留意されたいこと。
なお、こうしたメディカルコントロール体制の整備については、「メディカルコントロール協議会の設置促進について」(平成14年7月23日付け消防庁次長、医政局長通知)等関連通知を参照されたいこと。
2 所要の知識の普及
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包括的指示の下での除細動を実施する救急救命士は、救急救命士の国家試験に合格し、包
括的指示での除細動に関する講習(4時間以上)を修了していることが条件であること。
この点については、今後の救急救命士の養成課程の見直しにより、包括的指示下での除細
動の実施に関する教育を修了することとなる者を除き、同様であること。
第4 その他
1 「救急救命士法の施行について」の一部改正
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「救急救命士法の施行について」(平成3年8月15日健政発第496号厚生省健康政策
局長通知)の第五の2の①を次のように改める。
① 削除
2 「救急救命士養成所の指導要領について」の一部改正
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「救急救命士養成所の指導要領について」(平成3年8月15日健政発第497号厚生省健康政策局長通知)の別表2の1の(2)及び同(3)中「半自動式除細動器」を「自動体外式除細動器」に改める。
指第0326001号_
平成15年3月26日
各都道府県衛生主管部(局)長 殿
厚生労働省医政局指導課長
「救急救命処置に範囲等について」の一部改正について
救急救命士法施行規則の一部を改正する省令(平成15年厚生労働省令第50号)の施行については、平成15年3月26日医政発第0326002号をもって通知したところであるが、同令の施行に伴い、今般、「救急救命処置の範囲等について」(平成4年3月13日指発第17号厚生省健康政策局指導課長通知)の一部を下記のとおり改正することとしたので、後了知の上、関係方面への周知徹底及び指導方よろしくお願いしたい。
記
1 記の2中「別紙1の(1)~(3)」を「別紙1の(2)及び(3)」に改める。
2 別紙1(1)を次のように改める。
(1)自動体外式除細動器による除細動
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心臓機能停止の状態(別紙2〔共通事項〕②参照)の患者に対してのみ行うことが認められる。
3 別紙2を次のように改める。
医師の具体的指示を必要とする救急救命処置
項目 | 処置の具体的内容 | 医師の具体的指示の例 |
(1)乳酸加リンゲル液を用いた静脈路確保のための輸液
| ・留置針を利用して、上肢においては①手背静脈、②橈骨皮静脈、③尺骨皮静脈、④肘正中皮静脈、下肢においては、①大伏在静脈、②足背静脈を穿刺し、乳酸加リンゲル液を用い、静脈路を確保するために輸液を行う。 |
・静脈路確保の適否、静脈路確保の方法、輸液速度等 |
(2) 食道閉鎖式エアウェイ又はラリンゲアルマスクによる気道確保 |
・食道閉鎖式エアウェイ又はラリンゲアルマスクを用い、気道確保を行う。 |
・気道確保の方法の選定、(酸素投与を含む)呼吸管理の方法等 |
〔共通事項〕
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医師が具体的指示を救急救命士に与えるためには、指示を与えるために必要な医療情報が医
師に伝わっていること及び医師と救急救命士が常に連携を保っていることが必要である。
なお、医師が必要とする医療情報としては、全身状態(血圧、体温を含む。)、心電図、聴診器による呼吸の状況などが考えられる。
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上記(1)及び(2)の処置は心肺機能停止状態の患者に対してのみ行うことが認められる
ものであるが、心肺機能停止状態の判定は、原則として、医師が心臓機能停止及び呼吸機能停止の状態を踏まえて行わなければならない。
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心臓機能停止の状態とは、心電図において、心室細動、心静止、電導収縮解離、無脈性心室頻拍の場合又は臨床上、意識がなく、頸動脈、大腿動脈(乳児の場合は上腕動脈)の拍動が触れない場合である。
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呼吸機能停止の状態とは、観察、聴診器等により、自発呼吸をしていないことが確認された場合である。
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